2007-02-06

色彩設計はブルー「ゴッド・ディーバ」

2095年のニューヨークを舞台に人間やミュータント、エイリアン、神々が混在している世界を描いた「ゴッド・ディーバ」。監督はフランス製コミック「バンドデシネ」の巨匠、エンキ・ビラル。(オールカラーで作成されたコミックはどちらかというとアートと呼んだ方がマッチしている)。「ゴッド・ディーバ」は、彼のコミックの代表作ニコポル3部作の「不死者のカーニバル」「罠の女」が下敷きになっています。そのコミックで描いてきた世界観は「ブレード・ランナー」「フィフス・エレメント」などに多大なるインスピレーションを与えたといっても過言ではありません。
エンキ・ビラルのこの映画における独特の色彩設計は一言で例えるなら「ブルー」(単純なブルーではなくブルーグレー系)。その「ブルー」を表現するのにあたって「色は単独で存在するものではない」とコメントしている通り、照明や光の影響を考えながら画面の中で自分の気に入ったトーンに仕上げていった労作。主要キャスト3人(リンダ・アルディ、トーマス・クレッチマン、シャーロット・ランプリング)以外は、ほぼCGで作成された。

Enki Bilal - Le site
http://bilal.enki.free.fr/
イラスト、作品解説など(仏語サイト)

ゴッド・ディーバ リミテッド・エディション ゴッド・ディーバ The Nikopol Trilogy: The Carnival of Immortals/the Woman Trap/Equator Cold

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2007-01-27

音楽の生まれる時「敬愛なるベートーヴェン」

ベートーヴェンの最晩年を描いた傑作「敬愛なるベートーヴェン」。監督は「太陽と月に背いて」で詩人ランボーを描き、次回作でエカテリーナの物語を撮る予定のアニエスカ・ホランド。物語・1824年ウィーン。「第九」の初演を4日後に控えながら、未だに完成できずにいるベートーヴェン(エド・ハリス)の元へ1人の女性が訪ねてくる。アンナ・ホルツ(ダイアン・クルーガー)、音楽学校の最優秀生徒であり作曲家を志望する彼女が、コピスト(写譜師)として派遣されてきたのだ。女性コピストの出現に最初は激怒するベートーヴェンだが、次第に彼女の楽曲に対する姿勢や才能、自分の曲への深い理解を見ることによって信頼を寄せるようになっていく。そして遂に「第九」初演の日を迎えるのだが…(ここまでプレス等参考)。

アカデミー賞常連のエド・ハリスがベートーヴェンを嬉々として演じていてさすがのカメレオン俳優の面目約如といったところ。そして、アンナを演じたダイアン・クルーガーの凛とした演技、表情、「第九」初演時のベートーヴェンにタイミングとテンポを伝える際(第二の指揮者とでも呼べる)の手の振り方、指のしなやかさ、すべてが美しい。「天才」を陰で支えた母性と芸術の女神(ミューズ)を見事に体現している。まさに「音楽が生まれるとき」に立ち会ったかのようだ。窓から差し込む光と人物のシャドウ部分が際だつ撮影も美麗。104分という上映時間もよい。尚、本編中指揮をするシーンをクリストファー・ホグウッドが監修している。

敬愛なるベートーヴェン
http://www.daiku-movie.com/

Copying Beethoven [Music from the Motion Picture]

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2007-01-17

気づかないうちに、守られているから。「幸福な食卓」

「せっさたくま」って漢字でかけるか? 「おぅ ! 」「おぅ」瀬尾まいこの同名ベストセラー小説「幸福な食卓」の映画化(講談社刊、第26回吉川英治文学新人賞受賞作)。母さんが家を出て、ナオ(直)ちゃんが農業をはじめ、父さんが父さんをやめた。それはいつも朝の食卓からだった…。そんなとき、大浦勉学があらわれた。主人公・佐和子の高校受験を前に「父さん」の心の崩壊から始まった、微妙にずれはじめた家族の歯車。そんな時に現れた転校生「大浦くん」の存在はなくてはならないものとなっていくのだが…。佐和子に北乃きい、大浦くんに勝地涼、兄・直に平岡祐太、その恋人ヨシコさんにさくら、母さんに石田ゆり子、父さんに羽場裕一。主役の北乃きいが素晴らしい自然体の演技(表情のバリエーションの豊かさがとても新人とは思えない)で映画全体のトーンを決定づけている。その佐和子との芝居をうける大浦くん役の勝地涼のボンポンぐあい、間合いも抜群。家族の再生を担うのは他人なんだという構造もブレがなくて最後まで素直に見られてよかった。そのセリフ「他人じゃないと救えないものが直ちゃんにはある。きっと、同じように私にも」。監督は小松隆志。主題歌「くるみ」をMr.Childrenが映画用に再レコーディング(エンドクレジット前のラストシークエンスでフルコーラス使用されている。「しるし」のtrack3に収録)
幸福な食卓

MEMO1
原作「幸福な食卓」は主人公・佐和子の中学から高校時代にかけてのお話が4連作で構成されています。その小説を1本の脚本にまとめたのは長谷川康夫。大好きな映画「深呼吸の必要」もこの人の脚本です。なるほど〜、と、納得。

MEMO2
「1人になった母さんの料理は創意工夫がすばらしい」と賞された( ? )「生クリームそば」やナオちゃんの恋人ヨシコさんの作る、いつも卵の殻が入っているシュークリームのレシピが書かれた原作単行本宣伝用のフライヤーが書店等で配布されています。お見逃しなく !!

幸福な食卓
http://ko-fuku.jp/pc/

北乃きい・Official Blog
チイサナKieのモノガタリ
http://blogs.yahoo.co.jp/yokoyokoberry/

しるし

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2006-12-17

そこ、空いてますよ。「暗いところで待ち合わせ」

乙一原作の傑作同名小説「暗いところで待ち合わせ」を脚本・監督、天願大介により映画化。田中麗奈の演技が光る好編(「がんばっていきまっしょい」以降でのベスト)。物語・交通事故にあって視力を失ったミチル(田中麗奈)は、最愛の父親もなくし、深い悲しみを胸に、大きな家にたった一人で暮らしはじめる。いつものように穏やかな時を過ごしていたミチルの耳に、家のチャイムが聞こえた。玄関のドアを開け、「どなたですか?」という問いにも、何の返答もない。そのとき、一人の男が、ミチルの脇をすり抜ける…。男の名は、大石アキヒロ(チェン・ボーリン)。ミチルの家の前の駅で起きた殺人事件の容疑者として警察に追われ、身を隠すために、ミチルの家に忍び込んだのだった…。(ここまでフライヤーより記載)

暗いところで待ち合わせ

その他のキャスティング

父親役の岸辺一徳、アキヒロの会社先輩役の佐藤浩市、友人カズエ役の宮地真緒、近所に住むハルミ役の井川遥。

シナリオ
原作とは設定が変わっていること、そのことによってアキヒロ役をチェン・ボーリンが演じたこと、それらについて果たしてどうだったのか、という論評が多いようですが、それらを補ってあまりある映画全体のトーンが素晴らしいので、結果よかったのでは?と思っています。「シナリオ12月号(シナリオ作家協会・刊)」に脚本全文が掲載されているので再読してみると、さすが後期故・今村昌平監督作品(「うなぎ」「カンゾー先生」「赤い橋の下のぬるい水」)の脚本に参加し支えてきた天願監督だけあって「すんなりと読み進められる」見事さです。ラストのアキヒロとミチルの会話の際のミチル・田中麗奈の表情が、なんとも言えぬ透明感が漂っていて、それだけで何故か泣けてきます(ひとりになってからも、2階にあがる際に告げる「お休みなさい」のひとこともよい)。

そのMaterial (あるいは映画的質感)
ミチルのファッションは本人のこだわりとして肌の感覚を大切にした肌ざわりのよいもの(コットン、絹、シフォンなど)を選ぶという設定。そういえば、物語の要所要所に父親のセーター、コート、風に飛ばされたらしい白いシャツに触れているミチルのシーンが織り込まれていました。他にもミチルの感情表現を描くための美術、小道具などの設定が大変細やかでした。

暗いところで待ち合わせ −Waiting in the Dark−
http://www.kuraitokorode.com/

オリジナル・サウンドトラック「暗いところで待ち合わせ」 underworld

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2006-12-03

若きボンド「007カジノ・ロワイヤル」

やんちゃでSensitive(センシティブ)な若いジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)の登場!!「007カジノ・ロワイヤル」を見た。さすが007シリーズ中、ベスト3に入る傑作の呼び声も高いだけあってメチャメチャおもしろいです!! 注・内容に触れています。「00 (ダブル・オー)」をあたえられたばかりのボンドという設定もよいし、アクションのみを連続的に繋いでいって物語を構築するストーリーテリングも素晴らし い !! (このあたりは脚本にポール・ハギスが参加しているからでしょうか)。タキシードの着こなしも初々しく(実際にそういうドレスコードの場所には赴いていな かったのでは?と思われる微笑ましい台詞もあります。ちなみにタキシードの衣装提供はブリオーニ)。そういえばM(ジュディ・デンチ)との絡みが多いのも 初めて。ボンドを監視する財務省から派遣されたヴェスパー役(今作のもうひとつの軸、ボンドが愛した女性)にエヴァ・グリーン。血も涙もない仕打ち(例の 椅子のあのシーンですよ…痛っ ! )をボンドにしかける敵は目から血の涙を流す死の商人ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)。カジノでのポーカーゲームシーンの緩急極めた(休憩の間のアク ションエピソードの絡め方含めて)演出(監督・マーティン・キャンベル)も見応えたっぷり。ベネチアでのラストシークエンスは「こんなのあり!?」という スペクタクル。ラストの締め方(セリフ)もきまっています、そう、これです…「ボンド、ジェームズ・ボンド」。

007/カジノ・ロワイヤル
http://www.sonypictures.jp/movies/casinoroyale/

「007/カジノ・ロワイヤル」オリジナル・サウンドトラック 007/カジノ・ロワイヤル 【新版】

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2006-11-12

木更津キャッツアイ/ワールドシリーズ

「ばいばいだよぉ〜(オジー風に)」そして「ネタバレしてるよぉ〜(これもオジー風に)」ぶっさん(岡田准一)、バンビ(櫻井翔)、マスター(佐藤隆太)、アニ(塚本高史)、うっちー(岡田義徳)、さよならキャッツ、オジー(古田新太)もね。「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」は脚本・宮藤官九郎がきっちりと「本当にこれで最後」を締めくくってくれた愛すべき一本となっています。注・ここより内容に触れています。映画の冒頭、おぉこうくるかという、ネタで笑わせてくれます(ここは見てのお楽しみ・ヒント、ユッケ)。ストーリーも「それを作れば彼が来る」というぶっさんの声をバンビが聞く、なんてベタなネタ(「フィールド・オブ・ドリームス」)でどうなることかと思っていたら見事にいろいろ仕掛けが施してあってラスト近くで猛烈に物語自体のスピードとテンションがあがっていきます(やっぱり巻き戻し巻き戻し)。ラスト、亡くなる瞬間のぶっさんと父親・田渕公助(小日向文世)のワンシーン(しみじみ)が静かに5年の歳月(TV放映の第一回は2002年1月)の幕を引いてくれます。マジでばいばい。

木更津キャッツアイ | ホーム
http://www.tbs.co.jp/catseye/

猫でもわかるキャッツアイ 木更津キャッツアイワールドシリーズ ナビゲートDVD 木更津キャッツアイワールドシリーズ公式メモリアルブック 木更津キャッツアイ 日本シリーズ

木更津キャッツアイ 5巻BOX フィールド・オブ・ドリームス

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2006-10-15

「カポーティ」祈りは叶えられた?

本年のアカデミー賞主演男優賞をフィリップ・シーモア・ホフマンにもたらした「カポーティ」。この物語はノンフィクションというジャンルを切り開いた小説「冷血」のメイキングでもあります。注・ここから物語に触れています。あまり予備知識なしに見たので驚いたのは華やかな部分(スキャンダラスな部分)や「冷血」完成時の豪華なパーティ(※)などは一切描かれず(時折、会話の中に挟まれる程度)ひたすら「冷血」がどのようなきっかけで生まれ、取材をし、完成していったかを冷徹に撮られていること(小説「冷血」そのもののように)。カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの演技は抑制と微妙な感情の起伏(メガネの奥に光るシビアなノンフィクション作家としての目と殺人犯ペリー・スミスへの共感)を交えた素晴らしいものでした。全体的な色彩設計、ディレクション含め、こちらも抑制のきいたものとなっていて見事なマッチング。

冷血

MEMO
最近、未完の「叶えられた祈り」が川本三郎さんの訳で文庫化されました。同じく未完の有名な小説にフィッツジェラルドの「ラスト・タイクーン(こちら映画化されていますが未DVD化)」がありますが、妙にダブるところがあります。

叶えられた祈り

豪華なパーティ ( その色彩 )
1966年11月28日・ニューヨーク・プラザホテルで開かれたカポーティ主催のパーティ。社交界の頂点の人々約500人が招待され、ドレスコードが男は黒、女は白だったため「ブラック・アンド・ホワイト・ボール(黒と白の舞踏会)」と呼ばれた。( 以上プレスより抜粋 )

カポーティ
http://www.sonypictures.jp/movies/capote/

トルーマン・カポーティ〈上〉 トルーマン・カポーティ〈下〉
カポーティ コレクターズ・エディション

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2006-09-03

グエムル 漢江(ハンガン)の怪物

グエムル対ガンちゃん。やっぱり怪物に対抗しうる役者ですね〜、ソン・ガンホという人は。と、いうことで「ほえる犬は噛まない」「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督最新作にして超ヒット作(韓国において)の「グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」を見た。
注・ここから物語、結末に触れています。
冒頭、グエムル(怪物)の誕生する原因、成長過程を描き、これは定石通りの展開か…と、思わせておいてのいきなりの暴走シーンにまず、驚き。日常に紛れ込む「異物」の瞬間的戸惑い、数秒おいて把握した瞬間「恐怖」が襲ってくる漢江の堤防でのシーンがコミック版「AKIRA」や「寄生獣」的だが秀逸。最初から姿を見せまくる怪物。これは「エイリアン」や「JURASSIC PARK」系のショッカー型映画ではないことがすぐにわかる。(「ほえる犬は噛まない」もジャンル分け不可の映画だったが「グエムル」もやはりその系譜)。時にスピルバーグ、時にテリー・ギリアム、時にエミール・クストリッツァ(音楽がダブってきました)…。ポン・ジュノ監督はそれらの監督作へのオマージュ的な部分も絡めつつ怪獣映画のふりをしてオリジナルの映画を創り出した。「ほえる犬は噛まない」の時は鼻ティッシュで疾走したペ・ドゥナが今回も泥まみれで熱演(ポン・ジュノ監督作に出演した場合、今後もこんな感じばかりだったりして…。とはいえ、実は輝いて見えるわけですから当たっているキャラクター作り)。結末は大方の批評で言われているとおり、娘のヒョンソは生きていても良かったのでは?と思った次第。ラスト、まるで漢江(ハンガン)の見張り番のように雪の中の売店に座るパク・カンドゥ(ソン・ガンホ)と救出された子供とのエピソードがあるのでカタルシスは弱いが「後味」が悪いわけではない。「さあ、ご飯に集中 !」

グエムルのデザインは「ロード・オブ・ザ・リング」3部作「キングコング」のWETAワークショップ。

グエムル -漢江(ハンガン)の怪物-
http://www.guemuru.com/

公式ブログ
http://blog.livedoor.jp/guemuru/

殺人の追憶 グエムル-漢江の怪物- コレクターズ・エディション

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2006-08-30

「五線譜のラブレター」

生涯約870曲に及ぶ歌曲を作詞・作曲したコール・ポーター(「キス・ミー,ケイト」「エニシング・ゴーズ」などのミュージカルから「上流社会」「夜も昼も」などの映画音楽まで)と、その妻リンダの愛の物語「五線譜のラブレター」。コール・ポーターをケビン・クライン、リンダ役をアシュレイ・ジャッド。そして、特別出演として数多く音楽界のスターが夢の競演をしています。
ナタリー・コール、エルヴィス・コステロ、シェリル・クロウ、アラニス・モリセット、ロビー・ウィリアムス…(いいなぁ〜)
また、実際(そうであったように)ポーター夫妻の洗練された趣味の良さを描くために衣装、インテリアがセンス良くセットアップされています。
衣装はジョルジオ・アルマーニが手がけています。(リンダのウェディング・ドレスが大変美しいですよ)。ミュージカルの老舗、MGM映画創立80周年に、ふさわしいミュージカル映画。お気に入りの一本です。

五線譜のラブレター コレクターズ・エディション 五線譜のラブレター DE-LOVELY

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2006-08-03

ティム・ヴァートンのコープスブライド

公開後に人気があがっていった「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」と同じティム・ヴァートン監督によるストップモーションアニメ作品「コープスブライド」。VoiceCastは盟友ジョニー・デップ、私生活でも監督のパートナーであるヘレナ・ボナム=カーター。

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

まず始まってすぐに気がつくのが、その色彩感覚。まるで死後の世界のようにモノクロに近い彩度の低い色彩で描かれた町や人々の様子に驚かされます。一瞬、もしかしてずっとこの色調?と思っていたら死者の世界は一転して。これは美術のアレックス・マクダウェルとセットディレクターのネルソン・ロウリーによるコンセプトに基づいて設計されたものでした。「生者の世界は実は人々に活気も希望もなく、みんな悲しそうで、陰気で味気なくて死んだような場所なんだ。ところが、死者の世界は人生を貧欲にむさぼる生き生きとした死んだ人たちでいっぱい。だから、生者の世界は本質的にグレーっぽくて重苦しい感じ、そして死者の世界は無秩序で混沌としていて、かつカラフルなものにしようと決めた」とインタビューで語っていました(プレスより引用)。

ティム・バートンのコープスブライド 特別版

「チャーリーとチョコレート工場」にも出演していたクリストファー・リーとディープ・ロイ(あのウンパルンパ)も声の出演をしていて、ヴァートン監督ファミリー総出演のいかにもハンドメイドな素敵な作品になっていました。音楽はもちろんダニー・エルフマン。

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2006-07-30

受け継がれしもの「ゲド戦記」

ゲド戦記」もしくは「海辺のカフカ」? (これは映画を見ている途中、ふっと思った事です‥)。注・これより以降・物語に触れています。宮崎吾朗監督「ゲド戦記」は監督自らがインタビュー等で自身の事を「アレンジ型」と語っている通りアーシュラ・K.ル=グウィンの原作・全6巻中、3巻「さいはての島へ」をベースに宮崎駿監督の20年以上前に描かれた絵物語「シュナの旅」(エンドクレジットに原案と明記されました)や数々の宮崎アニメの名シーンが入り交じった作品となっています(エッセンスであり、スタートでもあります)。(尚、原作に関して何に影響を与えて、どのような骨格の物語であるか等の詳細事項はパンフレットに記載されています)。

The Earthsea Quartet (Puffin Books) (Earthsea#1-4) ゲド戦記 全6冊セット シュナの旅

「ゲド戦記」中でハイタカ(実はゲド・声・菅原文太)、アレン(声・岡田准一)、テルー(声・手嶌葵)ら登場人物は本当の名前を名乗っていない(アレンは本当の名前を知られた事で魔女クモにひきこまれてしまう)。真の名前を語り合えるのは信頼がおけるものの証と言えるのだろうか?この辺りは自分探し的テーマとも関係あるのかもしれません。また、アレンが逃げてきた「影」は自分の影であり、向き合うべき自己でもあるわけですから‥(「海辺のカフカ」的?)。ラスト、アレンとテルーが本当の名前で呼び合って(テルーの真の姿が現れる)までのシークエンスに宮崎吾朗・版「ゲド戦記」が集約されていると思うのですが、いかがでしょうか ?

尚、原作未読のため、映画を元に記載しています。(いろいろ言われている映画本編と宮崎親子をダブらせての父権云々も、ここではあえてパスしています)

ゲド戦記
http://www.ghibli.jp/ged/

ゲド戦記・オリジナルサウンドトラック スタジオジブリ・プロデュース 「ゲド戦記歌集」

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2006-07-17

「空中庭園」ピンクのオブラート

映画「空中庭園」の公開時に発売され、あまりにも素晴らしい内容のため現在は書店でも入手可能になった経緯を持つパンフレット。スタッフインタビュー、撮影日誌、シナリオ決定稿、そして原作者・角田光代さんによる「空中庭園」の続編「夜道の家族」などを収録。その中にこんな事が書かれていました(インタビューより再構成)。映画の中で小泉今日子さん演ずる絵里子は最初から最後までピンクのコートを着ている(ポスター等に使用された非常にキャッチーなイメージ)。これは衣装の宮本まさ江さんの手によるもの。本当は暗いにもかかわらず、オブラートに包まれたようにピンク色を身につけ頑に自身を守っている絵里子という設定。逆に周りの出演者は全体に黒っぽい衣装でピンクを際立たせています。また、美術の原田満生さんは家族を記号化したマルをキーワードとして数多くセットや小道具、ロケ地などに登場させています。ランプシェード、テーブル、そしてマットも、更にショッピングセンターの観覧車もマル。(余談ですがカメラも不安定を表すかのように、よく回っていました‥)。その他にも映画に携わった方の興味深い話がいっぱい読める内容となっています。

空中庭園
http://kuutyuu.com/

空中庭園 通常版 映画『空中庭園』パンフレット 空中庭園

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2006-06-30

ドラえもん? アダム・サンドラー

こっこれでは‥ドラえもんじゃ〜あ〜りませんか。「カーズ(Cars)」と入れ替わって先週(6/23〜25)全米公開1位となったアダム・サンドラー主演の「クリック(Click)」。実生活を操作できるリモコンを手に入れた事から巻き起こるコメディ。例えば、夜中に吠える愛犬の声を消音したり、奥さん(ケイト・ベッキンセール=久しぶりに普通の人の役 )のガミガミ説教を早送りしたり、上司を一時停止して殴ったり(止まっているから何か擦った程度にしか感じない)、ジョギング中の女性の揺れる胸をスローモーションしたり(おいおい‥)。他にリモコンを渡す謎のモーティ役にクリストファー・ウォーケン(ありえそう‥)。監督はフランク・コラチ。日本公開予定はsonypictures worldwide release datesによると2006年10月となっています。

Apple - Trailers - Click

http://www.apple.com/trailers/sony_pictures/click/

:: AdamSandler.com ::
The Official Adam Sandler Site ::
http://www.adamsandler.com/

50回目のファースト・キス コレクターズ・エディション パンチドランク・ラブ DTSコレクターズ・エディション

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2006-06-26

「かもめ食堂」、デザインたち。

映画「かもめ食堂」に関連しての北欧デザイン(フィンランド編のみ)をブログ内で記載したページを、まとめてみました。「marimekkoを輝かせた伝説のデザイナー」記載ページ中の「MAIJA ISOLA マイヤ・イソラ」(下記書籍)はヘルシンキのデザインミュージアム(DESIGNMUSEO)での回顧展・図録を定本としたもので、マイヤ・イソラによるテキスタイルパターン500も掲載されています。

2006-04-15
小物・雑貨・文具本は、いつから?

2006-04-25
マイヤ・イソラとマリメッコ

2006-04-30
北欧のスタイリッシュデザイン

2006-05-23
marimekkoを輝かせた伝説のデザイナー

DESIGNMUSEO - DESIGN MUSEUM -
DESIGN MUSEET
http://www.designmuseum.fi/

MAIJA ISOLA マイヤ・イソラ marimekkoを輝かせた伝説のデザイナー

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2006-06-23

カーズ(Cars)、ピクサー(Pixar)

カーズ(Cars)」の予告編を初めて見たときは「擬人化もTOYや虫や魚だと大丈夫だけれど、車の話で大丈夫かな〜」と思っていたのですが、やはり、そこはビクサー(Pixar)、いつのまにか物語に引き込まれていました。出演車(者)の中でお気に入りは、なんと言ってもドック・ハドソン(声・ポールニューマン)。後ろ姿で芝居する(?)車なんて初めて見ましたよ〜!! 後、たぶん公開後一番人気になると思われるフェラーリ命のルイジと凄腕ピットクルーのグイドのコンビがすっごくかわいい!!(イタリアコスプレ、お見逃しなく)。そして物語の骨格が古きアメリカの「善良なるもの」を描いて極めてフランク・キャプラ(「素晴らしき哉、人生!」「スミス都へ行く」など)的という所も、いいんですよね〜。(小さきものへの目配せが行き届いている点がジョン・ラセター監督の真骨頂!!)。「Apple」ロゴの車も見逃さないでね〜

前述・ピクサー(Pixar)の展覧会(2006-06-20)に記載した通り、7月より「ピクサー展・Pixar:20Years of Animation」が東京、郡山、神戸で順次開催されます。

Cars (Disney/ Pixar) Start Your Engines! (Disney Presents a Pixar Film: Cars) Art of Pixar Animation Studios: 100 Collectible Postcards

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2006-06-20

「ピクサー(Pixar)」の展覧会

まもなく公開のピクサー(Pixar)最新作「カーズ(cars)」。そのピクサーの展覧会(Pixar:20Years of Animation)が2006年7月1日〜8月27日まで東京・森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)で開催されます。DVDの特典で見てきたコンセプト・アートやスケッチ、ストーリーボード、マケットなどが生で見られるチャンス!!そして、時、同じくして前述「初期ディズニーアニメ原画(2006-04-28)」で紹介した通りディズニーの原画展も東京都現代美術館で7月15日から開催されるわけですから、この夏、東京でディズニーの貴重なアートがそろい踏みとなります。尚、「ピクサー展」は東京展開催後、福島県郡山市立美術館、兵庫県立美術館に巡回予定です。

追記1
Pixar:20Years of Animationは2005年12月14日〜2006年2月6日ニューヨーク近代美術館(MoMA)、2006年4月1日〜6月10日英国科学博物館で開催され、いよいよ日本公開となる超一級品の展覧会です!(日本公開後もスコットランド、オーストラリアへ巡回展予定)

追記2
「カーズ(cars)」の最初のレースシーンで白い車に注目!「Apple」のロゴマークの入った車が走ってますよ〜。お見逃しなく!!

Mr.インクレディブル ファインディング・ニモ モンスターズ・インク

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2006-06-12

嫌われ松子の一生と、親切なクムジャさん

relax(リラックス)7月号に「嫌われ松子の一生(前述・2006-05-22、05-28)」が公開中の中島哲也監督・インタビューと監督が選ぶ映画15本が掲載されています(SPECIAL『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督とホームシアターで映像浴!?)。そのうちの1本、前述「タイトルデザイン_1(2006-04-13)」で紹介した「宮廷女官 チャングムの誓い」のイ・ヨンエ主演「親切なクムジャさん」の映画コメントの中で「人に薦められて最近見たんだけど、嫌われ松子の一生に似ているとも言われてます。どちらも刑務所のシーンあるしね‥」と答えていました。確かにテーマとテイストは違いますが、ある種のトーンは似ているかも‥。監督が他に紹介していた作品「ゴッドファーザーズ」「風と共に去りぬ」「天空の城ラピュタ」「東京ゴッドファーザーズ」などなど。詳しくはrelax(リラックス)本誌をご覧下さいね。

goo 嫌われ松子の一生 オフィシャルサイト
http://kiraware.goo.ne.jp/

relax

http://relax.magazine.co.jp/

『嫌われ松子の一生』オフィシャル・ブック 親切なクムジャさん プレミアム・エディション

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2006-05-28

「嫌われ松子の一生」と色彩

前述(2006-05-22)の通り、もう一度見てきました!!「嫌われ松子の一生」。で、美術の桑島十和子さんのスケッチはパンフレット(出演者、監督インタビュー、スタッフコメント、歌詞など見ても読んでも楽しいパンフ!)にも掲載されていました。その基調の色をイメージして下記(クリックすると大きな画像が開きます)にチャートにしてみました。(実際のチャートでは、ありませんので広義としての色を掲載しています)。あと、もう一色、晩年の松子として「黒」が加わります。そうそう、この映画、音楽も事件です。

Mom_1

嫌われ松子の歌たち

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2006-05-22

傑作!!「嫌われ松子の一生」

まもなく公開のミュージカル・ファンタジー作品「嫌われ松子の一生」(中島哲也監督作品)のオフィシャルブックが発売されました。監督、出演者のインタビュー、シナリオなどと共に美術の桑島十和子さん(「下妻物語」の美術もこの人)のインタビュー、スケッチも掲載されています(同棲相手が変わる度に松子の部屋の色彩が変わるのですが、その部屋のスケッチも載っています。スゴイ部屋ですよ〜)。とにかく、もの凄い情報量の映画(通常700カットのところ、2000カット撮影されたそうです)で見ている間中、クラクラしてしまったので、もう一回映画館で再確認しようと思っています。今年公開の日本映画一押し!色彩の洪水をご覧有れ。

goo 嫌われ松子の一生 オフィシャルサイト
http://kiraware.goo.ne.jp/

『嫌われ松子の一生』オフィシャル・ブック

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