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2012-01-15

園子温・監督『ヒミズ』声に出して叫びたい日本語。

園子温・監督が古谷実・原作コミック『ヒミズ』を映画化。撮影準備期間中に起こった東日本大震災をうけて舞台設定を変更して完成。主演の染谷将太二階堂ふみは、本作でヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。

物語・15歳の少年・住田祐一(染谷将太)は実家の貸しボート屋に集まる震災で家を失くした夜野さん(渡辺哲)、田村さんたち(吹越満神楽坂恵諏訪太朗川屋せっちん)と平凡な日常を送っていた。住田のクラスメイトの茶沢景子(二階堂ふみ)は、大人びた雰囲気の住田が好きで猛アタックをかける。疎まれながらも彼との距離を縮めていく茶沢。ある日、借金を作り蒸発していた住田の父(光石研)が帰って来た。金をせびりながら殴りつける父親の暴力に耐える住田。ほどなく母親も中年男と駆け落ちしてしまい住田は天涯孤独となってしまう。そして…。(DarkBrown部分、gooより抜粋)

Himizu

Memo
前作「恋の罪」が田村隆一、そして今作はフランソワ・ヴィヨン。ふたりの詩人。そして極めて演劇的なトライアル。しかし紛れもなく映画。原作との違いについて語ることは意味が無い。現在(いま)撮られた現在見るべき映画。
阪神淡路大震災から15年経って「その街のこども」が作られたが本作は震災後一年も経たない間に製作・公開された。
それは未だ収束しない原発事故問題を含め現在進行形の不安定要素が覆っているからこそ。不可逆の過去を無視して現在、未来の物語は紡げない。監督の(パンフ)インタビューによると次回作は「より踏み込んで終わりなき非日常が続いている現代日本の映画をオリジナル脚本で作りたい」とのこと。
住田が父親を殺害してしまうシーン。いつもだと執拗に描かれる瞬間(露悪一歩手前ぐらい)だが、カメラはクレーンでグッと引いていく(ブロックを手にして土手坂道から逆に戻って池の畔まで1カットで)。

フランソワ・ヴィヨンの詩集、劇中では新講文庫という架空の出版社になっている。実際は岩波文庫より1965年に発刊されていて現在も入手可。
映画の冒頭(茶谷)とラスト近くに(住田)
「牛乳の中にいる蝿、その白と黒の境界線はわかる
天気が良いか悪いかもわかる
林檎の木を見ればどんな林檎だかわかる
働き者か怠け者かもわかる
何だってわかる、自分のこと以外なら」
(メモなのでやや間違っているかもしれません)

薄っぺらい教師の言葉よりも届いた茶谷の「この世にひとつだけ咲いた花なんだよ」
でんでん演ずる(借金取り金子ローンの)金子が住田に言う「俺は天使かもな、それとも…」。また包丁を紙袋に街をさまよってる住田を車で送り、そして拳銃を預けていく「これを使う時が分岐点」という言葉を残して。この金子のある意味荒っぽい応援と茶谷のストーカー超応援がリンクしているようにも見える。
使用クラシック→ 前作「恋の罪」では「マーラーの交響曲第五番」本作ではサミュエル・バーバー作曲「弦楽の為のアダ-ジョ
ラスト。「自首しに行くよ」と告げる住田。夜が明けた土手を走る住田と茶谷。「ガンバレー」「頑張れ」の茶谷の声に震災の映像が被さる。それは(監督にその意図があったかどうかは判りませんが)同時に未来を託した若い世代へのエールに聞こえる。
パンフレット表4の写真が池の中心、半分沈んだ小屋を手をつなぎながら見る住田と茶谷 の後ろ姿(膝のあたりまで水に浸かっている) ←劇中には出てこないがラストと呼応する見事な写真。

映画『ヒミズ』公式サイト
http://himizu.gaga.ne.jp/

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受信: 2012-07-20 09:41

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