2007-02-26

「さくらん」金魚と花魁(おいらん)

監督・蜷川実花、脚本・タナダユキ、原作・安野モヨコ、音楽・椎名林檎(初映画音楽 ! )、主演の「きよ葉(後に日暮)」役に土屋アンナと、まさに女性たちによる究極のコラボレーション「さくらん」。注・内容に触れています。物語・吉原遊郭「玉菊屋」に 8歳で連れてこられた少女は「きよ葉」と名付けられた。女だらけの世界が怖くて脱走、あえなく捕まる「きよ葉」。しかし、彼女は厳しい折檻に涙も見せず、いつか自分の足で吉原を出る!と言い放つ。次第に、その美貌と誰にも媚びない負けん気の強さで、売れっ子となっていく「きよ葉」。そして遂に花魁「日暮(ひぐらし)」へと成長する…(プレスを元に記載)。「きよ葉」に影響を与える「粧ひ」に菅野美穂。対照的な「高尾」に木村佳乃。(「日暮」VS「高尾」ありって、相撲取り組みみたいですが本当に乱闘だったりするわけで〜)、玉菊屋の女将に夏木マリ(ピッタリ! )「きよ葉/日暮」が「恋したり」「裏切られたり」「元気づけられたり」する男優陣も豪華。椎名桔平、成宮寛貴、安藤政信、永瀬正敏…。「金魚は川に放せば鮒になる」金魚は台詞でもイメージでもこの映画のキーポイント。

さくらん写真集 『さくらん』オフィシャルガイドブック この世の限り

衣装(着物)はスタイリスト伊賀大介と着物スタイリスト杉山優子によるもの。花のアレンジに東信。照明は超大ベテラン、熊谷秀夫。美術は長編の美術監督は初めてという岩城南海子(金魚鉢の大門や緑の畳のアイデアはこの人)。その照明、美術のふたり(熊谷79歳 !!、岩城31歳)による対談がキネマ旬報2007年3月上旬号に掲載されています。
その対談より
中心になった色は」「照明にとってもは難しいんですよ。当てないと色が出ないし、当てすぎるとフラットになっちゃう」「撮影に入る前にSAYURIを二度観たんですよ」など。他にも紅葉のシーンのエピソードやフィルムを使っての直編集(HD上のAVID編集でなく)のことなど興味深い話がいっぱい。

映画「さくらん」公式サイト
http://www.sakuran-themovie.com/

安野モヨコ
オフィシャルウェブサイト 蜂蜜
http://www.annomoyoco.com/

キネマ旬報 2007年 3/1号 [雑誌] さくらん

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2007-02-07

BORN TO RUN !「世界最速のインディアン」

その永遠の5分に。BORN TO RUN、まさに走るために生まれてきた !!「世界最速のインディアン」傑作です !! 物語・63歳にして世界最速に挑む男、バート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)。彼は21歳の時に出会った「インディアン」という名のバイクに惚れ込み40年以上もかけて独力で改造し続け、ライダーの聖地、アメリカ・ユタ州ボンヌヴィルの「スピードウィーク」を目指してニュージーランド最南端の町から遙かなる旅に出る(物語部分プレス参考)。脚本・監督ロジャー・ドナルドソン(34年前にバートに出会い、彼のドキュメンタリーを作って以来の「夢」であった映画化を実現 !! このことも素敵)。注・ここより内容、台詞に触れています。ユタ州に向かうまでのロードムービー部分でバートの性格のよさ(少年のような天衣無縫さ。誰に対しても色めがねを持って接しないフラットさ)が描かれ、まわりの人たちがすべて協力的になっていってくれる様子が見ていてとっても心地よい。一番印象的なシーンは初めて夢にまで見た地「ボンヌヴィル」に着いたときの感慨深げな表情。こちらまでジーンとしてしまいます(ヒッチハイクで一緒に乗っていた青年が「着いたときの顔が見たいから」と予定を変更してボンヌヴィルまでついてくるほどバートに「よい影響」をうけてるんですよね〜。もちろん映画を見た観客に対しても「よい影響」)。最後に字幕で出る実話としての(もっとすごい、その後の)事実にさらに驚き !

いろいろ名台詞がいっぱい。
隣に住む少年との会話
「夢を持たないヤツは野菜と同じだ」
「どんな野菜?」
「キャベツだ、そうキャベツだ」

「こういうマシンでスピードに挑むときは、5分が一生に勝る」

「危険が人生に味をつける。リスクを恐れちゃいかん」

オープニングの海岸を疾走するシーンにタイトルロゴ(かっこいいDesign)。Filmの質感も抜群。是非、劇場で、シネマスコープで、地平線を走り抜けるバートの姿をご覧下さい。

世界最速のインディアン
http://www.sonypictures.jp/movies/theworldsfastestindian/index.html

The World's Fastest Indian [Music from the Motion Picture] バート・マンロー スピードの神に恋した男

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2007-02-05

「幸せのちから」

ホームレスから億万長者へとアメリカン・ドリームを体現した男、クリス・ガードナーの実話の映画化「幸せのちから物語・セールスマンのクリス(ウィル・スミス)は仕事が思うようにいかず、妻に出ていかれアパートも追い出されてしまう。息子のためにもと、職を探して見つけた仕事は証券会社のインターン(6ヶ月無給)だった…。話題はやはりウィル・スミスと実の息子、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス(長っ! )との親子共演。息が合っていると言うよりはプロ2人といった趣さえある名演。日本初登場のイタリア人監督、ブリエレ・ムッチーノ。これが実にうまくて「お涙ちょうだいもの」にせず「いろいろな示唆を含む、ひとつのドラマ」として成立させた手腕は今後注目 ! 原題の綴りが「The Pursuit of Happyness(幸福の追求)」とスペルミス(正確にはHappiness)のようだが実は息子が託児所で書いた落書きからきている。

幸せのちから - オフィシャルサイト
http://www.sonypictures.jp/movies/thepursuitofhappyness/

Christopher Gardner Official Site
http://www.chrisgardnermedia.com/
クリス・ガードナー本人のサイト(英文)

The Pursuit of Happyness [Original Motion Picture Soundtrack] The Pursuit of Happyness 幸せのちから

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2007-02-03

フワフワのゆらゆら「スキャナー・ダークリー」

「ウェイキング・ライフ」で使用されたロトスコープ(※)を更に深めて制作されたリチャード・リンクレイター監督の新作「スキャナー・ダークリー」(原作フィリップ・K・ディック)。ただ、DigitalCameraで映したOriginalDataにペイントをしていくだけではなく、レイヤーを重ねること(およびフレーム間の流動的な彩色)によって表現された「グニャグニャ・フニャフニャ・ゆらゆら感」が独特の気持ち悪さと心地よさを同居させている。物語・今から7年後の近未来のロサンジェルス郊外。麻薬捜査官ボブ・アークター(キアヌ・リーブス)は、究極のドラッグ「物質D」の供給源を突きとめるため「おとり捜査」を開始していた。しかし、何者かの「タレコミ」により、いつの間にか自身が監視されるはめに陥る。さらに「物質D」の影響もあり次第に人格が分裂していく悪夢に苛まれていく。出演は他にウィノナ・ライダー、ロバート・ダウニーJr、ウディ・ハレルソン(この内容にこのキャスティング !! それ自体がすごいなぁ〜)

ウェイキング・ライフ

※ロトスコープ作業は「Combustion 4」や「AfterEffects」などのエフェクトツールではなく専用のSoftware(CNET Japanによると「Rotoshop」)により作成された。
※余談だが今年リリースされるレタッチソフト「Photoshop CS3」から動画がサポートされることになっており「ロトスコープ的、似た表現作品」が多数出てくるのでは?と予想されます。

スキャナー・ダークリー
http://wwws.warnerbros.co.jp/ascannerdarkly/

スキャナー・ダークリー

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2007-01-29

ケビン・コスナー「守護神」

USA版「海猿」とか「愛と青春の旅立ち」プラス「トップガン」とか公開前からいろいろと評されている「守護神」。確かに構成的には一理あるかもしれないが意外と正攻法なつくりが逆に功を奏しているかもしれない。ケビン・コスナーがやっと復調してきた近作「ワイルド・レンジ 最後の銃撃」に続いて「らしい」映画への出演。物語・200人以上の遭難者の命を救ってきた伝説のアメリカ沿岸警備隊(USGC)レスキュー・スイマー、ベン・ランドール(ケビン・コスナー)。救出任務中に大切な相棒を失った後悔と叱責から、現場を退きエリート育成のためのA級学校の教官に赴く。そこで新人訓練生として若き天才スイマー、ジェイク・フィッシャー(アシュトン・カッチャー)と出会う。ハリケーン・カトリーナ災害での活躍でその存在を知らしめることとなったアメリカ沿岸警備隊(USGC)のA級学校での訓練ぶりが垣間見られて興味深い。

ラスト、ジェイクの命を救うためにベンがとった行動によって「守護神」のタイトルの意味がわかる。監督は手堅い作風(だと、思う)のアンドリューデイビス(「逃亡者」「コラテラル・ダメージ」など)。約300万リットルのウォータータンクを使用したセット撮影と「パーフェクトストーム」以降発展した流体CG技術による嵐のベーリング海を再現したシーンが素晴らしい(物理シミュレーションを駆使した水などの流体CGは年々進歩していてすごいですね)。

守護神 | shugoshin
http://www.movies.co.jp/guardian/

ワイルド・レンジ 最後の銃撃

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2007-01-23

「それでもボクはやってない」そのリズム

周防正行監督11年ぶりの新作「それでもボクはやってない」。冤罪事件と日本の裁判システムについてをドキュメンタリーの手法ではなく、きっちりと「映画」として描き出した超傑作 !! 注・内容(カメラワーク)に触れています。主役(被告人)・金子徹平を加瀬亮、主任弁護士・荒川正義(セイギとも読めますね〜! )を役所広司、新人弁護士・須藤莉子を瀬戸朝香。その他尾美としのり、山本耕史、もたいまさこ、大森南朋など抜群の布陣。もちろん周防組お馴染みの竹中直人、田口浩正、徳井優らの登場シーンもあって嬉しい。

キネマ旬報 2007年 2/1号 [雑誌]

そのリズム
まず脚本。Aが話し、Bが対応し、またAが話すという反復だけに陥りがちな裁判劇を圧倒的な独自テンポで描き、2時間23分ダレることがない。吟味された台詞が如何に凄いかのお手本のような構成(ナレーションではなく情報を登場人物が語る形になっている)。そして撮影。ほぼフィックス(固定)で撮られた裁判所のシーン。劇中、もっとも多く登場する場所でのカメラワークが同じく飽きさせないリズムを刻んでいる。映画に引き込まれているので気づかないが、各シーンの意味に対応したカメラアングルのバリエーションの多さ。主人公越しに見える裁判官の表情(途中、裁判官が替わることによって特に印象に残っている)、アップ、バストショットの組み方、カメラの高さの変化、そしてフィックスだけではなく横移動、判決時の金子のまわりを廻るカメラ。最後の最後(判決を言い渡した後の主文最後)にカメラが裁判官にズームで寄っていき(それは監督の怒りの表れのようにもとれる)さらに見下ろす形で裁判官の頭越しのカットへとつながっていくシーンは圧巻。

それでもボクはやってない」公式サイト
http://www.soreboku.jp/

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2007-01-15

「Shall we ダンス?」衣装と色彩

ハリウッドでのリメイク版が近年公開された作品のオリジナル版「Shall we ダンス? 」。監督は「シコふんじゃった」「ファンシダンス」そして、まもなく待望の新作「それでもボクはやってない」が公開される周防正行。物語・平凡なサラリーマンだった杉山正平(役所広司)は通勤電車の窓から、ふと見上げたダンス教室にうつる舞(草刈民代)の姿を見かけたことから社交ダンスを始める。「最初は一度でいいから彼女とダンスを踊ってみたい…」という気持ちからだったが、徐々に何かを見つけたかのように杉山の生活は変わり始める…。

Shall We ダンス? (初回限定版) Shall we Dance ?(初回限定版)

その衣装と色彩
舞を演じる草刈民代さんの衣装が最初はダンスの世界大会でのアクシデントからの挫折に立ち直れないでいるため、モノトーン系のものが多いのですが、杉山(役所)に教え始めて徐々にコーラルピンクライトカーキの淡い色へと変化していき最後の最後、ラストダンスの際に着るドレスは真っ赤なスリップドレスという風に心情に合わせて衣装の色を変えていったあたりが、とても見事でした。(もちろん回想シーンに登場する世界大会の時の衣装は華やかなものですが、この時はまだ、わがままな部分が出ていてプライドが全面にあらわれた感じの衣装です。ラストの赤のドレスは舞が素直になって解放された気持ちも出た、それはそれは素敵なものとなっています)。他にもダンス教室の窓の光やダンスフロアの床の色など非常に細かい部分まで行き届いた色彩設計が施された映画でした。それと、これ以上の組み合わせはないというぐらい快演だった竹中直人、渡辺えり子などの脇役陣もサイコー ! 見終わった後「あ〜よかった〜」と思わずつぶやく後味抜群の作品ですよ。

周防正行監督最新作
それでもボクはやってない」公式サイト
http://www.soreboku.jp/

Shall we ダンス? オリジナル・サウンドトラック 『Shall we ダンス?』アメリカを行く

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2007-01-09

酒井家のしあわせ

飄々とした風貌がそのまま生かされているユースケ・サンタマリア、こんな「オカン」おるおるといった間合いで演じる友近。まず、このキャスティングに惹かれてご覧になった方も多いのでは?「酒井家のしあわせ」。他に濱田マリ(こんな近所のオカンもおる)、赤井英和、本上まなみ、など。
物語・酒井家は関西のとある田舎町に住む、ごく普通の家族。そんな酒井家に事件が起きる。父が家出?!好きな男が出来たから…?!あきれるしかない母、信じられない次雄(息子)、なにもわからない光(娘)。ある日、偶然父を見かけた次雄は、いつもと違う父の様子から、何か嘘をついているのではないかと、思い始めるのだが…。(ここまでフライヤーより記載)。監督は本作が長編デビュー作の弱冠29歳・呉美保(オ・ミポ)。サンダンス・NHK国際映像作家賞2005日本部門受賞。もう少し枠からはみ出ても(作劇、演出として)よいのではというぐらい、まとまっている。ロケーション周りが物語にマッチしていました(ロケハンは大事ですね〜)。

酒井家のしあわせ
http://www.sakaike.jp/

酒井家のしあわせ

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2006-08-20

スーパーマン リターンズ

オープニングタイトルにあのテーマ曲 !!「スーパーマン」が帰ってきた。ブライアン・シンガー監督はすでにイメージの定着しているクリストファー・リーブの「スーパーマン」(以下・78年版)にこの上ないリスペクトをもって「スーパーマン リターンズ」を創り出した。現在のCG技術を駆使して空を飛び、弾丸を跳ね返し、旅客機を支え(正確には受け支えですね)、炎を凍らせ、熱線で物質を弾き返し、ケガを透視する等の様々なスーパーマンの能力をきっちりと見せてくれます(わざと78年版っぽいカット割りもあって、そこがまた素晴らしい)。最初の見せ場である旅客機とスペースシャトルのトラブルシーンでの圧倒的な飛ぶスピードと物を持ち上げる力を示す部分でもう10点!なんて思いました(落ちてくる旅客機を球場で受け止めた時の鉄のシワシワ感表現はスゴクおもしろい)。

スーパーマン 1&2 お買い得ツインパック (初回限定生産) ストーリー・オブ・スーパーマン ~スーパーマンの全て~

注・ここより物語に触れています。ストーリーも78年版の(映画らしい)風格をふまえた骨格と人物描写で好感が持てる。冒頭の繋がりからもう一度子供時代からかと思いきや、古里の消滅を確認して帰ってきたスーパーマンの帰還シーンといった、文字通りの続編というところにもブライアン・シンガー監督の心意気を感じてしまいます。クラーク・ケント(スーパーマン)不在の5年間にロイス・レインは結婚し(日本風に言うと未入籍)子供ができて「なぜスーパーマンは必要ないか」の記事でピュリッツァー賞まで受賞していた、といった設定も前作を見ていると「なるほど」と頷ける仕組み。あと、マーロン・ブランド(デジタル出演)やエヴァー・マリー・セイントの共演(同一シーンではありませんが、あの「映画」以来です)なんて洒落っ気もあったり、ロイス・レインの子供が実は…と、いった製作の決定している続編への楽しみな前振りもあり(レックス・ルーサーの船の中で一瞬、力に目覚めるシーンは定石通りですね)いろいろ盛りだくさんの2時間30分でした。あ、ケヴィン・スペイシーがレックス・ルーサーですよ(ちなみにオチ、ベタです)

スーパーマン リターンズ
http://wwws.warnerbros.co.jp/supermanreturns/

スーパーマン・リターンズ・オリジナル・スコア&予告編

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2006-08-01

ウディ・アレン「スコルピオンの恋まじない」

「DVDには、なっていないけれど_8」で取り上げた「ホット・ロック」の呪文は「アフガニスタンバナナスタンド」だったけれど、同じような使われ方(厳密には違うのだが‥)をしていたのがウディ・アレン監督「スコルピオンの恋まじない」。こちらの方は「コンスタンチノープル」と「マダガスカル」〜物語舞台は1940年代、ニューヨーク。一流保険会社に勤務するC.W.ブリッグス(ウディ・アレン)は、自称・腕利き保険調査員。最近入社してきた同僚のベティ・アン・フィッツジェラルド(ヘレン・ハント)とは顔を見るたびに皮肉を言い合う犬猿の仲だ。ある日、二人は同僚の誕生日パーティでインチキ魔術師に催眠術をかけられ、呪文を効くたびに惹かれていくことに‥。一方、その日を境に謎の宝石泥棒が世間を騒がせる。ブリッグスはなんとか犯人を捕まえようと奔走するのだが‥。ここまでプレスより引用。ウディ・アレンと謎の美女役で登場するシャーリーズ・セロンが見たまんま「三つ数えろ」のハンフリー・ボガードとローレン・バコールの図式(「ボギー ! 俺も男だ」と同じソフト帽にトレンチコート姿)。もしくは「深夜の告白」? 衣装もロケ地もセットも色彩設計も全て、1940年代を再現していて素晴らしい。オチもステキ。

スコルピオンの恋まじない ウディ・アレン バイオグラフィー

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2006-07-08

「サイレントヒル」白く深い闇

白い静寂の世界から深い闇の色へ「サイレントヒル
(一部少しだけ物語に触れています)
「ジェヴォーダンの獣」を撮ったフランス人監督、クリストフ・ガンズの美意識と原作となった元のゲームへのリスペクトに溢れた映画。原作のゲームは男性が主人公だが、それを女性(なんと!「メリンダとメリンダ」や「ネバーランド」に出演していたラダ・ミッチェル。監督曰くミア・ファローだとか‥)に変えた事によって(戦わずに)「逃げる」ことで物語を引っ張っていく(クリアしていく)設定。サイレントヒルへ足を踏み入れるきっかけとなる娘・シャロン役に「ローズ・イン・タイドランド(前述・2006-07-01)」のジョデル・フェルランド。濃霧に覆われ白い灰が降るサイレントヒルの描写が素晴らしい。そして、クリーチャーが「何っこれ!?」といった「なにやら、わからないもの」なのですよ‥。とりわけ、あの!ピラミッド頭の造形といったら‥。そして真に怖いものって、やっぱり‥‥。ヘトヘトです‥(後半キツイ‥)。ちなみにゲーム未プレイ者としての感想です。

サイレントヒル
http://www.silenthill.jp/main.html

Hill

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2006-06-19

「真珠の耳飾りの少女」とラピス・ラズリ

17世紀のオランダ、寡作の天才画家フェルメールが描いた最も有名な作品、真珠の耳飾りの少女(通称・青いターバンの少女)。その肖像画に描かれたモデルの少女とフェルメールとの秘められた物語。

使用人としてフェルメール(コリン・ファース)の家にやってきた少女グリート(スカーレット・ヨハンソン)が、次第に芸術的センスをのぞかせいてくシーンがとても秀逸でした。フェルメールの妻からアトリエの窓を拭くように言われたとき、「光の感じが変わってしまうのでは・・・」と返したり、制作途中の絵画に描かれている置物の配置を変えて逆にフェルメールに想像力をあたえたり、ブルーの色の下に黒色がおかれている事を見つけたりと、とても、さりげなく描かれていました。

フェルメールといえば、この「真珠の耳飾りの少女」でもターバン部分に使われていた印象的な青い色が特徴のひとつです。映画中、絵の具を鉱物から作るシーンが登場しますが、この青を作るための原材料「ラピス・ラズリ」は当時のオランダでは黄金にも匹敵するぐらい貴重で高価なものでした。(その「ラピス・ラズリ」から作られる青の色名「ウルトラマリン・ブルー」は「海を超えて渡ってきた青」という意)。一説には「真珠の耳飾りの少女」の神秘性や魅力はエジプトのピラミッドや中世の大聖堂にも使われてきたとされる歴史に裏打ちされた「ウルトラマリン・ブルー」の青を用いたことによるものではと言われるほど深い意味合いを持っているそうです。フェルメールは他の絵画にも、この「ウルトラマリン・ブルー」を多く使用しており、画家本人としてもこの青に魅せられていたと言えるのではないでしょうか。

COLOR of CINEMA blog Edition
スカーレット・ヨハンソン関連記事
スカーレット・ヨハンソンと南禅寺
(2006-06-04)

真珠の耳飾りの少女
http://www.gaga.ne.jp/pearl/

真珠の耳飾りの少女 通常版

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2006-06-14

深呼吸の必要。ここで一息‥

前述(2006-06-13)の「雪に願うこと」の白い雪景色にも癒されるが青い海と通り過ぎる風にも、やはり癒されるもの。「深呼吸の必要」(篠原哲雄・監督)は、きび刈り隊のアルバイトにやってきた若者7人の一面に広がる、さとうきび(7万本!!)を刈るだけの、ひと夏(35日間)を描いた傑作(それぞれ、実は何処か訳ありでやってきているようだけれど、そこを細かく描かないところが良いんですよね〜)。映画だからこそ成り立つリズム。テレビドラマでは不可能だと思います(ドキュメンタリーになってしまいますよね)。みんなを迎え入れる平良家の「おばあ」の言葉「ならんあれぇ、はじめからしぃなおしぇむさ(ダメになったら、最初からやり直せばいいさ)」が全てを物語っています。(きび刈り隊7人を演じた出演者・香里奈、長澤まさみ、谷原章介、成宮寛貴、金子さやか、久遠さやか、大森南朋)。

深呼吸の必要
http://shinkokyu.jp/

深呼吸の必要

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2006-06-12

嫌われ松子の一生と、親切なクムジャさん

relax(リラックス)7月号に「嫌われ松子の一生(前述・2006-05-22、05-28)」が公開中の中島哲也監督・インタビューと監督が選ぶ映画15本が掲載されています(SPECIAL『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督とホームシアターで映像浴!?)。そのうちの1本、前述「タイトルデザイン_1(2006-04-13)」で紹介した「宮廷女官 チャングムの誓い」のイ・ヨンエ主演「親切なクムジャさん」の映画コメントの中で「人に薦められて最近見たんだけど、嫌われ松子の一生に似ているとも言われてます。どちらも刑務所のシーンあるしね‥」と答えていました。確かにテーマとテイストは違いますが、ある種のトーンは似ているかも‥。監督が他に紹介していた作品「ゴッドファーザーズ」「風と共に去りぬ」「天空の城ラピュタ」「東京ゴッドファーザーズ」などなど。詳しくはrelax(リラックス)本誌をご覧下さいね。

goo 嫌われ松子の一生 オフィシャルサイト
http://kiraware.goo.ne.jp/

relax

http://relax.magazine.co.jp/

『嫌われ松子の一生』オフィシャル・ブック 親切なクムジャさん プレミアム・エディション

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2006-05-20

サージェント・ペッパー ぼくの友だち

「子役と動物には勝てない」とは、よく言ったもので「マーサの幸せレシピ」(こちらも、いい映画です)を撮った女性監督サンドラ・ネットルベックの最新作「サージェント・ペッパー ぼくの友だち」の少年フェリックス君6歳と犬のサージェントペッパーの名演技は、思わずニンマリしてしまいます(フェリックス君がトラの着ぐるみを着てサージェント・ペッパーと並んだ感じが、スゴクいいんですよ〜)。今日(20日)から渋谷アミューズCQNで公開(以降、全国順次公開)。

サージェント・ペッパー ぼくの友だち

http://www.s-pepper.com/

マーサの幸せレシピ サージェント・ペッパー ぼくの友だち

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2006-05-04

DVDには、なっていないけれど_1

エッこれがDVDで出てるわけ?という映画があるのとは逆に何故か、未だにDVD化されていないものがいっぱいあります。例えば前述(2006-04-06)のクシシュトフ・キエシロフスキ監督の「ふたりのベロニカ」やスピルバーグ監督の「1941」は有名なところ。(そういえばスピルバーグの監督兼プロデュースのオムニバス作「トワイライトゾーン〜超次元の体験〜」も未だDVDになっていない)
先日、「プロデューサーズ」の公開に合わせてメル・ブルックス監督の未発売だったDVD作品「サイレントムービー」や「珍説世界史PART1」「メル・ブルックスの大脱走」が発売されましたが、ヒッチコックのパロディ「新・サイコ」(「鳥」に襲われてフンだらけになったり、「サイコ」のシャワーシーンのギャグがあったり、原題の「高所恐怖症」のミュージカルナンバーがあったりベタベタにわかりやすい内容がおかしい)は、今回も何故か未発売でした。と、いうことで、そんな作品の数々を「DVDには、なっていないけれど」のタイトルで、これからシリーズ掲載します。

追記
その後「新・サイコ」は無事(?)DVD化されました。

メル・ブルックスのサイレント・ムービー メル・ブルックス/珍説世界史PART1 メル・ブルックスの大脱走

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2006-04-14

竹中さんと知世ちゃん「サヨナラCOLOR」

竹中直人監督の「サヨナラCOLOR」。以前、メルマガ版の方で取り上げましたが、その時は色彩にまつわるという事ではなくタイトルの「COLOR」繋がりで掲載しました。でも、実際は竹中さんの頭の中に「ある色」が浮かんでいたんですね。

DVDプレスリリースから竹中さんのインタビュー >>>
どうして原田知世をヒロインにお願いしたかに対しての問いに「〜この映画のポスターのビジュアルが浮かびました。直感ですね。ブルーの海ブルーの車、そこに知世ちゃんがブルーのワンピースを着てたたずむ。ブルーが似合う女優そして「サヨナラCOLOR」という歌がぴったりの女優は原田知世さんしかいないと思いました。」

エンディング曲「サヨナラCOLOR」はハナレグミと忌野清志郎によるもの(元はSUPER BUTTER DOGの曲)。劇場を出た時にお客さん、みんな口づさんでました(と、思う)

サヨナラCOLOR スペシャル・エディション

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