2017-02-24

『ラ・ラ・ランド(La La Land)』デイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、J・K・シモンズ、他

注・内容、台詞に触れています。
ラ・ラ・ランド
La La Land

監督 : デイミアン・チャゼル
出演 : ライアン・ゴズリング
エマ・ストーン
J・K・シモンズ
ジョン・レジェンド、他

L1

Memo1
"映画は女優で"という小林信彦先生の教えに従ってエマ・ストーンが出ているだけで無条件に見ている者にとっては、まあ、それだけで満足。
(その点から言うとウディ・アレン近作2作は"さらに倍")
"Audition"を歌うシーン、そしてエンドクレジット後半に流れる"City of Stars"エマ・ストーンによるハミングバージョン。
『ワン・フロム・ザ・ハート』想起した初期予告編やポスターからのイメージとはかなり違う。
ただ、後半、部屋がエメラルドグリーンの光に包まれ続けるシーン、特にエマ・ストーン顔アップシーンとテリー・ガーやフレデリック・フォレストに同じように照らされていた光が、やや被る(あとテリー・ガーが家を出て行くシーンの後ろ姿を捉えたショットと似たクレーン俯瞰ショットがいくつか)
ウディ・アレン『世界中がアイ・ラヴ・ユー』を"その年のベスト1"にあげていた淀川長治先生が、ある種対極にある『ラ・ラ・ランド』を見たら、どんな感想だったのだろう?ということを考えている。
(『世界中がアイ・ラヴ・ユー』パンフレットの溢れる喜びに満ちたレビューとか読むと特に)
さて、ラストの解釈についてはいろいろ分れるところ。
映画史変遷(一応、ミュージカル映画・画面フォーマット変遷史←『ザッツエンタテイメント』がモノクロの最初の『雨に唄えば』から始まるように)
SUMMITロゴスタンダードスクリーンサイズから、かつて『聖衣』初上映の際の突如、カーテンが横に開きシネマスコープに変わる部分の再現(PRESENTED BY CINEMASCOPEがモノクロからカラーに変わるところも同時に)
そしてアイリス・フェードイン&アウト
(ラストの"The End"の締め方。ここでパノラマという言葉も)
と、変遷史を見せた上でラスト"もうひとつのありえた世界"を描くシーンで使われたのが16mmによるホーム・ムービーというところが"あるひとつの解"として用意されている。(脚本にもわざわざ16mmという指定がある)
つまるところ"映画もまた夢の一種"なのである。
いま見ている実際の風景も、頭の中でイメージしている映像も、スクリーンに映される映画も、その映画の中で描かれる"ありえたかもしれない、もうひとつの世界のイメージも全ては地続きで繋がっている。
横尾忠則さんも映画にまつわる画集「画集・絵画の中の映画」の中で引用されていたが江戸川乱歩先生のこの言葉を痛烈に思いだす。
「現世は夢、夜の夢こそまこと」
『ラ・ラ・ランド』パンフレットで町山智浩氏が触れているエンディングについての監督へのインタビュー記事
(ここで監督による"一応のひとつの解"が語られている)
Damien Chazelle Reveals the Movie That Influenced La La Land’s Ending
http://www.vulture.com/2017/01/movie-that-inspired-la-la-lands-ending.html
クスっと笑えたシーン
「私の車の鍵も」
「車種は?」
「プリウス」
「どのプリウス?」
(いっぱい吊るされた同じキー←どれだけTOYOTAばかりやねん←関西弁)
「緑色のリボンの」(←この点もはキーカラー)

L2

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Memo2
ロゴ、メインタイトル、Typography及びグラフィック周りを手がけたのはShine Studio
(おぉぉぉっ!!と唸ったトップロゴなど画像あり)
http://shinestudio.com/projects/la-la-land/
La La Land - Movie References
ロシュフォールの恋人たち』『ウェストサイド物語』『雨に唄えば』『バンドワゴン』『巴里のアメリカ人』『ブロードウェイメロディ』など本作がオマージュ(リスペクト)した該当ミュージカルとの比較シーン動画。
https://vimeo.com/200550228
AllCityによる『ラ・ラ・ランド』Theatrical Campaign
http://www.allcitymedia.com/case-studies/la-la-land
第89回アカデミー賞に『ラ・ラ・ランド』でノミネートされた衣装デザイナー > メアリー・ゾフレス(コーエン兄弟作品多数)によるスケッチが掲載された記事 > http://www.hollywoodreporter.com/news/la-la-land-costume-designer-explains-retro-realistic-look-film-951231
参照にする映画をサンタモニカのビデオ店で借りてきてフレーム画像を印刷した話やセバスチャン(ライアン・ゴズリング)の2トーンシューズのこと、ミア(エマ・ストーン)が昼間に着ている普段着衣装探しのことなど。(H&Mにも!)
(『バンドワゴン』『雨に唄えば』から『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
セバスチャンの2トーンシューズ)
La La Land Production Notes (PDFファイル54ページ)
エンドクレジットも全て掲載されています。
(動画、画像関連マテリアルは別リンク)。
http://www.lionsgatepublicity.com/uploads/assets/LA%20LA%20LAND%20NOTES%20FINAL%209.7.16.pdf
'La La Land': How to Shoot a Musical Number
"Someone in the Crowd"の撮影風景 (IndieWire記事)
http://www.indiewire.com/2017/02/la-la-land-damien-chazelle-emma-stone-musical-number-someone-in-the-crowd-watch-video-1201783573/
twitter版の方でリツイートしたコダック社のメールマガジンでも紹介されているとおり本作は35mmフィルム(一部16mm)で撮影されています。
PANAVISION社のホームベージにも
http://www.panavision.com/la-la-land-theaters
さまざまな映画・ドラマの「どこで撮影されたの?」なども紹介しているサイトに掲載された『ラ・ラ・ランド』ロケ場所。
http://www.atlasofwonders.com/2016/12/la-la-land-filming-locations.html

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IMAX上映館初日先着プレゼントとして用意されたポスタービジュアル

映画『ラ・ラ・ランド』公式サイト
http://gaga.ne.jp/lalaland/

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2017-02-16

『たかが世界の終わり(Juste la fin du monde/It's Only the End of the World)』グザヴィエ・ドラン監督、ギャスパー・ウリエル、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ、ナタリー・バイ

注・内容、ラストに触れています。
たかが世界の終わり
Juste la fin du monde
It's Only the End of the World

監督 : グザヴィエ・ドラン
出演 : ギャスパー・ウリエル
ヴァンサン・カッセル
マリオン・コティヤール
レア・セドゥ
ナタリー・バイ

End

Memo1
フィックスで、この家族劇を捉えてしまうと本当にきつくて耐えられなかったかもしれないところを、表情のアップと心象風景、編集と色彩のリズム、効果的な音楽(「マイアヒ」が流れたときの一瞬、表出する思いで)などで見せる。
冒頭、空港からのタクシー移動中にリアウインドウ越しに見える、ふたつの寄りそって上がる風船はわざわざ飛ばしたのだろうか?
(他にもペア、対としていろいろなものが写る。それを車中からながめるルイ)
ルイ(ギャスパー・ウリエル)と母親マルティーヌ(ナタリー・バイ)、ルイと妹シュザンヌ(レア・セドゥ)、ルイと兄アントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)
それぞれ、ふたりきりになろうとも、そのよそよそしさ、もどかしさ、ためこんできたものの12年の距離は埋まらない。
その中で兄の妻カトリーヌ(マリオン・コティヤール)だけは初対面(冒頭、エッ!?初めて顔をあわすの?と母や妹が驚くシーンがある)ということもあって、少し抱いている感情は違う。それどころか家族が気づかないルイの病気のこともわかってしまう。
「あと、どれぐらいなの?」
(コティヤールのこの表情芝居のなんという上手さ!)
また母親(これまた『わたしはロランス』に続いてナタリー・バイがスゴイ)のなんとか空白の空気と気まずさを埋めようとする饒舌ぶり、そして「母親にも新しい住所が教えられないの」といいつつも抱きよせ「それでも愛している」というときの表情、指先。
ふたりだけのシーンと家族全員が揃うシーンがバランスよく配置されている構成もスゴイ。
感情がぶつかり合うドラマなのだが、どこか理知的、理性的な印象をうけるのは、そのせいかもしれない。
いわば"感情"を"外部化"して見せているともいえる、その演出作法は演劇ではない"ディスコミュニケーションを表した現代の映画文法"として、ものすごく先鋭的だ。
先の母親の指先もそうだが、兄の拳の傷の生々しさ(あきらかに人に暴力をふるったとおぼしき傷あと)、手紙・葉書をすごい早さで繰る手など、それぞれの登場人物たちの"手の表情"も素晴らしい。
カンヌでの監督とマリオン・コティヤールとのインタビューでの監督の言葉。
「重要なのは、ある午後彼らが一緒に時を過ごしてひとつの空間でどうなっていくのか。誰かが耳を傾けていて誰かは上の空。誰が誰を見ていて誰が誰を守ろうとしているか。そしてそれは人生そのものだ。これは瞬きのような、とても限られた一幕だ。お互いに驚くほど無関心で愛し合い方を知らない人たちの人生の中でね」

Memo2
いったいどうすればこのようなブレのない色彩設計になるのか?
・美しい思いでとしての心象風景の色(空の青、幸せな光の色…)
・兄と車の中なら話せるかもしれないと出かけたドライブ、その際の曇天たる外の風景の色。
・ラスト、時刻が夕刻ということでオレンジ色に燃えさかるような色合いに変わる。
(そこで感情と感情がぶつかり合い、最後、何も告げずふりかえることもなくルイは去っていく)
カラリストは誰?ということで調べてみた。
Jerome Cloutier
http://www.imdb.com/name/nm4656752/
(前作『Mommy/マミー』と次回作も!)
ドラン監督によるAdeleのミュージックビデオ ‘Hello’についてCOLORIST ジム・ウィックスによる記事
https://www.jimwicks.com/adele-says-hello-to-color-grading/
パンフレットデザインは大島依提亜さん。
表1~4を除く正味本文が56ページ!(黒に銀刷り)
ジャン=リュック・ラガルス原作『まさに世界の終わり』の訳者齋藤公一氏、他、Reviewが6本!
監督、出演者インタビュー、フィルモグラフィ、
プロダクションノートと超充実した内容。
"家は救いの港じゃない"と繰り返される
オープニング Camille 「Home Is Where It Hurts
"誰にも届かない 心の叫び"と歌われる
エンドタイトル Moby「Natural Blues
(共に訳詞も掲載)

End_2

Memo3
『たかが世界の終わり』と『マリアンヌ』のマリオン・コティヤールを見て思いついたけれど、昔あったテレビ『どっちの料理ショー』もじりで『どっちのコティヤール』という番組はどうでしょう?全く別人か!?と思えるほど落差のある役を演じた俳優を特集。
(あ、『どっちーも・デ・ニーロ』という響きもいいなぁ)
ドラン監督次回作は初の英語作品。
キット・ハリントン、ジェシカ・チャスティン、ナタリー・ポートマン、エミリー・ハンプシャー、スーザン・サランドンらが出演する"The Death and Life of John F. Donovan" (既にファンメイド予告編とか撮影風景とか結構出ていてビックリ)

映画『たかが世界の終わり』公式サイト
http://gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/

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2017-02-11

"I want you to play the piano for me"『マリアンヌ(Allied)』ロバート・ゼメキス監督、ブラッド・ピット、マリオン・コティヤール、他

注・内容、台詞、ラストに触れています。
マリアンヌ
Allied

監督 : ロバート・ゼメキス
出演 : ブラッド・ピット
マリオン・コティヤール
リジー・キャプラン
マシュー・グッド
ジャレッド・ハリス、他

A1

Memo1
実写に戻り、全映画ジャンル網羅中のゼメキス監督。
(既にジャンルとしてはコメディ、SF、アドベンチャー、ドラマ、アニメ合成、シリアス、実話ものなどなど…)
ほどよいズーム、パン、カット割り…このゆとりある演出!
それにプラスして過去、未来の別時間(ある時はロックンロール誕生の瞬間、ある時は西部開拓時代、ある時はビートルズのいる時代、そして今回は第二次大戦中のカサブランカとロンドン)のその場所に連れていってくれるケレン味(砂漠のラブシーン、空襲のさなかの出産シーン)の溶けこみ具合(あ〜、映画見たァとニマニマしてしまいます)。
まさに二枚看板のスター映画。
ブラッド・ピットそしてマリオン・コティヤール
カサブランカパートでのふたり。
『カサブランカ』の変奏曲としてハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンを思い起こしてしまう。
ラストが空軍の飛行場で、しかも上司である大佐が「彼が自らの手で射殺した。これは命令だ」と自殺であることを隠しマックスをかばう。
(一瞬『カサブランカ』のようにふたりを逃がすのか???とも思ったが、さすがにそこまでは)
さらに『カサブランカ』想起の…
どうしても妻がスパイだということを信じられないマックス。
無実であることの証明として弾けるはずだというピアノ。
(その曲がこちらも『カサブランカ』繋がりの"La Marseillaise")
その時の台詞
I want you to play the piano for me.
ロンドンパートの空襲シーン。
コニー・ウィリス『ブラック・アウト/オールクリア』でタイムトラベルした航時史学生が見た光景はこんな感じだったのでは?と思ったビジュアル。
カサブランカパートでのマリオン・コティヤールの視線、動作から醸しだされる誘惑度合い、そしてこんな台詞「カサブランカでは夫はセックスの後は、屋上で寝るのよ」
完全なハッピーエンドとは言えないが、少しほっとする余韻を残すのは終戦後、大きくなった娘のアンとマックスの夢であった(それはマリアンヌにも聞かせていた)メディシンハットの牧場で過ごすふたりの後ろ姿と窓辺に置かれたマリアンヌとの結婚式での写真のショットで締めくくられているからかもしれない。

Memo2
衣装デザインはジョアンナ・ジョンストン(Joanna Johnston)
今年の第89回アカデミー賞・衣装デザイン賞にノミネート。
マリオン・コティヤールの着ているリキッドサテンのドレスなど、ジョアンナ・ジョンストンによる衣装はもうひとつの主役ともよべる素晴らしさ!
1980年代からスピルバーグ、ゼメキス両監督作品を手がけてきてるけれど、そろそろ受賞しても…
こちらはコスチュームデザイン特別映像
(スケッチなども写っています。字幕付き)
https://www.youtube.com/watch?v=RNdWvW_VJjo
ゼメキス監督作品のタイトルデザインというと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレス・ガンプ/一期一会』『コンタクト』など多くを手がけているNINA SAXONが思い浮かぶが本作はSCARLET LETTERSによるシンプルなもの。
本ブログ内、ゼメキス監督関連過去記事
『抱きしめたい( I Wanna Hold Your Hand)』
http://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-6203.html
『フライト(Flight)』
http://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-124b.html
『ザ・ウォーク(THE WALK)』
http://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-a9b2.html

A2

『マリアンヌ』公式サイト
http://marianne-movie.jp/


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タイトルデザイン_48 Shine Studio『マグニフィセント・セブン(The Magnificent Seven)』アントワーン・フークア監督、デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ピーター・サースガード、他

注・内容に触れています。
マグニフィセント・セブン
The Magnificent Seven

監督 : アントワーン・フークア
出演 : サム・チザム:デンゼル・ワシントン
ジョシュ・ファラデー:クリス・プラット
グッドナイト・ロビショー:イーサン・ホーク
ビリー・ロックス:イ・ビョンホン
ジャック・ホーン:ヴィンセント・ドノフリオ
バスケス:マヌエル・ガルシア=ルルフォ
レッドハーベスト:マーティン・センズメアー
エマ・クレン:ヘイリー・ベネット
バーソロミュー・ボーグ:ピーター・サースガード、他

Seven

Memo
"原案"の"翻案"の"新案"
様々な人種によるメンバー構成は意図的なものなどと言われていたが、監督インタビューなどを読むとたまたま"組みたかった役者"を集めたらバラバラになっただけと語っていて結果としてキャラクター分けを生みやすいキャスティングになったようだ。
「七人の侍」でのラスト、有名な台詞。
「今度もまた負け戦だったな…」
「えっ!?」
「勝ったのはあの百姓たちだ。わしたちではない」
(↑「荒野の七人」でも出てくる)
その締めの言葉は本作では無い。
しかし、それもさもありなん。
そもそもがデンゼル・ワシントン演じるサム・チザムは賞金稼ぎであること。
そして、かつてボーグ一味に家族を殺されたという復讐という理由付けもあるからだ。
あと、戦う野武士たちの人数が50人程度だったことと比較して本作は数百人というケタ違いの(実際、軍隊と呼んでいた)人数ということも変更された大きな要因だったのでは?
詩情あふれるシーンとガンファイトの対比が生む美しさ。
それこそが西部劇・ウェスタンの魅力。
その見たかったものを「どうぞーーーー!!!」と提示してくれたのが本作。
関西弁で"いいもん""わるもん"が判然とした、まさに昔「日曜洋画劇場」でよーくかかっていた西部劇のスタイル!
もしかして、8人目じゃないの?と思えるほどの活躍をする紅一点ヘンリー・ベネット。(『ガール・オン・ザ・トレイン』で車窓から見ていた"理想の夫婦"の妻役を演じていた同じ女優だと気づかなかった!まさにメイクアップならぬメイクダウン←造語です)
ラスト、去りゆくデンゼルら三人の姿にかぶさるボイスオーバー
"they were MAGNIFICENT"に続いて、あのエルマー・バーンスタインのテーマ曲(前半すぐに、やや似せて作られた新スコアを使いながら最後にドーンという泣かせる"決め方")に乗せて出てくるエンドタイトル。
タイトルデザインはShine Studio
エンドタイトル部分動画あり!
http://shinestudio.com/projects/the-magnificent-seven/
『駅馬車』(ジョン・フォード監督多数)から『ヘイトフル・エイト』まで。
西部劇・ウェスタンのタイトルデザイン集
http://annyas.com/screenshots/westerns/
(そもそも西部劇といえば、この書体というパターンはいつから?と思ってチェックしてみると最初期からという結論。最近はシンプルな方向にいっていたけれど、やはり王道路線がピッタリ)

『マグニフィセント・セブン』 | オフィシャルサイト
http://www.magnificent7.jp/

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2017-02-10

"ポーカーをする犬"『ザ・コンサルタント(The Accountant)』ギャヴィン・オコナー監督、ベン・アフレック、アナ・ケンドリック、J・K・シモンズ、ジョン・リスゴー、他

ザ・コンサルタント
The Accountant

監督 : ギャヴィン・オコナー
脚本 : ビル・ドゥビューク
出演 : ベン・アフレック
アナ・ケンドリック
J・K・シモンズ
ジョン・リスゴー、他

Ta

Memo
監督は傑作『ウォーリアー』がなかなか日本で公開されなかったり(カリコレ限定公開)同じく警察モノの佳作ながらDVDスルーされた『プライド&グローリー』と、結構不遇な扱いをうけているギャヴィン・オコナー
クローゼットを開けたときに「おぉぉぉ!!!ベン・アフレックがいっぱい吊るされている」と一瞬、目を疑った同じ肩幅広いスーツ、スーツ、スーツ…(←あ、冗談です…と、いう風に"死んだ目"とか"顎がわれているからすぐにバットマンって判る"とかいろいろツッコまれ気味なところも含めて、どこか好かれている役者なんだなぁ、と思っておりますです。)
あちらこちらに書かれているとおりクリスがこころを落ち着かせるために呪文のように唱える「ソロモン・グランディ」はイギリス童謡、マザー・グースの唄の歌詞(そしてDCコミックスの不死身の怪物の名前にも使われている)
寸分たがわぬ正確なリズムで過ごすクリスのライフスタイル。
(ガレージの開いていくシャッターへギリギリ車体すれすれにノーブレーキで入って行く見事なカーテクニック←仕事が完結しないことへ苛立った際との極端な落差)
アナ・ケンドリック演じるディナとクリス(ベン・アフレック)、ふたりの距離が少しずつ縮まっていく描き方がすごくよかったなぁ。
最初の書類をまとめて疲れて寝ているディナへ(近づいて触れることもしない)ぎこちない起こし方、外で昼食を食べているクリスへ話しかけてくるディナ、不正が判明した時、説明するクリス、犯人に命を狙われていることが判ってから隠れ家たるキャンピングカー(ジャクソン・ポロックの絵画とライトセーバーにアメコミって…笑)、ホテルへと移動してソファに並んで座るまでの位置関係。
この流れの中で最初に出てきた台詞に出てきた"ポーカーをする犬"が最後の最後、オチとして用意されていて、ここでほっとさせる余韻を残す辺りも本作の後味のよさのひとつでは?
クリスの事を調べさせるレイ局長(J・K・シモンズ)の真の目的、クリスに的確に指示を出す謎の声の主の正体など、まさにジグソーパズルのピースが収まるようにラストで回収させていくのも見事。
ラスト
ラマー社長(ジョン・リスゴー!←『トワイライト・ゾーン』で機上の翼の上のグレムリンより怖いぐらい目玉を飛び出させたぐらいの際立ち方もほしかったけどw))に雇われていた用心棒たちのリーダーは弟ブラクストンと判明。
(再会の約束をして)クリスへブラクストンへの台詞
「どうやって見つければいいんだ?」
「大丈夫だ。俺がおまえを見つけるから」
(これって、昔からよくラストに使われていたタイプの台詞で最近でも『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』でイルサがイーサンに言った"You  know how to find me."みたいな…。続きはそこから始められるということで続編期待大)
タイトルデザインはSCARLET LETTERS
小文字、黒地に白のシンプルなメインタイトル。

映画『ザ・コンサルタント』オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/consultant-movie/sp/

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2017-02-04

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(Miss Peregrine's Home for Peculiar Children)』ティム・バートン監督、エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、エラ・パーネル、テレンス・スタンプ、ジュディ・デンチ、サミュエル・L・ジャクソン、他

注・内容、台詞、ラストに触れています。
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち
Miss Peregrine's Home for Peculiar Children

監督 : ティム・バートン
原作 : ランサム・リグズ
出演 : エヴァ・グリーン
エイサ・バターフィールド
エラ・パーネル
ローレン・マクロスティ
フィンレー・マクミラン
サミュエル・L・ジャクソン
テレンス・スタンプ
ジュディ・デンチ、他

Mpp

Memo1
ティム・バートン監督、久々の"かいしんのいちげき!!!"
(大好きな)『ビッグ・フィッシュ』の趣きがあり随所に過去作を連想させられるシーンが散りばめられていてニマニマしながら最後まで見た。
確かに(少し前から言われていたとおり)ティム・バートン版『X-MEN』+『うる星やつらビューティフル・ドリーマー』(←同じ日を繰り返すループ仕様だけなのでちょっと違うか)でもあるけれど、やはりストップモーションを使ったイーノックの部屋で見せてもらった小型モンスターオモチャ人形の戦い(←こちら本物のアナログストップモーション)や(監督もインタビューで答えていた)ハリーハウゼン『アルゴ探検隊の大冒険』オマージュ、スケルトン・アーミーとホローガスト(字幕ではホロー表記)のブラックプールでの大乱闘シーンが最高!!(←雪がうっすら積もっている場所というのも良い←ちなみにエキストラとして監督自身も出演している)
キャステイングも面白い。
ティム・バートン監督の新たなるミューズ、ミス・ペレグリンを演じたエヴァ・グリーン、この人ならあり得ると思ってしまうジェイクのおじいちゃん役テレンス・スタンプ、まさかのジュディ・デンチ、そして"へらず口をたたきまくる悪役"をやらせたらピカイチのバロン役サミュエル・L・ジャクソン
ジェイク役、エイサ・バターフィールドも如何にもバートン好み。
そして(同じくおそらくバートン好み)エマを演じたエラ・パーネルも注目(『わたしを離さないで』ルース『マレフィセント』『ターザン』ジェーンと共に子供の頃や少女期を演じていた)
そして"奇妙なこどもたち"のキャラ分け。
ラストのチームワークをいかした総力戦の描き方に見事に繋がっている。
(双子の能力がバロンやホローとのラストバトルまでわからなかったけれど、ある意味"最強")
素敵なエンディング
バロンたちを倒し、祖父エイブも助かり、1943年9月3日の円環が閉じてしまってエマにさよならを言い、現代に戻ったジェイク。
すぐに祖父に会いに自転車を走らせるジェイク。
玄関前で抱き合う二人。
そのジェイクに祖父エイブが。
「誕生日プレゼントだ」
「まだ早いよ」
開いた本の間から世界中の紙幣が(一番上の紙幣が福沢諭吉!)
「エマのところへ行け」
「行き方はわかるはずだ」
(自分の居場所に戻って行くジェイク)

Memo2
ロケに使われたベルギーにあるお城(Torenhof Castle)、その他ロケに関しての紹介記事(←ここのWEB中「どこで撮影されたの?」はロケーション紹介サイトとしてもすごく楽しい!『ラ・ラ・ランド』『グランド・ブダペスト・ホテル』『インフェルノ』等々…)
http://www.atlasofwonders.com/2016/09/filming-locations-miss-peregrines-home.html
タイトルデザインは『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』など、最近、エンドタイトルにこの名前を見ない月はないというMatt Curtis
制作スタジオ > Fugitive
こちらはプロジェクトページにつき他の作品も掲載されています。
(オープニングタイトル部分動画有り)
http://www.fugitivestudios.co.uk/#projects
衣装デザインは『シザー・ハンズ』以来、ずっとティム・バートン作品を手がけているコリーン・アトウッド(Colleen Atwood)
※アカデミー賞・衣装デザイン賞を3回受賞
こちらは映画館(ArcLight cinema)での衣装展示(オリーヴ、エマ)を紹介しているブログ記事(オリーヴのイメージは、ちょっと『シザー・ハンズ』のウィノナ・ライダー想起←庭の植木などオマージュ部分もあるので、まさに!そしてエマの鉛の靴も展示)
Miss Peregrine's Home for Peculiar Children movie costumes on display...
http://hollywoodmoviecostumesandprops.blogspot.jp/2016/09/miss-peregrines-home-for-peculiar.html

Mpp2

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』オフィシャルサイト
http://www.foxmovies-jp.com/staypeculiar/


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2017-01-28

"そっと涙をふくマント"『ドクター・ストレンジ(Doctor Strange)』スコット・デリクソン監督、ベネディクト・カンバーバッチ、レイチェル・マクアダムス、マッツ・ミケルセン、ティルダ・スウィントン、他

注・内容、台詞に触れています。
ドクター・ストレンジ
Doctor Strange

監督:スコット・デリクソン
出演 : ベネディクト・カンバーバッチ
レイチェル・マクアダムス
マッツ・ミケルセン
ティルダ・スウィントン
キウェテル・イジョフォー
ベネディクト・ウォン

Ds1_2

Memo
いやー、面白かった!!!
マーベル作品でも、ちょっと傍系(と、勝手に呼んでいる)『アントマン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が好物な者として、これはホントに楽しい(ギャグに走りがちだけど、まぁ無手勝流にいろいろやれるところが、またヨロシ。ディズニーはんも、主系絡ませといたら気ぃつけへんと思いますし←関西弁)
笑った台詞
(劇場でも1番ウケた)
「これはマントラ?」
「パスだ。Wi-Fiの」
「そこまで未開の地ではないからな」
ひとことキャッチフレーズで言い表せる名シーン
"そっと涙をふくマント"
いろいろ助けてくれるマント。
今後の活躍にも期待させてくれる行動 笑
"傷を負ったら飛び込めクリスティーン救急医療"
三段オチとしてはストレンジ、エンシェント・ワンと、あともう一回ほしいところだが、それをやっちゃあクドイということで(しかし、こちらのクリスティーンとの絡み方も次回作で出てきそうなパターン)
"ウォンを笑わせられたら一人前"
「名前はそれだけ?」
「エミネム」「ボノ」「ビヨンセ」といろいろやって見るが笑わない。
そのウォンが最後の最後(カエシリウスを追い払った後)に笑うシーンがオチとして用意されている。
クリスティーンを演じたレイチェル・マクアダムス(ガイ・リッチー『シャーロック・ホームズ』でアイリーン役だったというのも…←うっすらカンバーバッチ繋がり?)
拝みたくなってしまうほど神々しい頭のティルダ・スウィントン(エンシェント・ワン役←扇子を左手、後ろに持つポーズがカッコイイ)。
『007』『TVシリーズ・ハンニバル』から『スターウォーズ』までキャリア大横断中のマッツ・ミケルセン(カエシリウス役)と、"こりゃー、反則やん"とツッコミたくなるほど見事なキャスティング。
エンドクレジット後のお楽しみは恒例二段構え。
ひとつめはソーとロキの行方について(飲んでも飲んでも減らないビールジョッキシーンw)
ふたつめはラスト、兄弟子だったモルドが(いわゆるヴィラン)として登場するであろう予兆部分が描かれている。
全編通してテーマとしては"時間"
永遠の命のための時間、無限に繰り返される時間(結果、これが解決策となる)
そして最初からモチーフとして出てくるスティーブン(ドクターストレンジ)が集めていた時計コレクション。(←オレ様スゴイ感があふれる時計が1点ずつ回るディスプレイですがw)
だが、手の手術のために全て売り払ってしまうこととなり最後に残っているのがクリスティーンからプレゼントされた時計(これを最後まで持っていたということもよいなぁ)。
ラスト。
その時計をしっかりとつけ直すシーンできっちりと締めくくられる。
出てきた瞬間「おぉっ」と思った音楽について、書かれた記事。
ロッキング・オンの音楽情報サイト RO69
"ピンク・フロイドとの意外な関係。そして、ヴィサージって…"
http://ro69.jp/blog/rockinon/155348
タイトルデザイン(main-on-end titles)は『アントマン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』なども手がけたsarofsky
サイト記事にも書かれているとおりマンダライメージ。
(これはマンダラの概念とも被る時計モチーフでもありますね)
sarofsky(エンドタイトル部分画像あり)
http://www.sarofsky.com/work/#!/doctor-strange

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ドクター・ストレンジ 公式サイト
http://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange.html

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2017-01-22

タイトルデザイン_47 BIG FILM DESIGN『沈黙‐サイレンス‐(Silence)』マーティン・スコセッシ監督、リーアム・ニーソン、アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライヴァー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、他

沈黙‐サイレンス‐
Silence

原作 : 遠藤周作
監督 : マーティン・スコセッシ
出演 : リーアム・ニーソン
アンドリュー・ガーフィールド
アダム・ドライヴァー
窪塚洋介、浅野忠信
イッセー尾形
塚本晋也、小松菜奈
加瀬亮、笈田ヨシ、他

Silence

Memo1
年初にガツン!
堂々たる風格の時代劇を海外のスタッフが日本ではなく台湾でロケをし、いささかの違和感も感じさせない考証のもと、創り上げてしまった!
今から40年以上前に(多分、毎日ホールで毎月日本映画を特集上映していた「映像のロマン」で)篠田正浩監督版の『沈黙』を見た記憶が…(調べてみると撮影監督・宮川一夫、音楽・武満徹!)
さすがに深く理解できる年齢ではなかったので、ぼんやりとした印象しかないのが残念。
もし、この作品を誰が撮ったのかを伏せて鑑賞した場合、どのような印象を受けたのだろうかということを想像してみる。
もう、何年にもわたってスコセッシ監督が映画化という話を聞いていたので、どうしても『最後の誘惑』『クンドゥン』のライン上に作品を置いてしまうからだ。
ある意味、この2本と『沈黙』は根本のところで繋がっているとも思える←それ故、フェレイラとロドリゴが再会する寺での問答("大日"についての解釈など)は興味深い内容だった←まさに"日本は沼のようなもの"の意も。
公開前から既に、そのキャスティングに対してクワイ=ガン・ジンとカイロ・レンとスパイダーマンが共演!と書かれていた本作。
(もっともリーアム・ニーソンとアダム・ドライバーは同一画面に出てきませんが…)
その俳優陣にまざって窪塚洋介(ユダとして重要な役回りキチジローを好演)、さすがに(いくつものハリウッド映画出演多数だけあって)上手い浅野忠信による通辞。さらには塚本晋也監督がおどろくほどの溶け込み方(本当に、この時代にこういう人がいたと感じさせるリアリティ)、そして、まさに怪演といっていいイッセー尾形による長崎奉行、井上筑後守。
鑑賞後に判明したので見ているときは気付かなかったキャストも多いけれど、本当に多くの日本人俳優が出演(中村嘉葎雄、PANTA、片桐はいり、SABU…)。リストを見てると、プロレスラーの高山善廣の役名がLarge Manって(←こちらはすごくわかりやすいところで出てた)。黒沢あすかがロドリゴの妻として、ラスト、亡くなったロドリゴの棺桶を送り出す件(くだり)で、ちょっといい締めくくりの役を(棄教後も何度となく行われた踏み絵の場面でのロドリゴの心中察するかのような表情など、ここまで細かく演出指示がなされていたのかと感嘆)。

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衣装&プロダクションデザインをスコセッシ監督と何度も組んでいるダンテ・フェレッティ
17世紀の日本、それも長崎を見事に再現したセットデザインが本作の肝のひとつといっても過言ではない(密航のための中継地、マカオもきっちりと)
後半の主たる舞台、長崎奉行所による牢が置かれた役所も、その地面の土の色含め本当に素晴らしい。
タイトルデザインはRandall Balsmeyer (BIG FILM DESIGN)
黒字に白、細みのフォントを使ったシンプルなタイトルロゴ
(エンドクレジットに至るまで全て、非常に端正)
そしてバックに流れる虫の声や木々のざわめき、風の音、遠くに聞こえる雷鳴…などとも調和している。
(まさに余韻!!)

『沈黙‐サイレンス‐』公式サイト
http://chinmoku.jp/

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2017-01-01

NEW YEAR 2017 & 2016_BEST MOVIE (お気に入り洋画・日本映画)

Cinema_2017

2016年 洋画・日本映画ベスト10

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2016年_お気に入りベスト10 (邦洋ミックスモダン)
この世界の片隅に
ダゲレオタイプの女
キャロル
④ 永い言い訳
⑤ ブルックリン
⑥ シング・ストリート
⑦ ソング・オブ・ザ・シー
⑧ シン・ゴジラ
⑨ リップヴァンウィンクルの花嫁
⑩ 教授のおかしな妄想殺人
次点・ちはやふる上の句/下の句

『キャロル』『ダゲレオタイプの女』そして年末に「映画術」ドキュメンタリー『ヒッチコック/トリュフォー』と『めまい』4K上映と結果ヒッチコック三昧な1年。
日本映画は近年稀にみる激戦。
それも超ヒット作から小品ながら衝撃的なものまで、さらには映画史に残る傑作も誕生した。

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2016年_洋画お気に入りベスト10
キャロル
② ダゲレオタイプの女
③ ブルックリン
④ シング・ストリート
⑤ ソング・オブ・ザ・シー
⑥ ブリッジ・オブ・スパイ
⑦ トランボ
⑧ イレブン・ミニッツ
⑨ ハドソン川の奇跡
⑩ 教授のおかしな妄想殺人
次点・スポットライト 世紀のスクープ

ちなみに10位は例年通りのウディ・アレン枠 (新作が公開されれば無条件ベスト10入り。)
或いはエマ・ストーン枠?2017年は見る前からベスト10入り確定の『ラ・ラ・ランド』もあるし( ╹◡╹ )
さらに、そういう意味で言えばイーストウッド枠、 スピルバーグ枠(『BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』もよかった!エンドクレジットの"For our Melissa"にジーンとした)もあるに等しいかも…。
『ダゲレオタイプの女』はフランス映画扱いということで洋画お気に入りベスト10に。
ミックスモダンと洋画のみとでは順番を入れ替えてみた。
(『エクス・マキナ』は昨年の変則ベスト10で1位にあげているので、今年はあえて外しました)

2016年_日本映画お気に入りベスト10
この世界の片隅に
② 永い言い訳
③ シン・ゴジラ
④ ちはやふる上の句/下の句
⑤ リップヴァンウィンクルの花嫁
⑥ ふきげんな過去
⑦ モヒカン故郷に帰る
⑧ 淵に立つ
⑨ 葛城事件
⑩ 海よりもまだ深く
次点・君の名は。

11月に突如『この世界の片隅に』の登場でそれまでイメージしていた、こんな感じかな?と思っていたベスト10の骨格自体がぐらぐらと覆されてしまうほどの衝撃度。
『君の名は。』は時間が経過してみないとわからないので再考ということでとりあえずの次点。 他に気分によって入れ替え作品として『聖の青春』『湯を沸かすほどの熱い愛』
『ローグ・ワン』は時間が経った方がお気に入り、というか好きになるタイプの映画かも?と予想

2016年_タイトルデザイン_ベスト3
10 クローバーフィールド・レーン(Filmograph)
クリムゾン・ピーク(IAMSTATIC)
デッドプール(Blur Studio)

10 クローバーフィールド・レーン』は2015年『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』カーテンコールシークエンスを作ったFilmographが、いわゆるソール・バス系(という呼称は正確ではないが)のシンプルなデザインが好みで1位に。『クリムゾン・ピーク』は作品世界そのままにブレのない美しさで。
デッドプール』は作品のノリを最初から決定づけるツッコミオープニングタイトルに。
そして2016年も多くの作品にMatt Curtisの名前があがっていた。
日本映画だとファンタジスタ歌麻呂による『ちはやふる』のタイトル部分のアニメーションが最高!
http://fantasistautamaro.com/CHIHAYAFURU

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2016-12-30

『この世界の片隅に』こうの史代原作、片渕須直監督・脚本、のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、他

注・内容、台詞、原作に触れています。
この世界の片隅に

原作 : こうの史代
監督・脚本 : 片渕須直
出演(Voice Cast) : のん
細谷佳正、稲葉菜月
尾身美詞、小野大輔
潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓
岩井七世
小山剛志、津田真澄、他

Konoseka1

Memo1
129分の上映時間。長いのかな?と思っていたら「エッ!?もう終わり」あっという間。
もう少しこの世界に浸っていたい。
本当に素晴らしすぎてなんだかボーっとしてしまった。
映画史に残る映画に出会うことは、そうざらには無い。
(もしかすると映画を見始めてからの40数年の中でも、数本あったか無かったかといったレベル)
終映あとの場内。
そんな瞬間に立ち会ったのではないのか!?、と、いった感慨が"この喩えようのない言語化不可能な鑑賞後すぐの気持ち"となって現れているのではないだろうか?とも思える空気。
これこそ"劇場で映画を見るということの魅力"の最大要素だと思います。
いろいろ驚いた事だらけなのだが、まず動き幅が小さくてジワーと動いていくすずさんたちのアニメイト部分。
公式ガイドブック、パンフレット共に片渕監督がインタビューでロングレンジとショートレンジの"仮現運動"について語っているところが面白い。
(あとは、その実験精神!)
google第2検索ワード候補として"傘"が出てくる!
割りと早い段階(←公開初日)から出ていたので初見ですぐに検索数が増えたのではと推測。

Konoseka_book

Memo2
パンフレットに"すずさんの生きた時代"として"世の中の動き"と"すずさんの日々"が対比して年表になっている。これがまたなんともなんとも細かくて「中野本町に海苔を届けに行く」とか「もんぺを縫う」とか。
すずさんのぼぉ〜っとしたところが現れた(ちょっと細かめの)好きなシーン。
呉の港に浮かぶ戦艦や巡洋艦の名前に詳しい晴美ちゃん(晴美さん←すずさんは"晴美さん"と呼ぶ)
指さしながら、すずさんに説明する。
「へぇー、ほいじゃあ、うちもお礼に」
「大きな雲じゃろう」
「うん」
「かなとこ雲、言うてね」
「うん」
「大雨になります」
「えっ!?」
(ちなみに原作だと、ほんの8コマのシーンだけれども、こういった細やかなところもアニメーション化しているところもスゴイ、そして何よりもリスペクトに溢れている)
音響監督も片渕須直監督。
(些細な音、微細な音から爆撃時の凄まじい音まで、その緩急つけられた隅々まで行き届いた音響も素晴らしい)
「その冬は雪が多うて春が待ち遠しかった」の(ナレーション)台詞に続く遠く響き渡る空襲警報のラッパの音!!
(この音響定位の見事さ)
鑑賞後すぐに、ふと思い浮かんだこと。
拓郎さんの全編広島弁の歌詞「唇をかみしめて」がよぎった。
人が生きとるネー
人がそこで生きとるネー
人がおるんヨネー
人がそこにおるんヨネー

Voice_konoseka

Memo3
本作は徐々に支援していく番組(媒体)などが増えていったことでも、まさにエポックメイキングな映画ともいえます。
そのうちのひとつ→上記、画像(テレビ撮り)MBS夕方のニュース『Voice』で放送された「楠公飯」レシピの特集。
実際に記者が炊いていくところから撮影。(確かに分量は増えているけれど、美味しくなさそう…。)
※MBSは「ちちんぷいぷい」でも『この世界の片隅に』を大きく時間を割いて取り上げていました。
『BRUTUS』No.837年末恒例の映画特集。
予告編による映画選び4パターンの1本として『この世界の片隅に』の記事
特筆すべきは、ヒロインを演じる「のん」の声。ナレーションではなく劇中からのセリフのからの引用だが、吸引力が半端でなく、本予告編のための録り下ろしに聞こえるほどの生々しさがある。(解説文より抜粋)
最後に。
(誰もが書いていますが)
そう!この、のんさんの声がまさに本作のひとつの肝となったとも言える"すずさん"そのものでした。

追記
片渕監督がtwitterで"いわゆるCG、一切使ってません。手描きと切り紙アニメばっかり"の発言に新年早々ビックリ!!

Konoseka2

劇場用長編アニメ「この世界の片隅に」公式サイト
http://konosekai.jp/

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