2017-11-23

『ローガン・ラッキー(Logan Lucky)』スティーヴン・ソダーバーグ監督、チャニング・テイタム、アダム・ドライヴァー、ダニエル・クレイグ、他

注・内容、台詞などに触れています。
ローガン・ラッキー
Logan Lucky

監督 : スティーヴン・ソダーバーグ
出演 : チャニング・テイタム
アダム・ドライヴァー
ダニエル・クレイグ
ライリー・キーオ
セス・マクファーレン
ケイティ・ホームズ
キャサリン・ウォーターストン
ドワイト・ヨーカム
セバスチャン・スタン
ジャック・クエイド
ヒラリー・スワンク、他

物語・物語・脚が不自由で仕事も家族も失ったジミー(チャニング・テイタム)は、人生を一変させようと犯罪計画を立てていた。それはカーレース「NASCAR」が開催されるサーキット場の金庫から、大金を強奪するというものだった。片腕を失った元軍人の弟クライド(アダム・ドライヴァー)、カーマニアの妹メリー(ライリー・キーオ)、爆破のプロで服役中のジョー(ダニエル・クレイグ)を仲間に迎えるジミー。ジョーを脱獄させて金庫を爆破し、再び彼を獄中に戻す大胆不敵な計画は順調に進んでいたように思えたが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Lucky1

Memo1
終始、見ている間。ニマニマがとまりません。
ハラハラドキドキさせるタイプの作品ではなく「まっさかぁ~、こんなに上手くいくわけがないじゃん 笑」と思っているうちに(観客も計画の全貌がわからないまま、ことの成り行きに)まんまと乗せられたままラストまで。
ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダー一味がウェストバージニアでやらかした、みたいな気分を味わいつつ、あー、こんな映画を見たかったのだよ、うんうんと頷くことしきり。
『オーシャンズ』シリーズや『コンテイジョン』などでおなじみ、伏線回収、空白の時間の解説(種明かし)シークエンス。小気味良いテンポでサササーっと描いていく。
(『コンテイジョン』のパンデミック発端が判明する遡りラストは怖かったー)
全編、小ボケが効いた台詞が多数。
・「森に行ってクマに会ってこい
(あるぅ日ー、森のなぁかー、クマさんに~、ではあるまいし 笑)
…で、実際クマの着ぐるみで現れているし…w
・バングに協力する囚人たちが食堂に立てこもって要求するのが『ゲーム・オブ・スローン』原作『氷と炎の歌』の第6部『冬の狂風』
所長がひとこと。
ドラマのほうが原作より先に進んでいる
・「まるで映画みたいな話だ」
ほら、あの、オーシャンズセブンイレブン
(字幕訳だけではなく実際にそう言ってる 笑)

Lucky2

Memo2
チャニング・テイタムと娘のやり取りが、と~っても微笑ましい。
(冒頭の車をメンテナンスしている際の工具を手渡す息のピッタリさ)
アダム・ドライバーがどこかもっさりとした風体で見事な片手でカクテルを作ったりするバーを営む弟クライド役。
『パターソン』の時に思ったけれど、声がもぞもぞっとした感じで、こういう役柄とてもあってる!
ダニエル・クレイグが007とは違ったハイテンション金庫破りの役(しかも手口が爆破で金庫を開ける大雑把な手法。さらには大金強奪のYouTubeで見たという方法。名前もジョー・バングって)
妹メリーはドートマンダーシリーズで言うとさしずめスタン・マーチ?(道順ではなくて車自体に詳しい)
ヒラリー・スワンクが出てきただけでヒラリー・スワンク 笑
(出ていることを知らなかったので余計にヒラリー・スワンク)
ラストのバー、Duck Tapeでローガン兄弟たちの向かい側のカウンターに座っているのは、やっぱり「ローガン家の呪い」は溶けなかったのだろうか?と思わせる締めくくり。
(それにしても1番セコイ悪党は、被害額を水増し申告して保険会社から大金をせしめたであろうレースの経営者)←ジョーはきっちりと行動10ヶ条の「引き際を見極める」を実行してるのに。
フリー・ファイヤー』『エイリアン : コヴェナント』(本作、まさかのキャサリン・ウォーターストン出てるし)に続いてジョン・デンバーの曲が。(今年だけで3作品。何か、あるのだろうか?)
さらに付け加えると来年早々公開の『キングスマン・ゴールデンサークル』にも。
いろいろ選曲が素晴らしいけれど『フォレスト・ガンプ』『バトルシップ』など、よーく登場するこの曲!
Creedence Clearwater Revival
Fortunate Son
娘がコンテストの発表会でバッチリメイクもファッションも決めているのにリアーナの歌を止めて父親ジミーの姿を見つけて「パパの大好きな歌を」と「カントリー・ロード」を歌い始めるシーン。
会場の観客(子供たちの親ら)もメロディにのせてくちづさみはじめ、いつの間にか合唱へ。
そう!ここはニューヨークでもラスベガスでもなくウェストバージニア!
ブログ記事タイトル、これにしようと思ったけれどあまりにあまりなのでやめたけれど一応記載 → 食塩とグミとゆで卵とカリフラワーとジョン・デンバー。

『ローガン・ラッキー』オフィシャルサイト
http://www.logan-lucky.jp/

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If you must blink, do it now.『KUBO クボ 二本の弦の秘密(kubo and the two strings)』トラヴィス・ナイト監督、アート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ルーニー・マーラ、レイフ・ファインズ、他

注・内容に触れています。
KUBO クボ 二本の弦の秘密
kubo and the two strings

監督 : トラヴィス・ナイト
出演 : (Voice Cast)
アート・パーキンソン
シャーリーズ・セロン
マシュー・マコノヒー
ルーニー・マーラ
レイフ・ファインズ、他

物語・クボは三味線を奏でることで折り紙を自由に操ることができるという、不思議な力を持つ少年。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われた際に父を亡くし、片目を奪われたクボは、最果ての地で母と生活していた。しかし、闇の刺客に母までも殺されてしまう。両親のあだ討ちを心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタを仲間にする。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Kubo1

Memo1
If you must blink, do it now.
まさに「瞬きすらしてはならぬ」流麗さ。
あまりに滑らかすぎてストップモーションではなくCGだと思ってる人、多いんじゃないかなぁと心配になるレベルの美しさ。
(もちろんCGやロトスコープなどデジタルペインティングも施されているし、後処理ブラーや光学処理などいろいろ加えられているけれども、根本にあるのはマペットを創り、手に触れるものに命を吹き込むことが第一義としてある)
Laika作品を通して言えることだけれども、本作もまたまたキャラクター造詣が面白い。
アイパッチのクボ、クワガタ、サル(猿・申)、浄瑠璃系人形の趣きの母、闇の姉妹の叔母たち(NHKで昔放送していた、あの人形劇想起!)
それにしても折り紙のストップモーションアニメとは!!!
オリガミ・ハンゾウの「はい、こっちこっち」と方向を指し示す動きの楽しさ!
『モアナ』のタトゥーや『未知との遭遇』ハイウェイ沿いに登るUFO「アイスクリン!」のように小さきものが、主人公の行く手を案内したり暗示する造りは定番にして好み。
グッときた台詞。
(母であるサルと父であるクワガタと紅葉の船の上で)
「こうやって誰かの間で食事したのは初めて」
『コララインとボタンの魔女』でも出てきた悪夢イメージと連なる目(眼)のモチーフ。
見えないことが見えること。
3つの伝説の武具のうちの最後のひとつ「兜」
最初に住んでいた村の鐘に使われていたことがわかり、原点となる場所へと戻る。
武具を探す旅、月の帝と父ハンゾウとの戦いの真実を知る旅、それらの全ては既にここに。
If you must blink, do it now.
Voice Cast
月の帝の声が!レイフ・ファインズってヴォルデモート卿や〜、とかシャーリーズ・セロンとルーニー・マーラが対決していると脳内変換できたり非常に贅沢にして的をえたキャスティング。
(評判の良い日本語吹き替え版は現時点で未見)

Kubo2

※Memo2
脚本 (PDFファイル・保存が可能)
http://focusfeaturesguilds2016.com/workspace/uploads/screenplay/kubo_and_the_two_strings_awards-2016-final.pdf
エンディング曲にやられた!といった方も多いと思いますが、まあ、本当になんてことしてくれるんだという選曲とアレンジ、アニメーション。
最後にとどめの早送りメイキングシーン(ここで「エッ!?これって人形だったの」とビックリされたのではないかと…)
そのエンディング曲のオフィシャルビデオ。
Regina Spektor
While My Guitar Gently Weeps Official Video
https://www.youtube.com/watch?v=8hUOKjy-9-o
歌川国芳相馬の古内裏(Takiyasha the Witch and the Skeleton Spectre)」をモチーフとしたHall of Bones sequenceメイキング
(英訳は図録などに記載されているものではなく一般的に広まっているものを記載)
https://www.fxphd.com/blog/kubo-and-the-two-strings-behind-the-hall-of-bones/

Kubo3

「相馬の古内裏」はメイキングでも言及されているけれど、もうひとつ印象的な海底の目玉はオディロン・ルドン「起源」 Ⅱ. おそらく花の中に最初の視覚が試みられた』なのだろうか?
他にも葛飾北斎(冒頭の波濤はまさに!)や斎藤清の版画にもインスパイアされているとインタビューなどで答えている。
3D Printer によるパペット制作
https://www.digitaltrends.com/movies/laika-cgi-3d-printing-stop-motion-kubo-and-the-two-strings/
また、別の記事
http://www.hollywoodreporter.com/features/how-kubo-two-strings-merged-stop-motion-animation-3d-printing-a-400-pound-puppet-955406
3Dプリンターによるパペット制作とLaikaならではのストップモーションアニメーション技術『KUBO クボ 二本の弦の秘密』そして、3Dモデリングとレーザーカッター、昔ながらのクラフツマンシップが合わさったミニチュア『ブレードランナー 2049』と今年はアナログとデジタルのまさに混じり合った融合の傑作が見られた年。

映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』公式サイト
http://gaga.ne.jp/kubo/

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2017-11-12

『 IT イット “それ”が見えたら、終わり。』アンディ・ムスキエティ監督、ジェイデン・リーバハー、ビル・スカルスガルド、フィン・ヴォルフハルト、ソフィア・リリス、他

注・内容、台詞に触れています。
IT イット “それ”が見えたら、終わり。
IT

監督 : アンディ・ムスキエティ
出演 : ジェイデン・リーバハー
ビル・スカルスガルド
フィン・ウォルフハード
ソフィア・リリス
ジェレミー・レイ・テイラー
ワイアット・オレフ
チョーズン・ジェイコブズ
ニコラス・ハミルトン
ジャクソン・ロバート・スコット、他

物語・とある田舎町で児童が行方不明になる事件が相次ぐ中、おとなしい少年ビルの弟が大雨の日に出掛け、大量の血痕を残して姿をくらます。自分を責めるビルの前に突如現れた“それ”を目撃して以来、彼は神出鬼没、変幻自在の“それ”の恐怖に襲われる。彼と同じく“それ”に遭遇した人々とビルは手を組み、“それ”に立ち向かうが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

It1

Memo1
なるほど。
この方法があった。
原作を読んでいる人、昔の映像版を見たことがある人、全く予備知識無しで見た人。
それぞれでうける印象は変わりそう。
既に知っている人からすると原作から重要なポイントを上手く抽出しての鋭い脚本に唸り、初めて見る方にとっても、漂うジュブナイル感とドキドキがミックスされたホラーの秀作となっている。
年代も27年後が現在の2016~2017年になるように設定された1980年代に置き換えている点は偶然なのかマーケティングによるものなのか?
小説が出た年、さらに90年のテレビ版を見た世代が、その時代へのノスタルジーを加味した上で見ることのプラスアルファ。
親の過度な干渉、性的虐待、いじめなど、それぞれが抱えている問題(心の奥に押し込めてしまう「それ」自体)が恐怖となって増幅される。
ラスト、ペニーワイズが「Fear…」(本当の恐怖は…)とつぶやくように消えていく。(まだつづく感が半端ではない締め方)
さらに川のそばでそれぞれが手のひらに傷をつけ、血の誓いを告げる。
"IT"がまた戻ってきた時は、みんなまたここに戻ってくると…。
(このあと、ひとりとひりの去っていく順番って、もしかして…???)
一番怖いシーンは冒頭の7歳の弟、ジョージがペニーワイズと遭遇するところ。
容赦なく腕を噛みちぎる場面はインパクトが大きい。その後、ペニーワイズが出てくる度に身構えてしまう。
で、身構えが過ぎるところへべバリーが浴室で「エルム街の悪夢」再現の鮮血シーン。ふりかえると「ギャッ」と突然現れるところは悲鳴があがっていた。
監督インタビューによると本作撮影中に『ストレンジャー・シングス』の配信が始まったのでフィン・ヴォルフハルトの両作品出演は偶然ということみたい。
(『ストレンジャー・シングス』マイクと違ってこちらはひたすら喋ってますが…笑)
自転車「Silver」
字幕にも出ていたけれど本編中では際立って重要ポイントはなかったので、これは続編で再登場ということだろうか?
スティーヴン・キング作品に時折登場する「亀」もレゴをはじめ水遊びをしているときに「足になにか触った」「亀がいる」と言った台詞なども出てきた。
蛇足
全く関係ないけれど最初に読んだ時から思ってたので、ちょっとメモ w
ペニーワイズとベニズワイガニで踏める。

It2

Memo2
Main Titles → Picture Mill
End Credits → SCARLET LETTERS
使用曲リスト
Songs and music featured in It (2017)
https://www.tunefind.com/movie/it-2017
カラーリスト(Colorist)は『ゾディアック』や『スノーデン』など多数手がけているCOMPANY 3Stephen Nakamura
町全体に漂う不穏当な空気。夜間や曇天シーンを多用するわけではなく、青春ものとしての真夏の空、陽の光もしっかりととらえ、その上でギラギラ感を少し薄めたカラー調整は見事。
判別できないほどのペールトーンとしてイエローアンダーベースをレンズフィルターソフトで後調整しているようにも見える濁りの少ない黄色みが足された空の色
http://www.company3.com/artists/stephen-nakamura-2/

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/itthemovie/

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2017-10-28

『ブレードランナー 2049(Blade Runner 2049)』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、ジャレッド・レトー、他

注・内容、ラストシーン、会話など盛大にネタばれしています。
ブレードランナー 2049
Blade Runner 2049

監督 : ドゥニ・ヴィルヌーヴ
撮影 : ロジャー・ディーキンス
出演 : ライアン・ゴズリング
ハリソン・フォード
アナ・デ・アルマス
シルヴィア・フークス
ジャレッド・レトー
ロビン・ライト
カーラ・ジュリ、他

物語・2022年にアメリカ西海岸で大規模な停電が起きたのをきっかけに世界は食物供給が混乱するなど危機的状況を迎える。2025年、科学者ウォレス(ジャレッド・レトー)が遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして、元捜査官デッカード(ハリソン・フォード)が突然行方をくらませて以来30年の月日が流れた2049年には、レプリカントの寿命に制限がなくなっていた。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Br2049a

Memo1
独特のペシミスティックさがもたらす、実世界の延長線上にあってもおかしくない直近未来。
ヴィルヌーヴ監督の美意識が隅々まで行き届いた端正な作品。
それはロジャー・ディーキンスの撮影からサウンドデザイン、エンドクレジットで使用されるフォント(その色も)まで全てにおいて。
『ブレードランナー』(1982年)にも出ていた用語「SKIN JOB」が本作にも。
署内でKとすれ違う署員から完全に差別用語として吐き捨てられていた。
訳は「人間もどき」「もどき」
(「人間もどき」というと『マグマ大使』を思い出してしまいますが 笑)
前作のフォークト=カンプフ検査と同じようにレプリカントに対しての検査が行われる。
Kが警察署に入る前に行われる部屋の会話。
「接続」の意の「interlinked」を何度も言わされる。
最後は3回繰り返して
「Within cells interlinked」
「Within cells interlinked」
「Within cells interlinked」
(ふたつで十分かもしれないけれど)前作繋がりでもうひとつ。
一角獣を折っていたガフの折り紙が。
それも羊って…笑 (もっとも主人公がKというのも原作者もじりかもしれませんが←未確認)

Memo2
冒頭、デッカードに解任(処分)されたレプリカント、サッパー・モートンの住居近くの木の下から見つかった骨(のちにレイチェルのものと判明するのだが、このときはまだ知らない)を調べるデッカード。
ホログラフィAI、ジョイ(アナ・デ・アルマス)との会話。
「A、G、T、C…」
たったの4文字で表される
わたしは0と1の2文字
(鋭く、どこか切なさもある会話)
ハンディ機器エマネーターで初めて屋外に釣れだしてもらった際の手のひらでうける雨、他人のボディと同期してデッカードとの肉体的に交わり…。
その4と2文字の差異。
ジョイはどこまで感じていたのだろう。
どのような感じだったのだろう?
ラストシーン。
自分の記憶(移植された記憶とわかるまでのほんの僅かなあいだだが)としての、よりどころであった木馬をデッカードに手渡す。
(前作では揺らぐ記憶、存在証明、時間…その補完として写真を集めていたレプリカント)
デッカードのためにラヴと死闘をくりひろげ、命燃え尽きようとするK(命を託す前作のロイのようだ。さらにはロビン・ライト演じるジョシが台詞でふれていた自己犠牲?)
ステリン研究所の前で静かに横たわるK
その上に、ひたひたと雪が舞う。
続いて、手に落ちる雪のカットに。
デッカードとレイチェルとの間に生まれた娘。
アナ・ステライン(カーラ・ジュリ)。
「少し待ってください」
隔離された室内の中央に立っている。
「美しい…」
そして、近づいてくるアナ。
視線をあわせる。
手のひらを隔てているガラスにあてるデッカード。
このアナ・ステラインがレプリカントにうめこむための記憶を作り出す、最高の研究者という設定が素晴らしい。
Kがもしかすると自分が探しているレプリカントから生まれた子どもではないかと思って、訪ねてきた際のシーンもとてつもなく美しい。
(ここでアナはKの記憶は自分のものであることに、気づいて涙する)
オランダ出身という意味も含めて、前作のルトガー・ハウアーと対になると思しきウォレス社のラヴ(シルヴィア・フークス)←メチャクチャ強いし、意志強固にして冷徹。
最後のウォールでのKとの海上対決。
死の間際。
溺れゆく中、見たのはKの顔ではなく自分の創造主であるウォレスの姿が重なるように映しだされる。(この死の間際に…という点でも前作の屋上シーンと重なる部分が)
公開前に発表された30年間の空白を埋める短編。
ブレードランナー ブラックアウト 2022
2036:ネクサス・ドーン
2048:ノーウェア・トゥ・ラン
特にこの2048は本作冒頭にそのまま繋がっていくレプリカント/ネクサス8型、サッパー・モートンのエピソードが描かれている。
映画は女優でという小林信彦先生の教えに従ってジョイ役が魅力的だったアナ・デ・アルマスの他作品をNetflixでチェック。
キアヌ・リーヴスがノックアウトされた『ノック・ノック』と主演サスペンス『サイレント・ウェイ』(←タイトルシークエンス最高!)が現在配信中。
黒いブレードランナーと白いブレードランナー。
ロンドン・イメージの酸性雨の降る『ブレードランナー』とグレーの空・イメージの『ブレードランナー 2049』
色彩トーンアプローチの仕方が全く違う。
本作では、前半のロスアンゼルスPARTと後半ラスベガスPARTでの色調がグレイッシュオレンジブラウンと分かれている。

Br2049_ab

Memo3
タイトルデザイン
今年のベスト!タイトルデザインと言えるデジタルノイズとオレンジ色のフォントとの饗宴(競演ではなく)。
Prodigal pictures
Danny Yount
http://www.prodigalpictures.com/
メイキング、クリップなど
Created with Blade Runner 2049
いくつかのbehind Scene動画を見たけれど、VICE取材による、このメイキングが長さとバランスがよい。
(本当に撮影中の現場に取材に行っている)
Inside the Making of 'Blade Runner 2049' (VICE)
https://www.youtube.com/watch?v=T0kobbjpdUg
The Cast and Crew of 'Blade Runner 2049' on the Original Film
https://www.youtube.com/watch?v=T0kobbjpdUg
Blade Runner 2049 Experience LUV
https://www.youtube.com/watch?v=8fzWBNUr8Zo
Blade Runner 2049 - Fire
https://www.youtube.com/watch?v=8QvJajVj28w
ホログラフィAI、ジョイの起動音
(もしかしてSONY製品で既にある?もしくは、これから出てくる?)
プロコフィエフ「ピーターと狼
Joi Notification Sound
Peter and the Wolf Opera 67
Sergei Prokovief
https://www.youtube.com/watch?v=b07U7DtAflY
サウンドデザインについて
SoundWorks Collection: The Sound of Blade Runner 2049
https://www.youtube.com/watch?v=b07U7DtAflY
あのロケ地は何処? Filming Locations
主にブダペストで撮影
(リバティー広場にある旧ブダペスト証券取引所など)
ウォレスの事務所ホールとして、未完成のNeanderthal Museumからイメージをコンセプトアーティストが許可を得て使用したものも(写真あり)。
また、現在識別中のものもあり、新たに判別すると更新。
http://www.atlasofwonders.com/2017/10/blade-runner-2049-filming-locations.html

COLOR of CINEMA内、過去記事
『デンジャラス・デイズ : メイキング・オブ・ブレードランナー(Dangerous Days: Making Blade Runner)』と粗編集版(ワークプリント)を含む5つの『ブレードランナー』
http://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/dangerous-days-.html

『ブレードランナー2049』オフィシャルサイト

http://www.bladerunner2049.jp/

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2017-10-26

タイトルデザイン_55 Richie Adams『バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)』ダグ・リーマン監督、トム・クルーズ

注・内容、台詞に触れています。
バリー・シール/アメリカをはめた男
American Made

監督 : ダグ・リーマン
出演 : トム・クルーズ
ドーナル・グリーソン
サラ・ライト・オルセン
、他

物語・民間航空会社のパイロットでトップクラスの操縦技術を持つバリー・シール(トム・クルーズ)は、CIAにスカウトされる。偵察機のパイロットとなった彼は極秘作戦の過程で麻薬組織と接触し、麻薬の運び屋としても才能を発揮する。政府の命令に従う一方で、違法な密輸ビジネスで荒稼ぎするバリーだったが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Am

Memo1
陽気にトンデモ話をヒョイヒョイとこなしていく姿はスターオーラ全開、まさにトム・クルーズ磐石。
(昔、関西で流れてた某引越し会社CM)「ホンマかいなー、そうかいなー」を歌い出したくなるほどキテレツな話が実は実話。
「決して、機内は空っぽで空気を運んだりはしませんよ〜」とばかりに行きは機関銃などの武器(雇い主・CIA)、帰りは麻薬(雇い主・メデジン・カルテル)とある意味ビジネスとしては大正解だけれど、やってることはメチャクチャ。
『アルゴ』(こちらも偽映画撮影を偽ってイランから大使館員を脱出させる実話)にせよ本作『バリー・シール』にせよ、1970年代~1980年代中盤ぐらいが、今なら一瞬でバレる嘘が通ってしまう、ぎりぎりの年代だったのだなぁ、と思う。
↑そしてネタの宝庫年代なのかも。
(それにしても嘘もユルい→CIAを反対に読んだAICという社名が…オイオイ 笑)
CIA側の依頼主シェイファー。
どーなる?ドーナル・グリーソンと思ってみていると、やはり後半になるにしたがって(『エクス・マキナ』や『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』の時のように)「エッ?!どーなる?」状態に。
しかし、今回はイラン・コントラ疑惑事件の絡みもあり、全ての作戦を中止に。
そしてバリーシールにひとこと。
「シェイファー?誰のことだ」
FBIが資金流入調査をしている際、あまりにも莫大なお金がアーカンソー州のミーナという人口5000人の小さな町に流れていることが判明。
調べにいくと、あちらこちらに銀行や不動産会社、はては高級車が何台も走っている。
これをきっかけに(他にもいろいろほころび始め)逮捕へ。
州警察DEA(米国麻薬取締局)とFBI(米国連邦捜査局)とATF(爆発物取締局)が一斉に現れて「で、どこが逮捕するの?」状態のシーンは笑った。
そして捕まったあとの州司法局で。
もう絶対に許せないといきり立つ長官に電話。
バリーシールが部屋に通される前に廊下で。
「いやぁー、本当に迷惑かけたねぇー」「お詫びに車でも」
笑い飛ばすFBIや州警察の面々。
で、部屋から出てきて手錠を外されて。
結果、あっさりと無罪放免。
「車を損したな」
続いて、この台詞(ボイスオーバーで)
今度の雇い主はホワイトハウスだ
妻子を安全な場所に逃し、モーテルからモーテルへと、逃走しつつビデオテープに起こった出来事を時系列にセルフ録画していくバリーシール。
いつJB(義理の弟)と同じこと(麻薬カルテルによる暗殺)が起こるかわからない精神状態で、まわりに人が入れば避けてもらって車のキーを回す。
ドキドキ、ドキドキしながら回す。
近づく人影。
(カルテルからの魔の手のようにもみえるが、もしかすると今でもなかったことになっている事件だし都合が悪い、その筋の人たちかもしれない。その実はわからないような銃声の音)
ダグ・リーマン監督、以前に『フェアゲーム』も撮っているので、本作含めCIAネタ&アメリカ大統領裏面史をエンターテイメントの表カバーに包んだ形で通して描きたかったのかもしれない?

Memo2
撮影監督が『シティ・オブ・ゴッド』や『ナイロビの蜂』のセザール・シャローン
ジャングルの緑赤茶けた土の色を、ややハイキー気味に撮った画面はこの人ならではの本編とのマッチ具合。
タイトルデザイナー > Richie Adams
(River Road Creative名義はクレジットされていませんでした)
4:3 ビデオ画面のチラツキノイズにトラッキングずれを、わざわざ施した80年代的エンドクレジット。

『バリー・シール/アメリカをはめた男』公式サイト
http://barry-seal.jp/

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