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2016-02-21

『キャロル(Carol)』トッド・ヘインズ監督、ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、カイル・チャンドラー、他

キャロル
Carol
原作 : パトリシア・ハイスミス
監督 : トッド・ヘインズ
出演 : ケイト・ブランシェット
ルーニー・マーラ
カイル・チャンドラー
ジェイク・レイシー
サラ・ポールソン、他

物語・1952年のニューヨーク。デパートでアルバイトをするテレーズ(ルーニー・マーラ)は、娘へのプレゼントを探すキャロル(ケイト・ブランシェット)に応対する。優雅で気品に満ちた美しさを誇るも、謎めいたムードもある彼女に魅了されたテレーズ。 彼女が忘れていった手袋を送り返したことを契機に、二人は会っては話をする仲になる。娘の親権をめぐって離婚訴訟中の夫と争うキャロルと恋人からの求婚に思い悩むテレーズ。そんな中、彼女たちは旅行に出掛けるが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Carol1

Memo1
クラシカルな気品に満ちあふれている。
その眼差し、所作(そっと肩に触れる手、煙草を吸う仕草)、選ばれる言葉、声のトーン。
そして、それらを捉えるカメラ、カット割り。
イノセンスなるもの
真実の愛を知らずにというよりも、まだ自分が本当に求めているものかもつかめずに、近くにいるボーイフレンドから求婚を受けるテレーズ。
対して、もはや泥沼と化す、夫ハージとの親権をめぐる離婚訴訟の渦中にいるキャロル。
いびつなる感情のぶつけ合い。
なんともいかんしがたい手口(探偵に尾行させ素行調査、あげくは盗聴)でキャロルの(当時は病気扱いされていた。そして過去にもそのような事があった)同性愛の証拠をつかもうとするハージ。
調停中の部屋でキャロルは双方の弁護士や夫に向かって、こう言う。
「わたしたちは醜くないはずなのに」
貫禄のケイト・ブランシェットに対して対照的な(小動物のような)ルーニー・マーラ。
「地上に落ちてきた天使みたいね」
キャロルがテレーズに対して評する台詞。
キャロルにとってテレーズは愛の対象として以前に、テレーズの中にある無垢なるものにも惹かれていたのではないだろうかと思える台詞がいくつか。
映画館の映写室に潜り込んで仲間たちと見ている映画が『サンセット大通り』
舞台となる1950年代に封切られた作品。

Memo2
16mmによる撮影。
エンドクレジットにSUPER 16MM FILM STOCK > KODAKの表記あり
プリントは35mmへBlow-up
なるほど、独特の質感はここから。
脚本(英文)がPFDで公開されています。
(毎年、アカデミー賞発表前によく公開されていますが一年程でクローズされることも多いのでチェックされる方はお早めに)
ちょっとした仕草からラジオから流れている曲名にいたるまで非常に細かいところまで記載されています。
そしてラストシーンのプラザホテル・オークルームのくだりの素晴らしさが、そのまま脚本にあらわれています。
CAROL watches with a smile burning in her eyes. THERESE has nearly arrived.
http://twcguilds.com/wp-content/uploads/2015/09/CAROL_SCRIPT_wCover_R22.pdf?ref_=ac_ac_ac_acd_scr_i_1
タイトルデザイン。
フォントの色を画面全体のトーンに合わせて微妙に変化させていく美しいスタイル(昨年の『ラブ&マーシー』もこのスタイルでした)
TITLE DESIGN AND CONCEPT > MARLENE MCCARTY
TITLE ANIMATOR > NAT JENCKS
"Easy living"
Teddy Wilson and his Orchestra.
featuring Billie Holiday
キャロルの自宅でがピアノで弾く曲。
(ここのシーンでキャロルがテレーズの肩に手を乗せた瞬間、テレーズが固まると脚本に書かれていました)
そして、このレコードをプレゼントとしてキャロルに渡す。

Carol5

第88回アカデミー賞衣裳デザイン賞で2作品ノミネートのサンディ・パウエル『シンデレラ』のシフォン生地のくるくる色が変わるドレスもよかったけれど『キャロル』における1950年代NYファッションがキャラクター造形にまで影響を与えるほどの美意識に是非、こちらで受賞してほしいなぁ。
ダグラス・サーク作品も参考にしたと語っているWWD記事。
【サンディ・パウエルへのインタビュー】
アカデミー衣裳デザイン賞の常連デザイナーが語る。
映画「キャロル」の見所と50年代のNYファッション
https://www.wwdjapan.com/focus/interview/designer/2015-12-28/12122
衣装展示記事
(作品で着用された衣装が展示されたイベントの記事)
http://hollywoodmoviecostumesandprops.blogspot.jp/2015/11/cate-blanchett-and-rooney-mara-costumes.html

Carol3

映画『キャロル』公式サイト
http://carol-movie.com/



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