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2013-04-21

アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン『ヒッチコック』メイキング・オブ・サイコ

ヒッチコックを公私ともに支える妻アルマとの関係と最大ヒット作である映画『サイコ』が完成に至るまでのエピソードを交えて描く『ヒッチコック』。原作はスティーヴン・レベロ著『ヒッチコック&メイキング・オブ・サイコ(原題:Alfred Hitchcock And The Making of Psycho)』

Hitchcock

Memo1
「サイコ」のモデルとなった事件の犯人、エド・ゲインの家から始まり、そのまま「ヒッチコック劇場」や「サイコ」の予告編を踏襲したシーンから始まる。いわゆるバックステージもの(映画完成後の宣伝の仕方部分含め)というだけでワクワクするので、もうこの導入部だけで◯マルなのです。
(幻影的に)エド・ゲインが出てくるのは脚本が「ブラックスワン」のジョン・J・マクロクリンということもあるのだろうか?(おかげでレクター博士とエド・ゲインの対面シーンが見られた訳ですが)
ある時はピカソ、またある時はニクソン元アメリカ大統領、そして(レクター博士)といろいろ演じてきたアンソニー・ホプキンスが(慣れると似ているのかなぁー、とも思ってくるメイキャップ)ヒッチコックを(メイキングなどのインタビューを見ると90分ぐらいで完成するように完璧なそっくりメイクにはしなかったみたいですが)。妻、アルマ役のヘレン・ミレンも、その流れを踏襲した感じ。
ふたりの姿は1979年AFI功労賞(アメリカ映画協会の生涯功労賞)での映像が正式に公開されているので、そちらのリンクを。
AFI Life Achievement Award in 1979

アンソニー・パーキンス役のジェームズ・ダーシーもおどおどした感じで雰囲気が出ていました。
あと(有名な)チーフアシスタントのミス・ペギーをトニー・コレットが演じていたのはエンドクレジットで知って驚いた!
1回目の試写での反応が酷かったため、脚本家のウィットと浮気しているのではないかと疑惑を向けてヒッチコックとぎくしゃくしていたアルマがテキパキと編集、音楽のかぶせ直しなどを行っていくところがよかったなぁ。バーナード・ハーマンの有名なキュッキュッと響く弦の音の追加収録シーンも。

Hitchcock_book

Memo2
ここからはヒッチコックに関してのちょっとしたメモ
植草甚一スクラップブック「ヒッチコック万歳!」(晶文社・刊) 現在入手できるのは1976年のオリジナル版ではなく新装版だけど中はそのまま再現されているので紹介されている作品がほとんど公開当時の新作として語られていてすこぶる面白い。1960年日比谷映画プログラムに書かれた【サイコ】(もちろん新作として!!)の原稿部分。最後はこう締めくくられています→「この映画によって『あいつはサイコだ』というぐあいに流行語になる可能性もあるようですね」
他に来日していたヒッチコックへのインタビュー「ぼくのヒッチコック会見記」もあり(「サイコ」の宣伝のための来日時)。
こんな感じで→「何か特別な理由があってシネマスコープを使わないんですか?」「殊にスリラー映画では手や首のクローズアップで無駄のできない画面サイズでなければならない」
ヒッチコック本というと定番「ヒッチコックを読む」(フィルムアート社・刊)が有名だけど(あ、もちろんトリュフォー「映画術」も)、TASCHENから出てた「ALFRED HITCHCOCK 全作品」もかなり良いです(写真が主体) Memo2上側の写真。

Memo3
ヒッチコックの映画を封切り前に待っていた気分はどのようなものだったのだろう?初ロードショー、ヒッチコック体験はほんとにかろうじて間に合った感じでの「ファミリー・プロット」でした(大阪・北野劇場で)。あと「サイコ」初上映時のようにラスト30分からの途中入場は出来ません映画は(ヒッチコックではありませんが)エリザベス・テイラー主演のスリラー「夜をみつめて」だったと記憶。

映画「ヒッチコック」公式サイト
http://www.foxmovies.jp/hitchcock/


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