2018-06-11

いろいろアーカイヴ_1・1974年のシネラマ・OS劇場などの半券。

不定期公開。
"映画にまつわるいろいろアーカイヴ"
1974年、2枚のシネラマ・OS劇場半券。
(鉛筆で「パピョン」「栄光のル・マン」)
下段、左は梅田地下劇場・右は梅田劇場の招待券。
どちらも現在のナビオ阪急にあった映画館。
(何を鑑賞したかは記載なしですが、時期的なことと記憶から推察するとそれぞれ「エマニエル夫人」と「伊豆の踊子」←山口百恵・三浦友和主演)

1974

当時のOS劇場は全席指定。
事前予約の場合は座席が印刷されているチケットに入場日時を検印する方法。(コンピューターチケッティングなど夢のまた夢。窓口の方が座席表を手作業で塗りつぶすアナログ手法)
右側手描き分は当日売り。

Daimai_t

こちらは(超という呼び名が相応しい)名画座、大毎地下劇場
一番上の招待券。
裏側に周りにあった飲食店などの案内が掲載されていて「鶴のす」「インディアンカレー」などが。
(閉館後、ビル建て替え時にテナントとして残っていた「鶴のす」が昨年、閉店してしまったのは悲しい)

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2018-06-01

無一物(むいちもつ)『モリのいる場所』沖田修一監督、山崎努、樹木希林、他

注・内容に触れています。
モリのいる場所

監督 : 沖田修一
出演 : 山崎努
樹木希林
池谷のぶえ
加瀬亮、吉村界人
光石研、青木崇高
吹越満、きたろう
林与一、三上博史

物語・画家の守一(山崎努)は草木が生え、いろいろな種類の生きものが住み着く自宅の庭を眺めることを30年以上日課にしていた。妻と暮らす守一の家には、守一の写真を撮る若い写真家の藤田、看板を描いてもらおうとする温泉旅館の主人、隣人の夫婦など来客がひっきりなしだった。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Mori1

Memo
冒頭から驚いた。
「これは何歳の小学生が書いた絵ですか?」
昭和天皇(林与一)の台詞で幕を開ける。
続く長野で旅館をやっている朝比奈(光石研)が看板を書いてほしいと訪ねてくれるシーン。
「長野!?それは大変だったでしょう。さっそく準備しましょう」
「よかったねぇー、あんた」
「先生はめったに書いてくれないから」
(現に表札が何度も盗まれている)
「新幹線のこと知らないから、ここへ来るの、ものすごく時間がかかったと思われてる」
出された大きな檜。
見守るギャラリー(誰?という人も 笑)
そして書かれた文字。
(旅館名ではなく熊谷守一の好きな言葉)
無一物
鑑賞後用に録画しておいた展覧会のナビ番組『生きるよろこび 画家 熊谷守一の軌跡』と『美の巨人たち/宵月』をチェック。
1972年のドキュメンタリー映像で庭を歩く姿や夫婦で囲碁をうつシーンが部分使用されていた。
蟻の一歩についても。
(紹介作品は1958年「豆に蟻」)
蟻は左足の前から二番目の足から歩き始める
そして、もうひとりの出演者とも言える家、昭和7年築!
インタビュー記事などを読むと全体が見渡せる画面は写さず、庭自体の広さが判別できるのはラスト、写真家・藤田が隣に建てられたマンションの屋上にあがって写真を撮る件(くだり)
こんなに狭かったんだ…。
藤田もアシスタントも、そして本作を観てきた観客もここで驚かさせられる。
その「美の巨人たち」の中で山崎努さんへのインタビュー。
「一貫してマイペースを貫いた人ですよね。彼は見る人でね。見るということはインプットすることで、見た経験が自分の中で発酵してそれが作品としてアウトプットするわけですよね。だけども守一さんの場合は絵を描くためになにかを観察したり勉強するわけじゃないんでね。そういう生き方って贅沢だと思いません?
「好きに作品は『宵月』です」
「あの青は僕にとってはね深くてね。よく見るとあの節のところにジャイアンツのGって書いてあるんですよ。ユーモアあるんですよ」
(本当に熊谷守一さんが好きなんだなぁ、ということが伝わるインタビュー)
じーっと石を見て動かない熊谷。
(まさに本人も石と同化?いや、その前に庭と一体化しているか)
あ、動いた
蟻の隊列について、どうやって撮影したのかについて「モリカズさんと私」に書かれていました。意外とシンプルな方法。(ちなみに黒澤明監督『八月の狂詩曲』でリチャード・ギアと子どもが蟻の行列を見るシーンがあるが、そちらはフェロモンを発生させる装置を使ったりと超大掛かりなシステムで撮られたとのこと。)
設定が1974年。
ドリフターズに志村けんが加入した件の話があっての、たらい落としネタやいつの間にか加わっていた知らない男(三上博史)が実は宇宙人?など一見、リアリスティックに寄りがちなドラマを見事にハネさせていて、この空気感を醸しだす沖田修一監督作品は好みだわぁー。
で、おなじみの食べものネタ。
伊勢海老『南極料理人』海苔『キツツキと雨』とんがりコーン『滝を見にいく』ピザ『モヒカン故郷に帰る』と続いて、本作は牛肉。(姪がついつい買ってきた大量の牛肉。続くシーンが想像どおりで笑ってしまった)

今年(2018年)東京で開催され現在、愛媛県美術館で開催中の『没後40年 熊谷守一 生きるよろこび』展。(6月17日まで)
音声ガイドが山崎努さんと樹木希林さん!
http://kumagai2017.exhn.jp/

Mori2

映画『モリのいる場所』公式サイト
http://mori-movie.com/

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2018-05-31

タイトルデザインやロケ地のこと_1『レディプレイヤー1(Ready Player One)』『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~(Stronger)』『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(I, Tonya)』『ホース・ソルジャー(12 Strong)』『アンロック/陰謀のコード(Unlocked)』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(The Florida Project)』

最近のタイトルデザインやロケ地をまとめて。

レディ・プレイヤー1
Ready Player One
スティーヴン・スピルバーグ監督
Main and End Titles
SCARLET LETTERS
あのロケ地はどこ?
Where was Ready Player One filmed?
https://www.atlasofwonders.com/2018/03/ready-player-one-filming-locations.html

Rpo

ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~
Stronger
デヴィッド・ゴードン・グリーン監督
MAIN TITLE DESIGN & END CRAWL
Plucky

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
I, Tonya
クレイグ・ギレスピー監督
Main and End Titles
BIG FILM DESIGN

ホース・ソルジャー
12 Strong
ニコライ・フルシー監督
Titles BY SCARLET LETTERS
Opening Prolog Design BY THOMAS COBB

アンロック/陰謀のコード
Unlocked
マイケル・アプテッド監督
Title Design & Animation
MATTHIAS BRAUNER

Fp

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法
The Florida Project
ショーン・ベイカー監督
今回は『タンジェリン』のようにiPhoneだけでの撮影ではなく35mmフォーマットも使用されている。
それゆえのラストの美しさ。
ふいにおとずれる魔法。
監督インタビューで印象に残った言葉。
「映画はセルロイドとともに生まれたということを、決して忘れてはいけないと思います。そういう意味では、クリストファー・ノーランとまったく同じ意見です。」
ロケに使われたモーテル
Movie Maps
https://moviemaps.org/movies/3hn

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2018-04-06

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(THE POST)』スティーヴン・スピルバーグ監督、メリル・ストリープ、トム・ハンクス

ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書
THE POST

監督 : スティーヴン・スピルバーグ
出演 : メリル・ストリープ
トム・ハンクス
サラ・ポールソン
ボブ・オデンカーク
ブラッドリー・ウィットフォード
トレーシー・レッツ
マイケル・スタールバーグ
ブルース・グリーンウッド
サーシャ・スピルバーグ、他

物語・ベトナム戦争の最中だった1971年、アメリカでは反戦運動が盛り上がりを見せていた。そんな中、「The New York Times」が政府の極秘文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在を暴く。ライバル紙である「The Washington Post」のキャサリン(メリル・ストリープ)と部下のベン(トム・ハンクス)らも、報道の自由を求めて立ち上がり…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Post

Memo1
トランプ米大統領から「ハリウッドで最も過大評価された女優」と名指し攻撃されたメリル・ストリープがワシントン・ポストの社主役(なんと痛烈で痛快な素晴らしいキャスティング!←トランプ氏『ワシントン・ポスト』嫌ってますからねー。最近もamazon批判で間接的に攻撃してたし)。
1971年の物語ながら、まさしく「今そこにある報道の自由の危機」を描いた現代の話となっている。
ヤヌス・カミンスキーによる35mmフィルム撮影。
スキップブリーチではないと思われるが彩度・カラーパレット含め、そこから感じ取れる70年代映画質感。
(後述リンク先にレンズの事などについて書かれたものあり)
アン・ロスによる衣装。
ジョン・ウィリアムズのスコアも控えめながら渋い旋律。
『ニューズウィーク日本版』2018年4月3日号に「ベトナム戦争の嘘を暴いた男」ペンタゴン・ペーパーズをリークしたダニエル・エルズバーグについての記事が掲載されていました。
おぉっ!ここが映画の冒頭で政府側の嘘、欺瞞を知ってしまった が機密文書を持ち出し複写機(デカイ!)をかけてコピーをとる、あのシーンとつながるのか!と膝をうつ内容。
そしてスピルバーグ監督の時間省略など映画的手際よさにも気づく。
(実際は文書持ち出しまでに数年のタイムラグがある)
メリル・ストリープ演じるキャサリン。
夫の死によって突如「ワシントン・ポスト」社主となり完全に男社会丸出しだった世界へ入ってきてやっている感がものすごくよく表れていた(そして経営者でもあり数字も追わなければいけない。そんなこと自分にやれるかしらとオドオドした様子も)。
・会議の時に重たい資料を全部手持ちでテーブルの上に置いた際「そんなものはスタッフが用意するものだ。何も知らないで」的な馬鹿にしたような視線をおくられる。
・ベンがキャサリン宅に訪ねてきた際、就寝時の服で歩きまわり子どもが走り回っている緊張感の無さにやや言葉を失う。
・その後、近しい友人であったマクナマラのついていた嘘(自分へと国民へとの二重の嘘)と報道の公正さの間に立ち、社主としての
・そして、ニクソン側の圧力に対して輪転機が回る締切りぎりぎりの深夜の決断。
ベンや経営陣、弁護士の輪の中。
「出します」
続く台詞が洒落ている。
「寝るわ」
ベン・ブラッドリーの娘が売ってるレモネードに対して「いくらで売ってるんだ?」「25セント」「倍の値段に。インフレだよ」とひとこと。
(次のシーンでダンボールに書かれた値段が50セントに 笑)
これだけで当時のインフレ状態をあらわす茶目っ気たっぷりの上手さ(ちなみにニクソンショックは文書公表記事のあと)
そう言えばトム・ハンクスって『フォレスト・ガンプ』でウォーターゲート事件、目撃してたし…(このシーン、本作のラストカットとそっくりだったような…)

Memo2
ニューズウィーク日本版ウェブの記事
映画で描かれない「ブラッドレー起用」秘話
ワシントン・ポスト社主キャサリン・グラハム自伝・第2章より抜粋。
その3回目
https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2018/03/post-9860.php
Main and End Title
SCARLET LETTERS
IMDbでアスペクト比を見ると1.85 : 1 (アメリカンビスタ)になっていたので何か理由があるのかと思っていたら、Kodakのニュースレターにこの記事が。
「ヤヌス・カミンスキー(ASC)がスティーヴン・スピルバーグ監督の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』をコダック35mmフィルムで撮影
https://www.kodakjapan.com/motionjp-mag102
実際のアメリカ国立公文書記録管理局によるペンタゴン・ペーパーズ(全文/英語サイト/ファイルはいくつかのPDFに分割されています)
https://www.archives.gov/research/pentagon-papers

Memo3
2018年「春のスピルバーグまつり
本作と『レディ・プレイヤー1』と続けて見られる幸福感。
デビュー時から現在までリアルタイムで公開時に作品を見続けられている監督って誰だろう?と考えたときにすぐに思い浮かんだのはスピルバーグ監督。
(ヒッチコック監督は遺作となった『ファミリープロット』だったし、ビリー・ワイルダー監督は『フロントページ』からだったし、コッポラ監督は『ゴッドファーザーPART2』からだったしウディ・アレン監督は『アニー・ホール』からだったしと…以下略)
また、見た作品と劇場(映画館)の名前がセットになって覚えているのも思えば個人的映画記憶となっています。
特に1970年代。
『激突』梅田コマゴールド(←こちらはテレビ放送後、劇場公開パターン)『続・激突 カージャック』阪急プラザ劇場『ジョーズ JAWS』梅田東映パラス『未知との遭遇』OS劇場…
ずっと見続けている映画監督が今もなお最新作を撮り、しかも傑作を生み続けているのはとても嬉しい!

映画『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』公式サイト
http://pentagonpapers-movie.jp/


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2018-04-05

Netflix『アナイアレイション 全滅領域(Annihilation)』アレックス・ガーランド監督、ナタリー・ポートマン、オスカー・アイザック、ジェニファー・ジェイソン・リー、他

注・内容、ラストに触れています。
アナイアレイション -全滅領域-
Annihilation

原作 : ジェフ・ヴァンダミア
監督 : アレックス・ガーランド
出演 : ナタリー・ポートマン
オスカー・アイザック
ジェニファー・ジェイソン・リー
ジーナ・ロドリゲス
ソノヤ・ミズノ、他

物語・秘密任務から生還した夫ケイン(オスカーアイザック)が危篤状態に。最愛の人を救うべく、生物学者のレナ(ナタリー・ポートマン)は政府が封鎖した地域へと足を踏み入れる。その異様な世界で、彼女は一体何を見たのか。

Ann

Memo1
原作未読。
監督インタビューなどを読むと映画化にあたった際には3部作として完成したものも構想も知らずに本作原作のみを元に脚本化したと語っているとおり、これ1作品として完結したものとして鑑賞。
人工知能テーマ『エクス・マキナ』の次に撮った(あるいは選んだ)作品が『アナイアレイション』ということに、ひとつの流れを感じる。
衝撃的であり鳥肌モノ。
灯台に落ちた隕石(らしきもの)そこから広がっていき「揺らめく光(シマ―)」に覆われて出来た空間「エリアX」
(囲むという点では後述映画以外に昨年放送されたアニメ『正解するカド』なども思いだしたり…)
「お前は本当にホンモノなのか?」
「ひとつの細胞がふたつに分かれ…」
『エクス・マキナ』でも描かれていたテーマのひとつ。
(ラスト、ネイサンの邸宅から外界へ出たエヴァはあの後どうなったのだろう?)
同じように「エリアX」から外界に出たレナ(らしきもの)と突如、戻ってきた夫ケイン(らしきもの)
彼らはこの後どうなったのだろう?
昨年のヴィルヌーヴ監督『メッセージ』やタルコフスキー監督『ストーカー』などはもちろんのこと、共にダグラス・トランブル監督『ブレインストーム』や諸星大二郎『生物都市』も想起した。
いかなる異界を見せてくれるのかという点では到着した場所(0ポイントとでも呼ぶべき)灯台付近や植物化された村などが個人的見どころ。
そして…
なんともいいようのない怪物。
パッと見、熊や狼などの類いなのだが、よく見ると違う。
しかも鳴き声が(出来れば映画館で聴きたかった)それはそれはおぞましい襲われた人間の絶命する瞬間の声(なんたるサウンドデザイン)
ラスト。
ケインじゃないでしょう?
「そうだ」
君はレナか?
カメラが横に動きガラスがフィルターのように画面の色を変える。
瞳の虹彩の変化が告げているものは?

Memo2
アレックス・ガーランド監督のインタビューを読むとある種の諦観ともプラス思考的ペシミスティック未来像を持っていることがわかる。
以下『WIRED.20』(『エクス・マキナ』公開時)より抜粋
「~人間はこの星で滅びるんだ。それは環境破壊のためかもしれないし、太陽系や太陽で起こる変化のためかもしれない。でもそれが起こるとき、われわれは決してワームホールを通り、別の銀河に行って、古くからある生存可能な惑星を見つけることなんてない。そんなことはありえなくて、われわれの代 わりに生き残るのは AI なんだ。 もちろん生みだせればの話だけど。 問題はなにもない。むしろ望ましいことだよ」
「アナイアレイション」
あのロケ地はどこ?
Where was Annihilation filmed?
http://www.atlasofwonders.com/2018/02/annihilation-filming-locations.html
Main and End Title Design

『エクス・マキナ』と同じくMATT CURTIS
発生、増殖、進化、曼荼羅をイメージさせる秀逸なエンドタイトル。

『アナイアレイション 全滅領域』Netflix公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/80206300

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