2018-11-29

『ア・ゴースト・ストーリー/A GHOST STORY』デヴィッド・ロウリー監督、ルーニー・マーラ、ケイシー・アフレック

ア・ゴースト・ストーリー
A GHOST STORY

監督 : デヴィッド・ロウリー
出演 : ルーニー・マーラ
ケイシー・アフレック

物語・若夫婦のC(ケイシー・アフレック)とM(ルーニー・マーラ)は田舎町の小さな家で幸せに暮らしていたが、ある日Cが交通事故で急死してしまう。病院で夫 の遺体を確認したMは遺体にシーツをかぶせてその場を後にするが、死んだはずのCはシーツをかぶった状態で起き上がり、Mと暮らしていたわが家へ向かう。 幽霊になったCは、自分の存在に気付かず悲しみに暮れるMを見守り続ける。(物語項、シネマトゥデイより)

Ags

Memo
極めて好み。
ホラーでもなくファンタジーでもない。「時間と場」の感覚は確かにノーラン監督構造物学的作品味でもあるけれど「ふたりのベロニカ」や「ベルリン天使の詩」を想起したりした。
(スピルバーグ監督『A.I.』2000年後ひとり残されたデイビッドのシークエンスもふとよぎる)
監督は「アイアン・ジャイアント」想起の傑作!→『ピートと秘密の友達』のデヴィッド・ロウリー。
以前に同じルーニー・マーラ、ケイシー・アフレック共演で撮った「セインツ -約束の果て-」も印象的だったし、これからの作品も楽しみ。

映画の冒頭
ヴァージニア・ウルフ著述からの引用。
"Whatever hour you work there was a door shutting"
Virginia Woolf, A HAUNTED HOUSE
短編集に収録されているようだけれども未読。
本編の時空を超えた感覚は『オーランド』(映画では「オルランド」)に似ていて、なるほどと納得。
白いシーツがかぶせられた安置室。
いきなり、Cがそのまま起き上がる姿に垣間見える、ちょっと滑稽さが上映時間が経過すると共に余計に物悲しさを増幅させている。
(観客はMの5分に及ぶパイを食べるシーンや過去に遡る時空の旅を含めて、文字通り伸び縮みする時間を体感)
名前すら無い、CとM。
その事が物語る見ている(観客)誰のことでもある普遍的な「想い」「思念」のストーリー。
角丸のスタンダードスクリーンサイズはどこか銀塩写真の古いフィルムのようでもある。(それにしてもフィックス、長回し、パンニングなどの各ショットのなんと美しいこと)
空気感まで伝わる色彩調整も美しい。
カラーリスト(Colorist)はJoe Malina
https://www.joemalina.com/

『A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー』
公式サイト

http://www.ags-movie.jp/

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2018-10-01

『クワイエット・プレイス(A Quiet Place)』ジョン・クラシンスキー監督、エミリー・ブラント、ジョン・クラシンスキー、他

注・内容、ラストに触れています
クワイエット・プレイス
A Quiet Place

監督 : ジョン・クラシンスキー
出演 : エミリー・ブラント
ジョン・クラシンスキー
ミリセント・シモンズ
ノア・ジュープ、他


物語・音に反応して襲撃してくる何かによって、人類は滅亡の危機にさらされていた。リー(ジョン・クラシンスキー)とエヴリン(エミリー・ブラント)の夫婦は、 聴覚障害の娘ら3人の子供と決して音を立てないというルールを固く守ることで生き延びていた。手話を用い、裸足で歩くなどして、静寂を保ちながら暮らして いたが、エヴリンの胎内には新しい命が宿っていた。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Acp

Memo
「はじめの第一歩」(これは動いてもアカン)か積木くずし(これ、ちょっと近い)か「テレビにらめっこ」(これは笑ったらアカン。じっと我慢して音を出さないで)
まあ、なんといっても頼もしいエミリー・ブラントのこと。
『オール・ユー・ニード・キル』『ボーダーライン』と見てきた限り、大丈夫でしょー、と思ったら案の定。
モニター越しに走ってくる2匹のクリーチャー。
最高ボリュームにあげられるスピーカー。
ラストはショットガンを充填。
ガシャという音と少しニヤリとした口もとと共にピタリと決まった見事なショットでエンドクレジットへ。
(評価が高さは、実はこのラストショット部分もあってのことだろうなぁと惚れ惚れ)
とはいえ、バランス的にはツッコミどころが多いのも確か。
多分、第一義に音を立てたらの「音」はどのような質の音なのか、大きさなのかが、曖昧(滝の裏側であれだけ大きな叫び声があげられるのだったら、相当大きな音も大丈夫では?)
クリーチャーの姿を見たとき思わず「嫌ぁぁぁー(ear)!」という日本だけでしか通じないフレーズを思いつくぐらい「耳」である。
その造詣が素晴らしい。聞き耳ならぬ集音器のような増幅された音もあいまってなかなかのもの。
タイトルデザイン(Main Titles and End Titles)
IGNITION CREATIVE.
予告編やTVスポットも
http://ignitioncreative.com/work/detail/a-quiet-place

映画『クワイエット・プレイス』公式サイト
https://quietplace.jp/

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2018-01-31

『希望のかなた(THE OTHER SIDE OF HOPE/Toivon tuolla puolen)』アキ・カウリスマキ監督、シェルワン・ハジ、ニロズ・ハジ、サカリ・クオスマネン、他

希望のかなた
THE OTHER SIDE OF HOPE
Toivon tuolla puolen

監督 : アキ・カウリスマキ
出演 : シェルワン・ハジ
ニロズ・ハジ
サカリ・クオスマネン
イルッカ・コイヴラ
ヤンネ・フーティアイネン
ヌップ・コイヴ
カイヤ・パカリネン
サイモン・フセイン・アルバズーン
カティ・オウティネン
マリヤ・ヤルヴェンヘルミ

コイスティネン(ヴァルプ)

物語・カーリド(シェルワン・ハジ)は石炭を積んだ貨物船に隠れ、内戦が激化するシリアのアレッポから遠く離れたフィンランドの首都ヘルシンキにたどり着く。差別と暴力にさらされながら数々の国境を越え、偶然この地に降り立った彼は難民申請をする。彼の望みは、ハンガリー国境で生き別れた妹ミリアム(ニロズ・ハジ)を呼び寄せることだけだった。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Hope1

Memo1
ミニマルな「味わい」を楽しみ、時にニマニマしながら見ていられるカウリスマキ作品。
そんな中にあって、本作は初めて感じるビターさが加味されている(さまざまなインタビューなどを見たり読んだりしても、いつになく直裁的な表現が垣間見えたり)
蔓延しているステレオタイプな偏見(あのネオナチの執拗さはなんなんだ)や官僚主義(難民申請に対しての、あの冷たい扱い←それでも強制送還当日、逃げる手助けをしてくれる人も描くところがカウリスマキ監督らしい)
不寛容な時代における寛容さとは?
それを絶妙な匙加減でユーモアとともに織り込む語り口はさすがだ。
運良くレストランを開業したもうひとりの(家を持たない或いは捨ててしまった)主人公ヴィクストロムも最初は「なんなんだ、このオヤジ」と思って見ていたら、ところがなんの意外ととぼけつつも懐深い(従業員が拾ってきた犬コイスティネンの扱いや給料に対する対処など絶妙)
それらの人物伏線は中盤。カーリドと対面した際にパシッといかされる。
ヴィクストロムが収容施設から逃げ出しゴミ捨て場で寝泊まりしていたカーリドを見つけ、いきなり殴り、すかさずカーリドに殴り返される。
次のシーンでは鼻にティッシュをつめこんだふたり。
このテンポの妙。
商売繁盛をかけて寿司店に大幅リニューアル。
まずは資料集めと書籍を買いあつめているところにうつるウィンドーケースの中に紀伊國屋書店のカバーがついたままの本があって「まぁいくらなんでもこのままでは売ってないでしょ 笑」と
開業後。
「おっ!結構、お客さんが来てる」
これは功を奏したかと思いきや、あの寿司…。
一転。
げんなりして変えるお客さんとションボリしているヴィクストロムらレストランの面々の姿はホント、おかしかったなぁ 笑
ヴィクストロムらの手助けによって妹ミリアムと再会を果たすカーリド。
それまで全く笑わないに等しかった主人公カーリドが笑みをもらす。
(あぁ本当にカーリドにとって最大の望みは妹を探し出し呼び寄せることだったんだなぁということが判る)
そして、ラスト。
前夜ネオナチに襲われ木陰に横たわるカーリド。
妹が無事管理局に入っていくところを見て安堵の表情を浮かべる。
おなじみのカティ・オウティネンや監督の愛犬ヴァルプ(劇中の名前が「街のあかり」の主人公と同じコイスティネンって 笑)も登場。

Hope2

Memo2
パンフレットデザインは大島依提亜さん。
本文パンフを天地左右3mmずつ大きい表紙に貼りつけた仕様。
帝國寿司の前掛けを模したページも(用紙が!)
センターにカラー写真(順番やカウリスマキ監督ならではの語る顔がズラリと並んだページも)
劇中楽曲の歌詞(訳詞)も掲載。
(それにしてもドブロなど含めてカッコイイギターが多数出てきて、そこもまたアクセントであり個人的見どころでした)

映画『希望のかなた』公式サイト
http://kibou-film.com/

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2018-01-07

絶滅すべきでしょうか?『勝手にふるえてろ』綿矢りさ原作、大九明子監督、松岡茉優、北村匠海、渡辺大知、石橋杏奈、他

注・内容、台詞に触れています。
勝手にふるえてろ

監督 : 大九明子
原作 : 綿矢りさ
出演 : 松岡茉優
北村匠海
渡辺大知
石橋杏奈
趣里、古舘寛治
前野朋哉、片桐はいり他

物語・初恋相手のイチを忘れられない24歳の会社員ヨシカ(松岡茉優)は、ある日職場の同期のニから交際を申し込まれる。人生初の告白に舞い上がるも、暑苦しいニとの関係に気乗りしないヨシカは、同窓会を計画し片思いの相手イチと再会。脳内の片思いと、現実の恋愛とのはざまで悩むヨシカは… (物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Furue

Memo1
2015年放送の「さんまのまんま」に橋本愛とふたりで出演した際、カメラ目線で「主演映画はまだありません」と訴えて(笑)から3年近くにして遂に!
そのテンポ、タイミング、声や表情のバリエーション。
まさに松岡茉優100%
なによりも(頭の先から尻尾まであんこの詰まったたい焼きのように)始めから最後まで出ずっぱり。
こういうパターンは稀有だと思うし大成功している
(通常、主人公を浮かび上がらせるために周辺の人たちのエピソードを別に描いたりするものだが、それをやらなかったことが逆に広がりを持つことになってる)
妄想シーンはあるが回想シーンはない、見事な直線構造。
そして中盤に訪れる転換点。
(後述、歌のシーン)
なんだ、ねじれてる割には知り合い多いじゃん、コミュニケーション取れてるじゃん…と、思わせておいてのぼっち具合。孤独真っ逆さま。
原作未読だけれども、これは相当に練られた脚本。
こじらせ具合、ねじれ方、くすぶり具合の匙加減が絶妙。
観客によせて共感前提で作っていないのもよかったなぁ。
時にミュージカルっぽく歌で綴る真実の姿。
「絶滅すべきでしょうか?」
この距離が私と世の中の限界
「ねえアンモナイト、生き抜く術を教えてよ」
(ここを歌で描いたのは秀逸。これ台詞やモノローグだったらキツイわー。演じた松岡茉優キャラクターもありきで実に見事)
空気読めない人が集まるときのズレの面白さ。
見ていてイタイ(時に思い当たるフシが多々。あゝイタイ)
ヨシカもスゴイが二を演じた黒猫チェルシー、渡辺大知の「おいおい、そこき気ィつかえょぉぉぉぉ」と見ているこちらがツッコミたくなるほどのウザさを演じていて上手い。
そしてイチ(北村匠海)のこれまた遠目の富士山みたいな見た目かっこ好いが近づくとやはりバリア張りまくりの利己的キャラ。
その極めつけの台詞
(同窓会きっかけで開かれた上京グループの集まり。朝方。アンモナイトの話など共通点がいろいろ出てきて喜ぶヨシカに対して)
「ごめん。名前なんだっけ?」

Furuete

Memo2
パンフレットデザインは大寿美トモエさん
上記画像は表紙。表4は赤一色の中心にアンモナイト。
付箋含めて本作のキーカラーは
ヨシカのファッションがキャラクターにマッチ(ダサ可愛いより、やや可愛い寄りのキワキワ線)して素晴らしくよいなぁー、と思い調べたら「ひよっこ」衣装監修の宮本茉莉さんでした(ドラマ中のワンピースも、とてもチャーミング)

映画『勝手にふるえてろ』公式サイト
http://furuetero-movie.com/

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2017-12-31

Netflix『ゴッドレス ・神の消えた町(Godless)』製作 : スティーヴン・ソダーバーグ、監督・脚本 : スコット・フランク、ジャック・オコンネル、ジェフ・ダニエルズ、ミシェル・ドッカリー、トーマス・サングスター、スクート・マクネイリー、メリット・ウェヴァー、他

注・内容に触れています。
ゴッドレス -神の消えた町-
Godless

監督・脚本 : スコット・フランク
ジャック・オコンネル
ジェフ・ダニエルズ
ミシェル・ドッカリー
トーマス・サングスター
スクート・マクネイリー
メリット・ウェヴァー、他

Godless

Memo
見どころが多い(多すぎる!)今年見た映画やドラマの中でも屈指の傑作!
本作の製作に当たっているスティーヴン・ソダーバーグ監督作『アウト・オブ・サイト』や『LOGAN/ローガン(共同脚本)』などの脚本を手がけたスコット・フランクが脚本、監督。
そのスコット・フランク。
奇しくも『オリエント急行殺人事件』が同時期公開されているケネス・ブラナー監督のハリウッドデビュー作『愛と死の間で』の脚本も。
最初は映画としてスタートしていたものをじっくりと人物を掘り下げる形でリミテッドドラマの方がよいのでは?ということでこの形になったとか。
それが功を奏して、ラストの銃撃戦にいたるまでのタメの部分が実に面白い。
逆にスクリーンで見たい!と思わせる地平線や空や馬が走る姿を捉えたショットの美しいこと、美しいこと。
4Kカメラ(Netflix側が監督に唯一出す条件とされている)による透明度の高い空気感の出た撮影西部劇は史上初かも。
(風景を映しだしたドキュメンタリーなどではあったとは思うけれど、あくまでも「西部劇としての詩」であるという点が重要)
再編集2時間15分ぐらいで映画として巨大スクリーンにかけてほしいぐらい。
主人公のひとりロイ・グッドをこれから人気が出てきそうなジャック・オコンネルや『ダウントン・アビー』のメアリー・クローリーを演じたミシェル・ドッカリー(本作のライフルの構え方がカッコイイ)、ヒュー・グラントの親戚→トーマス・サングスターなどイギリス俳優によるキャスティングが全て的をえている。
ビックリしたのは無法者一味のボス(複雑な心根を持つ役を名演!!)をジェフ・ダニエルズ
ウディ・アレン『カイロの紫のバラ』でスクリーンから飛び出してきたトム・バクスター/ギル・バクスター2役の人。
IMDbでのエピソード毎の評価では群を抜いてラスト7話「再びラ・ベルへ"Homecoming"」は特に。
ラスト。
去っていく主人公ロイ・グッド。
ネイティヴアメリカンのお祖母ちゃん(なんともとぼけているが見通している)の名前の由来について聞く。
アイオビってどういう意味だ
ハト

ゴッドレス -神の消えた町-
Netflix 公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/80097141

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2017-11-23

If you must blink, do it now.『KUBO クボ 二本の弦の秘密(kubo and the two strings)』トラヴィス・ナイト監督、アート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ルーニー・マーラ、レイフ・ファインズ、他

注・内容に触れています。
KUBO クボ 二本の弦の秘密
kubo and the two strings

監督 : トラヴィス・ナイト
出演 : (Voice Cast)
アート・パーキンソン
シャーリーズ・セロン
マシュー・マコノヒー
ルーニー・マーラ
レイフ・ファインズ、他

物語・クボは三味線を奏でることで折り紙を自由に操ることができるという、不思議な力を持つ少年。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われた際に父を亡くし、片目を奪われたクボは、最果ての地で母と生活していた。しかし、闇の刺客に母までも殺されてしまう。両親のあだ討ちを心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタを仲間にする。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Kubo1

Memo1
If you must blink, do it now.
まさに「瞬きすらしてはならぬ」流麗さ。
あまりに滑らかすぎてストップモーションではなくCGだと思ってる人、多いんじゃないかなぁと心配になるレベルの美しさ。
(もちろんCGやロトスコープなどデジタルペインティングも施されているし、後処理ブラーや光学処理などいろいろ加えられているけれども、根本にあるのはマペットを創り、手に触れるものに命を吹き込むことが第一義としてある)
Laika作品を通して言えることだけれども、本作もまたまたキャラクター造詣が面白い。
アイパッチのクボ、クワガタ、サル(猿・申)、浄瑠璃系人形の趣きの母、闇の姉妹の叔母たち(NHKで昔放送していた、あの人形劇想起!)
それにしても折り紙のストップモーションアニメとは!!!
オリガミ・ハンゾウの「はい、こっちこっち」と方向を指し示す動きの楽しさ!
『モアナ』のタトゥーや『未知との遭遇』ハイウェイ沿いに登るUFO「アイスクリン!」のように小さきものが、主人公の行く手を案内したり暗示する造りは定番にして好み。
グッときた台詞。
(母であるサルと父であるクワガタと紅葉の船の上で)
「こうやって誰かの間で食事したのは初めて」
『コララインとボタンの魔女』でも出てきた悪夢イメージと連なる目(眼)のモチーフ。
見えないことが見えること。
3つの伝説の武具のうちの最後のひとつ「兜」
最初に住んでいた村の鐘に使われていたことがわかり、原点となる場所へと戻る。
武具を探す旅、月の帝と父ハンゾウとの戦いの真実を知る旅、それらの全ては既にここに。
If you must blink, do it now.
Voice Cast
月の帝の声が!レイフ・ファインズってヴォルデモート卿や〜、とかシャーリーズ・セロンとルーニー・マーラが対決していると脳内変換できたり非常に贅沢にして的をえたキャスティング。
(評判の良い日本語吹き替え版は現時点で未見)

Kubo2

※Memo2
脚本 (PDFファイル・保存が可能)
http://focusfeaturesguilds2016.com/workspace/uploads/screenplay/kubo_and_the_two_strings_awards-2016-final.pdf
エンディング曲にやられた!といった方も多いと思いますが、まあ、本当になんてことしてくれるんだという選曲とアレンジ、アニメーション。
最後にとどめの早送りメイキングシーン(ここで「エッ!?これって人形だったの」とビックリされたのではないかと…)
そのエンディング曲のオフィシャルビデオ。
Regina Spektor
While My Guitar Gently Weeps Official Video
https://www.youtube.com/watch?v=8hUOKjy-9-o
歌川国芳相馬の古内裏(Takiyasha the Witch and the Skeleton Spectre)」をモチーフとしたHall of Bones sequenceメイキング
(英訳は図録などに記載されているものではなく一般的に広まっているものを記載)
https://www.fxphd.com/blog/kubo-and-the-two-strings-behind-the-hall-of-bones/

Kubo3

「相馬の古内裏」はメイキングでも言及されているけれど、もうひとつ印象的な海底の目玉はオディロン・ルドン「起源」 Ⅱ. おそらく花の中に最初の視覚が試みられた』なのだろうか?
他にも葛飾北斎(冒頭の波濤はまさに!)や斎藤清の版画にもインスパイアされているとインタビューなどで答えている。
3D Printer によるパペット制作
https://www.digitaltrends.com/movies/laika-cgi-3d-printing-stop-motion-kubo-and-the-two-strings/
また、別の記事
http://www.hollywoodreporter.com/features/how-kubo-two-strings-merged-stop-motion-animation-3d-printing-a-400-pound-puppet-955406
3Dプリンターによるパペット制作とLaikaならではのストップモーションアニメーション技術『KUBO クボ 二本の弦の秘密』そして、3Dモデリングとレーザーカッター、昔ながらのクラフツマンシップが合わさったミニチュア『ブレードランナー 2049』と今年はアナログとデジタルのまさに混じり合った融合の傑作が見られた年。

映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』公式サイト
http://gaga.ne.jp/kubo/

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2017-05-11

『カフェ・ソサエティ(Cafe Society)』ウディ・アレン監督、ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、スティーヴ・カレル、ブレイク・ライブリー、他

注・内容、台詞に触れています。
カフェ・ソサエティ
CAFE SOCIETY

監督 : ウディ・アレン
出演 : ジェシー・アイゼンバーグ
クリステン・スチュワート
スティーヴ・カレル
ブレイク・ライブリー、他

物語・1930年代。ニューヨークに暮らす青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は、刺激にあふれた人生を送りたいと願いハリウッドに向かう。そして彼は、映画業界のエージェントとして大成功を収めた叔父フィルのもとで働く。やがてボビーは、叔父の秘書を務める美女ヴォニー(クリステン・スチュワート)のとりこになる。ひょんなことから彼女と距離を縮められて有頂天になり、結婚まで考えるようになるボビー。しかし、彼女にはひそかに付き合っている男性がいて…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Cafe_c2

Memo1
『ラジオデイズ』を軸に過去作全体を展観しているような趣きがある。
もっとも、その語り口。
既に名人至芸(例えるなら落語のような)の領域に達しているウディ・アレンなればこそのこと。
ボビーの恋は成就されない苦さがあれどもラストを新年で迎えることによって、どこかしら晴れやかな気分で劇場をあとにできるのだ。
ロスとニューヨーク。
ヴォニーとヴェロニカ。そう、まさに"ふたりのベロニカ"?
(キェシロフスキ監督の『ふたりのベロニカ』のように一瞬、すれちがうような接点もなく顔を合わせることはない)
この対をなすふたりの女性へのボビーのアプローチの仕方がロスとニューヨークでは全く違う。ロスではブロンクスから出てきたばかりで、まるで学生のような猪突猛進型だったのがニューヨークではクラブを成功させ自身に満ちた強引なアプローチに。
笑った台詞。
(毎度のことながらユダヤ人自虐ネタ)
「死刑の上にキリスト教に改宗するなんて」
「ユダヤ教にも来世があったらもっと信者が集まるのに」
スティーブ・カレルは『フォックスキャッチャー』で演じたデュポンの姿が怖くて怖くて、その演技があってか終始おさえぎみに話すボビーの叔父フィルとダブって見えた(こういう役、本当に上手い)
また兄ベンを演じたコリー・ストールが、そのくわえタバコの不敵さもあわせて見事な演技。(それゆえの改宗した際の刑務所での台詞が妙に可笑しい)
ニューヨークで知り合い、結婚するヴェロニカのブレイク・ライブリーは『アデライン、100年目の恋』でも1930年代を生きる(と、いうか100年間を演じる)女性を演じていて、写っているだけで華やかさが半径500mにふりまかれる。
文藝別冊『ウディ・アレン』冒頭対談での芝山幹郎氏『カフェ・ソサエティ』について「にやっとしたのは、キャステイングですね~(中略)~クリステン・スチュワートなんて『パニックルーム』の小娘だったのに、ここへ来て急成長ですね」←小娘って 笑
ドキュメンタリー『映画と恋とウディ・アレン』でダイアン・キートンがウディ・アレンを初めて見たとき「なんてカワイイ(cute)人なの」と思ったというインタビューの答え。
これ、ボビーに対してのヴォニーの台詞「かわいい。車のライトを見て動けなくなった鹿みたい」と見事なシンクロぶり。

Cafe_c3

Memo2
撮影監督ヴィットリオ・ストラーロと初タッグ。
(そして初デジタル)
詳細記事が下記に↓
【FILM AND DIGITAL TIMES】
Passage from Film to Digital
: Vittorio Storaro, ASC, AIC

PDFファイルで閲覧、保存可。
http://www.filmanddigitaltimes.com/wp-content/uploads/2016/04/75FDTimes-Storaro-PassageToDigital.pdf
具体的なグレーディングについてなど詳細に書かれています。参考としてエドワード・ホッパー「サマータイム」やレンピッカなどの絵画も。
Coloristは『ブルージャスミン』や次回作『Wonder Wheel』も手がけるAnthony Raffaele
ハリウッドパートはウォームトーン、ブロンクスパートは彩度を落としたクールトーン(銀落としのようなザラツキ感も)、ニューヨークパートはその中間、明るみのあるトーンと分けられている。1シーンだけクールからウォームへほとんど気づかないレベルでトーン変調する場面(ロスとブロンクスとの手紙のやり取りが読まれるところ)があった(もしかして、ウディ・アレン作品初?)
1930年代を再現した衣装に注目
スージー・ベンジンガー(Suzy Benzinger)
本作では「シャネル(CHANEL)」の衣装協力のもと当時のファッションが忠実に再現され、劇中でクリステン・スチュワートやブレイク・ライブリーが着用するドレス類からジュエリーまで提供されている。
↓こちらはFashionsnapの記事。
http://www.fashionsnap.com/news/2017-05-04/cafe-society/
(なお劇場によってはクリステン・スチュワートが出演しているCHANELのCMが本編の前に流れる)
タイトルシークエンスのフォントはおなじみのWindsor
ウディ・アレン監督はAmazon配信ドラマでも、やっぱり使用フォントはWindsorだった!
考えてみれば『アニー・ホール』以降『インテリア』を除いて全部そうだったかも。

Woody1

Memo3
↑ウディ・アレン本が並んでる!
左から文藝別冊『ウディ・アレン』評伝『Woody ウディ』『ウディ・アレンの映画術』(撮影時点では未発売の『ウディ・アレン完全ヴィジュアルガイド』宣伝チラシも置いていた)
評伝『Woody ウディ』(デイヴィッド・エヴァニアー著/ 大森さわこ 翻訳) 分厚い!二段組みなれど品のある書体、行間で読みやすい。
紙質を変えたモノクロ写真ページが巻頭と中盤合計32ページ(撮影風景や女優とのスナップなど)
公認ではないけれど協力はする形でウディ・アレンといくつかのメール交換が行われていて、その文言も読める。
締めくくりで「会いませんか」という著者に対して、ついに対面なった部分も書かれています。
文藝別冊『ウディ・アレン』はエッセイ・論考・コラム・作品評で構成されたアレン作品を見続けた者にとっても、これから順に見ていこうと思っている人にもおすすめのムック本。
作品評に当時のパンフレットからの再録がおさめられているのも嬉しい。
・『ウディ・アレン完全ヴィジュアルガイド』はオールカラーで基本見開きで1作品が紹介される、まさにガイドブック。
(ちなみに『アニー・ホール』と『マンハッタン』は5ページ)

映画『カフェ・ソサエティ』公式サイト
http://movie-cafesociety.com/

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2017-04-23

"Are You Lonesome Tonight"『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件(A Brighter Summer Day)』エドワード・ヤン監督、チャン・チェン、リサ・ヤン、他

注・内容、台詞、ラストシーンに触れています。
牯嶺街少年殺人事件
(クーリンチェ少年殺人事件)
A Brighter Summer Day

監督 : エドワード・ヤン
出演 : チャン・チェン
リサ・ヤン、リン・ホンミン
ワン・チーザン、
チャン・ホンユー、他

物語・1960年代の台湾・台北。夜間高校に通うシャオスー : 小四(チャン・チェン)は、不良グループ・小公園のワンマオ : 小猫王 : リトルプレスリー(ワン・チーザン)たちといつもつるんでいた。ある日、シャオスーは小公園のリーダーのハニー(リン・ホンミン)と付き合っている少女・シャオミン : 小明(リサ・ヤン)と出会う。ハニーは、小公園と対立するグループ・217のボスとシャオミンをめぐって衝突し、相手を殺して姿を消していた。シャオスーはシャオミンにほのかな思いを抱いていたが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Absd

Memo1
とにかくスマートである。
湿気をおびたり泥臭さが際立ったりもせず、一定のリズムは壊れることなく、途切れることなく最後まで描かれる。
黒澤明監督が『デルス・ウザーラ』撮影に入る際の「私の監督方針大要」に書かれていた
「カメラはカメラを意識させてはいけない(役者が止まればカメラも止まる)」(←正確ではありませんが大意はこんな感じ)を思いだした。
見ている間、カメラがケレン味ある動きを見せたり、演者が熱が入りすぎてオーバーアクト気味になることもなく、かといって冷徹な視線でもない(むしろ監督のまなざしの温かみすら感じる)
この4時間版はその監督のまなざしが全編に降り注いでいる気がする。
それはラスト、シャオスーが捕まり事情を聞かれる警察署でのシャオマーを写したシーンにいたるまで…
「彼だけが唯一の友だちだったのに」
撮影スタジオでシャオスーを見つけた映画監督
「オーディションを受けた、彼女、連絡がとれないんだ」
「彼女の自然な演技がよかった」
「自然?」
「監督なのに何も見ていない」
そこに残ったのは映画冒頭からずっとシャオスーの行先を(行く末を、未来を)照らし続けていた懐中電灯が。
自転車置き場
(この自転車置き場から角を曲がってお店などが並ぶ広場へ向かうところの動線が最初の方にもあり、素晴らしくよい。また、他にも父親とシャオスー、母親と娘などゆっくり道を歩く場面は繰り返し出てくる←これがまたよい)
シャオマーをまちぶせているところをシャオリンに見つかり立ち去ろうとするシャオスー。
声をかけ追いかけてくるシャオリン
言い合いになるふたり。
「私を変えたいのね?」
「あなたも他の人たちと一緒なのね」
「この社会と同じ。変わらないのよ」
そして…
今回、再見して発見したのだが、刺された直後シャオミンの左腕がシャオスーの首に(まるで)抱きつくように回っていて、その姿が一瞬抱擁しているかのようにさえ見えてしまった。
それゆえの最初の出会い、パーラーでのにこにこしながらお互いを見つめ合う姿などが浮かんできて、なんともいたたまれない気持ちでいっぱいになった。
バストショットからロングになったタイミングでバイクが横切っていく。
「起きてよ」「こんなことで死なないだろ」
続いて自転車が横切り、次第に周囲の人間が気がつき始める。
(このシーンの前に満月が写されていて、その時間帯の明るさも考えぬかれている。バックの屋台の並ぶ木と木の間にかすかに見える宵闇ブルーの美しいこと←これは今回のデジタルリマスター・バージョンで再発見)
隣に住む本省人に対しての台詞。
「8年間、日本と戦ってきて、今では日本家屋に住み日本の歌がとなりから聞こえてくる」
(この辺の本省人と外省人についての経緯は予備知識として知った上で見るのがベスト。今回は3時間版を見ていたので理解しているが最初に見たときは少しわかりにくかった)
印象的な2曲
・英語タイトルの元となったプレスリーによる"Are You Lonesome Tonight"(邦題 : 今夜は一人かい?)
映画では使われていないが、観終えてから聞くと途中に入る台詞部分が沁みる。
・フランキー・アヴァロン(Frankie Avalon)の1959年に全米1位 "Why"
これまたパーラーでのコンサートでキャラ立ち素晴らしきワンマオの台に乗って歌うハイトーンヴォイス。(またワンマオ、いい奴なんだなぁ)

Abrightersummerday_2

Memo2
初公開時と1998年リバイバル公開時のチラシ。
共に188分版。
上映館はそれぞれ今は閉館してしまったシネマ・ヴェリテ、シネマアルゴ梅田。
1998年リバイバル時のチラシ解説面には、わざわざ"ビデオ、LDリリース版は4時間バージョンでなされているため、3時間版はこの上映でしかご覧になれません"の記載も。
(188分版の再公開はできないものなのだろうか?)
3時間版と4時間版。
シャオスーをとりまく家族の描写、シャオミンからうける印象の違いが最も大きいと記憶。特にシャオミンについては今回再見して全く違った見方をしていたのかもと思われるほど。(いわゆるファム・ファタール性。その道しか選べなかったのか宿命的なものなのか…)
『牯嶺街少年殺人事件』ロケ地
(↑参考として個人サイトにつきリンク切れの場合あり)
http://www.gangm.net/taiwan/summerDay/index.html
映画評論家・川口敦子さんと川野正雄さんの対談形式によるシネマディスカッション。
(↑修復作業について、80年代台湾ニューウェーブについて、そして本編について。素晴らしい内容です)
Cinema discussion
http://lecerclerouge.jp/wp/category/cinema/cinemadisussion/
Criterioncollectionによる4Kレストアについて
ワークフロー動画 (修復後、小公園のパーラーから出て行くハニーの後ろ姿。左側に見える時計の文字盤が判別できる!また写さないことで際立つ医務室でのシャオミンとシャオスーの会話部分の壁!)
Restoration Spotlight: A BRIGHTER SUMMER DAY
https://www.youtube.com/watch?v=2AMSHs2adWk

『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』公式サイト
http://www.bitters.co.jp/abrightersummerday/


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2017-03-25

タイトルデザイン_49 Prologue Film/Kyle Cooper『キングコング:髑髏島の巨神』ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督、トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、他

キングコング:髑髏島の巨神
Kong: Skull Island

監督 : ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
出演 : トム・ヒドルストン
サミュエル・L・ジャクソン
ジョン・グッドマン
ブリー・ラーソン
ジン・ティエン
ジョン・C・ライリー、他

Kong

Memo1
とにかく怪獣テンコ盛り。
タコや蜘蛛やトカゲや水牛…。
出し惜しみ、一切なし。
冒頭の第二次世界大戦期シークエンス段階からコングも姿を現す。
(この時のふたりが髑髏島で生き残り、そのひとりがのちのハンク)
タコと対決して、そのまま足を食すコング。
帰りぎわに観客が「大きなゲソが夕食やったねー」(←関西弁)とか言ってて笑ってしまった)
サミュエル・L・ジャクソンとコング。それぞれの目と鼻のアップがどっちがどっちか、わからなくなるぐらいスゴイ!
また、出るだけで、イイ映画になる(映画の守護神)ジョン・グッドマンに合わせて本作はジョン・C・ライリーが最高に素晴らしい!
そのジョン・C・ライリー演じるハンクの髭と写真で見た監督の髭が同じなのだが、これは監督の洒落っ気?
ハンクがコメディ的パート。
こんな台詞。
コングが天敵の巨大な髑髏顔のトカゲ怪獣について。
「スカル・クローラーだ」
「怖そうな名前を今、思いついた」
メインキャストが紹介されるエンドタイトル部分にハンクが無事帰還した姿とカブス(1908年以来優勝がなくて、この1973年でもネタになっている。で、昨年話題となった108年ぶりの優勝)の試合をくつろいでテレビをみるシーンが続いて、なかなかよい締めくくり。
時代設定が1973年。
携帯もインターネットもなく、ランドサット(地球観測衛星)が撮影した画像に髑髏島が写っていたという設定。
ベトナム戦争が終結したばかりで多くの兵士が帰国をしていく時期というのも、ジャングルへと入っていく流れとしてもうまい。
既に監督が言及しているとおり『地獄の黙示録』さながらに。
レンズフィルター、Yellowをかけたようなカラコレ。全体的な色調が1970年代の雰囲気を醸しすことに成功している。
シークエンス毎の場面設定も上手い(川、森、湿地帯、怪獣の墓場…)
『パラノイド/ブラック・サバス』や(博士の異常な愛情で別の意味で有名になった)『また会いましょう』など音楽の使いどころも、変にひねらないで素な感じでよかった。(この監督、性格が歪曲していなくて、そのまま"ど真ん中"投げるタイプだとみた。今後が楽しみ!)

Memo2
エンドロール終了後にも続きあり。
(モナークのこと、そしていよいよ対決への橋渡し!というゴジラに加えてモスラ、ラドン、キングギドラ…って…)
タイトルデザインはギャレス版『ゴジラ』に続いてPrologue Film/Kyle Cooper
ギャレス版『ゴジラ』の時を踏襲した作り。
1944年~1973年までをニュースフィルムを混在させて、ところどころにモナークのことがインサートされている。
現時点(2017年3月25日)でPrologue Filmサイトに『キングコング:髑髏島の巨神』のタイトルシークエンス動画は公開されていませんがギャレス版『ゴジラ』をはじめ、いろいろ見ることができます(サイトがリニューアルされたばかり)
http://www.prologue.com/

映画『キングコング:髑髏島の巨神』オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/kingkong/

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2017-03-23

『哭声 コクソン(the wailing)』ナ・ホンジン脚本・監督、クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ、他

注・内容、台詞に触れています。
哭声 コクソン
the wailing

脚本・監督:ナ・ホンジン
出演 : クァク・ドウォン
ファン・ジョンミン
國村隼チョン・ウヒ、他

物語・警察官ジョング(クァク・ドウォン)が妻と娘と暮らす平和な村に正体不明のよそ者・山の中の男(國村隼)が住み着いて以来、住人たちは彼のうわさをささやいていた。やがて、村で突然村人が自分の家族を手にかける事件が発生する。犯人には、濁った目と湿疹でただれた肌という共通点があり…(物語項・シネマトゥデイより抜粋)

K1

Memo1
●「人々は恐れおののき霊を見ていると思った。そこでイエスは言った。なぜ心に疑いを持つのか。私の手や足を見よ。まさに私だ。触れてみよ。このとおり肉も骨もある」
ルカによる福音書24章 37-39節

監督自身がクリスチャンということもあり、なお且つ噂が疑念へと変わっていく過程についての考察としても、最初からテーマとして掲げらている一節。
(実は終盤に…)

ドラキュラも鬼もゾンビも悪魔も地霊も天使も"もののけ"もイエスも修験者もシャーマンもあらゆるものが混然として提示され、ホラーでもありサスペンスでもありエクソシストでもあり震える舌でもありコメディでもあるという全くジャンル分け不可能な今までにない映画体験をもたらしてくれる超絶怪作。
西欧的解釈図式としてあらわすならば(一応)悪魔とその従者、そして天使ということになるのだろうが、この作品はそうは語りきれないようにパズルのピースをずらして描かれていて如何様にも解釈がとれるというところが、また魅力だ。
さらには悪意の実態化という点で、黒沢清監督『CURE』を連想せずにはいられない。
「ミーに任せてちょ」と「おそ松くん」のイヤミのように登場してドンガラガッチャン、ドンガラガッチャン踊るシャーマン祈祷師として、あっという間に物語を転調してみせたファン・ジョンミン演じるイルグァンの唖然とさせられたパワフルな除霊シーン。
(実際、その場面がめちゃくちゃ面白い!)
そこで、それまでゆったりと或いはモゾモゾと描かれていた「噂」の部分が「エッ!?ホントにそうなの?」と観客までをも信じこませてしまうミスリードの上手さ。
(ここの誰を除霊し、何に祈祷しているのかのシーンはすっかり山の中の男とイルグァンが対峙した状態かと思いこんでしまっていた)
ラストに至っても何を信じるかによって捉え方が変わってしまう…
教会の通訳と山の中の男の対峙、会話、問答。
「お前が"悪魔"と言ったんだ」
「わたしは何者か、わたしの口からいくら言ったところでお前の考えは変わらない」
「お前は今もわたしのことを悪魔だと思い、それを確かめに…」
「わたしはわたしだ…」
並行して謎の女・目撃者ムミョンとジョングとのやりとりも描かれる。
「今、行ってはいけない」
「娘が」
「これは罠…」
「鶏が三度鳴くまで」
(それぞれの考え、取った行動が各々に影響しあっているように思える見事な締めくくり方、冒頭の福音書の一節と呼応する。お前がそう思ったから実体化したのだと言わんばかりに…)
「釣り糸をたらして、そこにひっかかるだけ」
その台詞通り、ファーストカットは釣り針に餌をつけている山の中の男の姿から始まる。
そして、物語の構成自体が、そのまま観客に提示した餌のように次々と提示されていく。(どう考えるのか、誰を疑うのかも委ねられている)
まさにダブルミーニングとしての"HOOK"

K2

K3

K4

Memo2
娘のために奔走したジョングをクァク・ドウォンが『哀しき獣』に続いて、演じ、またしても強烈だ。
最初の頼りな~い、海岸に打ちあげられたアザラシのような姿とラストでの姿は全く別人のよう。
見たこともないアクション祈祷シーンを演じたファン・ジョンミンはやはり上手い!
ムミョンを演じたチョン・ウヒはその立ち姿自体に独特のオーラがあって、これまたイイ!
そして國村隼さん!
もう何も申しません!怪演を通り越した怪演!
泣く子も黙らずに泣きます!

『哭声/コクソン』公式サイト
http://kokuson.com/

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