2007-02-17

「あなたになら言える秘密のこと」

「死ぬまでにしたい10のこと」のイサベル・コイシェ監督、サラ・ポーリー主演「あなたになら言える秘密のこと物語・ハンナ(サラ・ポーリー)には誰にも言えない秘密があった。そのため友達も恋人も作らず、職場と1人暮らしの部屋を往復するだけの生活を送っていた。ある日、上司から無理やり休暇を取らされたハンナは、見知らぬ街を訪れる。ふとしたきっかけで、油田の事故で負傷したジョゼフ(ティム・ロビンス)という男を看護することになるハンナ。一時的に視力を失ったジョゼフは会話からハンナを知ろうとするが、彼女は自分の過去を語ろうとしない。そして…。(ここまでプレスより記載)
ハンナの生活はまるで定規で引かれたように淡々としている。無遅刻無欠勤の職場、白米、チキン、リンゴ、白米、チキン、リンゴ…、と、淡々と繰り返される食事、アーモンドフレーバーの四角い石けんが並ぶ青いタイル。整然としたキッチン。全体の色彩基調がブルーというところもすごく活きている。サラ・ポーリー、ティム・ロビンス(表情だけであの演技!)は、もちろんうまいのだがハンナが食べる楽しみを知るきっかけをつくる油田のシェフ、サイモン(ハビエル・カマラ)をはじめ、脇を固める俳優陣も本当に素晴らしい。

耳が不自由なハンナと目が不自由なジョゼフ…閉ざされた北海油田での出会いは閉ざされた心の扉を開いていく…。「あなたになら言える秘密のこと」…、いわゆる天使がよぎる映画の系譜。傑作です。

あなたになら言える秘密のこと
http://www.himitsunokoto.jp/

あなたになら言える秘密のこと 死ぬまでにしたい10のこと

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2007-02-10

オードリー・ヘップバーン「おしゃれ泥棒」

オードリー・ヘップバーン主演、ウィリアム・ワイラー監督(「ローマの休日」)「おしゃれ泥棒」(1966年)。父親が贋作の名人で、その絵を美術館に寄贈する事に胸を痛めている娘ニコル役をヘップバーンが演じています。美術商に雇われた探偵(ピーター・オトゥール)がニコルに一目惚れしてしまい、逆に父親が寄贈した絵を美術館から盗み出すはめに陥るという、おもしろい設定のロマンティックコメディ。ヘップバーンのめまぐるしく変わるファッションはタイトル通り、とても「おしゃれ」( 衣装はGIVENCHY、ジュエリーはCartier、有名な白のサングラス姿はこの映画。なお原題はHow To Steal A Million )。額縁に絵画のメインタイトルデザインはCINEFX/PHILL NORMAN。

この映画のヒント(参考?)となったと言われているのが実在の贋作者、ハン・ファン・メーヘレン。メーヘレンはフェルメールの贋作「キリストと悔恨の女」をナチスに売り渡した罪で捕まる事となるが国家反逆罪の罪よりも贋作者としての罪の方が軽いということで、実は自分は贋作者だったと名乗り出る。その証明のために法廷で実際に作品を描いてみせるという美術史に残る一大事件でした。

おしゃれ泥棒   Audrey Style  

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2007-02-09

「蒼き狼 地果て海尽きるまで」

総制作費30億円、2万7000人のエキストラなどCGに頼らないライヴアクションが話題の「蒼き狼 地果て海尽きるまで」。以下、内容、ラストシーンに触れています。物語・12世紀末のモンゴル。部族の長の息子として生まれ、彼らの始祖「蒼き狼」の生まれ変わりと言われたテムジン(のちのチンギス・ハーン/反町隆史/少年時代・池松壮亮)は、モンゴルの未来を担う存在として大切に育てられた。ところが14歳で父親イェスゲイ(保坂尚希)を対立する部族に殺されると、すべてが一変する。母親ホエルン(若村麻由美)が敵から略奪された身であることを理由に、父の部下たちから見捨てられたのだ。その上、母は父と出会う前に、すでにテムジンを身ごもっていたのではないかという疑いまで向けられる。「俺には蒼き狼の血が流れていないのか?」苦悩しながらも不屈の魂を持つテムジンは、母と弟妹たちを守るため、「蒼き狼」の血筋であることを自ら証明するため、様々な困難に決然と立ち向かっていく。しかし、モンゴルを統一するという壮大な夢に向かって踏み出した時、最愛の妻ボルテ(菊川怜)を敵の部族に略奪されてしまう。10ヶ月後、ようやく妻を救出した時には、彼女は身ごもっていた…。やがて生まれた、自分の子かどうかわからない赤ん坊ー再び繰り返される宿命に苦悩するテムジン。やがて成長した息子ジュチ(松山ケンイチ※ジュチはよそ者の意)に、テムジンは過酷な任務を与えるのだが…。(ここまでフライヤーを元に役名、出演者を加えて作成)

蒼き狼 地果て海尽きるまで Music Collection(DVD付)

他にテムジンの弟ハサルに袴田吉彦、少年時代にアンダ(盟友)の誓いをたて後に対立することとなるジャムカに平山祐介、親友にして信頼のおける部下・ボオルチュ(父の死後、まだ少数部族であったテムジンの馬が盗まれた際に通りがかった盗賊から取り返していてくれたエピソードが前半に描かれている)に野村祐人、女性戦士クランに新人Ara、デイ・セチュンに榎木孝明、ケレイトの王トオリル・カン(最初はテムジンと同盟を結んでいるがジャムカに乗せられテムジンたちを攻撃する。映画のクライマックス部分はこの戦闘)に松方弘樹、また即位式(戴冠式)シーンにシャーマン(巫者)・ケクチュに津川雅彦が一瞬、出演している。監督・澤井信一郎、脚本・中島丈博 / 丸山昇一、原作・森村誠一、主題歌・mink「InnocentBlue〜地果て海尽きるまで〜」

ラストの台詞
父と子が理解し合えたシーンに続いてラスト、中国の金へ攻め入る直前、万里の長城に向けて弓が放たれる「ジュチ…、お前が一番乗りだ」

蒼き狼 地果て海尽きるまで ナビゲート ~史上最大の帝国を築いた男 チンギス・ハーン~

MEMO
ジュチ役の松山ケンイチ登場シーンは一瞬「あ、Lだ」って思ってしまいました(膝を抱えて座る「デスノート」のLとダブりましたよ)。

即位式(戴冠式)のシーンは首都より1時間30分ほど離れたウンドルフ。そこに集められたエキストラの移動に要したバスは140台、ミニバン450台。End CreditにでるTransportの数の多さが物語っています(日本映画でこんなにTransport Staffが出たのは初めてかも…)

チンギス・ハーン率いる騎馬隊のキーカラー、TurquoiseBlueが美しい。

MEMO2
チンギスハーンを描いた映画・TVドラマ
「征服者」(1955年)・ジョン・ウェイン
「蒼き狼 成吉思汗の生涯」(1980年)・加藤剛
こちらは井上靖原作をTVドラマ化
監督を森崎東、他があたっている。

蒼き狼 地果て海尽きるまで
http://www.aoki-ookami.com/

Innocent Blue~地果て海尽きるまで~(DVD付)

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2007-01-31

DVDにはなっていないけれど_11「おかしな おかしな おかしな世界」

World










おかしな おかしな おかしな世界」砂漠のハイウェイで出くわした事故車に乗っていた男の間際の言葉「州立公園に35万ドルの大金が埋まっている」のひと言から始まる大金を巡ってのドタバタ(スラプスティック)コメディ。最初は4台の車に乗っていた人たちだけだったのが目的地に近づくにつれて「大金に目がくらんだ人たち」が徐々に増えていく。陸から空からカーチェイス( ? )あり、妨害あり、セット破壊あり…。目指すは「大きなWを探せ」。監督はスタンリー・クレイマー、出演・スペンサー・トレーシー他多数(本当に多数 ! ミッキー・ルーニーやピーター・フォークやバスター・キートンなどなどなどなど…)。公開時はシネラマ上映。日本のビデオ(レンタル版)では155分(しかもトリミングしている)だが、現在発売されているUSA_DVDでは161分。(しかし本当のオリジナルは192分。今や見た人の方が少ない…)

DVDにはなっていないけれど_1〜10
現在までの作品リスト
(左サイドのカテゴリー「未DVD化作品」にまとめています)
メル・ブルックス作品(こちら無事 ? DVD化)、ベビーシッター・アドベンチャー、抱きしめたい、ファールプレイ、アカデミー賞グレイテストモーメント、誘惑のアフロディーテ、タッカー、ホットロック、ラッキー・レディ、ラスト・タイクーン

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2007-01-14

「エトワール」監督による「オーロラ」

クラシック・バレエの名門、パリ・オペラ座の舞台裏を撮影した傑作バレエドキュメンタリー「エトワール」を監督したニルス・ダヴェルニエの積年の夢であったフィクション映画を実現した作品、「オーロラ」。物語・踊ることを禁じられたオーロラ姫。唯一の楽しみは弟といるときに踊ること。そんなオーロラ姫は国王でもある父親から没落しつつある国のために愛のない政略結婚を強いられるのだが…。パリ・オペラ座からエトワール3人(ニコラ・ル・リッシュほか)、ダンサー35人といった豪華な布陣によるダンスシーンが素晴らしい。そしてなによりもオーロラ姫を演じたオペラ座バレエ学校の新人マルゴ・シャトリエの立ち姿の美しさが、この映画全体のイメージを決定づけているといっても過言ではない。他にキャロル・ブーケ( シャネルNo.5のモデルでしたね〜。綺麗 ! )、フランソワ・ベルレアン(「コーラス」)など。

オーロラ・公式サイト
http://www.aurore.jp/

エトワール デラックス版

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2007-01-11

渋い!!「あるいは裏切りという名の犬」

久しぶりに大人の豊穣なるワインのようなフレンチフィルムノワールの登場。「あるいは裏切りという名の犬」は対立する二人の警視を軸に先の読めないストーリー展開(あまり予備知識なしで見た方がベストかも)で最後まで飽きさせない。あ、或いは主役二人(ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデュー)の「演技対決」にして「鼻対決?」とも呼べます。注・予備知識なしで見る場合、ここから先は後でお読み下さい。物語・パリ警視庁。仲間からの信頼厚く正義漢のレオ・ヴリンクス(ダニエル・オートゥイユ)と、野心家で利己的なドニ・クラン(ジェラール・ドパルデュー)。かつて親友だった二人の警視は、レオの妻カミーユを愛し奪い合った過去を持ち、今は次期長官の座を競うライバルとして対立していた。現金輸送車強奪事件の犯人逮捕を巡り、レオに手柄を奪われたドニは、ある殺人事件への関与を上司に密告する。ドニに裏切られ、容疑者として逮捕されたレオ。そしてー(ここまでフライヤーより抜粋)。クライマックスへの複線が最初の方に描かれていたりして、2周目も楽しめそうな物語展開。ラストシーンへ繋がる「ある一言」を間際に告げる場面は少し「読めて」しまうが、それでも末路としては「こういう形」しかないかといった趣で納得。(何を書いてるかは、ご覧になった方はわかりますよね〜?)監督はオリヴィエ・マルシャル。原題は36 Quai des Orfevres(オルフェーヴル河岸36番地、パリ警視庁の別称のこと)。エンドクレジット前に出る36の数字の処理が秀逸、渋いです。本作はロバート・デ・ニーロとジョージ・クルーニーによるハリウッドリメイクが決定している。

あるいは裏切りという名の犬
http://www.eiga.com/aruinu/

36 Quai des Orfevres

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2006-12-15

2006年の「犬神家の一族」

市川崑監督による1976年版「犬神家の一族」のセルフリメイク。主演の石坂浩二が ' 76年版と同じく金田一耕助を演じている。普通、リメイクというと何らかの手が加えられたり、脚本自体(視点を変えて描いたり)大幅に変更されることが多いと思うのですが、この映画、脚本どころかショットまでもが同じというシーンが多々登場します(左右立ち位置が変わっているものも)。出演者もキーとなる事実を知っている神官役の大滝秀治、「よ〜し、わかった ! 」の署長役の加藤武も同じ配役となっています。もちろん有名なタイトルバック(明朝体の独特の使い方)や大野雄二のテーマ曲も同じ。まさに文字通りのリメイク。

犬神家の一族 コレクターズ・エディション (初回限定生産)

オールスターキャスト(親子共演ありですね〜)映画の楽しみのひとつに、周辺に出てくる人たちの配し方がありますが、那須ホテルの主人役に三谷幸喜(ここで少し笑いがおこっていました。' 76年版では原作者・横溝正史)、従業員・はる役に深田恭子(映画全体の陽の部分を引き受けた形で、よいアクセントとなっていました。 ' 76年版では坂口良子)、' 76年版に出演していた草笛光子が別の役で出ていたりなどなどが、ちょっとした「楽しみ」となっています。ラストシーンが変更されていて石坂浩二さんが著書「金田一です。」の中で「このシーンが加わることによってピリオドがうたれたんだなぁ、と思った」と書かれているとおり(おそらく監督、確信犯?)、同じ作品を同じ形で撮ることによって見事に循環した形で終幕となっている。

犬神家の一族
http://www.inugamike.com/

犬神家の一族 オリジナルサウンドトラック 金田一です。

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2006-11-30

礼節の極み「硫黄島からの手紙」

「硫黄島からの手紙」注・内容に触れています。最も衝撃的なことは、これは紛れもなく「ハリウッド映画」(イーストウッド監督作品は正確にはハリウッド映画と呼べないかもしれないが便宜上ハリウッド映画と表記しています)であるということ。最後に「監督クリント・イーストウッド」と出るまで何の違和感もなく「日本映画」として見てしまっていた。それほど、この映画はある種の畏怖の念とRespectが全体を通して貫かれている。栗林中将を演じた渡辺謙も堂々たる風格の演技でさすがだが、物語全体の語り手となる西郷役・二宮和也のうまさは、この映画の成功のひとつの要因だと思います(全ての主要人物と交錯するわけですから)。その他、バロン西役の伊原剛志、憲兵隊を訳ありで除隊させられた(このエピソードを挟み込むこと自体がハリウッド映画的ではない)清水役の加瀬亮も素晴らしかった。
情緒に流されない潔い各シーンのカット割り、それとは逆になんと耳に残る主題曲の旋律。これこそ伝えられてこなかった事柄への鎮魂歌( Requiem )と言えるのではないだろうか。ラスト「父親たちの星条旗」と同じく硫黄島の海岸が映し出されるが、そこには兵士の姿もなく、ただ暗い水と黒いすりばち山が佇んでいるだけである。
イーストウッド監督の「礼節の極み」に感応して涙してしまった。

「父親たちの星条旗」との繋がり
上陸時のカットで同じものが使われているのでは?というシーンがいくつかと「父親たちの星条旗」で米兵士が塹壕の中に入って「ひどい」と言って出てきたシーンの前部分とおぼしきシーンが初見で見る限りの繋がったところだと推測できます。

その色彩
彩度を抑えた、モノクロに近い色彩処理(「銀残し」かデジタル処理かは未確認)。ラストシークエンスのいくつかにいたっては、ほぼモノクロにしか見えないほど。

父親たちの星条旗 | 硫黄島からの手紙
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/

Flags of our Fathers [Soundtrack] Letters from Iwo Jima [Music from the Motion Picture]

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2006-09-22

アメリカ,家族のいる風景

アメリカ,家族のいる風景」かつては西部劇のスター俳優。しかし、今はすっかり落ちぶれてしまったハワード・スペンス。彼は新作の撮影中に突如、現場から逃げ出し、長く帰っていなかった故郷を訪ねる。そこで30年ぶりに再会した母から、驚きの事実を聞かされる。20数年前、彼の子供を身ごもっているモンタナに住む女性から連絡があったというのだ。ハワードは、まだ見ぬ自分の子供を捜し出すため、彼がスターダムにのし上がるきっかけとなったデビュー作の撮影地、モンタナ州ビュートへ向かった。そして、時同じくして自分の父を求めてビュートへ向かう、また別の娘がいた。
最初、このビュートへ向かう娘が、連絡のあった母親の子供かと思って見ていると、実は違っていて、また、別の母親の間に生まれた娘だとわかってきます。自分の娘(スカイ)だという事にも気づかないハワード。そんな存在さえわかってもいない父親に優しく接するスカイ。また、突然目の前に父親と兄妹(スカイ)が現れた事に対して苛立ち取り乱すサムの息子アール、そしてアールの母にしてハワードの昔の恋人ドリーン。ラスト、二人の子供とハワードの間に訪れる和解の距離感が素晴らしい余韻として残ります。

アメリカ,家族のいる風景―オフィシャル・フォトブック

アメリカ映画なのだが、何処か悟りのような慈愛に満ちた作品となっている。(ヴェンダース監督の敬愛する小津安二郎監督の影響が自然とにじみ出たと言えるかもしれません)

キャストはハワード役にサム・シェパード、かつての恋人ドリーンにジェシカ・ラング(実生活通りの夫婦競演!!)スカイ役に「死ぬまでにしたい10のこと」での好演が印象的だったサラ・ポーリー、息子アール役にガブリエル・マン。また、ティム・ロスがハワードを撮影現場につれて帰る探偵役で、ハワードの母親役に「北北西に進路を取れ」の名女優・エヴァ・マリー・セイントがそれぞれ脇を固めている。

そして、美術面ですが、これがもうワンショット、ワンショットが一枚の写真として成立する位に美しく決まっています。(写真家としても個展を開く位ですから、当たり前と言えば当たり前なのですが‥)
エドワード・ホッパー(※1)の絵画をモチーフとした色彩と構図。特にモンタナ州ビュートの街の色彩のヴィヴットさ!!(もちろんアメリカ西部の砂漠の風景もシネマスコープサイズいっぱいに広がって感動的)。ホッパーの絵画における「人のいない風景」が映画でも再現されていてハワードの孤独を浮かび上がらせる形となっています。撮影はフランツ・ラスティグ。(ナイキのCMやミュージッククリップの超売れっ子監督)
尚、ホッパーの絵画は同じヴェンダース監督の「エンド・オブ・バイオレンス」(※2)ではメインキービジュアルを含め、まるっきり引用されていました。

アメリカ、家族のいる風景

※1エドワード・ホッパー( Edward Hopper 1882-1967 )
都市(アメリカ)の孤独を描いたといわれるアメリカの現代絵画作家。

※2「エンド・オブ・バイオレンス」での引用
ホッパーの代表作「夜更かしの人々( Nighthawks )」を引用。誰一人歩いていない深夜の街に浮かび上がるダイナー(現代においての「深夜のコンビニ」のようなイメージか)ガラス張りのダイナー越しには年老いた定員とカウンターに座る男女、少し離れて中年の男性がひとり。見事なまでの「孤独の心象風景」と呼べる一枚。

Edward Hopper: 1882-1967, Transformation of the Real (Basic Art)

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2006-09-17

X-MEN:ファイナル ディシジョン

ブライアン・シンガー監督の「精神性をおびた高尚なアメコミ映画演出」からブレット・ラトナー監督の「アクションてんこ盛り演出」へと大きくシフトした「X-MEN:ファイナル ディシジョン」。注・ここから物語に触れています。まるで戦っている相手がラトナー監督では?と、思わせるぐらい、あっさりと姿を消されるサイクロップス(横山やすし風「メガネ、メガネ」も無いし)や、こちらも前2作はあんなに目立っていたのに、あっけなく普通の人になってしまうミスティーク(あれでは本当に「Oh!ミステーク!!!」です)、そしてローグのあっさりした扱い。しかし、代わって復活したジーンの暴れ放題や若作り(若くないけど)プロフェッサーX、マグニートーが見られたりとおもしろいところも多い。全体的な構造は破綻しているが見終わったときに、そんなに悪い感じがしないのはアクションが物語を引っ張っていってるから?でしょうか。ファイナルではなく明らかに続編を匂わせるラスト(最近恒例のエンドクレジットのあとのワンシーン付き)。次回作は流れ的にみてミスティークの「バカにしないでよ!」復讐編?。あ!、ウルヴァリンのサリーちゃんのパパ-HairStyleは健在ですよ。

X-MEN Final Decision
http://movies.foxjapan.com/x-menfinal/

X-MEN:ファイナル ディシジョン
http://www.x-menthelaststand.com/JPN/

オリジナル・サウンドトラック「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」 X-MEN <特別編>

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2006-07-29

「奥様は魔女」の衣装デザイナー

1960年代TVドラマ「奥様は魔女」の、そのままリメイクかと思って見ていたら、少しひねって、うまくアレンジされていました。〜物語普通の恋がしたい魔女のイザベル(ニコール・キッドマン)が人間界で出会ったのは妻に逃げられ、役にも恵まれない落ち目の俳優ジャック(ウィル・フェレル)。そのジャックが人気回復を狙って出演しようとしている「奥様は魔女」のTVリメイクドラマにイザベルが「鼻がピクピク」できる(ホントの魔女ですから!!)ということで出演することになって‥〜ここまでプレス参考。監督は「めぐり逢えたら」「ユー・ガット・メール」のノーラ・エフロン。設定が60年代ではなく、舞台が現代に置き換えられていますがファッションはニット主体のパステルカラーを用いたカジュアルで全体に60年代調(ニコール・キッドマンの衣装)でまとめられています。衣装デザイナーはメリー・ゾフレス。スピルバーグ監督の「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」でもバリバリの60年代テイストを作り出していました。そういえば同じくニコール・キッドマン主演の「ステップフォード・ワイフ」も60年代テイストのファッションとメイクアップでした(こちらもリメイク作品)。

奥さまは魔女 ステップフォード・ワイフ

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2006-07-21

永遠のマリア・カラス

物語・オペラ界の伝説のスター、マリア・カラスはパリ16区のアパルトマンで、ひっそりと隠遁生活を送っていた。そんなある日、彼女の元にかつての仕事仲間のプロモーターが一通の企画書を持って現れる。それは、カラス全盛期の録音を使い、カラス主演のオペラ映画「カルメン」を制作するというものだった。〜ここまでプレスより抜粋。監督はマリア・カラスのオペラも演出し、親友でもあったフランコ・ゼフィレッリ。マリアカラス役には監督が「まるでマリアの霊が乗り移っているかのようだった」と言わしめたファニー・アルダン。

映画はフィクションだがファニー・アルダン演ずるカラスがあまりの存在感のため、「えっ!?本物?」と見間違ってしまう程、素晴らしい作品となっています。実際にリップシンク(いわゆる口パクの高度なもの)のシーンでは歌声が実際のカラスのものを使っているので本当に、こんなシーンがあったのでは?と、思わされるほどです。

ベスト・オブ・マリア・カラス「カラス・イン・ポートレイト」 カラス・イン・シネマ

プロダクションデザインは圧倒的な「プロの仕事の固まり」のような映画。衣装デザイナーチームは4人。ひとりはファニー・アルダン以外のメインキャストの衣装を担当したアルベスト・スピアッツィ。劇中のオペラの衣装担当がアンナ・オニ。そして、公開時にも話題になったファニー・アルダンの衣装をカール・ラガーフェルドがデザイン。彼のデザインにシャネルのヴィンテージものを組み合わせる仕上げの作業をアレッサンドロ・レイが担当した。カール・ラガーフェルドがデザインした衣装はスーツ3点、ステージガウン1点、日常のドレス、ブラウス、パンツ、帽子、コート、カクテルアンサンブルなど、合計20点近くに及んだ。(久しぶりに人前に姿を現したときの衣装が頭の先からつま先、バッグにいたるまで全てシャネルで決まっています)

付記
1974年11月11日札幌厚生年金会館での演奏が世界で最後のステージとなった。映画の中にもこの公演のビデオを見るシーンがある。映画はこの日本での演奏旅行以降をフィクションとして形作っている)

永遠のマリア・カラス

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2006-07-08

ジブリの原点「王と鳥」公開

高畑勲・宮崎駿をアニメーションへと誘った、アンデルセン原作(「羊飼い娘と煙突掃除人」)の「王と鳥」(ポール・グリモー監督)が、7月29日に東京・渋谷のシネマ・アンジェリカで公開されます(日本語字幕・高畑勲)。尚、同日ジブリの最新作「ゲド戦記」も公開されます。

「王の鳥」の前身となる作品「やぶにらみの暴君」(ポール・グリモー監督・詩人のジャック・プレヴェール脚本参加)は1947年に製作が開始され、プロデューサーの手によって1953年に2人の納得のいかない形で公開された。(1955年には日本でも公開され、その年のキネマ旬報ベスト10の第6位に他の実写映画にまじって選ばれている)。その後、1967年、作品の権利とネガフィルムを買い取り修正作業が加えられて、1979年に題名を改めて「王と鳥」として完成する。今回の公開が劇場初公開となります。

Outotori










映画「王と鳥」
劇場初公開記念
ポール・グリモー展開催中
会場・東京日仏学院ギャラリー
料金・入場無料
6月30日〜8月31日まで
(夏期休館等有り)

映画「王と鳥」公式サイト

http://www.ghibli.jp/outotori/

王と鳥

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2006-07-04

ALWAYS・三丁目の夕日と昭和30年代

西岸良平のシリーズ発行部数1400万部のコミック「三丁目の夕日」を「ジュブナイル」「リターナー」の山崎貴が監督した、昭和の「懐かし新しい世界」にタイムスリップさせてくれる、ほのぼの心温まる映画。(吉岡秀隆が今までと違ったテイストの役を演じ、淳之介を演じる須賀健太が「その健気さ」の演技で泣かせます。またTV「野ブタ。をプロデュース」の野ブタパワー注入!!とは違った持ち味で堀北真希が好演。堤真一、薬師丸ひろ子の夫婦役も温かい)。そして、セット美術が「今後のCG使用のあり方」も含めて素晴らしい。

ALWAYS 三丁目の夕日 豪華版 「ALWAYS 三丁目の夕日」夕日町オフィシャルガイド

時代設定は昭和33年。その「昭和30年代」を特集した「東京人」8月号が発売されました。テレビのこと、その頃多く発刊された女性週刊誌のこと、渡辺プロのこと(先日TVドラマ「ザ・ヒットパレード」が放映されましたね〜)、遊園地のことなどがモノクロ写真とともに紹介されています(銀座辺りの写真は映画とも重なったりします)。

その、渡辺プロダクションの創立50周年として制作された5枚組CD「ベスト歌謡曲100 ザ・ヒットパレード」まさに昭和歌謡クロニクルの趣き。

ベスト歌謡曲100~ザ・ヒットパレード

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2006-06-29

「エターナル・サンシャイン」は永遠に

バレンタイン目前のある日、主人公のジョエル(ジム・キャリー)は、喧嘩別れした恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分の記憶を削除してしまった事実を知り、ショックのあまり自らも記憶を消す事を決意。しかし、施術中、過去を思い出していくうちに彼女と過ごしたキラキラと輝く瞬間が何にも変えがたい宝物であることに気がついて‥

エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション

と、物語を書くと普通ですが、なんといってもこの映画、「マルコビッチの穴」のチャーリー・カウフマン・脚本という事で一筋縄にはいきません。物語が時間軸通りに進まないのと、ジョエルの頭の中(記憶消去中の脳)で起こる事と、現実のリアルタイムの話が混ざり合って「あれ?ここは何処?いつの話」感覚に襲われてしまいます。そこで混乱しないためのヒントとして度々変わるクレメンタインの髪の色がキーとなります。大雑把に言って現在が青、過去が赤い色となっています。ですので、画面を見てクレメンタインの髪の色が何色かを確認しつつストーリーを追うと、わかりやすくなっています。

ネタバレですが一番最初のシーンは最も近い現在のシーンで始まって、タイトルバックが始まると(スタート17分後ぐらい)、少し過去シーンに戻りますので、そこだけ混乱しなければ、すっと見られると思います。(髪の色、他にタンジェリンオレンジ、グリーンまじりのブロンドなど、有り)で、そのネーミングが笑わせます。「アカの脅威」「青い廃墟」「黄熱病」「緑の革命」(こんなヘアカラー名が付いていても怖くて頼めませんが‥)

エターナル・サンシャイン

この映画のビジュアルキーはヘアカラーとクレメンタインの着ているオレンジのパーカー。映画冒頭、2人が出会うシーン(正確には、実は記憶の消去された2人が気づかず、再開しているのですが‥)での、ブルーのヘアカラーとオレンジのパーカーの色がすごくマッチしていて印象的です。更に中間部分でのオレンジのヘアカラーへとモチーフが続いていくのも結構、意図的であったりして最後まで色彩がイメージとして残っている事にとても、感心してしまいました。(このへんのセンスは、さすがビョークのPVを撮ってきたゴンドリー監督ならではです)。

コンプリート・ヴォリューメン 1993-2003 グレイテスト・ヒッツ

映像も音楽もすごいですが、ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットの演技も素敵(ケイト・ウィンスレット、とても二児の母には見えません!! )。記憶って実はランダムなんだなぁ、なんて事も思った「記憶に残る一作」

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2006-06-28

着色系 !「ウルトラ・ヴァイオレット」

なんてビューティフルな色彩 !! (こちらで)勝手に着色系映画と呼んでいる「スカイキャプテン」「ゴッド・ディーバ」「シン・シティ」などなどに繋がる系譜。「ウルトラ・ヴァイオレット」も実に見事なポストプロダクションを経てカラフルだが落ち着いた色彩に仕上げられている。全体がブルー味がかっている中での色の組み合わせが素晴らしい。監督は「リベリオン」のカート・ウィマー。アメコミではないがアメコミ風。ミラ・ジョヴォビッチが人工的な世界の中で、ひときわ輝いている。(えっ!?ストーリー?この際、いいじゃないですか‥)

ウルトラヴァイオレット

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2006-06-26

お天気「ニコラス・ケイジ」お父さん

ニコラス・ケイジ主演「ウェザーマン」がApple Movie Trailers(US)に出ていた頃から、いつ公開するのだろうと思っていると、あららら、劇場未公開のビデオスルー発売になっているではありませんか‥。本当にコメディ(ちょっとシニカルですが‥)は不遇なのだなぁ〜と思います。物語ローカルTV局の天気予報士をしているディヴィットは仕事的には順調。しかしプライベートは「どんより曇り空」。ある時ニューヨークのTV局から引き抜きの話が舞い込み、それを、きっかけになんとか家族関係を修復しようと試みるが‥。ニコラス・ケイジの顔(眉毛)が役柄にマッチしていて中年男性の哀しい〜感じにピッタリ!(ホントにうまい役者ですよね〜)。マイケル・ケインが父親!?って、さもありなん。監督は、もうすぐ続編公開の「パイレーツ・オブ・カリビアン」ゴア・ヴァービンスキー(ネイサン・レイン!クリストファー・ウォーケン!!出演の「マウスハント」を撮っていたりして実はコメディが作りたいジャンルというのが本音?)。DVDジャケットの天気予報士が何故アーチェリーを担いでいるかは、見てのお楽しみ。

ニコラス・ケイジのウェザーマン スペシャル・コレクターズ・エディション

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2006-06-07

DVDには、なっていないけれど_5

今回はいわゆるアンソロジーものの傑作にして未DVD化の1本(過去にLD化は有り)。1992年に発売された「アカデミー賞グレイテストモメント(発売元・ソニーピクチャーズ)」です。〜以下ビデオ解説より抜粋1971年(第43回)〜1991年(第63回)の授賞式より、ガンと戦うジョン・ウェインの最後の勇姿(1978年)、ハリウッド追放以来20年ぶりの帰還を果たしたチャーリー・チャップリン(1971年)から、監督として栄冠を手にしたケビン・コスナー(1991年)まで、ファン必見のシーンが続々登場。今まで、映画芸術科学アカデミーが門外不出としていた貴重な映像をあつめた、まさに愛蔵版ビデオだ。抜粋ここまで〜他にも、20年間のオープニングシーン、主演女優賞、主演男優賞の受賞シーン、プレゼンター、1988年のゴールディ・ホーンとカート・ラッセルが2人でプレゼンターを務めた際の有名なプロポーズシーンやスタローンとモハメッド・アリのステージ上での共演、司会の変遷でのビリー・クリスタルのギャグの数々、ショーン・コネリーとロジャー・ムーアの007共演などが次々と紹介されます。是非、細かいチャプター付きが役立つDVD化してほしい1本です。

アカデミー賞―オスカーをめぐるエピソード

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2006-06-05

「あの頃ペニー・レインと」と、聞いて‥

ペニーレインと聞いてビートルズの楽曲「ペニーレイン」を思い浮かべる方もいれば、かつて原宿にあった伝説のお店「ペニーレイン」を思い起こす方もいるかもしれません。ですが「あの頃ペニー・レインと」のペニーレインはゴールディ・ホーンの実娘、ケイト・ハドソンが演じた役名の事(物語自体が1973年、15歳にしてローリングストーン誌のライターになった少年の目を通しての音楽とピュアな恋愛と夢と希望と少しの胸キュンのお話なので、ふたつのペニーレインのイメージは、あながち遠からず‥)。そのケイト・ハドソンの公開作品は本人の明るさやファッションイメージ、演じる役柄も相まって女性ファンが多いんですよね。で、その「あの頃ペニー・レインと」の中でのファッションも70年代が舞台の割には今に通じる「おしゃれ度」で、とてもいいんです。ファー付きコートやレース、フリンジの付いた服にベル・ボトムなどのミックス・コーディネートは数年前にいろいろなパターンで流行っていましたよね。やはり、ここでも前述(2006-05-31・「2006年のリメイク作品、次は?」)と同じく「30年でひと回り」と、いう事なのかもしれません‥。ちなみにケイト・ハドソンは本作でアカデミー賞・助演女優賞にノミネート(ゴールデングローブ賞では受賞)。

あの頃ペニー・レインと
http://www.sonypictures.jp/archive/movie/almostfamous/

あの頃ペニー・レインと デラックス・ダブル・フィーチャーズ あの頃ペニー・レインと

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2006-05-12

うどん!? UDON ?

2周目が楽しめる映画「サマータイムマシンブルース」(DVDだと音声解説も更に楽しい)を監督した本広克行さんの最新作「UDON」のWEBがオモシロイ。テーブルの上にうどんが置かれて、次の項目をクリックすると、テーブルが拭かれ次のうどんが「お待ち!」とばかりに登場します。果たして「うどんエンタティメント」って何?公開は8月26日。ブログもあります。

UDON
http://www.udon.vc/

サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格)

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