2017-09-10

"a-ha"『パターソン(Patterson)』ジム・ジャームッシュ監督、アダム・ドライヴァー、ゴルシフテ・ファラハニ、永瀬正敏、ネリー(ブルドッグ) 、他

パターソン
Patterson

監督 : ジム・ジャームッシュ
出演 : アダム・ドライヴァー
ゴルシフテ・ファラハニ
永瀬正敏
ネリー(ブルドッグ)、他

物語・ニュージャージー州パターソンでバスの運転手をしているパターソン(アダム・ドライヴァー)は、朝、妻のローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをすることから始まる、変化のない毎日を過ごしている。そんな日々の中でパターソンは、周囲の会話やマッチ箱といった何げない物事に着想を得た詩をノートに書き留めていた。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Patterson1

バスの窓から見える風景は電車に乗って見える風景と違って見える。そんなことを、ふと思った。
Memo1
毎日同じことが繰り返されているように見えて、実は少しずつ違う。
その、ほんの些細なことかもしれない小さな変化を愛おしむように描くジャームッシュ監督の傑作!
パターソンに住むバスドライバーのパターソンを演じるアダム・ドライバー。
まさかポエトリー・リーディングの如き韻を踏むようなキャスティングだがインタビューを読むと全くの偶然とのこと。
第69回カンヌ映画祭パルム・ドッグ賞に輝くブルドッグ、マーヴィンにも(決まったルーティンのような)日常がある。
パターソンが毎朝、出かける際に直していく傾いた郵便ポスト。
(帰宅すると、また傾いている)
誰の仕業と思いきや、これもまた飼い主と同じく日課としていたマーヴィン 笑
詩のノートを破りちぎってしまって部屋に閉じ込められたことによって、そのルーティンが乱れる←思えば起点はカップケーキが売れたお祝いで居残りさせられたことから始まっている
そんな、細かーいパッと見わからないぐらいのヒトコマが随所に。
ローラの作ってくれるお弁当、玄関脇の花(コスモス?)の咲き具合
ローラはとてもマイペースのように見えて実は予見的にいろいろなことを察知できそう。
一番気にしていたのは「詩のノートのコピーを取っておいて」ということ(ふたつの願いの1つ。もうひとつはギター)。
パターソンの過去は描かれないがバーで恋人との別れ話から自暴自棄となったエヴェレットが拳銃を持った際の素早い動きと次のカットで映しだされる軍服姿の写真とでほのかになんとなく判るように描かれている。
繰り返されるシーン(写し方)
特徴的な手描きの詩。
重なるボイスオーバーと共に流れ落ちる瀧の水がオーバーラップで幾度となく写される。背景の音楽も同じ。
これが、また本作のリズムアクセントとなっていて美しい。
永瀬正敏演じる日本人詩人。
「アーハ(a ha)」と特徴的な台詞。
これまたアドリブや現場で書き足されたものかと思いきや、最初に脚本に書かれていたとのこと。しかも永瀬のために書かれた役!
お礼にと渡されたノート。

白紙のページに可能性が広がることもある

日本人詩人が立ち去ったあと、しばらくノートをくるくると回し見つめる。
ひとこと、つぶやくように「a-ha」
そして、すぐにペンを取り出して詩を書き始める。
カメラはゆっくりとパターソンに寄っていく。

Patterson2

パターソン出身のルー・コステロ。
そのアボット&コステロの映画ポスターが貼られている。

Memo2
Titles and Graphic Designer
RANDY BALSMEYER (BIG FILM DESIGN)
(コーエン兄弟作品タイトルデザインは、ほぼこの人)
パンフレット、宣材マッチなどのデザインは大島依提亜さん。
(カーテン除く)本文カラーページ含め42P。
表紙をめくるとローラがペインティングしていたカーテン柄(だけではないと思うけれど、どこのシーンの柄が使われていたかわからなかった)が。
そこをめくるとMONDAYから一週間のノンブルがうたれたカラーページ。
センター、テキストページ。最後にもう一度カラーページ(今度はマーヴィンとパターソン。そしてツインズが主に)
OHIO match companyによるブルーチップマッチ(映画本編に詩と共に登場するマッチ)←現在は作られていないので映画スタッフによって再現←そのマッチをさらに宣材として再現。

映画『パターソン』公式サイト
http://paterson-movie.com/

| | トラックバック (2)

タイトルデザイン_53 Greenhaus GFX『ワンダーウーマン(Wonder Woman)』パティ・ジェンキンス監督、ガル・ガドット、クリス・パイン、他

ワンダーウーマン
Wonder Woman

監督 : パティ・ジェンキンス
出演 : ガル・ガドット
クリス・パイン
ロビン・ライト
コニー・ニールセン
ダニー・ヒューストン
デヴィッド・シューリス
エレナ・アナヤ

物語・人間社会から孤立した女性のみの一族のプリンセスとして生まれたワンダーウーマン(ガル・ガドット)は、自分が育ってきた世界以外の環境を知らず、さらに男性を見たこともなかった。ある日、彼女は浜辺に不時着したパイロット、スティーブと遭遇。そして…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Ww

Memo1
「ツレ?」
「いや、ちゃうちゃう」
「お前の知り合い、ちゃうんか」(関西弁翻訳)
昨年の『BvS』で絶妙の間合いでバットマンとスーパーマンの間に飛び込んできて、すっかりかっさらっていってしまったワンダーウーマン。
それほど、あのドンドコドンテーマ曲とガル・ガドットの勇姿はインパクトは大きかった。
最前線に向かう際に集められる仲間が既に早くから指摘がある通り、いろいろ阻害迫害をうけてきた者たちということ。
そして(ここが最も本編で熱かった)塹壕からゆっくりと階段を上り敵陣へと突き進むダイアナ/ワンダーウーマンの姿。
その姿に呼応していく仲間たちというのも頷ける。
(BvSに出てきた"あの写真"はこの戦闘の後に撮られたものということも)
温泉に入っているところへダイアナ。
「あなたは標準的な男?」に続いて「それは?」に対して一瞬、下を見るスティーブ。つまりつつ「あ、あぁ、これは腕時計」と勘違いに気づいて言うシーン。
(おいおいシモネタかよー 笑)←って、あまり笑いがおきていなかったけれど…
カルチャーギャップシーン。
戦闘姿との落差として最もチャーミングだったのは駅に降り立ったダイアナがアイスクリームを食べて「デリシャス」とホントに美味しそうに言うシーン。
(この感じ、コミコン会見時にガル・ガドットが少し照れながらワンダーウーマンのポーズを決めた時の姿とだぶる)
アクションシーンになると突如クイックスローモーションが出てくる辺り、もしかしてスナイダーのおまじないによるもの?笑
もしくは「あ、ここ、俺に撮らせてーや」(←関西弁)ってジャック・スナイダーが言った?

Memo2
タイトルデザイン(Main-On-End)
Greenhaus GFX
http://greenhausgfx.com/portfolio_page/wonder-woman/
そのタイトルデザインについてのArt OF THE TITLE 記事
“Now there’s Wonder Woman, now Wonder Woman is born”
http://www.artofthetitle.com/title/wonder-woman/
原作者、マーストンについて描かれた映画
PROFESSOR MARSTON AND THE WONDER WOMAN
http://www.comingsoon.net/movie/professor-marston-the-wonder-women-2017#/slide/1

映画『ワンダーウーマン』オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/wonderwoman/

| | トラックバック (8)

2017-08-24

"Music and ROAD"『ベイビー・ドライバー(Baby Driver)』エドガー・ライト監督、アンセル・エルゴート、リリー・ジェームズ、ケヴィン・スペイシー、他

ベイビー・ドライバー
Baby Driver

監督: エドガー・ライト
出演・ベイビー : アンセル・エルゴート
ドク: ケヴィン・スペイシー
デボラ: リリー・ジェームズ
ダーリン: エイザ・ゴンザレス
バディ: ジョン・ハム
バッツ: ジェイミー・フォックス

物語・幼い時の事故の後遺症によって耳鳴りに悩まされながら、完璧なプレイリストをセットしたiPodで音楽を聴くことで驚異のドライビングテクニックを発揮するベイビー(アンセル・エルゴート)。その腕を買われて犯罪組織の逃がし屋として活躍するが、デボラ(リリー・ジェームズ)という女性と恋に落ちる。それを機に裏社会の仕事から手を引こうと考えるが、ベイビーを手放したくない組織のボス(ケヴィン・スペイシー)は、デボラを脅しの材料にして強盗に協力するように迫る。(物語項、シネマトゥデイより抜群)

Bd1

Memo1
ブログタイトルは劇中、台詞にも出てきた"Music and ROAD"で。
例えは全く違うかもしれないけれど(曲も全く関係ないけれど)ニュー・オーダーのAge Of Consent、エンディングでの一回決め打ちギターリフのようなタイミングでポイント、ポイントのリズム、止めがパチッと合ってくる。
母からプレゼントされたのがiPod!
iPodのクリックホイールを回す音"クリクリクリッ"が懐かしくもあり、アクセントでもあり。
(これがiPhoneではちょいと違う←劇中、奪っていく車にセットアップされていたけれど、これは曲がオーケーだからクリックホイールなくても大丈夫)
「昔を思いだした」
ケビン・スペイシー演じるボス。
もはやこれまでとなったところでアジトから逃げ出す際にミニチュアカーを鞄につめていくところをみると、かつて相当の走り屋にしてカーマニアだということがわかる一瞬のシーン。
(それにしてもおいしい、いい役だ)
(こればっかり書いていますが、小林信彦先生の格言"映画は女優で"ということで)リリー・ジェームズが魅力的。
『シンデレラ』『高慢と偏見とゾンビ』やバーバリーの記念フィルムなど、ほとんどがコスチューム劇で、もしかして本作が初の現代劇?
それにしてもアンセル・エルゴートがめちゃくちゃ高長身なので背丈あわせが大変だったろうなぁ、と推測。
主演、アンセル・エルゴートの身体性の抜群さ。
カーチェイスばかりと思いきや、走って走って走りまくって逃げるシーンの速さ!軽やかさ!
椅子に座っているときは、ちょっとモサーッとした感じなのが動き出すとキビキビしていて素晴らしい!
ビックリしたポール・ウィリアムス起用は『トランザム7000』の白いスーツから、と監督インタビューで知る。
あー、それにしてもビックリした!
ウー「テキーラ!!」

Bd2

Memo2
オープニング6分間映像。
6-Minute Opening Clip
https://www.youtube.com/watch?v=6XMuUVw7TOM
あのダイナーや銀行、ラストシーンのロケ地はどこ?
http://www.atlasofwonders.com/2017/06/baby-driver-filming-locations.html
15年前に制作されたMV
(監督がインタビューで答えていたけれど、この当時からカーチェイスと音楽についてのアイデアがあったということ)
Mint Royale - Blue Song
Directed by Edgar Wright
https://www.youtube.com/watch?v=dfrcZsKcVxU
Graphics, Main & End Title DesignはMatt Curtis
イギリス絡み(ダニー・ボイル作品はほぼ全て)といえばマット・カーティス。
今年も既に『ファンタスティックビースト』『ミスペレグリン』など多数。
衣装デザイナー は『ヘイトフル・エイト』『はじまりへの旅』『パロアルト・ストーリー』などを手がけたCourtney Hoffman
http://courtneyhoffmandesigns.com/

『ベイビー・ドライバー』オフィシャルサイト
http://www.babydriver.jp/

| | トラックバック (10)

2017-08-17

タイトルデザイン_52 Perception『スパイダーマン : ホームカミング(SPIDER-MAN: HOMECOMING)』ジョン・ワッツ監督、トム・ホランド、ロバート・ダウニー・Jr、マイケル・キートン、他

注・内容、ラスト、エンドクレジット後に触れています。
スパイダーマン : ホームカミング
SPIDER-MAN: HOMECOMING

監督 : ジョン・ワッツ
出演 : トム・ホランド
ロバート・ダウニー・Jr
マイケル・キートン
マリサ・トメイ、他

物語・15歳の高校生ピーター・パーカー(トム・ホランド)は、まるで部活動のようなテンションでスパイダーマンとして活動していた。まだ若い彼の才能に気付いたアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、ピーターを真のヒーローとして育てようとする。スタークに新しいスーツを新調してもらったピーターは、意気揚々と街へ乗り出し…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Home

Memo1
マーベル作品でも、ちょっと傍系(と、勝手に呼んでいる)『アントマン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ドクターストレンジ』が好物な自分としては、本作展開は嬉しい限り。
(そして『アイアンマン』とのDIY系映画繋がりも←1作目の手作りロケッティア風アイアンマンあたりのノリ)
シビルウォーに参加した際「キャプテン・アメリカの盾を奪った」と有頂天モードがいかにも高校生(授業にはちゃんと戻るのも偉い 笑)
泥棒から奪い返した自転車に残したメモとラストのバルチャー捕獲時のメモが同じノリというのも可笑しい。
ほとんどのスタントを行ったトム・ホランドの身体性。みるからに軽々としていて、それだけで全体に躍動感が生まれている。
Netflixにジョン・ワッツ監督『クラウン』『COP CAR/コップ・カー』そしてジョン・ヒューズ監督『フェリスはある朝突然に』『ブレックファスト・クラブ』が揃っているという、まるで準備していたかのような‥
(エンドクレジットに『フェリス〜』も記載)
脱出経路を指示するイスの男(笑)ネッド。
最初、ウザい感じが見ているうちに「お、これは名パートナー」と思えてきた。
「絶対に話すなよ」に対して普通だったら「いや、話さないよ」と返すところをすかさず「絶対喋りまくってしまう」と即反応するのも、笑える(で、この感覚もSNS時代の脊髄反応っぼくて面白い)
この最初から正体バレているというのも新機軸。
(今後も絶対うっかり喋りそう 笑)
また次回以降に展開されていくと思しきラストで明かされるミシェル(デンゼイヤ)の愛称「MJ」など楽しみな伏線も用意されている。
『ファウンダー』で"(吉本新喜劇風関西弁で)「エっゲツなぁ~」"企業人を演じたヴァルチャー役のマイケル・キートンが中小企業人(しかも雇った従業員のことを考えての悪事動機。バットマンとバードマンを演じて)
また『ファウンダー』で最も大事なのは「忍耐」と語っていた台詞が、偶然なのかエンドクレジット後のキャップによる教育ビデオ(日本だと松岡修造が熱く語りかけてくるようなノリ?笑)でも出てくるあたりが面白い。
(おそらくはカーネギーなどによる"アメリカ自己啓発的なもの"の根っこが同じなのだろうなぁ、などということを思った←『ファウンダー』に出てきたトランプ大統領愛読の"あの啓蒙書"とか)
スーツ内蔵AI「カレン」
声がジェニファー・コネリー。吹き替え版は井上喜久子さんという抜群の布陣。
恋のアドバイスから各種モード(瞬殺モードからおまかせまで 笑)とやりとりが面白い。(スーツの眼が細く釣り上がっり変化するのも斬新)
ラストのトニー・スターク秘書、ペーパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)再登場も嬉しい限り。(『アイアンマン』初公開時には秘書限定試写会などという企画もあったような)

Memo2
バルチャー戦を終え、アベンジャーズ入りも断り"ご近所ヒーロー"の道を選び、自宅の部屋に戻るとトニー・スタークからの紙袋がベッドの上に。
中にはスターク製スパイダーマンスーツが。
すかさず嬉々として着替えると…。
「なにしてるの?」
鏡に写るメイ叔母さん。
(あ!?み、見つかっちゃったー?!と、いったピーターの顔)
絶妙タイミングで監督クレジットが入って、POPなアニメーションエンドタイトルシークエンスへ。
そのタイトルデザインはPerception
(該当動画は coming soon! 表記となっていますがスケッチ関連はART BOOKから掲載されたもの有り)
http://experienceperception.com/homecoming.html

映画『スパイダーマン:ホームカミング』
公式サイト
http://www.spiderman-movie.jp/

| | トラックバック (12)

2017-08-16

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(The Founder)』ジョン・リー・ハンコック監督、マイケル・キートン、ローラ・ダーン、他

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
The Founder

監督 : ジョン・リー・ハンコック
脚本 : ロバート・シーゲル
出演 : マイケル・キートン
ローラ・ダーン
ニック・オファーマン
ジョン・キャロル・リンチ、他

物語・1954年、アメリカ。シェイクミキサーのセールスマンである52歳のレイ・クロック(マイケル・キートン)は、8台もミキサーをオーダーしてきたマクドナルドというドライブインレストランに興味を覚え訪ねてみる。そこでレイは、経営者のディックとマック兄弟による、高品質、コスト削減、合理性、スピード性などを徹底させたビジネスコンセプトに感銘を受ける。契約を交わしてフランチャイズ化を進めるが、ひたすら利益を求めるレイと兄弟の仲は険悪になっていき…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Founder

Memo
(吉本新喜劇風関西弁で)「エっゲツなぁ~」
ゴリゴリの押し押し人物をマイケル・キートンが怪演。
何故「マクドナルド」の名前でなければならなかったのか?
それは名前の響き。
「◯◯バーガー」「××バーガー」「バーガー、バーガー…そういった名前ばかりだ」
「それに対してマクドナルドから受ける印象は、どうだ。いかにもアメリカらしい名前だ」とやたら語る。
確かにチェコ系ユダヤ人であるクロックという響きのまま"クロックバーガー"と名付けていたらどうだっただろうとも思う。
「キッチン(ニワトリ小屋)にオオカミをいれてしまったんだ」
(気づいたときは、もう遅かりし)
パーセンテージ契約では、あまり自分への利益が出ず、そのことでマクドナルド兄弟との確執が深まっていく中、偶然銀行で隣に居合わせた男からのアドバイスで実権を握り始める。
(エンドクレジットにも記されるとおり、チェーン店としての凄さというより、世界最大の好立地/不動産を所有している会社)
「溺れかかっているライバルにホースで水を飲ませる」とレイが言っていたとおりラストでは、マクドナルド兄弟が名前を「ビッグM」に変えて再オープンさせたハンバーガー店の向かい側にマクドナルドを出店するレイの姿が描かれる。
2回出てくる台詞
(レイは何かを生み出したわけでも創業者でも無い。それ故、そのたびに一瞬、言葉につまる)
「創業はいつ?」

映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』
公式サイト
http://thefounder.jp/

| | トラックバック (3)

2017-08-06

"AS TIME GOES BY"『20センチュリー・ウーマン(20th Century Women)』マイク・ミルズ監督、アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ルーカス・ジェイド・ズマン、他

20センチュリー・ウーマン
20th Century Women

監督 : マイク・ミルズ
出演 : アネット・ベニング
エル・ファニング
グレタ・ガーウィグ
ルーカス・ジェイド・ズマン
ビリー・クラダップ、他

物語・1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ、自由奔放なシングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、15歳の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に頭を悩ませていた。そこで、ルームシェアしているパンクな写真家のアビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に暮らすジェイミーの幼なじみジュリー(エル・ファニング)に相談する。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

20

Memo
ジェイミーが3世代の女性から受ける啓示。
息子の成長、世代間の差異。
とまどう母親のこともよく感知している優しいジェイミー。
それを見守る(姉のような、友だちのような、メンターのような)ふたりの女性(←ジュリーのポジション、ジェイミーにとってはとっても罪な…。とはいえジュリーも、また悩んでいるわけですが…)
空撮から入り、同じように空撮で終わる。
現在と違って1979年におけるシングルマザーとはいかなるポジションだったのだろう?
母ドロシアとジェイミーの株価読み上げの時に「IBM」の名前が出ていたけれど、Appleが株式を公開するのは翌年(1980年)なので、もしかして、その際にはチェックしていたりして 笑
『フォレスト・ガンプ』でダン中尉がリンゴ農園(果物の会社)に投資していたおかげで生活には困らなくなったガンプ、みたいなことが!?
パンフレットのテキスト量がとっても多い。
このまま写真部分を増やして書籍化してもよかったのでは?と思える内容。
本作に出てくるカルチャーを理解する上でのサブテキストとしても重要。
第89回アカデミー賞・脚本賞にノミネートされた、その脚本(英文・PDF保存可)
(2017年6月11日現在リンク確認済み)
http://scriptfest.com/home/wp-content/uploads/2017/01/20TH-CENTURY-WOMEN.pdf
タイトルデザイン
Opening credits – typography
使用フォントはNews Gothic
http://annyas.com/screenshots/updates/20th-century-women-2016-mike-mills/
メインタイトルを出すタイミングが極上の美しさ。
マイク・ミルズ監督のグラフィック・デザインワークなどを見ることができます。
Mike Mills / Film / Art / Graphics
http://mikemillsmikemills.com/

映画『20センチュリー・ウーマン』公式サイト
http://www.20cw.net/

| | トラックバック (1)

2017-06-07

タイトルデザイン_51 カイル・クーパー(Kyle Cooper) 『夜に生きる(Live by Night)』ベン・アフレック監督・主演、エル・ファニング、シエナ・ミラー、ゾーイ・サルダナ、他

注・内容、台詞に触れています。
夜に生きる
Live by Night

原作 : デニス・ルヘイン
監督 : ベン・アフレック
出演 : ベン・アフレック
エル・ファニング
シエナ・ミラー
ゾーイ・サルダナ
ブレンダン・グリーソン
クリス・メッシーナ
クリス・クーパー

物語・禁酒法時代のボストンで、ジョー(ベン・アフレック)は警察幹部の父親に厳しくしつけられた。だが、彼はその反動でギャングの世界に足を踏み入れる。ある日、ジョーは強盗に入った賭博場でエマと運命の出会いを果たすが、彼女は対立している組織のボスの愛人で…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Lbn2

Memo1
第一次大戦と第二次大戦、ふたつの戦争の間をめぐる父と子(娘)の物語。
警察官(警視正から警部に降格される)である父親とコクリン、タンパ警察署長と娘。そしてジョーと息子。
デニスル・ヘインによる3部作『運命の日』(ジョーの父親を軸に書かれている)『夜に生きる』『過ぎ去りし世界』(ジョーと息子のその後)の中間部分。
上下巻の長さのため映画としては端折っているところもあるが、全体の語り口がよくて落ち着いて見られるいい映画だった。
役者の顔が全ていい。
面構えというのだろうか。
(知人に言わせると昔の映画に比べたら手緩いらしいが、それでも本作、素晴らしいと思います)
対立するふたつの組織。
アイルランド系ギャングのボス、アルバート・ホワイトとイタリア系ギャングのボス、マソ・ペスカトーレ。フロリダ、タンパ警察署長フィギス(クリス・クーパー)
KKKのリーダー、RD(喋り方がまたイラッとする)の、この顔一度、見たら忘れまへんでー(←関西弁)
そして、ジョーの父親。
(いかにもな警視正かと思いきや、息子の服役期間を縮めるために少しゆすりをかけたりもする場面もあり、一面だけでは計り知れない善悪についての"揺れ"が描かれる)
そしてエマ(シエナ・ミラー)、クラシエラ(ゾーイ・サルダナ)、ロレッタ(エル・ファニング)。3人の女性がジョーの運命にかかわってくる。
アルバートの女だったエマを内通者としての賭博場襲撃シーン。
「靴下を私の口に?」
「大丈夫だ。使っていないやつだ」
「そうやって嘘をつく」
(この時、テープを頭に巻く際に妙に目線が…、と、思っていたら暫く経っての場面でそこを使ってキスシーンにつなぐ上手い描き方が出てきた←こういった、ちょっとしたところが気がきいていてベン・アフレック監督、いいなぁ、と思えるところ)
薬物中毒から立ち直り教会のカルト的説教者となるフィギスの娘、ロレッタ(エル・ファニング)。
彼女の説教の影響力は大きくカジノ建設が頓挫しそうになる。
しかし、ジョーにはロレッタを殺すことができない。
(最初のモノローグにも出てきているが、彼の中には父親から引き継いでいるとも言える"善的なもの"があるのだ)
ふたりがレストランで会話をするシーン。
「私たちはみんな地獄に行くの」
あなたは違うというジョーに。
「私たちは学ぶの」
「ここが天国だということを」
「法律でもKKKでも阻止できなかったカジノ建設をあなたは阻止できた」
「私が?」
ここでニッコリと微笑む。
(このあと自ら命を絶つこととなるだけに、このシーン、本作白眉といえる)
クラシエラには駅でジョーが見かけた時から、ほぼひとめぼれだ。
そしてクラシエラはジョーの中の"善的なもの"を見抜いていたともみえるところがある。
服役中に亡くなった父親の葬儀。
墓の前に佇むジョー。
(ここ、カメラがスコープサイズ中央に配したジョーに寄っていくのだが、ちょっとブルース・ウェインにみえたw こんな感じのショットBvSで無かっただろうかと既視感)
ラスト、ジョーと息子。
(ボイスオーバーで)
「週末は映画を見に行った」
(ニュース映像にヒトラーの姿)
「ドイツ野郎が暴れているみたいだが戦争にはならないだろう」
(西部劇が流れ)
「いたく気に入ったみたいだ」
脚本に兄(ダニエル・コフリン)の名前を見つける。
(すごく嬉しそうに)
「ほら、お前の叔父さんだ」
(海にでかけて)
「天国はどこにあるの?」
(ロレッタから聞いたことを息子に伝えた)
「ここが、その場所だ」

Memo2
プロローグ部分(セピア色調で写真、ニュース映像などを静かにフェードイン、アウトを繰り返しながらモノローグがかぶさる)とメインタイトルデザインはカイル・クーパー(Kyle Cooper)
プロダクション表記なし。
本編に使われているタイトルロゴのデザインが既製フォントを少し変えて作っていいて、これが絶妙のバランス。
End Title > SCARLET LETTERS

映画 『夜に生きる』 公式サイト
https://warnerbros.co.jp/c/movies/yoruni-ikiru/

| | トラックバック (8)

2017-06-04

"最後のウルヴァリン"『LOGAN ローガン』ジェームズ・マンゴールド監督、ヒュー・ジャックマン、ダフネ・キーン、パトリック・スチュワート、他

注・内容、台詞に触れています。
LOGAN ローガン

監督 : ジェームズ・マンゴールド
出演 : ヒュー・ジャックマン
ダフネ・キーン
パトリック・スチュワート
ボイド・ホルブルック
スティーヴン・マーチャント、他

物語・近未来では、ミュータントが絶滅の危機に直面していた。治癒能力を失いつつあるローガン(ヒュー・ジャックマン)に、チャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)は最後のミッションを託す。その内容は、ミュータントが生き残るための唯一の希望となる少女、ローラ(ダフネ・キーン)を守り抜くことだった。武装組織の襲撃を避けながら、車で荒野を突き進むローガンたちだったが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Logan

Memo1
まさに"最後のウルヴァリン"に相応しい圧倒的な力作。
また泥臭さ溢れるロードムービーであり「X-MEN」本編ラインとは一線を画す、現実世界との地続きSFでもあります。
以下、ウルヴァリン(ジェームズ)の記載はローガン、チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)はチャールズで記しています。
ローラを演じたダフネ・キーン。
(このキャスティングが決め手ともいえる)
前半の全く喋らない"キーッ"とした表情や動作から、後半の心開き始めた情緒ある芝居まで、本当に素晴らしいです。
オーディション風景の動画。
Logan | Dafne Keen's Audition Tape with Hugh Jackman
(20th Century Fox 公式サイト)
https://www.youtube.com/watch?v=h8YJt6iQPNA
ローガンたちと関わった人々(夕食に招いてくれた家族からスーパーの店員にいたるまで)誰ひとりとして助からない。
ローガンにせよローラにせよ、その躊躇ない戦闘スタイルは制御不能となる戦うためだけに育てられた本来の姿を体現したものだ。
壁にかけられた日本刀、出生のことなどシリーズとしての目配せもあるが、前作を見ていなくても成立させている作り方が上手い。
「世界で最も棄権な脳を持つ男がアルツハイマーだと…?」
その言葉通りチャールズが能力を発揮したオクラホマシティでのカジノホテルシーン。その凄まじさ。
(見ているこちらも力が入ったー 汗)
前年に起ったウェストチェスターでの7人のミュータント死亡についても、このことが原因だということが垣間見られる。
2017年の現在からみても本当に近未来らしく(2029年)既に始まっている事柄が実際に描かれている。自動運転のトラック(運転席が無くコンテナ荷台だけAUTO TRAC)や夜間でも動き続ける巨大農作業機による遺伝子組換えトウモロコシの畑、固いボディの装甲リムジン(いくらなんでもと言えるほど頑丈。後述記事リンクあり)など。
前述どおりの地続きSF。
チャールズとふたり、ホテルで映画を見ている。
(まるでお祖父ちゃんと孫のような構図。ローガンとチャールズも親子のようだ、というよりも最後までローガンのことを気にかけているチャールズの姿は親子以上に思える。ゆえに、あの結末が…)
見ている映画は『シェーン
その台詞。
(それはローガンを埋葬したのち、ローラがローガンへおくった言葉へと繋がる)
「1度、人を殺してしまうと、もう元の生活には戻れない」
「ママのところへ帰りなさい」
「そして、こう伝えて」
「もう谷には銃は無くなったから」
「シェーン」のラストについては有名な「シェーン・カムバック」のあとに続く墓所を通り過ぎるシーンがさまざまな意味を持って描かれて終わる。
(実際の死、或いはガンマンとしての死など)
『シェーン(Shane)』Ending
https://www.youtube.com/watch?v=lOmsbhqs95s
「ローラは君の子どもだ」
ローラがリュックの中に入れていたファイルの中に
SOURCE DNA : JAMES HOWLETT(ローガンの本名)と記載が。
最後の戦い
自分と瓜二つの(エンドクレジットではどちらもヒュー・ジャックマン表記)X-24との戦いは、まさに"影を殺す"が如くの緊迫感。
(X-24の治癒能力のなんたる高さ)
ついにローラの放ったアダマンチウムの弾丸で止めをさしたとき、「ウルヴァリン」の姿ではない本来の人間の姿「ローガン」へと戻っていく息絶えつつあるローガン。
そこでのローラの台詞。
「パパ!」

Memo2
"TVブロス"インタビュー
・イーストウッド監督『許されざる者』の主人公は「シェーン」の年老いた姿だという監督の意見に、同じように「許されざる者」のことが頭に浮かんでいたから面白い一致だ、とヒュー・ジャックマン。
・エンドクレジットにジェームズ・マンゴールド監督の大学時代の恩師であるアレクサンダー・マッケンドリック監督に対してスペシャルサンクスが記されている。
(「3時10分、決断の時」「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」などにも)
さて、あのスペシャルリムジンのデザインは?
(オートトラックやジープなども掲載)
How The Cars Of Logan Grappled With The Very Real Future
http://jalopnik.com/how-the-cars-of-logan-grappled-with-the-very-real-futur-1793099275
どこで撮影されたの?
Where was Logan filmed ?
ロケ地ガイド
http://www.atlasofwonders.com/2017/02/logan-filming-locations.html

Logan2

Memo3
メインタイトルデザインは「ウルヴァリン : SAMURAI」も手がけたPicture Mill and F.Ron Miller
エンドタイトル > SCARLET LETTERS
Opening credits – typography
(タイトルシークエンス画像あり)
使用フォントはAkzidenz-Grotesk
後半に掲載されている Logan Noir : Logan Black & White の雰囲気は「マッドマックスFR : Black & White版」でも感じた構図と陰影の美しさが際立っている。
http://annyas.com/screenshots/updates/logan-2017-james-mangold/

映画『LOGAN/ローガン』オフィシャルサイト
http://www.foxmovies-jp.com/logan-movie/

| | トラックバック (18)

2017-05-31

『パーソナルショッパー(Personal Shopper)』オリヴィエ・アサイヤス監督、クリステン・スチュワート、他

パーソナルショッパー
Personal Shopper

監督 : オリヴィエ・アサイヤス
出演 : クリステン・スチュワート
シグリッド・ブアジズ
ノラ・フォン・ヴァルトシュテッテン
ラース・アイディンガー、他

物語・パリで、多忙な人々の買い物を代行するパーソナル・ショッパーとして働くモウリーン(クリステン・スチュワート)は、数か月前に双子の兄を亡くし悲しみに暮れていた。そんな折、携帯電話におかしなメッセージが届き、さらに不可解な出来事が発生し…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Ps

Memo
「他の誰かになりたい?」
"忙しいひとの代わりに"買い物をすることと"誰かを見えない何かを引きつける"霊媒体質とが合せ鏡のようになっている。
画面を見ている観客自体が目撃者であるような映画的話法。
(ルイスの姿らしき者が見えたのは映画を見ている観客だけ)
スコープサイズ、35mmフィルム撮影。
"ゴースト"もまた光の変種とするならばフィルム撮影は適していると思う。
3ヶ月前に心臓麻痺で急死した兄との「先に亡くなった方が、向こうから合図を送る事にしよう
その約束自体がモウリーンをパリに縛り付けている。
見方によっては兄が妹であるモウリーンを呪縛から解くために導いていく(後述、インゴによる事件への巻きこまれも含め)話とも読み取れる。
実際に存在する画家、ヒルマ・アフ・クリント(没後20年まで作品を公表しないようにとの遺言も)。そしてヴィクトル・ユゴーが行ったテーブルターニング(音の回数によってイエス、ノー、アルファベットを印す)
さらには、かつて住んでいた家でのエクトプラズムを吐く亡霊との遭遇(階段の途中の引っ掻いたバツ印とテーブルに残されたバツ印の符号、ここ1番怖かった…)
そういったオカルティックな雰囲気が見ているこちら側も"気分としての加担者"たらしめている要因。
兄もその彼女ララも新しい彼氏も、そしてモウリーンも彫刻や絵を描くという芸術的行為に関係している。
もしかして、ここ笑うところ?と思ったのが謎の送信者とのメッセージのやりとりで「怖いものはあるか」に対しての返信が「ホラー映画」って‥…体験している事の方がよほど怖い。
キーラが殺害され(犯人はキーラの不倫相手インゴであることは早い段階で明確だ。ただ、前述のとおり散りばめられたオカルティック雰囲気により何か"別のもの"の犯罪の匂いがするようには見える流れがある)
自分に殺害の容疑がかけられるように仕組まれた罠としてのカルティエのアクセサリーが入った紙袋。
最初に部屋に尋ねてきたのは(メールメッセージで"もう下に来ている""階段をあがっているぞ"などが続々着信する)実はルイスではないのかと思われる。
というのも、モウリーンは全くインゴと顔を合わせていない。
透明人間が歩いて行くように写される、廊下、エレベーター、入口のドアのシーンのあと、ディレイされて描かれるインゴの慌てたように同じところを通って行く場面が続く。
(最後はホテル前でインゴを捕まえようと警察が現れる)
兄が妹を助けたともとれる描かれ方。
ラスト
パリを出て、彼のいるオマーンへ到着したモウリーン。
ララの家に現れたガラスコップが割れた時と同じ現象が、ここでも。
「ルイス?ルイスなの」
ドン(Yesを標す1回だけの激しい音)
いくつかのやりとりがあって…
「全部、気のせい?」
ドンと1回、激しい音
エンドクレジットへ
(なんとも皮肉が効いているし、開放された感じもあるし、宙ぶらりんにされたような気になる面白いラスト)
クリステン・スチュワートはアサイヤス監督『アクトレス〜女たちの舞台〜』に続いての起用。撮る監督によって女優の雰囲気が変わることはよくあると思うけれど、それもまた女優としての"同化憑依体質"を呼び起こす監督との共犯関係のひとつとも言えるかもしれない。

Ps3

日本版含め3種類のポスター。
クリステン・スチュワートのポーズは同じだが、座っている場所がそれぞれベッドや違う種類の椅子になっている。

映画『パーソナル・ショッパー』公式サイト
http://personalshopper-movie.com/

| | トラックバック (2)

2017-05-19

"あなたの人生の物語"『メッセージ(Arrival)』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー、他

注・内容、台詞、ラストその他全般に触れています。
メッセージ
Arrival

原作 : テッド・チャン
監督 : ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演 : エイミー・アダムス
ジェレミー・レナー
フォレスト・ウィテカー、他

物語・巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間をさかのぼるような不思議な感覚に陥る。やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明し…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Arrival1

Memo1
ブログ記事タイトル名は原作"あなたの人生の物語"を。
映画を観終わったときに、その原作タイトルがまた違った深度を持って問いかけてくれる。
(これより以降、思いつくままにメモを元に台詞やシーンをランダムに記載しています。エイリアン表記ではなく全てヘプタポッドとして記載)
フラッシュバックと思われていた娘、ハンナ"HANNAH"との映像。
実は"これから起こるできごと"フラッシュフォワードであることが後半にわかってくる。
"起こりうる未来が過酷なものであっても、それを受け入れる?"
ラスト
(ルイーズとイアンと小鳥が描かれた絵)
「パパとママが動物に会ったの」
撤収していく軍や関係者たち。
ルイーズのモノローグ。
「あなたの物語はこの日から始まる」
イアンの台詞。
「ずっと宇宙に憧れてきた」
でも1番驚いたことは彼らにではなく、君に出会ったことだ
「パートナーが君でよかった」
「数学者のような考え方をする」
理系と文系がタッグを組んで問題解決に挑む。
このふたりでよかったと思えるシーンの積み重ね。
性急な結果(ここで言う結果とは"彼らが地球に来た目的は何かということを知ること)を求めてくる政府。そしてウェバー大佐。
それに対して語彙がもっと必要だと解くルイーズ。
そこで、こういう話をする。
オーストラリアに初めて上陸した際、先住民族に対して「あのお腹の袋に子どもを入れて飛び跳ねている動物はなんだ」という質問に対して「カンガルー」と答えた。
でも、実際は彼らの言葉では「理解不能」という意味。
「お見事」というイアン。
「(字幕では)都市伝説よ」
(実際はうるおぼえですが→「真実ではないけれど私の伝えたいポイントをおさえている話」)
(前段として、ウェバー大佐が大学に訪ねてきた際、去り際の大佐に別の教授にあたる際にサンスクリット語で"戦争"の意味を聞いてほしいというシーンもある)
ファーストシーンとラストが繋がる円環構造についてはSFマガジンでの添野知生氏による批評(5ページにわたって紹介。他に基本、善人しか出てこないこと「ある日どこかで」のことなど鑑賞後に読むテキストとして最良)やパンフレット中のレビューでもいくつか記述されている。
(そのシーンのために始めと終わりに使用されるマックス・リヒター「On the Nature of Daylight」←End title crawlにも単独表記されるほど重要な楽曲)
殻"Shell"の中でルイーズたちとヘプタポッドの間にある"Wall"。
それはまるで見ているこちら側(観客側)のスクリーンのようでもある(本作自体がスコープサイズだし)。
スクリーンの中にスクリーンがある感じ
そこに近づいていくルイーズと観客はヘプタポッドとの遭遇を同じような気持ちで見ることとなる。
また"Shell"自体のサイズ感(ヘリコプターの俯瞰から見たものと地上から近づいていったときののものとの比率)が分からなくなるように被写界深度の浅・深を巧みに取り入れている撮影手法も素晴らしい。
"Shell"は宇宙船というよりは、まさに容器のようでもあり通路のようでもある。
ゆえにラストに去って行く姿は舟が離れていくというよりは、その場から消滅していくようだ。
ルイーズとイアンが兵士たちによる爆弾テロに巻き込まれ"Shell"から弾きだされる(事実上ヘプタポッド"アボットとコステロ"に助けられたことに)直前に受け取った膨大なロゴグラム。
「時間についての表示が多い」
「点と余白の数を計算してみた」
0.0833
「分数で表すと」
1/12
"武器を与える"その意味するところと世界の12地点に現れたことなど全てが合致して出てきた答え…。
娘ハンナとのフラッシュフォワード映像がよぎる(その前後の描き方の見事さ)。
ある語句を思い出せないでルイーズに質問するハンナ。
「取引?」
「ウィンウィン?」
「違う。もっと数学的な感じの…」
「それだったらパパに電話してみなさい」
そして。
未来の自分が現在の自分から答えをもらう。
(切迫した状態で各国お互いのデータをどう渡しあうのか…。ウェバー大佐らに説得するルイーズ。そこでポツリとイアンが…「ノンゼロサムゲーム」)
ハッとするルイーズ。
そしてハンナに。
「ノンゼロサムゲーム」
("non-zero-sum game" 日本語字幕で「非ゼロ和ゲーム」と出ていた)
原作で出てくるフェルマーの光の最小径路が省かれているのは映画としての選択だったのかはよくわかる。
それでも、それっぽい台詞がさりげなく織り込まれている。
それはルイーズの姿勢も表している。
「急がば回れよ」
初見の際に「!」と思ったチャン将軍との(フラッシュフォワード)1年半後の会話。
「あなたに会いたくて来た」
「あの時、わたしの携帯電話に電話をくれたから今こうして会えた」
「わたしは番号を知らない」
チャン将軍が携帯の番号を見せながら…
今、知りましたよ
手が無意識に震えるほどの恐怖もありながら与えられた使命(目的)のために勇敢に立ち向かう聡明にして孤独を内に秘めた言語学者ルイーズ。演じたエイミー・アダムスが本作でアカデミー賞にノミネートされなかったことは謎。
そのエイミー・アダムスの透きとおるようなブルーアイと防護服のオレンジ色が補色になっている点も美しい。

Arrival

Memo2
タイトルデザインはLouis-Martin Duval
(抱き合うふたり。待ち受ける未来を知りつつも…)
そして静かに暗転。浮かびあがるARRIVALのタイトル。
http://annyas.com/screenshots/updates/arrival-2016-denis-villeneuve/
コンセプトアート
(かなり違っているものもある)
Concept artist Meinert Hansen
Arrival: Concept Art, Part 1: The Shell
https://meinerthansen.com/2016/11/13/arrival-concept-art-part-1-the-shell/
Arrival: Concept Art, Part 2 – The Aliens
https://meinerthansen.com/2016/11/19/arrival-concept-art-part-2-the-aliens/
ポスター右下に記載されている12ヶ所の緯度・経度が確認できるサイズで閲覧できるポスターサイト。
http://www.impawards.com/2016/arrival_gallery.html
音をスペクトラムで表した図。
モンタナがその中で抜け出てピークを指している。
(後半は'TED'における8次元についてのスピーチ関連記載)
https://medium.com/colorless-green-ideas/the-arrival-a-colorless-story-of-your-life-312504e04700
一貫しての言語学者ルイーズの視点で描かれる本作。その根幹たる「使用言語によって思考は影響される」というサピア=ウォーフの仮説についての(おそらく)唯一の書籍『言語・思考・現実』(L・ベンジャミン・ウォーフ/著)
公開後に突如、売れ始めるかも?
音楽は同じヴィルヌーヴ監督の『プリズナーズ』『ボーダーライン』を手がけたヨハン・ヨハンソン(『ブレードランナー 2049』も控えている)
公式ウェブサイト
http://www.johannjohannsson.com/
既に日本以外ではBlue Rayが発売されており特典マテリアルとして1時間を超えるメイキング関連映像が収録されています。
テッドチャンへのインタビューから音響設計、ロゴグラムの製作過程など多数。
IMDbで下記タイトルで検索可。
• Xenolinguistics: Understanding Arrival
• Acoustic Signatures: The Sound Design
• Eternal Recurrence: the Score
• Nonlinear Thinking: The Editing Process
• Principles of Time, Memory and Language
こちらの語句で画像検索するとその他、いろいろと面白いものが… → "arrival mathematica code"
数式処理システム"Mathematica"について
(言語、図像解析に用いられていて画面に多々登場)
https://mathematica.stackexchange.com/questions/137156/where-is-abbott-how-to-make-logograms-from-the-film-arrival
【TVブロス】5月20日号。ヴィルヌーヴ監督への渡辺麻紀さんのインタビュー。監督自身が「えっ、そうなの?それは知らなかった!」と反応した『スター・トレック ファーストコンタクト』でも人類が初めて異星人と遭遇するのがモンタナだったという話をはじめ、妙にツボにはまる話が掲載されています。(「『デューン』はまだやるか決まってないよ。」なども)
メイキング映像(約15分)
Go Behind the Scenes of Arrival
https://www.youtube.com/watch?v=QOMIL_6bkiU
"WIRED"掲載のロゴグラムのメイキング記事
"映画『メッセージ』制作陣はいかにして「エイリアンの文字」をデザインしたか?"
http://wired.jp/2017/05/20/arrival-alien-alphabet/

Arrival_p
Memo3
パンフレットデザインは大島依提亜‏さん。
"Shell"の型抜きが表1、表4に施されている。
(中にはモンタナと帯広の写真。合計全12ヶ所の"Shell"出現地の写真も掲載)
A5サイズ/本文52ページ。
プロダクションノートが12ブロック。
レビューが12本。
(原作、SF映画、コミュニケーション、音楽のことなど本編に関わる要素が網羅された内容)
ロゴグラムの素敵な仕掛けがセンターに。
映画史に残るSF作品に相応しい手元に置いておきたいパンフレット。

映画『メッセージ』 | オフィシャルサイト
http://www.message-movie.jp/


| | トラックバック (26)

より以前の記事一覧