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2011-11-23

午前十時の映画祭。ルキノ・ヴィスコンティ監督『山猫 イタリア語・完全復元版』

午前十時の映画祭ルキノ・ヴィスコンティ監督『山猫 イタリア語・完全復元版』。プリント状態が素晴らしくて感激。レストレーションのTOPクレジットにGUCCIが冠されているだけあって生地の違いまでも判別できる。

物語・1860年5月、イタリア統一と貴族支配からの脱却を目指すガリバルディの部隊がシチリア島に上陸する。治安は悪化の一途をたどるが山猫を紋章とするシチリアの名門・サリーナ公爵家の当主ドン・ファブリツィオ(バート・ランカスター)は、家族を率いて例年通り避暑地の別荘へ赴く。そこに、時流に乗って義勇軍に参加していた甥のタンクレディ(アラン・ドロン)も合流する。貴族社会の終わりを予見する公爵は、目をかけている甥の将来を考えて資産家の娘アンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)と婚約させる。(ブラウン部分、goo映画より抜粋)

Visconti

Memo
淀川長治さんの言葉だとおもいますが「まさに目のご馳走」。なるべく自然光で撮られたといわれる室内撮影の豪華絢爛さ。GoldRedの再現性に感嘆。
デジタルかフィルムか。この映画こそフィルムで見るべき作品。デジタル(RED ONEカメラなど)で撮影されたものを4Kデジタルで上映した美しさも否定できないが、このフィルムというマテリアルを1つ通して透過される映像は全く別次元のものだ。午前十時の映画祭・青の中でも見逃せない一本。
Wikiや「暮しの手帖別冊・シネマの手帖」にも書かれている(某政治家が引用したこと)バート・ランカスターの有名な台詞「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」。これはタンクレディを想い続けていた娘が「あなたは変わってしまったわ」に対して「何も変わっていない」と答えるタンクレディの台詞に呼応している。
今の時代とシンクロする、もうひとつの台詞「山猫と獅子は退きジャッカルと羊の時代がくる」。価値観が変わってしまったことを(変わってしまうことを)ファブリツィオ公爵は判っていて静かに舞踏会の場を去っていくラストシーンがこの上なく詩的だ。
2004年(イタリア語・完全復元版・公開時)の村上龍さんのコメント → 「この完全復元版を見てやっとわかった。ルネッサンス絵画を思わせる圧倒的な映像美は監督の「哲学」に支えられている。ヴィスコンティは普遍的な人間の不可解さを描いているが、それは勇気と希望を孕んだものだ」

午前十時の映画祭
http://asa10.eiga.com/

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