2017-08-17

タイトルデザイン_52 Perception『スパイダーマン : ホームカミング(SPIDER-MAN: HOMECOMING)』ジョン・ワッツ監督、トム・ホランド、ロバート・ダウニー・Jr、マイケル・キートン、他

注・内容、ラスト、エンドクレジット後に触れています。
スパイダーマン : ホームカミング
SPIDER-MAN: HOMECOMING

監督 : ジョン・ワッツ
出演 : トム・ホランド
ロバート・ダウニー・Jr
マイケル・キートン
マリサ・トメイ、他

物語・15歳の高校生ピーター・パーカー(トム・ホランド)は、まるで部活動のようなテンションでスパイダーマンとして活動していた。まだ若い彼の才能に気付いたアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、ピーターを真のヒーローとして育てようとする。スタークに新しいスーツを新調してもらったピーターは、意気揚々と街へ乗り出し…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Home

Memo1
マーベル作品でも、ちょっと傍系(と、勝手に呼んでいる)『アントマン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ドクターストレンジ』が好物な自分としては、本作展開は嬉しい限り。
(そして『アイアンマン』とのDIY系映画繋がりも←1作目の手作りロケッティア風アイアンマンあたりのノリ)
シビルウォーに参加した際「キャプテン・アメリカの盾を奪った」と有頂天モードがいかにも高校生(授業にはちゃんと戻るのも偉い 笑)
泥棒から奪い返した自転車に残したメモとラストのバルチャー捕獲時のメモが同じノリというのも可笑しい。
ほとんどのスタントを行ったトム・ホランドの身体性。みるからに軽々としていて、それだけで全体に躍動感が生まれている。
Netflixにジョン・ワッツ監督『クラウン』『COP CAR/コップ・カー』そしてジョン・ヒューズ監督『フェリスはある朝突然に』『ブレックファスト・クラブ』が揃っているという、まるで準備していたかのような‥
(エンドクレジットに『フェリス〜』も記載)
脱出経路を指示するイスの男(笑)ネッド。
最初、ウザい感じが見ているうちに「お、これは名パートナー」と思えてきた。
「絶対に話すなよ」に対して普通だったら「いや、話さないよ」と返すところをすかさず「絶対喋りまくってしまう」と即反応するのも、笑える(で、この感覚もSNS時代の脊髄反応っぼくて面白い)
この最初から正体バレているというのも新機軸。
(今後も絶対うっかり喋りそう 笑)
また次回以降に展開されていくと思しきラストで明かされるミシェル(デンゼイヤ)の愛称「MJ」など楽しみな伏線も用意されている。
『ファウンダー』で"(吉本新喜劇風関西弁で)「エっゲツなぁ~」"企業人を演じたヴァルチャー役のマイケル・キートンが中小企業人(しかも雇った従業員のことを考えての悪事動機。バットマンとバードマンを演じて)
また『ファウンダー』で最も大事なのは「忍耐」と語っていた台詞が、偶然なのかエンドクレジット後のキャップによる教育ビデオ(日本だと松岡修造が熱く語りかけてくるようなノリ?笑)でも出てくるあたりが面白い。
(おそらくはカーネギーなどによる"アメリカ自己啓発的なもの"の根っこが同じなのだろうなぁ、などということを思った←『ファウンダー』に出てきたトランプ大統領愛読の"あの啓蒙書"とか)
スーツ内蔵AI「カレン」
声がジェニファー・コネリー。吹き替え版は井上喜久子さんという抜群の布陣。
恋のアドバイスから各種モード(瞬殺モードからおまかせまで 笑)とやりとりが面白い。(スーツの眼が細く釣り上がっり変化するのも斬新)
ラストのトニー・スターク秘書、ペーパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)再登場も嬉しい限り。(『アイアンマン』初公開時には秘書限定試写会などという企画もあったような)

Memo2
バルチャー戦を終え、アベンジャーズ入りも断り"ご近所ヒーロー"の道を選び、自宅の部屋に戻るとトニー・スタークからの紙袋がベッドの上に。
中にはスターク製スパイダーマンスーツが。
すかさず嬉々として着替えると…。
「なにしてるの?」
鏡に写るメイ叔母さん。
(あ!?み、見つかっちゃったー?!と、いったピーターの顔)
絶妙タイミングで監督クレジットが入って、POPなアニメーションエンドタイトルシークエンスへ。
そのタイトルデザインはPerception
(該当動画は coming soon! 表記となっていますがスケッチ関連はART BOOKから掲載されたもの有り)
http://experienceperception.com/homecoming.html

映画『スパイダーマン:ホームカミング』
公式サイト
http://www.spiderman-movie.jp/

| | トラックバック (5)

『オクジャ/Okja』ポン・ジュノ監督、アン・ソヒョン、ティルダ・スウィントン、ポール・ダノ、ジェイク・ギレンホール、他

オクジャ/Okja
Okja

監督 : ポン・ジュノ
出演 : アン・ソヒョン
ティルダ・スウィントン
ポール・ダノ
ジェイク・ギレンホール
リリー・コリンズ
スティーヴン・ユアン
ピョン・ヒボン、他

物語・心優しい巨大生物オクジャと一人の少女ミジャ、そしてお祖父ちゃん。田舎で平和に暮らしていた彼らが、現代社会の科学倫理と動物愛護主義、企業欲の醜い争いの渦に巻き込まれていく。

Okja

Memo
本年エポックメーキングな出来事として記憶されるであろうストリーミング配信によるポン・ジュノ監督新作。
本作のためにNetflixに入った知人が3人(無料期間でお試しだったけれど、湯浅政明監督『デビルマン』もあるし、そのまま継続。コンスタントにオリジナル新作映画が送り出され、アーカイヴとしてもメル・ブルックスからドラン監督、映画祭のみで公開されていた作品など全方位的リサーチ力にしてまったくもって"沼"である。←また、知人と意見の一致をみたのが、もし劇場公開されたら既に見ていたとしても絶対に観に行くということ。これすごく重要なポイントだと思う)
音も良い!
(韓国パートでの高速道路、トンネルに入った瞬間途切れる音のタイミングなど緩急極まる使い分け←良い音の劇場で見たいなぁ…)
入口天国、出口は地獄。
前半、誰もが思うは宮崎駿作品(トトロやもののけ姫の森)
後半はこれまた多くの方が書かれていたアウシュビッツ収容所の如き、暗黒食肉工場。
(これ、本当に通常の映画会社だったら絶対NGな内容)
列車内という移動制限される中という設定と初の英語劇ということもあってか『スノーピアサー』では100%ポン・ジュノ印が出てなかったように思うけれど、本作は時にスピルバーグ、時にテリー・ギリアム、時にエミール・クストリッツァ感が復活していてめちゃくちゃ面白かった。
ティルダ・スウィントンが『スノーピアサー』に続いて(もはやポン・ジュノ組と呼べるほどの馴染み具合で)怪演(ミランド双子姉妹ネタは、もう少しふくらませられそうな気もするけれど、そうなると本線から逸脱するほど濃いキャラになるか…笑)。
そして、出てくるだけで不安と不穏当な気分にさせてくれる(マスクの下のおよいだ眼)ポール・ダノ(環境保護団体ALF・ジェイ)。
『ナイトクローラー』でキレた眼をしていたジェイク・ギレンホールがハイテンションで演じたジョニー・ウィルコックス博士(動物学者公式キャラクターって 笑)
ミジャ、オクジャとその語感からもわかるとおり、どちらかというと兄弟姉妹(時に母親のようでもありますが)のような、ふたり関係(ひとりと一匹)。
「夕食の時間だよ~」とお祖父ちゃんの山中放送。
急いで危ない崖っぷち近道を通ろうとするミジャに嫌な顔を浮かべるオクジャ。
すると案の定、本当に危ない目に。
そのあとオクジャの「ほらぁ、言わんこっちゃないでしょー」というミジャに対しての態度 笑
(しばらく見ていると、このミジャを演じた子役アン・ソヒョンの顔がオクジャにそっくり!)
撮影ダリウス・コンジはウディ・アレン作品が続いていたけれど、このようなタイプの凄いデジタル撮影を行っていたことに驚き。
カラコレも素晴らしい。
に映えるの色。
一転して、研究所、工場内のダークな色調。
お祖父ちゃんを演じていたのが『ほえる犬は噛まない』のピョン警備員(こちらは犬を……ている。この頃から"食"に!?)と『ほえる犬は~』パンフレットデザインの大島依提亜さんツイートで気づく。(どこかで見た顔だなぁ、と思いつつ、喋り方が変わっていないけれど見事なお爺ちゃん役者に!)

Okja/オクジャ
Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
https://www.netflix.com/title/80091936

| | トラックバック (0)

2017-08-16

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(The Founder)』ジョン・リー・ハンコック監督、マイケル・キートン、ローラ・ダーン、他

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
The Founder

監督 : ジョン・リー・ハンコック
脚本 : ロバート・シーゲル
出演 : マイケル・キートン
ローラ・ダーン
ニック・オファーマン
ジョン・キャロル・リンチ、他

物語・1954年、アメリカ。シェイクミキサーのセールスマンである52歳のレイ・クロック(マイケル・キートン)は、8台もミキサーをオーダーしてきたマクドナルドというドライブインレストランに興味を覚え訪ねてみる。そこでレイは、経営者のディックとマック兄弟による、高品質、コスト削減、合理性、スピード性などを徹底させたビジネスコンセプトに感銘を受ける。契約を交わしてフランチャイズ化を進めるが、ひたすら利益を求めるレイと兄弟の仲は険悪になっていき…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Founder

Memo
(吉本新喜劇風関西弁で)「エっゲツなぁ~」
ゴリゴリの押し押し人物をマイケル・キートンが怪演。
何故「マクドナルド」の名前でなければならなかったのか?
それは名前の響き。
「◯◯バーガー」「××バーガー」「バーガー、バーガー…そういった名前ばかりだ」
「それに対してマクドナルドから受ける印象は、どうだ。いかにもアメリカらしい名前だ」とやたら語る。
確かにチェコ系ユダヤ人であるクロックという響きのまま"クロックバーガー"と名付けていたらどうだっただろうとも思う。
「キッチン(ニワトリ小屋)にオオカミをいれてしまったんだ」
(気づいたときは、もう遅かりし)
パーセンテージ契約では、あまり自分への利益が出ず、そのことでマクドナルド兄弟との確執が深まっていく中、偶然銀行で隣に居合わせた男からのアドバイスで実権を握り始める。
(エンドクレジットにも記されるとおり、チェーン店としての凄さというより、世界最大の好立地/不動産を所有している会社)
「溺れかかっているライバルにホースで水を飲ませる」とレイが言っていたとおりラストでは、マクドナルド兄弟が名前を「ビッグM」に変えて再オープンさせたハンバーガー店の向かい側にマクドナルドを出店するレイの姿が描かれる。
2回出てくる台詞
(レイは何かを生み出したわけでも創業者でも無い。それ故、そのたびに一瞬、言葉につまる)
「創業はいつ?」

映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』
公式サイト
http://thefounder.jp/

| | トラックバック (2)

2017-08-06

"AS TIME GOES BY"『20センチュリー・ウーマン(20th Century Women)』マイク・ミルズ監督、アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ルーカス・ジェイド・ズマン、他

20センチュリー・ウーマン
20th Century Women

監督 : マイク・ミルズ
出演 : アネット・ベニング
エル・ファニング
グレタ・ガーウィグ
ルーカス・ジェイド・ズマン
ビリー・クラダップ、他

物語・1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ、自由奔放なシングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、15歳の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に頭を悩ませていた。そこで、ルームシェアしているパンクな写真家のアビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に暮らすジェイミーの幼なじみジュリー(エル・ファニング)に相談する。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

20

Memo
ジェイミーが3世代の女性から受ける啓示。
息子の成長、世代間の差異。
とまどう母親のこともよく感知している優しいジェイミー。
それを見守る(姉のような、友だちのような、メンターのような)ふたりの女性(←ジュリーのポジション、ジェイミーにとってはとっても罪な…。とはいえジュリーも、また悩んでいるわけですが…)
空撮から入り、同じように空撮で終わる。
現在と違って1979年におけるシングルマザーとはいかなるポジションだったのだろう?
母ドロシアとジェイミーの株価読み上げの時に「IBM」の名前が出ていたけれど、Appleが株式を公開するのは翌年(1980年)なので、もしかして、その際にはチェックしていたりして 笑
『フォレスト・ガンプ』でダン中尉がリンゴ農園(果物の会社)に投資していたおかげで生活には困らなくなったガンプ、みたいなことが!?
パンフレットのテキスト量がとっても多い。
このまま写真部分を増やして書籍化してもよかったのでは?と思える内容。
本作に出てくるカルチャーを理解する上でのサブテキストとしても重要。
第89回アカデミー賞・脚本賞にノミネートされた、その脚本(英文・PDF保存可)
(2017年6月11日現在リンク確認済み)
http://scriptfest.com/home/wp-content/uploads/2017/01/20TH-CENTURY-WOMEN.pdf
タイトルデザイン
Opening credits – typography
使用フォントはNews Gothic
http://annyas.com/screenshots/updates/20th-century-women-2016-mike-mills/
メインタイトルを出すタイミングが極上の美しさ。
マイク・ミルズ監督のグラフィック・デザインワークなどを見ることができます。
Mike Mills / Film / Art / Graphics
http://mikemillsmikemills.com/

映画『20センチュリー・ウーマン』公式サイト
http://www.20cw.net/

| | トラックバック (1)

『セールスマン(Forushande)』アスガー・ファルハディ監督、タラネ・アリシュスティ

セールスマン
Forushande

Director : Asghar Farhadi
Writer : Asghar Farhadi
Stars : Taraneh Alidoosti
Shahab Hosseini
Mina Sadati
Babak Karimi

Sales

Memo
戯曲『セールスマンの死』は古い建物が壊され新しい建物が次々と作られてていくニューヨーク。
冒頭、隣のビル解体のためエマッドたちの住むアパートも倒壊の危険性があるということで出るはめとなる。
そのように本作も都市化が進むイランという町全体がひとつのメタファーとしての装置として働いている。
『セールスマンの死』舞台照明の、娼婦役の着るいコート、そして主人公ラナの巻くヒジャブ(スカーフ)の、血痕の…、と
ファルファディ監督作品のカラーアクセントの使い方がとても好み。(以前の作品などからもわかるとおり)そもそもがカラコレ自体がきっちりとしている。
前の住人、アフーについては姿を現さないことによって逆にイメージが膨らむ。
それは戯曲『セールスマンの死』での娼婦の存在と補完関係にある。
明るい音楽が流れる食事シーンが一転、重~い空気充満の見ているこちらも息がつまる場面。
「食べるな」
「例の男が残した金だ」
アスガー・ファルハディ監督『彼女が消えた浜辺』主演のふたり。
タラネ・アリシュスティゴルシフテェ・ファラハニがそれぞれ本作『セールスマン』まもなく公開ジム・ジャームッシュ監督『パターソン』と続けて公開されるというタイミング。
それにしても、なんという上手さだろう!

映画『セールスマン』公式サイト
http://www.thesalesman.jp/

| | トラックバック (1)

«『今日までそして明日からも、吉田拓郎』tribute to TAKURO YOSHIDA