2018-01-07

絶滅すべきでしょうか?『勝手にふるえてろ』綿矢りさ原作、大九明子監督、松岡茉優、北村匠海、渡辺大知、石橋杏奈、他

注・内容、台詞に触れています。
勝手にふるえてろ

監督 : 大九明子
原作 : 綿矢りさ
出演 : 松岡茉優
北村匠海
渡辺大知
石橋杏奈
趣里、古舘寛治
前野朋哉、片桐はいり他

物語・初恋相手のイチを忘れられない24歳の会社員ヨシカ(松岡茉優)は、ある日職場の同期のニから交際を申し込まれる。人生初の告白に舞い上がるも、暑苦しいニとの関係に気乗りしないヨシカは、同窓会を計画し片思いの相手イチと再会。脳内の片思いと、現実の恋愛とのはざまで悩むヨシカは… (物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Furue

Memo1
2015年放送の「さんまのまんま」に橋本愛とふたりで出演した際、カメラ目線で「主演映画はまだありません」と訴えて(笑)から3年近くにして遂に!
そのテンポ、タイミング、声や表情のバリエーション。
まさに松岡茉優100%
なによりも(頭の先から尻尾まであんこの詰まったたい焼きのように)始めから最後まで出ずっぱり。
こういうパターンは稀有だと思うし大成功している
(通常、主人公を浮かび上がらせるために周辺の人たちのエピソードを別に描いたりするものだが、それをやらなかったことが逆に広がりを持つことになってる)
妄想シーンはあるが回想シーンはない、見事な直線構造。
そして中盤に訪れる転換点。
(後述、歌のシーン)
なんだ、ねじれてる割には知り合い多いじゃん、コミュニケーション取れてるじゃん…と、思わせておいてのぼっち具合。孤独真っ逆さま。
原作未読だけれども、これは相当に練られた脚本。
こじらせ具合、ねじれ方、くすぶり具合の匙加減が絶妙。
観客によせて共感前提で作っていないのもよかったなぁ。
時にミュージカルっぽく歌で綴る真実の姿。
「絶滅すべきでしょうか?」
この距離が私と世の中の限界
「ねえアンモナイト、生き抜く術を教えてよ」
(ここを歌で描いたのは秀逸。これ台詞やモノローグだったらキツイわー。演じた松岡茉優キャラクターもありきで実に見事)
空気読めない人が集まるときのズレの面白さ。
見ていてイタイ(時に思い当たるフシが多々。あゝイタイ)
ヨシカもスゴイが二を演じた黒猫チェルシー、渡辺大知の「おいおい、そこき気ィつかえょぉぉぉぉ」と見ているこちらがツッコミたくなるほどのウザさを演じていて上手い。
そしてイチ(北村匠海)のこれまた遠目の富士山みたいな見た目かっこ好いが近づくとやはりバリア張りまくりの利己的キャラ。
その極めつけの台詞
(同窓会きっかけで開かれた上京グループの集まり。朝方。アンモナイトの話など共通点がいろいろ出てきて喜ぶヨシカに対して)
「ごめん。名前なんだっけ?」

Furuete

Memo2
パンフレットデザインは大寿美トモエさん
上記画像は表紙。表4は赤一色の中心にアンモナイト。
付箋含めて本作のキーカラーは
ヨシカのファッションがキャラクターにマッチ(ダサ可愛いより、やや可愛い寄りのキワキワ線)して素晴らしくよいなぁー、と思い調べたら「ひよっこ」衣装監修の宮本茉莉さんでした(ドラマ中のワンピースも、とてもチャーミング)

映画『勝手にふるえてろ』公式サイト
http://furuetero-movie.com/

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「物語」のバトンをつなぐ。 Netflix『DEVILMAN crybaby』原作 : 永井豪、監督 : 湯浅政明

注・内容、ラストに触れています。
DEVILMAN crybaby

原作 : 永井豪
監督 : 湯浅政明

Dc1

Memo1
デビルマン原作が終了した年に中東戦争が始まり翌年オイルショックが始まった時代の予兆を含めた空気感。
そこから生み出された物語。
それをそのまま2018年に置き換えることは不可だ。
ノストラダムスも日本沈没もゴジラ対ヘドラも全ては70年代前半のこと。
(それは『エクソシスト』をはじめとするオカルトブームとも呼応する。この時期の映画を現代にリメイクすることはそれ自体でハードルが高い)
本作の湯浅政明監督による「漫画史に残る物語」の新たなるアップデート
(最も顕著なSNSの扱いや「デビルマン」が既にアニメとして存在している世界という「デビルマン」原作以降に多々誕生したアニメや漫画への目配せなど)
そうすることによって次世代へ「物語」のバトンを手渡すという英断と手法は素晴らしい。
2と9話(Netflix 特有のエンドクレジット飛ばしのマーカーもラストまで出ない)が出色。
(湯浅監督自らがツイートしているとおり9話は原作でも最も衝撃的な展開が待ち受けているエピソード回。エンドクレジットの曲とその後のシーンも含めて)
映画とは違いリミテッド(ミニ)アニメシリーズ。
全話一括配信とはいえ1話ごとに同じテンションでは描かず(まだ細かく精査していないがスタッフも仕上がりもかなり違う)全体バランスのために途中緩めているエピソードも存在。
「悪意」の伝播。
転写、そしてまた伝播。
それは「魔女狩り」の時代から変わらぬ人間のメンタル構造における負(ここで負というのも二元論的だが)の部分。
それはSNSなどにおける拡散力の増幅によりさらに増している。
その中で描かれた9話。
牧村美樹の「それでも信じている」「私もデビルマンだ」というメッセージは「悪を憎み退治していくものもまた悪」といった広義な救済を描いていて強烈だ。
ラストの「明!教えてくれ!この感情はなんなんだ」と流す飛鳥了(サタン)の涙も同じだ。
しっかりと湯浅監督のテイスト(昨年の『夜明け告げるルーのうた』とも重なる)も練りこまれた作品となっている。
1話に湯浅監督の昨年の映画『夜は短し歩けよ乙女』からまさかの台詞。
「たまたま通りかかったもので」
(さすがに言いかけて途中で止めてますが 笑)
他にも「地獄の黙示録」ナパーム弾シーンや「おやっ?ゴジラ?」と一瞬見えてしまう自衛隊トラックに載せられた退治されたと思しき悪魔←未確認(未確定)など、イースターエッグ的にいろいろありそう。

Dc2

Memo2
余談1(オイルショック当時買った漫画の単行本は紙資源不足から中質紙の中でも特に質の悪い中質紙に変わり、もはや劣化の一途…)
余談2(『デビルマン』に先だつ同じ永井豪原作『魔王ダンテ』の未完のラスト。「ぼくらマガジン」廃刊の為に仕方なく描かれたと思うのだけれど「さあ!これから」と思わせての「エッ?!ここで終わり?」は唖然としたと同時に「こういう終わり方もあるのだ」と逆に強烈な印象が残っている。それは石ノ森章太郎「幻魔大戦」ラスト最終カットと共に初期漫画原風景の絶対的記憶)

DEVILMAN crybaby | 公式サイト
http://devilman-crybaby.com/

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2018-01-01

NEW YEAR 2018 & 2017_BEST MOVIE (お気に入り洋画・日本映画)

2017年 洋画・日本映画ベスト10

断り書き : カウリスマキ監督『希望のかなた』大林宣彦監督『花筐/HANAGATAMI』と評判の瀬々監督『8年越しの花嫁』未見

D_1

2017年_洋画お気に入りベスト10
ダンケルク
② オクジャ/Okja
③ KUBO 二本の弦の秘密
④ ブレードランナー 2049
⑤ ラ・ラ・ランド
⑥ マリアンヌ
⑦ パターソン
⑧ カフェ・ソサエティ
⑨ 未来よ、こんにちは
⑩ パーソナルショッパー

『ダンケルク』次世代レーザーIMAXにて鑑賞。
4K配信が当たり前になっていきNHKの4K/8Kチャンネルが2018年末にはスタートする状態の中、劇場に出かけていくという醍醐味のひとつはここにあるという至福感。
(どんなに設備を整えたホームシアターでもこれは再現不可)
いつもの構築系は好みなのでどうしても1位にしてしまうノーラン監督作品(ここ数回はずっと)
2017年は周りの知人も含めポン・ジュノ監督『オクジャ/Okja』見たさにNetflix沼へ(まさにズブズブ)と突入→後述のオリジナルドラマ3本のクオリティの高さもあり2018年のラインナップ期待値込めて継続中。
大好きなライカ作品『KUBO 二本の弦の秘密』劇場公開スルーされなくてよかった!
そして、ヴィルヌーヴ監督作品としてのバランスは『メッセージ』の方になるのだろうけれど、まるで小説を読むようなリズムを持つ正編が「黒いブレードランナー」とするとこちらは「白いブレードランナー」とも呼べる(或いは対をなす)『ブレードランナー 2049』
2017年、最も多く見た『ラ・ラ・ランド』こちらもバランスは歪だけれど不思議な中毒性(ミュージカルナンバーを切り裂くiPhone着信音!なんたる挑発!挑発?)をもつ作品。
『マリアンヌ』古典的なメロドラマ骨格をゼメキス監督が現代のケレン味で描いた秀作。
『未来よ、こんにちは』イザベル・ユペール演じるナタリーがスタスタスタと前を向いて歩いて行く姿が、もうとにかくカッコイイ!この姿だけで原題のL'avenirを体現している。そしてフィルム撮影による光のゆらめきのなんと美しいこと!
『カフェ・ソサエティ』は撮ればお気に入りベストテンに入れるウディ・アレン枠。ストラーロ撮影による色め(色彩)も好み。

2017年_洋画(パラレルワールドの
もうひとりの自分が選んだ)ベスト10
(順不同)
20センチュリー・ウーマン
マンチェスター・バイ・ザ・シー
ありがとう、トニ・エルドマン
ローガン
モアナと伝説の海
サラリーマン
ベイビー・ドライバー
エル ELLE
ドリーム
SING/シング

これはこれで完結する。ベスト10とは並べてみて上下とか関係なく、しっくりくる絵面(えづら)のようなものがあると思う。仮に次の日本映画ベスト10。大林宣彦監督作品を鑑賞していてベスト10を選ぶとまるっきり違う順番になってしまいそうな気さえする。

Yoru

2017年_日本映画お気に入りベスト10
夜は短し歩けよ乙女
夜明け告げるルーのうた
③ 美しい星
④ 散歩する侵略者
⑤ 三度目の殺人
⑥ 勝手にふるえてろ
⑦ PとJK
⑧ 彼らが本気で編むときは、
⑨ あゝ荒野 前編/後編
⑩ 3月のライオン 前編/後編

1~5はご贔屓監督作品がズラリと並んだ。
湯浅政明監督の新作が続けて見られる驚きの年。そして、それは2018年年明け早々のNetflix配信『DEVILMAN crybaby』へと続いていく。
1と2はどちらも大好きな動きとテンション。湯浅監督が作ってくれたことによって普通のアニメーションにならないでよかったーと感激した『夜は短し歩けよ乙女』をちょっと贔屓めに。
1962年発表の先鋭的な三島由紀夫原作を現代に置き換えた超越脚色による『美しい星』
「もぉ、しようがないなぁー」とプンスカしながらスタスタと歩く長澤まさみが素晴らしくよかった『散歩する侵略者』
是枝監督作品とは少し趣きの違った『三度目の殺人』しかし底流には目にみえないものといったモチーフも垣間見える。
そしてそして、2017年最後に見た『勝手にふるえてろ』が超傑作。
感想ブログメモは数日後にアップ。
『あゝ荒野 前編/後編』菅田将暉(お父さん、めちゃくちゃ拓郎ファンなんですねー)の年としての代表作。

2017年_タイトルデザイン_ベスト3
スプリット(Filmograph)
アトミック・ブロンド(Ivar Edding)
ワンダーウーマン(Greenhaus GFX)

『スプリット』昨年の秀逸な『10 クローバーフィールド・レーン』タイトルデザインに続く(勝手にこう呼んでいる→)ソール・バス系デザイン。
Filmographはジェームズ・ワン監督の一連の作品や『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』カーテンコール(Curtain Call Sequence)デザインなどを手がけている。2017年は他に『ジョンウィック2』『パワーレンジャー』も。
『アトミック・ブロンド』ステンシル系フォントにグラフィティアート・スプレー処理された時代設定に合わせたデザイン。エンドタイトルの古いコンピュータ(ブラウン管タイプ)にチラツキも再現して映しだされたクレジットも秀逸。
『ワンダーウーマン』まさにガル・ガドットありきの作品に相応しいかっこ良さをもつ王道的 Main-On-End Title

2017年Netflixドラマ
ストレンジャー・シングス
ゴッドレス
マインドハンター

3作品ともに一気見してしまった傑作。
エピソードによって時間可変が可という点が一挙配信の利点。
(例えば最終話の1話前を長くしたり短くしたりと創作側が意図的なリズムを作り出せる)

Best2018

※オマケ
映画は女優でという小林信彦先生の教えに従って『ブレードランナー 2049』ジョイ役が魅力的だったアナ・デ・アルマスの他作品をNetflixでチェック。2017年末現在、キアヌ・リーヴスがノックアウトされた『ノック・ノック』と同じくキアヌ主演『エクスポーズ 暗闇の迷宮』ジョナ・ヒル主演の『ウォー・ドッグス』そして主演サスペンス『サイレント・ウェイ』(←タイトルシークエンス最高!)の4作品が配信中。

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2017-12-31

Netflix『ゴッドレス ・神の消えた町(Godless)』製作 : スティーヴン・ソダーバーグ、監督・脚本 : スコット・フランク、ジャック・オコンネル、ジェフ・ダニエルズ、ミシェル・ドッカリー、トーマス・サングスター、スクート・マクネイリー、メリット・ウェヴァー、他

注・内容に触れています。
ゴッドレス -神の消えた町-
Godless

監督・脚本 : スコット・フランク
ジャック・オコンネル
ジェフ・ダニエルズ
ミシェル・ドッカリー
トーマス・サングスター
スクート・マクネイリー
メリット・ウェヴァー、他

Godless

Memo
見どころが多い(多すぎる!)今年見た映画やドラマの中でも屈指の傑作!
本作の製作に当たっているスティーヴン・ソダーバーグ監督作『アウト・オブ・サイト』や『LOGAN/ローガン(共同脚本)』などの脚本を手がけたスコット・フランクが脚本、監督。
そのスコット・フランク。
奇しくも『オリエント急行殺人事件』が同時期公開されているケネス・ブラナー監督のハリウッドデビュー作『愛と死の間で』の脚本も。
最初は映画としてスタートしていたものをじっくりと人物を掘り下げる形でリミテッドドラマの方がよいのでは?ということでこの形になったとか。
それが功を奏して、ラストの銃撃戦にいたるまでのタメの部分が実に面白い。
逆にスクリーンで見たい!と思わせる地平線や空や馬が走る姿を捉えたショットの美しいこと、美しいこと。
4Kカメラ(Netflix側が監督に唯一出す条件とされている)による透明度の高い空気感の出た撮影西部劇は史上初かも。
(風景を映しだしたドキュメンタリーなどではあったとは思うけれど、あくまでも「西部劇としての詩」であるという点が重要)
再編集2時間15分ぐらいで映画として巨大スクリーンにかけてほしいぐらい。
主人公のひとりロイ・グッドをこれから人気が出てきそうなジャック・オコンネルや『ダウントン・アビー』のメアリー・クローリーを演じたミシェル・ドッカリー(本作のライフルの構え方がカッコイイ)、ヒュー・グラントの親戚→トーマス・サングスターなどイギリス俳優によるキャスティングが全て的をえている。
ビックリしたのは無法者一味のボス(複雑な心根を持つ役を名演!!)をジェフ・ダニエルズ
ウディ・アレン『カイロの紫のバラ』でスクリーンから飛び出してきたトム・バクスター/ギル・バクスター2役の人。
IMDbでのエピソード毎の評価では群を抜いてラスト7話「再びラ・ベルへ"Homecoming"」は特に。
ラスト。
去っていく主人公ロイ・グッド。
ネイティヴアメリカンのお祖母ちゃん(なんともとぼけているが見通している)の名前の由来について聞く。
アイオビってどういう意味だ
ハト

ゴッドレス -神の消えた町-
Netflix 公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/80097141

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2017-12-17

転がるBB-8は苔むさず『スター・ウォーズ/最後のジェダイ(STAR WARS : THE LAST JEDI)』脚本・監督 : ライアン・ジョンソン、デイジー・リドリー、アダム・ドライバー、キャリー・フィッシャー、マーク・ハミル、他

注・内容、台詞に触れています。
スター・ウォーズ/最後のジェダイ
STAR WARS : THE LAST JEDI

脚本・監督 : ライアン・ジョンソン
出演 : デイジー・リドリー
アダム・ドライヴァー
マーク・ハミル

キャリー・フィッシャー
ジョン・ボイエガ
オスカー・アイザック
ドーナル・グリーソン
アンソニー・ダニエルズ
ベニチオ・デル・トロ
ローラ・ダーン
アンディ・サーキス、他

Sw8_1

Memo1
『LOOPER/ルーパー』をオリジナル脚本で撮り上げたライアン・ジョンソン監督ならではの新たなる『スターウォーズ』素晴らしき始まりである。
『フォースの覚醒』はいかにもJ.J.エイブラムス監督という、そつない仕上げで再始動といった引き継ぎと新キャラクターの橋渡し的な意味合いが強かったけれど、本作は過去のさまざまなこと(ルーカス監督の根っこにある価値観、闇と光の二元論的対立構図物語軸など)から脱却していく意志が、とりもなおさず良いのだ。
そもそもがシスとかスノークとか最高指導者とか暗黒卿とかラスボス(裏で操る影の実力者)とか、そのたぐいの話にやや飽き気味だったところもあるので、あっさりスノーク真っ二つの乱暴な持って行き方が、割れたライトセーバーのごとく物語構築を壊していて、そういったところが良いと思ったポイントかも。
故にレイとレン、ふたりの構図(光でも闇でもない、そこに在るだけの何か←何かは判りません。そこは今世紀に作家や映画監督らによって生み出される新たなメンタリティや物語としての何か)以外のファーストオーダーとレジスタンスのダメダメ作戦やグダグダ展開などは、まどろっこしくはあるものの「あぁ、こんなものだろうなぁ。帝国軍のような絶対悪のイメージのない、ファーストオーダーに対しての戦い方は…」とも思いながら見ました。
そういう点では師が弟子に技術などを伝授する形(レイがルークを訪ねていったのは覚醒しつつあると思われるフォースの使い方やジェダイのことを教えてもらうため)も、ほぼ途中放棄に近い形になっている。
(カイロ・レンがファーストオーダーに加わった本当の経緯を知ってしまったことなどもあってのことだが)
さらに終盤。
あっさり燃える(ルーク、一瞬躊躇するがヨーダに落雷一撃)ジェダイの寺院にある古木。中にジェダイについて書かれた書物があったのだが、それだけでも取り出そうとするがヨーダがたしなめる。
(実は、この古書。レイがミレニアム・ファルコン号の中に持ち出していることがラスト近くで判るカットが)

Sw8_3

転がるBB-8は苔むさず
廻る廻る走る走る。
今回も多めに回っています。
ポー・ダメロンに「先に行って準備を」と言われた瞬間、ギュルルルーンと速度をまして走り去るシーンが。
ガンマンよろしく「ふっ」と火を吹き消すようなポーズも(前作踏襲)
「おれ、ファービーちゃうでー」
「おれ、トトロとちゃうでー」
「おれ、たべものちゃうでー。チューバッカさん、食べんといてやー」ポーグ(関西弁)
マズ・カナタの登場シーン(交戦中)。
「労使交渉中」に笑った。
冒頭のハックス将軍とポーのやりとり。
「ハグス」
「ハックスだ」
「ハグス将軍」
「ハックス」
「おちょくっとんのかー、ワレー」(関西弁)とか言い出しそうなコテコテなギャグ(ギャグではないが)
それにしても、やはり見ていて心配になる役の多い「どーなる?ドーナル・グリーソン」
しかも『エクス・マキナ』同様、オスカー・アイザックにいじられてる 笑
フィンとちょっといい感じになる今作登場のローズ。
(あっさり目覚めるフィン含め、このペアブロックはやや、はしょりすぎ感があり、ちょっと惜しい)
ローズがカント・バイトにいた馬のような生物に話しかけている姿を見て思わず想起したのが→「オクジャ?」
そのカント・バイトのカジノで遊興にふける武器商人。
その武器商人からデル・トロ演じる(捜していた人物ではなくパチもんの方のコードブレイカー)DJが盗んだシャトルのホログラム映像に映しだされる取り扱い兵器。
で、見ていくとファーストオーダー、レジスタンス(共和国軍)。どちらにも兵器を売っているというのがいかにも今日的。
この中間部分で搾取する連中が実は全ての元凶であったりするとも思うのだが(そもそもエピソード1で描かれていた「スターウォーズ」「もめ事」の発端は通商問題だ)
前作『フォースの覚醒』でのスノークの台詞。
「カイロ・レンと共にここから離脱せよ」
「今、おこなっている修行を終わらせる」←この意味は?本作でわからなかった…(「カイロ・レンにとっての指導者殺し?スノーク次回作で違う姿で出てきて、これが修行だったのだ、とかないよね?)

Memo2
再会
チューバッカと。
(ハン・ソロのこととかいろいろ話したいことが沢山)
・(ひと通り懐かしく中を見回した後)
R2-D2とミレニアム・ファルコン船内で。
この時にエピソード4での若きレイア姫のホログラム映像を流すシーン。
「ズルいぞ、R2」
C-3POと。
去り際にルークがウィンク。
・そして、ルークとレイア
「髪型を変えたの」
「わかってる」
(『フォースの覚醒』ハン・ソロとの夫婦再会シーンでの「髪型が変わった」「同じジャケットね」に引き続き)
そして、前述マスター・ヨーダとも。
ハン・ソロとだけ再会出来ていなかったり、ポーとレイが前作では会っていなかったりしていることを考えるとエピソード7・PART1とエピソード7・PART2としてもよかったのでは?とも思える。
ラスト。
ルークがカイロ・レンに投げかけた言葉。
「お前の父と同じように私もお前のそばにいる」
また会おう」(See You)
ふたつの太陽。
古代ジェダイ寺院の石の上のルーク。
カント・バイトの厩舎で働いていたフィンたちの逃走の手助けをする少年(テミリ・ブラッグという役名がついている)。
若きルーク・スカイウォーカーと同じように銀河の果てを見上げる。
「オイディプス王の悲劇」「カラマーゾフの兄弟」や「ハムレット」の如きに、父殺しが描かれた『フォースの覚醒』
本作でカイロ・レンは母であるレイアに対しても(祖父ダース・ベイダーに模したマスクをたたき壊し)「私はやりとげます」と言いつつ、最後の瞬間に攻撃のボタンが押せなかった。
その、一瞬の揺れ。
このあたりにもラストに向けていかようにも、もっていける物語軸がある。
(戦争と父権の関連性、および母性と生命や宇宙・惑星との繋がりなど)
さて、エピソード9。エイブラムス監督はどのように締めるのだろうか?

Sw8_2

Memo3
衣装デザインは前作に引き続きマイケル・カプラン
前にも書いたけれど「ブレードランナー」「スタート・レック」「スター・ウォーズ」と全ての衣装を担当したデザイナー。
あのロケ地はどこ?
WHERE WAS STAR WARS: THE LAST JEDI FILMED?
http://www.atlasofwonders.com/2017/10/the-last-jedi-filming-locations.html
Art of the Title記事→『スター・ウォーズ(1977)』タイトルシークエンス・メイキング(手描きのアウトラインなども)とタイトルデザイナーDan Perriへのインタビュー
http://www.artofthetitle.com/title/star-wars/

スター・ウォーズ/最後のジェダイ
公式サイト
http://starwars.disney.co.jp/movie/lastjedi.html

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2017-11-23

『ローガン・ラッキー(Logan Lucky)』スティーヴン・ソダーバーグ監督、チャニング・テイタム、アダム・ドライヴァー、ダニエル・クレイグ、他

注・内容、台詞などに触れています。
ローガン・ラッキー
Logan Lucky

監督 : スティーヴン・ソダーバーグ
出演 : チャニング・テイタム
アダム・ドライヴァー
ダニエル・クレイグ
ライリー・キーオ
セス・マクファーレン
ケイティ・ホームズ
キャサリン・ウォーターストン
ドワイト・ヨーカム
セバスチャン・スタン
ジャック・クエイド
ヒラリー・スワンク、他

物語・物語・脚が不自由で仕事も家族も失ったジミー(チャニング・テイタム)は、人生を一変させようと犯罪計画を立てていた。それはカーレース「NASCAR」が開催されるサーキット場の金庫から、大金を強奪するというものだった。片腕を失った元軍人の弟クライド(アダム・ドライヴァー)、カーマニアの妹メリー(ライリー・キーオ)、爆破のプロで服役中のジョー(ダニエル・クレイグ)を仲間に迎えるジミー。ジョーを脱獄させて金庫を爆破し、再び彼を獄中に戻す大胆不敵な計画は順調に進んでいたように思えたが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Lucky1

Memo1
終始、見ている間。ニマニマがとまりません。
ハラハラドキドキさせるタイプの作品ではなく「まっさかぁ~、こんなに上手くいくわけがないじゃん 笑」と思っているうちに(観客も計画の全貌がわからないまま、ことの成り行きに)まんまと乗せられたままラストまで。
ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダー一味がウェストバージニアでやらかした、みたいな気分を味わいつつ、あー、こんな映画を見たかったのだよ、うんうんと頷くことしきり。
『オーシャンズ』シリーズや『コンテイジョン』などでおなじみ、伏線回収、空白の時間の解説(種明かし)シークエンス。小気味良いテンポでサササーっと描いていく。
(『コンテイジョン』のパンデミック発端が判明する遡りラストは怖かったー)
全編、小ボケが効いた台詞が多数。
・「森に行ってクマに会ってこい
(あるぅ日ー、森のなぁかー、クマさんに~、ではあるまいし 笑)
…で、実際クマの着ぐるみで現れているし…w
・バングに協力する囚人たちが食堂に立てこもって要求するのが『ゲーム・オブ・スローン』原作『氷と炎の歌』の第6部『冬の狂風』
所長がひとこと。
ドラマのほうが原作より先に進んでいる
・「まるで映画みたいな話だ」
ほら、あの、オーシャンズセブンイレブン
(字幕訳だけではなく実際にそう言ってる 笑)

Lucky2

Memo2
チャニング・テイタムと娘のやり取りが、と~っても微笑ましい。
(冒頭の車をメンテナンスしている際の工具を手渡す息のピッタリさ)
アダム・ドライバーがどこかもっさりとした風体で見事な片手でカクテルを作ったりするバーを営む弟クライド役。
『パターソン』の時に思ったけれど、声がもぞもぞっとした感じで、こういう役柄とてもあってる!
ダニエル・クレイグが007とは違ったハイテンション金庫破りの役(しかも手口が爆破で金庫を開ける大雑把な手法。さらには大金強奪のYouTubeで見たという方法。名前もジョー・バングって)
妹メリーはドートマンダーシリーズで言うとさしずめスタン・マーチ?(道順ではなくて車自体に詳しい)
ヒラリー・スワンクが出てきただけでヒラリー・スワンク 笑
(出ていることを知らなかったので余計にヒラリー・スワンク)
ラストのバー、Duck Tapeでローガン兄弟たちの向かい側のカウンターに座っているのは、やっぱり「ローガン家の呪い」は溶けなかったのだろうか?と思わせる締めくくり。
(それにしても1番セコイ悪党は、被害額を水増し申告して保険会社から大金をせしめたであろうレースの経営者)←ジョーはきっちりと行動10ヶ条の「引き際を見極める」を実行してるのに。
フリー・ファイヤー』『エイリアン : コヴェナント』(本作、まさかのキャサリン・ウォーターストン出てるし)に続いてジョン・デンバーの曲が。(今年だけで3作品。何か、あるのだろうか?)
さらに付け加えると来年早々公開の『キングスマン・ゴールデンサークル』にも。
いろいろ選曲が素晴らしいけれど『フォレスト・ガンプ』『バトルシップ』など、よーく登場するこの曲!
Creedence Clearwater Revival
Fortunate Son
娘がコンテストの発表会でバッチリメイクもファッションも決めているのにリアーナの歌を止めて父親ジミーの姿を見つけて「パパの大好きな歌を」と「カントリー・ロード」を歌い始めるシーン。
会場の観客(子供たちの親ら)もメロディにのせてくちづさみはじめ、いつの間にか合唱へ。
そう!ここはニューヨークでもラスベガスでもなくウェストバージニア!
ブログ記事タイトル、これにしようと思ったけれどあまりにあまりなのでやめたけれど一応記載 → 食塩とグミとゆで卵とカリフラワーとジョン・デンバー。

『ローガン・ラッキー』オフィシャルサイト
http://www.logan-lucky.jp/

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If you must blink, do it now.『KUBO クボ 二本の弦の秘密(kubo and the two strings)』トラヴィス・ナイト監督、アート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ルーニー・マーラ、レイフ・ファインズ、他

注・内容に触れています。
KUBO クボ 二本の弦の秘密
kubo and the two strings

監督 : トラヴィス・ナイト
出演 : (Voice Cast)
アート・パーキンソン
シャーリーズ・セロン
マシュー・マコノヒー
ルーニー・マーラ
レイフ・ファインズ、他

物語・クボは三味線を奏でることで折り紙を自由に操ることができるという、不思議な力を持つ少年。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われた際に父を亡くし、片目を奪われたクボは、最果ての地で母と生活していた。しかし、闇の刺客に母までも殺されてしまう。両親のあだ討ちを心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタを仲間にする。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Kubo1

Memo1
If you must blink, do it now.
まさに「瞬きすらしてはならぬ」流麗さ。
あまりに滑らかすぎてストップモーションではなくCGだと思ってる人、多いんじゃないかなぁと心配になるレベルの美しさ。
(もちろんCGやロトスコープなどデジタルペインティングも施されているし、後処理ブラーや光学処理などいろいろ加えられているけれども、根本にあるのはマペットを創り、手に触れるものに命を吹き込むことが第一義としてある)
Laika作品を通して言えることだけれども、本作もまたまたキャラクター造詣が面白い。
アイパッチのクボ、クワガタ、サル(猿・申)、浄瑠璃系人形の趣きの母、闇の姉妹の叔母たち(NHKで昔放送していた、あの人形劇想起!)
それにしても折り紙のストップモーションアニメとは!!!
オリガミ・ハンゾウの「はい、こっちこっち」と方向を指し示す動きの楽しさ!
『モアナ』のタトゥーや『未知との遭遇』ハイウェイ沿いに登るUFO「アイスクリン!」のように小さきものが、主人公の行く手を案内したり暗示する造りは定番にして好み。
グッときた台詞。
(母であるサルと父であるクワガタと紅葉の船の上で)
「こうやって誰かの間で食事したのは初めて」
『コララインとボタンの魔女』でも出てきた悪夢イメージと連なる目(眼)のモチーフ。
見えないことが見えること。
3つの伝説の武具のうちの最後のひとつ「兜」
最初に住んでいた村の鐘に使われていたことがわかり、原点となる場所へと戻る。
武具を探す旅、月の帝と父ハンゾウとの戦いの真実を知る旅、それらの全ては既にここに。
If you must blink, do it now.
Voice Cast
月の帝の声が!レイフ・ファインズってヴォルデモート卿や〜、とかシャーリーズ・セロンとルーニー・マーラが対決していると脳内変換できたり非常に贅沢にして的をえたキャスティング。
(評判の良い日本語吹き替え版は現時点で未見)

Kubo2

※Memo2
脚本 (PDFファイル・保存が可能)
http://focusfeaturesguilds2016.com/workspace/uploads/screenplay/kubo_and_the_two_strings_awards-2016-final.pdf
エンディング曲にやられた!といった方も多いと思いますが、まあ、本当になんてことしてくれるんだという選曲とアレンジ、アニメーション。
最後にとどめの早送りメイキングシーン(ここで「エッ!?これって人形だったの」とビックリされたのではないかと…)
そのエンディング曲のオフィシャルビデオ。
Regina Spektor
While My Guitar Gently Weeps Official Video
https://www.youtube.com/watch?v=8hUOKjy-9-o
歌川国芳相馬の古内裏(Takiyasha the Witch and the Skeleton Spectre)」をモチーフとしたHall of Bones sequenceメイキング
(英訳は図録などに記載されているものではなく一般的に広まっているものを記載)
https://www.fxphd.com/blog/kubo-and-the-two-strings-behind-the-hall-of-bones/

Kubo3

「相馬の古内裏」はメイキングでも言及されているけれど、もうひとつ印象的な海底の目玉はオディロン・ルドン「起源」 Ⅱ. おそらく花の中に最初の視覚が試みられた』なのだろうか?
他にも葛飾北斎(冒頭の波濤はまさに!)や斎藤清の版画にもインスパイアされているとインタビューなどで答えている。
3D Printer によるパペット制作
https://www.digitaltrends.com/movies/laika-cgi-3d-printing-stop-motion-kubo-and-the-two-strings/
また、別の記事
http://www.hollywoodreporter.com/features/how-kubo-two-strings-merged-stop-motion-animation-3d-printing-a-400-pound-puppet-955406
3Dプリンターによるパペット制作とLaikaならではのストップモーションアニメーション技術『KUBO クボ 二本の弦の秘密』そして、3Dモデリングとレーザーカッター、昔ながらのクラフツマンシップが合わさったミニチュア『ブレードランナー 2049』と今年はアナログとデジタルのまさに混じり合った融合の傑作が見られた年。

映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』公式サイト
http://gaga.ne.jp/kubo/

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2017-11-12

『 IT イット “それ”が見えたら、終わり。』アンディ・ムスキエティ監督、ジェイデン・リーバハー、ビル・スカルスガルド、フィン・ヴォルフハルト、ソフィア・リリス、他

注・内容、台詞に触れています。
IT イット “それ”が見えたら、終わり。
IT

監督 : アンディ・ムスキエティ
出演 : ジェイデン・リーバハー
ビル・スカルスガルド
フィン・ウォルフハード
ソフィア・リリス
ジェレミー・レイ・テイラー
ワイアット・オレフ
チョーズン・ジェイコブズ
ニコラス・ハミルトン
ジャクソン・ロバート・スコット、他

物語・とある田舎町で児童が行方不明になる事件が相次ぐ中、おとなしい少年ビルの弟が大雨の日に出掛け、大量の血痕を残して姿をくらます。自分を責めるビルの前に突如現れた“それ”を目撃して以来、彼は神出鬼没、変幻自在の“それ”の恐怖に襲われる。彼と同じく“それ”に遭遇した人々とビルは手を組み、“それ”に立ち向かうが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

It1

Memo1
なるほど。
この方法があった。
原作を読んでいる人、昔の映像版を見たことがある人、全く予備知識無しで見た人。
それぞれでうける印象は変わりそう。
既に知っている人からすると原作から重要なポイントを上手く抽出しての鋭い脚本に唸り、初めて見る方にとっても、漂うジュブナイル感とドキドキがミックスされたホラーの秀作となっている。
年代も27年後が現在の2016~2017年になるように設定された1980年代に置き換えている点は偶然なのかマーケティングによるものなのか?
小説が出た年、さらに90年のテレビ版を見た世代が、その時代へのノスタルジーを加味した上で見ることのプラスアルファ。
親の過度な干渉、性的虐待、いじめなど、それぞれが抱えている問題(心の奥に押し込めてしまう「それ」自体)が恐怖となって増幅される。
ラスト、ペニーワイズが「Fear…」(本当の恐怖は…)とつぶやくように消えていく。(まだつづく感が半端ではない締め方)
さらに川のそばでそれぞれが手のひらに傷をつけ、血の誓いを告げる。
"IT"がまた戻ってきた時は、みんなまたここに戻ってくると…。
(このあと、ひとりとひりの去っていく順番って、もしかして…???)
一番怖いシーンは冒頭の7歳の弟、ジョージがペニーワイズと遭遇するところ。
容赦なく腕を噛みちぎる場面はインパクトが大きい。その後、ペニーワイズが出てくる度に身構えてしまう。
で、身構えが過ぎるところへべバリーが浴室で「エルム街の悪夢」再現の鮮血シーン。ふりかえると「ギャッ」と突然現れるところは悲鳴があがっていた。
監督インタビューによると本作撮影中に『ストレンジャー・シングス』の配信が始まったのでフィン・ヴォルフハルトの両作品出演は偶然ということみたい。
(『ストレンジャー・シングス』マイクと違ってこちらはひたすら喋ってますが…笑)
自転車「Silver」
字幕にも出ていたけれど本編中では際立って重要ポイントはなかったので、これは続編で再登場ということだろうか?
スティーヴン・キング作品に時折登場する「亀」もレゴをはじめ水遊びをしているときに「足になにか触った」「亀がいる」と言った台詞なども出てきた。
蛇足
全く関係ないけれど最初に読んだ時から思ってたので、ちょっとメモ w
ペニーワイズとベニズワイガニで踏める。

It2

Memo2
Main Titles → Picture Mill
End Credits → SCARLET LETTERS
使用曲リスト
Songs and music featured in It (2017)
https://www.tunefind.com/movie/it-2017
カラーリスト(Colorist)は『ゾディアック』や『スノーデン』など多数手がけているCOMPANY 3Stephen Nakamura
町全体に漂う不穏当な空気。夜間や曇天シーンを多用するわけではなく、青春ものとしての真夏の空、陽の光もしっかりととらえ、その上でギラギラ感を少し薄めたカラー調整は見事。
判別できないほどのペールトーンとしてイエローアンダーベースをレンズフィルターソフトで後調整しているようにも見える濁りの少ない黄色みが足された空の色
http://www.company3.com/artists/stephen-nakamura-2/

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/itthemovie/

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2017-10-28

『ブレードランナー 2049(Blade Runner 2049)』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、ジャレッド・レトー、他

注・内容、ラストシーン、会話など盛大にネタばれしています。
ブレードランナー 2049
Blade Runner 2049

監督 : ドゥニ・ヴィルヌーヴ
撮影 : ロジャー・ディーキンス
出演 : ライアン・ゴズリング
ハリソン・フォード
アナ・デ・アルマス
シルヴィア・フークス
ジャレッド・レトー
ロビン・ライト
カーラ・ジュリ、他

物語・2022年にアメリカ西海岸で大規模な停電が起きたのをきっかけに世界は食物供給が混乱するなど危機的状況を迎える。2025年、科学者ウォレス(ジャレッド・レトー)が遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして、元捜査官デッカード(ハリソン・フォード)が突然行方をくらませて以来30年の月日が流れた2049年には、レプリカントの寿命に制限がなくなっていた。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Br2049a

Memo1
独特のペシミスティックさがもたらす、実世界の延長線上にあってもおかしくない直近未来。
ヴィルヌーヴ監督の美意識が隅々まで行き届いた端正な作品。
それはロジャー・ディーキンスの撮影からサウンドデザイン、エンドクレジットで使用されるフォント(その色も)まで全てにおいて。
『ブレードランナー』(1982年)にも出ていた用語「SKIN JOB」が本作にも。
署内でKとすれ違う署員から完全に差別用語として吐き捨てられていた。
訳は「人間もどき」「もどき」
(「人間もどき」というと『マグマ大使』を思い出してしまいますが 笑)
前作のフォークト=カンプフ検査と同じようにレプリカントに対しての検査が行われる。
Kが警察署に入る前に行われる部屋の会話。
「接続」の意の「interlinked」を何度も言わされる。
最後は3回繰り返して
「Within cells interlinked」
「Within cells interlinked」
「Within cells interlinked」
(ふたつで十分かもしれないけれど)前作繋がりでもうひとつ。
一角獣を折っていたガフの折り紙が。
それも羊って…笑 (もっとも主人公がKというのも原作者もじりかもしれませんが←未確認)

Memo2
冒頭、デッカードに解任(処分)されたレプリカント、サッパー・モートンの住居近くの木の下から見つかった骨(のちにレイチェルのものと判明するのだが、このときはまだ知らない)を調べるデッカード。
ホログラフィAI、ジョイ(アナ・デ・アルマス)との会話。
「A、G、T、C…」
たったの4文字で表される
わたしは0と1の2文字
(鋭く、どこか切なさもある会話)
ハンディ機器エマネーターで初めて屋外に釣れだしてもらった際の手のひらでうける雨、他人のボディと同期してデッカードとの肉体的に交わり…。
その4と2文字の差異。
ジョイはどこまで感じていたのだろう。
どのような感じだったのだろう?
ラストシーン。
自分の記憶(移植された記憶とわかるまでのほんの僅かなあいだだが)としての、よりどころであった木馬をデッカードに手渡す。
(前作では揺らぐ記憶、存在証明、時間…その補完として写真を集めていたレプリカント)
デッカードのためにラヴと死闘をくりひろげ、命燃え尽きようとするK(命を託す前作のロイのようだ。さらにはロビン・ライト演じるジョシが台詞でふれていた自己犠牲?)
ステリン研究所の前で静かに横たわるK
その上に、ひたひたと雪が舞う。
続いて、手に落ちる雪のカットに。
デッカードとレイチェルとの間に生まれた娘。
アナ・ステライン(カーラ・ジュリ)。
「少し待ってください」
隔離された室内の中央に立っている。
「美しい…」
そして、近づいてくるアナ。
視線をあわせる。
手のひらを隔てているガラスにあてるデッカード。
このアナ・ステラインがレプリカントにうめこむための記憶を作り出す、最高の研究者という設定が素晴らしい。
Kがもしかすると自分が探しているレプリカントから生まれた子どもではないかと思って、訪ねてきた際のシーンもとてつもなく美しい。
(ここでアナはKの記憶は自分のものであることに、気づいて涙する)
オランダ出身という意味も含めて、前作のルトガー・ハウアーと対になると思しきウォレス社のラヴ(シルヴィア・フークス)←メチャクチャ強いし、意志強固にして冷徹。
最後のウォールでのKとの海上対決。
死の間際。
溺れゆく中、見たのはKの顔ではなく自分の創造主であるウォレスの姿が重なるように映しだされる。(この死の間際に…という点でも前作の屋上シーンと重なる部分が)
公開前に発表された30年間の空白を埋める短編。
ブレードランナー ブラックアウト 2022
2036:ネクサス・ドーン
2048:ノーウェア・トゥ・ラン
特にこの2048は本作冒頭にそのまま繋がっていくレプリカント/ネクサス8型、サッパー・モートンのエピソードが描かれている。
映画は女優でという小林信彦先生の教えに従ってジョイ役が魅力的だったアナ・デ・アルマスの他作品をNetflixでチェック。
キアヌ・リーヴスがノックアウトされた『ノック・ノック』と主演サスペンス『サイレント・ウェイ』(←タイトルシークエンス最高!)が現在配信中。
黒いブレードランナーと白いブレードランナー。
ロンドン・イメージの酸性雨の降る『ブレードランナー』とグレーの空・イメージの『ブレードランナー 2049』
色彩トーンアプローチの仕方が全く違う。
本作では、前半のロスアンゼルスPARTと後半ラスベガスPARTでの色調がグレイッシュオレンジブラウンと分かれている。

Br2049_ab

Memo3
タイトルデザイン
今年のベスト!タイトルデザインと言えるデジタルノイズとオレンジ色のフォントとの饗宴(競演ではなく)。
Prodigal pictures
Danny Yount
http://www.prodigalpictures.com/
メイキング、クリップなど
Created with Blade Runner 2049
いくつかのbehind Scene動画を見たけれど、VICE取材による、このメイキングが長さとバランスがよい。
(本当に撮影中の現場に取材に行っている)
Inside the Making of 'Blade Runner 2049' (VICE)
https://www.youtube.com/watch?v=T0kobbjpdUg
The Cast and Crew of 'Blade Runner 2049' on the Original Film
https://www.youtube.com/watch?v=T0kobbjpdUg
Blade Runner 2049 Experience LUV
https://www.youtube.com/watch?v=8fzWBNUr8Zo
Blade Runner 2049 - Fire
https://www.youtube.com/watch?v=8QvJajVj28w
ホログラフィAI、ジョイの起動音
(もしかしてSONY製品で既にある?もしくは、これから出てくる?)
プロコフィエフ「ピーターと狼
Joi Notification Sound
Peter and the Wolf Opera 67
Sergei Prokovief
https://www.youtube.com/watch?v=b07U7DtAflY
サウンドデザインについて
SoundWorks Collection: The Sound of Blade Runner 2049
https://www.youtube.com/watch?v=b07U7DtAflY
あのロケ地は何処? Filming Locations
主にブダペストで撮影
(リバティー広場にある旧ブダペスト証券取引所など)
ウォレスの事務所ホールとして、未完成のNeanderthal Museumからイメージをコンセプトアーティストが許可を得て使用したものも(写真あり)。
また、現在識別中のものもあり、新たに判別すると更新。
http://www.atlasofwonders.com/2017/10/blade-runner-2049-filming-locations.html

COLOR of CINEMA内、過去記事
『デンジャラス・デイズ : メイキング・オブ・ブレードランナー(Dangerous Days: Making Blade Runner)』と粗編集版(ワークプリント)を含む5つの『ブレードランナー』
http://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/dangerous-days-.html

『ブレードランナー2049』オフィシャルサイト

http://www.bladerunner2049.jp/

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2017-10-26

タイトルデザイン_55 Richie Adams『バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)』ダグ・リーマン監督、トム・クルーズ

注・内容、台詞に触れています。
バリー・シール/アメリカをはめた男
American Made

監督 : ダグ・リーマン
出演 : トム・クルーズ
ドーナル・グリーソン
サラ・ライト・オルセン
、他

物語・民間航空会社のパイロットでトップクラスの操縦技術を持つバリー・シール(トム・クルーズ)は、CIAにスカウトされる。偵察機のパイロットとなった彼は極秘作戦の過程で麻薬組織と接触し、麻薬の運び屋としても才能を発揮する。政府の命令に従う一方で、違法な密輸ビジネスで荒稼ぎするバリーだったが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Am

Memo1
陽気にトンデモ話をヒョイヒョイとこなしていく姿はスターオーラ全開、まさにトム・クルーズ磐石。
(昔、関西で流れてた某引越し会社CM)「ホンマかいなー、そうかいなー」を歌い出したくなるほどキテレツな話が実は実話。
「決して、機内は空っぽで空気を運んだりはしませんよ〜」とばかりに行きは機関銃などの武器(雇い主・CIA)、帰りは麻薬(雇い主・メデジン・カルテル)とある意味ビジネスとしては大正解だけれど、やってることはメチャクチャ。
『アルゴ』(こちらも偽映画撮影を偽ってイランから大使館員を脱出させる実話)にせよ本作『バリー・シール』にせよ、1970年代~1980年代中盤ぐらいが、今なら一瞬でバレる嘘が通ってしまう、ぎりぎりの年代だったのだなぁ、と思う。
↑そしてネタの宝庫年代なのかも。
(それにしても嘘もユルい→CIAを反対に読んだAICという社名が…オイオイ 笑)
CIA側の依頼主シェイファー。
どーなる?ドーナル・グリーソンと思ってみていると、やはり後半になるにしたがって(『エクス・マキナ』や『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』の時のように)「エッ?!どーなる?」状態に。
しかし、今回はイラン・コントラ疑惑事件の絡みもあり、全ての作戦を中止に。
そしてバリーシールにひとこと。
「シェイファー?誰のことだ」
FBIが資金流入調査をしている際、あまりにも莫大なお金がアーカンソー州のミーナという人口5000人の小さな町に流れていることが判明。
調べにいくと、あちらこちらに銀行や不動産会社、はては高級車が何台も走っている。
これをきっかけに(他にもいろいろほころび始め)逮捕へ。
州警察DEA(米国麻薬取締局)とFBI(米国連邦捜査局)とATF(爆発物取締局)が一斉に現れて「で、どこが逮捕するの?」状態のシーンは笑った。
そして捕まったあとの州司法局で。
もう絶対に許せないといきり立つ長官に電話。
バリーシールが部屋に通される前に廊下で。
「いやぁー、本当に迷惑かけたねぇー」「お詫びに車でも」
笑い飛ばすFBIや州警察の面々。
で、部屋から出てきて手錠を外されて。
結果、あっさりと無罪放免。
「車を損したな」
続いて、この台詞(ボイスオーバーで)
今度の雇い主はホワイトハウスだ
妻子を安全な場所に逃し、モーテルからモーテルへと、逃走しつつビデオテープに起こった出来事を時系列にセルフ録画していくバリーシール。
いつJB(義理の弟)と同じこと(麻薬カルテルによる暗殺)が起こるかわからない精神状態で、まわりに人が入れば避けてもらって車のキーを回す。
ドキドキ、ドキドキしながら回す。
近づく人影。
(カルテルからの魔の手のようにもみえるが、もしかすると今でもなかったことになっている事件だし都合が悪い、その筋の人たちかもしれない。その実はわからないような銃声の音)
ダグ・リーマン監督、以前に『フェアゲーム』も撮っているので、本作含めCIAネタ&アメリカ大統領裏面史をエンターテイメントの表カバーに包んだ形で通して描きたかったのかもしれない?

Memo2
撮影監督が『シティ・オブ・ゴッド』や『ナイロビの蜂』のセザール・シャローン
ジャングルの緑赤茶けた土の色を、ややハイキー気味に撮った画面はこの人ならではの本編とのマッチ具合。
タイトルデザイナー > Richie Adams
(River Road Creative名義はクレジットされていませんでした)
4:3 ビデオ画面のチラツキノイズにトラッキングずれを、わざわざ施した80年代的エンドクレジット。

『バリー・シール/アメリカをはめた男』公式サイト
http://barry-seal.jp/

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