2018-10-15

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(Solo: A Star Wars Story)』ロン・ハワード監督、オールデン・エアエンライク、ウディ・ハレルソン、エミリア・クラーク、他

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
Solo: A Star Wars Story

監督 : ロン・ハワード
脚本 : ローレンス・カスダン
出演 : オールデン・エアエンライク
ウディ・ハレルソン
エミリア・クラーク
ドナルド・グローヴァー
ヨーナス・スオタモ、他

物語・帝国軍が支配する時代。惑星コレリアで生まれ育ち、自分の力だけで生き抜いてきたハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)は、銀河で一番のパイロットになるという夢を抱いていた。やがて宇宙に飛び出した彼は、チューバッカ(ヨーナス・スオタモ)という相棒を得る。彼らは、幼なじみの美女キーラ(エミリア・クラーク)らと一緒に、危険な世界に通じたトバイアス・ベケット(ウディ・ハレルソン)が率いるチームに加わり、壮大な冒険に身を投じる。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Solo1

Memo
あまりに量産されすぎて、やや分が悪い感じで評され(公開当時)興業不調が伝えられるスピンオフ作品だが、このテンポとか風合いはとても好み
(ディズニー傘下以前の、特にSW旧3部作ファンが喝采云々記事もなるほどと思える)
いろいろ漏れ伝え聞くハン・ソロ伝説のいくつかが描かれる点(チューバッカとの出会いや信頼関係を紡いでいく場面やなんといっても初めてふたりならんでのミレニアム・ファルコン号操縦シーンはウルッときた。)
ロン・ハワード監督の新作であり"白いドレスの女"ローレンス・カスダン(親子ですが)脚本作品であることがとりもなおさず嬉しい。
台詞にあらわれるローレンス・カスダン味
「あなたはいい人よ」
言われて戸惑うハン。
最後にキーラが一緒に冒険をしてどういう気持だったかを告げる。
「スマイル」
ラストでのキーラへむけられたファムファタール照明。
(ハン・ソロとはなればなれになってからの期間に起こった出来事の闇の面、もしくはこれからのことを暗示しているのだろうか…。)
それにしても、もう少しエミリア・クラークのキーラを見たいのだが、このあとの予想できる暗黒展開をディズニー傘下のルーカスフィルムは作らないだろうなぁ、と思うと残念。
いろいろ解釈ものを読むとレイの母親がキーラでは?というのも。
これって結構、希望的にも「そうだったら、いいなぁ」と思う。
・『フォースの覚醒』でレイが「ポンコツ」といっていたファルコン号に乗り込んだ際の操縦の勘は、既に母親が乗っていたからといった繋がりだといいなぁ
・レイがハン・ソロをメンターであると同時に父親を見るような目で見ているのも、キーラのことあってのことだったらいいなぁ
Main Title Design → PRODIGAL PICTURES
End Title → SCARLET LETTERS

Solo2

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
公式サイト

https://starwars.disney.co.jp/movie/hansolo.html

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Netflix『オペレーション・フィナーレ』クリス・ワイツ監督、ベン・キングズレー、オスカー・アイザック、メラニー・ロラン、他

オペレーション・フィナーレ
Operation Finale

監督 : クリス・ワイツ
出演 : ベン・キングズレー
オスカー・アイザック
メラニー・ロラン、他

物語・1960年、イスラエル諜報特務庁の諜報員たちはある重要任務につく。
それは、悪名高いナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンを捕らえること。
史実に基づくドラマ。

Of

Memo
アイヒマンをベン・キングズレー、モサド(イスラエル諜報特務庁)側にオスカー・アイザック、メラニー・ロランら。
懐かしグレタ・スカッキ(『グッドモーニング・バビロン!』)を発見。(←アイヒマンの妻役。エンドクレジット読むまでわからなかった!)
なんといってもベン・キングズレーの凄み。
(一筋縄ではいかない人物。殺戮の実行命令者であるにもかかわらず、時に弱い面を見せたり、目隠しされた状態で食事を取るときの催促する際の不遜な態度。「自分は無実だ。ただ命令に従っただけだ。君もそうするだろ?」それらが交錯する)
最も怖かったシーンはアルゼンチン国内に残るユダヤ人迫害を支持する者たち(アイヒマンを匿う母体)の集会。ただのキリスト教関連の集まりと思っていたら起こる「ジーハイル」の歓声と、あのポーズ。(ラストのハーケンクロイツも怖い…)
最初、イメージしていた物語はアイヒマンを如何にして捕獲するかが重点かと思っていたところ、いかにイスラエルへ送り届けるかがポイント。
法規上、アイヒマン本人のイスラエル行き同意のサインが必要となる。
尋問、交渉のプロがいくらやっても折れないアイヒマンに対峙した過去、実姉をナチスに殺害されたピーター(オスカー・アイザック)とアイヒマンの密室空間での緊迫感が素晴らしい。
(ピーターがアイヒマンの髭を剃るシーンの怖いこと、怖いこと。かつて『カラーパープル』で同じような場面があったけれど、とにかく怖いです)
もうひとつ、本性なのかピーターへの嫌がらせなのか「殺戮の日のことを覚えている」と克明にあてつけのようにわめきながら話すシーンも実に怖い…
音楽はアレクサンドル・デスプラ
公式サイト
https://www.alexandredesplat.net/index.php
タイトルデザイン(Main Title Sequence Design)
SHINE
(画像、動画あり)
http://shinestudio.com/projects/operation-finale/

オペレーション・フィナーレ
Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

https://www.netflix.com/jp/title/80986885

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2018-10-01

『クワイエット・プレイス(A Quiet Place)』ジョン・クラシンスキー監督、エミリー・ブラント、ジョン・クラシンスキー、他

注・内容、ラストに触れています
クワイエット・プレイス
A Quiet Place

監督 : ジョン・クラシンスキー
出演 : エミリー・ブラント
ジョン・クラシンスキー
ミリセント・シモンズ
ノア・ジュープ、他


物語・音に反応して襲撃してくる何かによって、人類は滅亡の危機にさらされていた。リー(ジョン・クラシンスキー)とエヴリン(エミリー・ブラント)の夫婦は、 聴覚障害の娘ら3人の子供と決して音を立てないというルールを固く守ることで生き延びていた。手話を用い、裸足で歩くなどして、静寂を保ちながら暮らして いたが、エヴリンの胎内には新しい命が宿っていた。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Acp

Memo
「はじめの第一歩」(これは動いてもアカン)か積木くずし(これ、ちょっと近い)か「テレビにらめっこ」(これは笑ったらアカン。じっと我慢して音を出さないで)
まあ、なんといっても頼もしいエミリー・ブラントのこと。
『オール・ユー・ニード・キル』『ボーダーライン』と見てきた限り、大丈夫でしょー、と思ったら案の定。
モニター越しに走ってくる2匹のクリーチャー。
最高ボリュームにあげられるスピーカー。
ラストはショットガンを充填。
ガシャという音と少しニヤリとした口もとと共にピタリと決まった見事なショットでエンドクレジットへ。
(評価が高さは、実はこのラストショット部分もあってのことだろうなぁと惚れ惚れ)
とはいえ、バランス的にはツッコミどころが多いのも確か。
多分、第一義に音を立てたらの「音」はどのような質の音なのか、大きさなのかが、曖昧(滝の裏側であれだけ大きな叫び声があげられるのだったら、相当大きな音も大丈夫では?)
クリーチャーの姿を見たとき思わず「嫌ぁぁぁー(ear)!」という日本だけでしか通じないフレーズを思いつくぐらい「耳」である。
その造詣が素晴らしい。聞き耳ならぬ集音器のような増幅された音もあいまってなかなかのもの。
タイトルデザイン(Main Titles and End Titles)
IGNITION CREATIVE.
予告編やTVスポットも
http://ignitioncreative.com/work/detail/a-quiet-place

映画『クワイエット・プレイス』公式サイト
https://quietplace.jp/

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2018-09-17

『女と男の観覧車(Wonder Wheel)』ウディ・アレン監督、ケイト・ウィンスレット、ジャスティン・ティンバーレイク、ジュノー・テンプル、ジム・ベルーシ、他

女と男の観覧車
Wonder Wheel

監督・脚本 : ウディ・アレン
出演 : ケイト・ウィンスレット
ジャスティン・ティンバーレイク
ジュノー・テンプル
ジム・ベルーシ、他

物語・1950年代のコニーアイランド。遊園地のレストランでウエイトレスとして働く元女優のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、再婚同士の夫と自分の連れ子と一緒に、観覧車の見える部屋に住んでいた。平凡な日々に幻滅し、海岸で監視員のアルバイトをしている脚本家志望のミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)とひそかに交際するジニーだったが、ある日久しく連絡がなかった夫の娘が現われたことで歯車が狂い始め…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Ww2

Memo
偶然か必然か『ブルージャスミン』と同じビターさを持つ本作。
ケイト・ブランシェットからケイト・ウィンスレットへとケイト繋がり。
ラストの台詞。
「釣りは嫌いよ」
ヴィットリオ・ストラーロによるデジタル撮影。
彩度の高い、こってりとしたウォームトーンの色彩が美しい。
おそらく意識したであろうコッポラ監督『ワン・フロム・ザ・ハート』
演劇的空間であり人工照明の美しさでもあり…
(ボラボラ島も出てくるし!?)
人がビッシリと賑わったビーチ側から見える遊園地アトラクションの動きや看板が可愛い。もう少しゆっくりと見てみたい。
1950年代の遊園地、他のVFXを手がけた
Brainstorm Digital
https://www.brainstorm-digital.com/
ロケーションはどこで?
が大好きだと言っていた中国庭園や
Wonder Wheel Film Locations 
On the set of New York.com
http://onthesetofnewyork.com/wonderwheel.html

映画『女と男の観覧車』公式サイト
http://longride.jp/kanransya-movie/

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2018-07-09

見えるものと見えないもの『万引き家族(Shoplifters)』是枝裕和監督、リリー・フランキー、安藤サクラ、城桧吏、佐々木みゆ、松岡茉優、樹木希林、他

注・内容、台詞に触れています。
万引き家族
Shoplifters

監督 : 是枝裕和
出演 : リリー・フランキー
安藤サクラ
城桧吏佐々木みゆ
松岡茉優
樹木希林
柄本明、池松壮亮
緒形直人、森口瑤子
山田裕貴、片山萌美
高良健吾、池脇千鶴、他

物語・治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は万引きを終えた帰り道で、寒さに震えるじゅり(佐々木みゆ)を見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代(安藤サクラ)は、傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。信代の妹の亜紀(松岡茉優)を含めた一家は、初枝(樹木希林)の年金を頼りに生活していたが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Kore2018

Memo1
見えるものと見えないもの(横尾忠則対談集タイトルにもありました←漢字は「観えるもの」)
また、関西テレビでちょうど再放送中の『ゴーイング マイ ホーム』の中でも「世の中は目にみえるものだけでできているんじゃない」といった台詞があるように是枝監督作品の通底するテーマのひとつと思う。
それは撮さないことでみえてくるもの"いろいろなもの"でもある。
脚本完成前に撮影された海水浴シーン。
樹木希林演じる台詞(聞きとれないつぶやきだが原作では「ありがとうございました」)が既に続くシーンへとつながることも考えられていたのだろうか?
同じくラスト。
初見の時に気づかなかったがバスの中でつぶやいた口元。
原作には「おとうさん…」とはっきりと書かれていて、このあたりの印象が少し変わるのも映像とことばの差異として面白い。
(よく言われる「ことばにならないことば」それこそが目で見ることと文字で読むことの違い。映像は映像を喚起しないが小説は映像を喚起させる。また映像は具体的に発せられていない台詞であってもことばを換気させることがある。そんなことを、ふと思った)
是枝作品が好きなのは、その(小説で言うところの)読後感(それもよい読後感)に似た味わいが残るからなのだろうなぁと改めて思った。
近藤龍人による35mmフィルム撮影。
今までの是枝監督作品とは違った趣きがあり新たな側面。
そして、同じく初の細野晴臣による音楽も。
エンドクレジット、是非最後の1音まで聴いて(見て)ほしい。
あと劇中、ハッとさせられる使い方も。

Memo2
KODAK メールマガジン
撮影 : 近藤龍人 インタビュー
インタビュー中に出てくる、言葉。
フィルムの色は「記憶色」
https://www.kodakjapan.com/motionjp-mag108
日本映画専門チャンネルでメイキング・オブ「万引き家族」を見る。
30分番組だが密度が濃い。顔合わせ、夏編の撮影、書き進められた脚本の読み合わせ、セット美術のこと、カット割りされるかと思われた場面がワンカットで撮られた瞬間、子役への演出、そして安藤サクラから溢れでた感情
IMDbには既にプリプロ中として「The Truth About Catherine」の記載が。
BRUTUSでの監督対談で細野晴臣『銀河鉄道の夜』の音楽が先に仮当てられていた話が。
こちらはhoneyee.comに掲載された対談。
是枝裕和・細野晴臣が語る、パルムドール受賞作『万引き家族』の音楽と創作を続ける理由
http://www.honeyee.com/art-culture/001339
次回作としてIMDbには既にプリプロ中「The Truth About Catherine」の記載が。

Shop

Memo3
端正なパンフレット。
デザインは大島依提亜。
本文44ページ。監督、出演者、撮影監督、細野晴臣さんインタビューやコメント。プロダクションノートとコラムが3本(内田樹、中条省平、坂元裕二の3氏) そして人物相関図と間取図!

(文中敬称略)

『万引き家族』公式サイト
http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/



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2018-06-25

「I bite(噛むぞ)」『犬ヶ島(Isle of Dogs)』ウェス・アンダーソン監督、ブライアン・クランストン、コーユー・ランキン、他

犬ヶ島
Isle of Dogs

監督 : ウェス・アンダーソン
出演 : ブライアン・クランストン
コーユー・ランキン
エドワード・ノートン
ビル・マーレイ
ジェフ・ゴールドブラム
スカーレット・ヨハンソン
ヨーコ・オノ
野村訓市
野田洋次郎
村上虹郎
渡辺謙
夏木マリ
グレタ・ガーウィグ
フランシス・マクドーマンド
ティルダ・スウィントン、他

物語・物語・近未来の日本で、伝染病のドッグ病が大流行し、犬たちは「犬ヶ島」に隔離される。12歳の少年アタリは捕らわれた愛犬スポッツを捜すため、メガ崎市からたった一人で小型飛行機を操縦し犬ヶ島へと降り立つ。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Dog1

Memo1
監督本人のインタビューなどで言及されている黒澤明監督作品(特に現代劇)への音楽、キャラクター造形など多岐にわたってオマージュ。
(「七人の侍」「酔いどれ天使」「天国と地獄」「悪い奴ほどよく眠る」)
もう、ずっと見ていたい!
例によってウェス・アンダーソン監督らしさ満載のポップ、カワイイの背後にあるビター部分を含んでいて素晴らしい。
(以前にも書きましたが綺麗な色ー、と思って食べたら毒キノコ?!!のような感じと例えればよいのか)
『グランドブダペストホテル』では墓地から幕を開けたが、本作は下方向移動で(墓地想起)まるで地霊のように納まるチーフとナツメグで幕を下ろす。
(まあ、確かにいろいろと語弊を生みそうなネーミングの)犬インフルエンザとアナウンスされていた部分はドッグ病に(パンフレット含め記載が変わってた)。
最初に「犬ケ島」で発見したスポッツのものと思われる檻の中で白骨化してる犬の姿にには「わわっ」と思った。
アタリ少年の頭にささったままのプラグも含めて、全体のオーラ通してなにやら不穏当な空気が蔓延としているあたりも実社会との奇妙なシンクロ感もあり、一筋縄では行かぬ作品となっている。
予言犬の名前が「ジュピター」と「オラクル」なんて最高。
冒頭、犬対猫の語りは「オラクル」によるものというのも後で思うと予見的?(あるいは物語誘導性?)
ゴミ捨て場に捨てられているゴミの種類によって背景変化が起こる(色調も)細かさ、そして乱闘シーンでの漫画で表現されてきたポカポカ(ポカスカ)砂塵、カタカナと英語のW表記、細部まで作りこまれた小物類…
もう一回、ずっと見ていたい!

Dog2

Memo2
オープニングタイトルから、お酒のラベル、学生証、タグ、ドッグフード、テレビの「しばらくお待ちください」画面に至るまでグラフィック周りのフォントやデザインがいつにもまして細かい。
リードグラフィックデザイナー(lead graphic designer)
Erica Dorn
https://ericadorn.co.uk/
メイキング映像がいくつか公式公開されているけれど、なかでもVR仕様のこちらは面白い。
360° | ISLE OF DOGS |
Behind The Scenes (in Virtual Reality)
FoxNext VR Studio
https://www.youtube.com/watch?v=JqXC46b1uUg
ウェス・アンダーソン監督作品
タイトルデザイン、タイポグラフィ
(~グランドブダペストホテルまで全作品、各リンク先にタイトル部分画像あり)
http://annyas.com/screenshots/directors/wes-anderson/

映画『犬ヶ島』 公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/inugashima/

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2018-06-11

いろいろアーカイヴ_1・1974年のシネラマ・OS劇場などの半券。

新たなブログカテゴリー。
"映画とその他にまつわるいろいろアーカイヴ"
準備を兼ねてプレスタート。

画像は1974年、2枚のシネラマ・OS劇場半券。
(鑑賞券にタイトルが印字されていないので自分で鉛筆書き。
「パピョン」「栄光のル・マン」)
下段、左は梅田地下劇場・右は梅田劇場の招待券。
どちらも現在のナビオ阪急にあった映画館。
(何を鑑賞したかは記載なしですが、時期的なことと記憶から推察するとそれぞれ「エマニエル夫人」と「伊豆の踊子」←山口百恵・三浦友和主演)

1974

当時のOS劇場は全席指定。
事前予約の場合は座席が印刷されているチケットに入場日時を検印する方法。
(コンピューターチケッティングなど夢のまた夢。窓口の方が該当日時の座席表の埋まったシートを手作業で塗りつぶすアナログ手法)
右側、座席が手描き分は当日売り。

Daimai_t

こちらは(大阪というよりは近畿圏でという呼び名が相応しい)名画座大毎地下劇場
一番上の招待券。
裏側に周りにあった飲食店などの案内が掲載されていて「鶴のす」「インディアンカレー」などの広告が。
(閉館後、ビル建て替え時にテナントとして残っていた「鶴のす」が昨年、閉店してしまったのは悲しい)

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2018-06-01

無一物(むいちもつ)『モリのいる場所』沖田修一監督、山崎努、樹木希林、他

注・内容に触れています。
モリのいる場所

監督 : 沖田修一
出演 : 山崎努
樹木希林
池谷のぶえ
加瀬亮、吉村界人
光石研、青木崇高
吹越満、きたろう
林与一、三上博史

物語・画家の守一(山崎努)は草木が生え、いろいろな種類の生きものが住み着く自宅の庭を眺めることを30年以上日課にしていた。妻と暮らす守一の家には、守一の写真を撮る若い写真家の藤田、看板を描いてもらおうとする温泉旅館の主人、隣人の夫婦など来客がひっきりなしだった。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Mori1

Memo
冒頭から驚いた。
「これは何歳の小学生が書いた絵ですか?」
昭和天皇(林与一)の台詞で幕を開ける。
続く長野で旅館をやっている朝比奈(光石研)が看板を書いてほしいと訪ねてくれるシーン。
「長野!?それは大変だったでしょう。さっそく準備しましょう」
「よかったねぇー、あんた」
「先生はめったに書いてくれないから」
(現に表札が何度も盗まれている)
「新幹線のこと知らないから、ここへ来るの、ものすごく時間がかかったと思われてる」
出された大きな檜。
見守るギャラリー(誰?という人も 笑)
そして書かれた文字。
(旅館名ではなく熊谷守一の好きな言葉)
無一物
鑑賞後用に録画しておいた展覧会のナビ番組『生きるよろこび 画家 熊谷守一の軌跡』と『美の巨人たち/宵月』をチェック。
1972年のドキュメンタリー映像で庭を歩く姿や夫婦で囲碁をうつシーンが部分使用されていた。
蟻の一歩についても。
(紹介作品は1958年「豆に蟻」)
蟻は左足の前から二番目の足から歩き始める
そして、もうひとりの出演者とも言える家、昭和7年築!
インタビュー記事などを読むと全体が見渡せる画面は写さず、庭自体の広さが判別できるのはラスト、写真家・藤田が隣に建てられたマンションの屋上にあがって写真を撮る件(くだり)
こんなに狭かったんだ…。
藤田もアシスタントも、そして本作を観てきた観客もここで驚かさせられる。
その「美の巨人たち」の中で山崎努さんへのインタビュー。
「一貫してマイペースを貫いた人ですよね。彼は見る人でね。見るということはインプットすることで、見た経験が自分の中で発酵してそれが作品としてアウトプットするわけですよね。だけども守一さんの場合は絵を描くためになにかを観察したり勉強するわけじゃないんでね。そういう生き方って贅沢だと思いません?
「好きに作品は『宵月』です」
「あの青は僕にとってはね深くてね。よく見るとあの節のところにジャイアンツのGって書いてあるんですよ。ユーモアあるんですよ」
(本当に熊谷守一さんが好きなんだなぁ、ということが伝わるインタビュー)
じーっと石を見て動かない熊谷。
(まさに本人も石と同化?いや、その前に庭と一体化しているか)
あ、動いた
蟻の隊列について、どうやって撮影したのかについて「モリカズさんと私」に書かれていました。意外とシンプルな方法。(ちなみに黒澤明監督『八月の狂詩曲』でリチャード・ギアと子どもが蟻の行列を見るシーンがあるが、そちらはフェロモンを発生させる装置を使ったりと超大掛かりなシステムで撮られたとのこと。)
設定が1974年。
ドリフターズに志村けんが加入した件の話があっての、たらい落としネタやいつの間にか加わっていた知らない男(三上博史)が実は宇宙人?など一見、リアリスティックに寄りがちなドラマを見事にハネさせていて、この空気感を醸しだす沖田修一監督作品は好みだわぁー。
で、おなじみの食べものネタ。
伊勢海老『南極料理人』海苔『キツツキと雨』とんがりコーン『滝を見にいく』ピザ『モヒカン故郷に帰る』と続いて、本作は牛肉。(姪がついつい買ってきた大量の牛肉。続くシーンが想像どおりで笑ってしまった)

今年(2018年)東京で開催され現在、愛媛県美術館で開催中の『没後40年 熊谷守一 生きるよろこび』展。(6月17日まで)
音声ガイドが山崎努さんと樹木希林さん!
http://kumagai2017.exhn.jp/

Mori2

映画『モリのいる場所』公式サイト
http://mori-movie.com/

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2018-05-31

タイトルデザインやロケ地のこと_1『レディプレイヤー1(Ready Player One)』『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~(Stronger)』『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(I, Tonya)』『ホース・ソルジャー(12 Strong)』『アンロック/陰謀のコード(Unlocked)』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(The Florida Project)』

最近のタイトルデザインやロケ地をまとめて。

レディ・プレイヤー1
Ready Player One
スティーヴン・スピルバーグ監督
Main and End Titles
SCARLET LETTERS
あのロケ地はどこ?
Where was Ready Player One filmed?
https://www.atlasofwonders.com/2018/03/ready-player-one-filming-locations.html

Rpo

ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~
Stronger
デヴィッド・ゴードン・グリーン監督
MAIN TITLE DESIGN & END CRAWL
Plucky

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
I, Tonya
クレイグ・ギレスピー監督
Main and End Titles
BIG FILM DESIGN

ホース・ソルジャー
12 Strong
ニコライ・フルシー監督
Titles BY SCARLET LETTERS
Opening Prolog Design BY THOMAS COBB

アンロック/陰謀のコード
Unlocked
マイケル・アプテッド監督
Title Design & Animation
MATTHIAS BRAUNER

Fp

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法
The Florida Project
ショーン・ベイカー監督
今回は『タンジェリン』のようにiPhoneだけでの撮影ではなく35mmフォーマットも使用されている。
それゆえのラストの美しさ。
ふいにおとずれる魔法。
監督インタビューで印象に残った言葉。
「映画はセルロイドとともに生まれたということを、決して忘れてはいけないと思います。そういう意味では、クリストファー・ノーランとまったく同じ意見です。」
ロケに使われたモーテル
Movie Maps
https://moviemaps.org/movies/3hn

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2018-04-06

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(THE POST)』スティーヴン・スピルバーグ監督、メリル・ストリープ、トム・ハンクス

ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書
THE POST

監督 : スティーヴン・スピルバーグ
出演 : メリル・ストリープ
トム・ハンクス
サラ・ポールソン
ボブ・オデンカーク
ブラッドリー・ウィットフォード
トレーシー・レッツ
マイケル・スタールバーグ
ブルース・グリーンウッド
サーシャ・スピルバーグ、他

物語・ベトナム戦争の最中だった1971年、アメリカでは反戦運動が盛り上がりを見せていた。そんな中、「The New York Times」が政府の極秘文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在を暴く。ライバル紙である「The Washington Post」のキャサリン(メリル・ストリープ)と部下のベン(トム・ハンクス)らも、報道の自由を求めて立ち上がり…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Post

Memo1
トランプ米大統領から「ハリウッドで最も過大評価された女優」と名指し攻撃されたメリル・ストリープがワシントン・ポストの社主役(なんと痛烈で痛快な素晴らしいキャスティング!←トランプ氏『ワシントン・ポスト』嫌ってますからねー。最近もamazon批判で間接的に攻撃してたし)。
1971年の物語ながら、まさしく「今そこにある報道の自由の危機」を描いた現代の話となっている。
ヤヌス・カミンスキーによる35mmフィルム撮影。
スキップブリーチではないと思われるが彩度・カラーパレット含め、そこから感じ取れる70年代映画質感。
(後述リンク先にレンズの事などについて書かれたものあり)
アン・ロスによる衣装。
ジョン・ウィリアムズのスコアも控えめながら渋い旋律。
『ニューズウィーク日本版』2018年4月3日号に「ベトナム戦争の嘘を暴いた男」ペンタゴン・ペーパーズをリークしたダニエル・エルズバーグについての記事が掲載されていました。
おぉっ!ここが映画の冒頭で政府側の嘘、欺瞞を知ってしまった が機密文書を持ち出し複写機(デカイ!)をかけてコピーをとる、あのシーンとつながるのか!と膝をうつ内容。
そしてスピルバーグ監督の時間省略など映画的手際よさにも気づく。
(実際は文書持ち出しまでに数年のタイムラグがある)
メリル・ストリープ演じるキャサリン。
夫の死によって突如「ワシントン・ポスト」社主となり完全に男社会丸出しだった世界へ入ってきてやっている感がものすごくよく表れていた(そして経営者でもあり数字も追わなければいけない。そんなこと自分にやれるかしらとオドオドした様子も)。
・会議の時に重たい資料を全部手持ちでテーブルの上に置いた際「そんなものはスタッフが用意するものだ。何も知らないで」的な馬鹿にしたような視線をおくられる。
・ベンがキャサリン宅に訪ねてきた際、就寝時の服で歩きまわり子どもが走り回っている緊張感の無さにやや言葉を失う。
・その後、近しい友人であったマクナマラのついていた嘘(自分へと国民へとの二重の嘘)と報道の公正さの間に立ち、社主としての
・そして、ニクソン側の圧力に対して輪転機が回る締切りぎりぎりの深夜の決断。
ベンや経営陣、弁護士の輪の中。
「出します」
続く台詞が洒落ている。
「寝るわ」
ベン・ブラッドリーの娘が売ってるレモネードに対して「いくらで売ってるんだ?」「25セント」「倍の値段に。インフレだよ」とひとこと。
(次のシーンでダンボールに書かれた値段が50セントに 笑)
これだけで当時のインフレ状態をあらわす茶目っ気たっぷりの上手さ(ちなみにニクソンショックは文書公表記事のあと)
そう言えばトム・ハンクスって『フォレスト・ガンプ』でウォーターゲート事件、目撃してたし…(このシーン、本作のラストカットとそっくりだったような…)

Memo2
ニューズウィーク日本版ウェブの記事
映画で描かれない「ブラッドレー起用」秘話
ワシントン・ポスト社主キャサリン・グラハム自伝・第2章より抜粋。
その3回目
https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2018/03/post-9860.php
Main and End Title
SCARLET LETTERS
IMDbでアスペクト比を見ると1.85 : 1 (アメリカンビスタ)になっていたので何か理由があるのかと思っていたら、Kodakのニュースレターにこの記事が。
「ヤヌス・カミンスキー(ASC)がスティーヴン・スピルバーグ監督の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』をコダック35mmフィルムで撮影
https://www.kodakjapan.com/motionjp-mag102
実際のアメリカ国立公文書記録管理局によるペンタゴン・ペーパーズ(全文/英語サイト/ファイルはいくつかのPDFに分割されています)
https://www.archives.gov/research/pentagon-papers

Memo3
2018年「春のスピルバーグまつり
本作と『レディ・プレイヤー1』と続けて見られる幸福感。
デビュー時から現在までリアルタイムで公開時に作品を見続けられている監督って誰だろう?と考えたときにすぐに思い浮かんだのはスピルバーグ監督。
(ヒッチコック監督は遺作となった『ファミリープロット』だったし、ビリー・ワイルダー監督は『フロントページ』からだったし、コッポラ監督は『ゴッドファーザーPART2』からだったしウディ・アレン監督は『アニー・ホール』からだったしと…以下略)
また、見た作品と劇場(映画館)の名前がセットになって覚えているのも思えば個人的映画記憶となっています。
特に1970年代。
『激突』梅田コマゴールド(←こちらはテレビ放送後、劇場公開パターン)『続・激突 カージャック』阪急プラザ劇場『ジョーズ JAWS』梅田東映パラス『未知との遭遇』OS劇場…
ずっと見続けている映画監督が今もなお最新作を撮り、しかも傑作を生み続けているのはとても嬉しい!

映画『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』公式サイト
http://pentagonpapers-movie.jp/


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