2008-03-21

アフタヌーンは「ダージリン急行で」

相変わらずのオフビートなユルユル感で独特の世界を醸し出すウェス・アンダーソン監督「ダージリン急行」。本編の始まる前にプロローグともPART1ともよべる「ホテル・シュヴァリエ」がくっついています(短編とはいえ、きっちりエンドクレジットもついているし、共演はナタリーポートマンだし…)。
物語・父の死をきっかけに疎遠になっていた3兄弟が、もう一度家族としての絆を取り戻そうとインドの旅にでるのだが…
3兄弟にオーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン。アンダースン監督の前作に出ていた「あの人」やこの3兄弟の母って言われて納得の「あの人」が出ていたりと思わずニンマリしてしまうキャスティング。

「ダージリン急行」オリジナル・サウンドトラック/サントラ[CD]

そして、もうひとつの楽しみ、美術と衣装。
本物の10台の列車を借り切って撮影された列車内装デザインはマーク・フリードバーグ(細かいところがいろいろ素敵)。衣装は「マリー・アントワネット」の世界から一転、大御所ミレーナ・カノネロ。最初は公表されていなかったため、後々になって騒がれだしたスーツケース・デザインはルイ・ヴィトンのデザイナー、マーク・ジェコブス(椰子の木キリンや象が配されていて、かわいい)
音楽も例によって素晴らしい(ザ・キンクスからストーンズ、サタジット・レイ作品までバラエティに富んでいる)。上映終了後、ご年配の方がサントラ盤を買って帰る姿をみかけましたよ(年代関係なくセンスのいい選曲は届いているということですよね〜)。

THE DARJEELING LIMITED
http://microsites2.foxinternational.com/jp/darjeeling/

ライフ・アクアティック(ライフアクアティック) ロイヤル テネンバウムス/Royal Tenenbaums (Collectors Edition) - Soundtrack

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2007-02-13

トライアングル、いろいろなかたち。「天国は待ってくれる」

ドラマ「ちゅらさん」「イグアナの娘」「Antique〜西洋骨董洋菓子店」映画「いま、会いにゆきます」などの脚本家・岡田惠和、初の書き下ろし長編小説の映画化「天国は待ってくれる物語・子供の頃からいつも一緒に過ごしてきた宏樹(井ノ原快彦)、武志(清木場俊介)、薫(岡本綾)の3人は、かけがえのない大切な仲間だった。3人の友情は、このままいつまでも続くと思っていた。そんなある日、宏樹の目の前で、武志が薫へ突然プロポーズする。武志の突然の告白に、宏樹は戸惑い、薫の顔を見ることが出来ない。そんな宏樹を見つめながら、薫もまた自分の想いを隠してプロポーズを受け入れるのだった。しかしその数日後、不慮の事故が武志を襲う。(ここまでプレス参考)

天国は待ってくれる

宏樹、武志、薫の関係がトライアングルなら、3人の勤務先である銀座、築地市場、朝日新聞社の位置関係もトライアングル(この位置関係、当初からのアイデアだそうです。ちなみに、それぞれの叔父、父、母も)。かつてドリカムパターンと言われた(言われてないか…?)男2人に女性ひとりスタイルのグループ(ドリカムやELTやマイラバや…)はことごとく2人組になっているようにトライアングル関係って、ホント、ビミョ〜なんですよね〜(ビミョ〜さを保ち続けると、ふたりや4人よりも長く続く関係ではあると思いますが…)。
武志役の清木場俊介は素に近い役柄かセリ職人姿がきまっていて好印象。前述の叔父、父、母親役で蟹江敬三、中村育二、いしだあゆみ。他に戸田恵梨香、石黒賢、佐々木勝彦。監督は土岐善將。撮影は「星に願いを」「天国の本屋〜恋火」「地下鉄(メトロ)に乗って」の上野彰吾。実際の築地市場、朝日新聞社を使ってのロケーションが効果的。

「天国は待ってくれる」公式サイト
http://tengoku.gyao.jp/

天国は待ってくれる(初回限定盤)(DVD付)

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2007-02-08

夢の始まりと終わり、そして再生「ドリームガールズ」

マイケル・ベネット(演出・振付)による伝説のブロードウェイミュージカル「ドリームガールズ」の映画化(舞台初演は1981年)。物語・1962年デトロイト。エフィー・ホワイト(ジェニファー・ハドソン)、ディーナ・ジョーンズ(ビヨンセ・ノウルズ)、ローレル・ロビンソン(アニカ・ノニ・ローズ)の3人トリオ・ドリーメッツは辣腕プロデューサー・カーティス・テイラー Jr(ジェイミー・フォックス)に見出され人気歌手ジミー・アーリー(エディ・マーフィ)のバックコーラスに抜擢される。そして…。監督は「シカゴ」の脚本を書いたビル・コンドン。インタビューなどで語っている通り、歌の間もストーリーが進行するノンストップミュージカル。バックステージものとしても最高だが、黒人と白人の文化対岐クロニクルとしての描き方も素晴らしい。キャストも最良。

ドリームガールズ

注・以下、内容・台詞・各シーンの使用楽曲などに触れています。

各シーンと主な楽曲 
アマチュアコンテストでドリーメッツとして歌う「Move」まだ垢抜けない3人組(驚くべき事にビヨンセはオーラ消している…)がカーティスの目に留まりジミーのバックコーラスに。エフィーの兄、C.C.ホワイト(キース・ロビンソン)がジミーとドリーメッツに楽曲を作った「Cadillac Car」は黒人専門のラジオ局のチャートを駆け上がる、が、すぐに白人シンガーに無断で盗られてしまい当時の音楽業界の常であった人種の壁を感じる。この事がきっかけでカーティスは本格的にレインボーレコードを起ち上げてチャレンジをはじめる(ラジオ局へのあからさまな買収も)。その様子と共に歌われる「Steppin' To The Bad Side」。そんな情熱(と、裏工作)の甲斐あってジミーとドリーメッツの人気は上昇、と、同時にカーティスはディーナのカリスマ性に目をつけリードボーカルの変更を告げる。最初は猛反発のエフィー、しかしカーティスの説得に渋々承諾する。そこで歌われる(ジェイミー・フォックス、メインボーカルで)「Family(この曲は後半にもRepriseとして歌われる)」

象徴的な会話
「まるで商品みたいね」
「そう商品だ」

名前をザ・ドリームズに変えてのデビュー曲はキャッチーなナンバー「Dreamgirls」売れていく様子がテンポ良く描かれていて見ているこちらのテンションもあがっていく(映画ならではのダイナミズム溢れるシーン)。だがエフィーの不満は募るばかり(ディーナへの嫉妬も)。亀裂がもはや修復不可能になったステージ上で歌われる「And I Am Telling You I'm Not Going」(舞台版では第一幕Last Number)。舞台にひとり、エフィー…

新しいメンバーを加えたザ・ドリームズの人気は更に加熱。カーティスとディーナは結婚。エフィーには子供が…(実はカーティスとの間の娘)。そんな中、ジミーの元マネージャー、マーティ(ダニー・グローバー)がエフィーのためにセッティングしてくれたオーディションで歌への情熱をみせる「 I Am Changing」。逆に売れるためにメロウ路線を強いられ、自分を見失っていくジミー最後の登場シーンとなる「 I Meant You No Harm/Jimmy's Rap」(エディ・マーフィらしさが出たナンバー)。

ドリームガールズ オリジナルサウンドトラック

エフィの再出発(レコードデビュー)のためにC.C.ホワイトが書いたバラード「One Night Only」。しかし、カーティスのラジオ局などへの妨害でせっかくのエフィのレコードは葬られ、ディスコ調に変えられたザ・ドリームズが歌う「One Night Only ( Disco )」にとって代わられる(それは、かつて自分たちの受けた仕打ちと同じ事)。そしてディーナ(エフィーの一件を知ってしまう)とカーティスとの別れが決定的になった時に歌われるのが「Listen」(これは、もうビヨンセの超々熱唱)。

Last Sequenceはザ・ドリームズ解散コンサート。客席にはレインボーレコードに関わったすべての人たちが…。ザ・ドリームズによる「Hard To Say Goodbye」そして「ザ・ドリームズは4人です」のひとことにエフィーも加わってバラードテンポで「Dreamgirls ( Finale )」
End Titleへ

ドリームガールズ:デラックス・エディション(DVD付)

舞台とStaff、CastへのRespect
ラストナンバー「Dreamgirls ( Finale )」からEnd Titleへ入る瞬間がとても綺麗、きらきらと輝き舞い落ちる雪のような光。そしてカーテンコールの如くCastが紹介され(スマートなカット割り)、Staffもそれぞれ意味のある表記のされ方(例えば衣装デザイナー、シャロン・デイヴィスの場合デザイン画が映って実際の映画シーンがカットインされる)。本当にRespect溢れるタイトルロール。
そして最後に「マイケル・ベネットに捧ぐ

※ End Title DesignはPictureMill

ドリームガールズ
http://www.dreamgirls-movie.jp/top.html

Dreamgirls (1982 Original Broadway Cast)

追記
ジェニファー・ハドソンがアカデミー賞助演女優賞を受賞。

MEMO
ダイアナ・ロスとザ・シューブリームス、モータウンレコードがモデルといわれる本作。確かに、そのモータウンレコードの設立者はベリー・ゴーディ Jr、「ドリームガールズ」のレインボーレコード創立者はカーティス・テイラー Jr。どちらもカーディーラーというところも同じ。

Welcome to Motown.com
http://www.motown.com/
(英文)classic motownをClick

アルティメイト・コレクション The #1's Reflections: The Definitive Performances 1964-1969

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2007-02-02

フライパンと赤いペディキュア「魂萌え!」

魂萌え!(たまもえ)」(桐野夏生・原作)は阪本順治監督、久々の女性が主人公の映画。物語・59歳、平凡な主婦として平穏に暮らしてきた敏子(風吹ジュン)。しかし定年退職の3年後に夫・隆之(寺尾聰)が急死。さらに葬儀の日、夫の携帯にかかってきた見知らぬ女性、昭子(三田佳子)が長く愛人だったことがわかり驚きとともに激しい憤りを感じる。そして…。出演は他に田中哲司(長男役)、常盤貴子(長女役)、林隆三、加藤治子、豊川悦司。注・内容に触れています。冒頭、ごしごし洗っていた重たいフライパンはテフロン加工に変わり、はじめて自分の携帯や手帳を持ち、最初(初対面時)はよろけるぐらいにショックを受けた昭子の赤いペディキュアは映画の終盤、サンダル履きの疲れた素足に変わっていたりと様々な変化が敏子の「変わりたい ! 」心と行動によって巻き起こっていく鮮やかさ。このあたり、やっぱり阪本監督なんですよね〜。この敏子と昭子、ふたりの向かい合った演技の凄さ!! そして敏子の高校時代の友達3人組(由紀さおり、今陽子、藤田弓子)が、いかにもという感じで楽しそうに(リアル ! )演じています(お互い「ちゃん」づけで呼んでるし〜)。また「ひまわり」や「あじさい」「桜」などの花のショットが要所要所に組み込まれて、それがとってもよいアクセントになっています。最後の最後は「ひまわり」。おまけにヴィットリオ・デ・シーカ監督の映画「ひまわり」まで !!! ほんと、お見事です。「ファイト ! 」

魂萌え!
http://www.tamamoe.com/

魂萌え ! 魂萌え!〈上〉 魂萌え!〈下〉

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2007-01-31

「トゥモロー・ワールド」のワンシーンワンカット撮影技術

アルフォンソ・キュアロン監督の近未来SFの傑作「トゥモロー・ワールド」。日本公開が先になった関係か、情報が前後して公開されたことによって長回しワンショット(ノーカット)と紹介されているが、実際はイギリスの映像会社ダブルネガティブの開発したツール(※)によって別々に撮られたシーンをつなぎ合わせて作られたものだそうです。(※通常の2次元のフィルムではなく奥行き情報を含んだ2.5次元として作成されたものをシームレスにつなぎ合わせることが出来る)。冒頭のコーヒーショップを出て暫く歩いた瞬間に起こる爆破シーン(なんと2日間にわけて撮影されたものがワンカットに見えている !! )、襲撃される車のシーン、キャンプでの9分間(8分間)の移動シーンなど長回しとおぼしき、ほぼ全シーンに取り入れられていたそうです。(詳しくはCG WORLD 2007年1月号に4ページにわたって掲載されています。注・最新号ではないのでバックナンバー取り扱いの書店か図書館にて見ることができると思います)

「撮りたいもの」と「技術」が最高の状態で結びついた「トゥモローワールド」。出演はクライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン。

トゥモロー・ワールド

http://www.tomorrow-world.com/
 
トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション トゥモロー・ワールド

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2007-01-28

「どろろ」と手塚治虫

手塚治虫原作の「どろろ」を塩田明彦監督(「カナリア」「黄泉がえり」)が映画化。原作の戦国時代とは違う場所と時代設定(何処かの国の賢帝歴3048年、いわゆるAnother Day Another Place設定)。日本的情緒を廃した荒野と砂漠の物語となっている。注・以下より内容に触れています。主人公百鬼丸に妻夫木聡、どろろに柴咲コウ、醍醐景光に中井貴一、百鬼丸の弟・多宝丸に瑛太、百鬼丸の育ての親・寿海に原田芳雄(ほとんどフランケンシュタイン博士的なキャラクター造形)。物語の骨格や登場人物は割とオリジナルを踏襲している(原作屈指の逸話「ばんもん」らしきセットが終盤の舞台となっていたりもします)。柴咲コウの「どろろ」役が映画全体の暗くなりがちなムードを吹き飛ばしている(原作ではもう少し子供で、物語の終盤で女の子であることがわかる)。中盤の魔物倒し3連続シーンとアクション監督は香港映画界からチン・シウトン。衣装デザインは、やはりこの人、黒澤和子さんでした。
ところで映画は最後、「残り24体」と白抜きで画面に文字が出てMr.Children「フェイク」の流れるエンドクレジットとなる訳だが、もしかして続編あり?…という事でしょうか? (24ということで、まさかTVへと続いていくとか…ピッタリ2クール分あるしね〜)

その色彩
画面サイズはビスタ。彩度を落としたざらついた画面にハイコントラスト赤い色がかなり黒みがかった沈んだ赤となっています。ラスト、醍醐景光との決着後は通常の色彩に戻って青空すら見える(更に百鬼丸とどろろが海へ出るシーンへ繋がっていく)。晴れやかさの画面設計演出として「わかりやすい幕切れ」でした。

どろろ ナビゲートDVD ~序章~ どろろ完全図絵

「どろろ」連載の頃

「どろろ」は1967年8月から翌年7月まで「週刊少年サンデー」で連載(後に「冒険王」に引き継がれる)。「どろろ」の前連載がシェイクスピア「マクベス」をベースとした「バンパイヤ」(主人公の名前が間久部六郎でした。ちなみに黒澤明監督「蜘蛛巣城」も「マクベス」が下敷き)、その前がタイムパラドックスものの傑作「W3(ワンダースリー)」、同時期には「火の鳥」黎明編、未来編などの連載とストーリーテラーとして最も油が乗っていた時期だと思われます。
MEMO
NHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」出演時の漫画家・浦沢直樹さんが人生を変えた2つの出会いのひとつとして「火の鳥」(COM版)を手にしながら「こんなに軽々しく紹介しちゃいけないんだけど…」と語るシーンがありました。

どろろ
http://www.dororo.jp/

Tezuka Osamu World
http://www.tezuka.co.jp/

どろろ Complete BOX
どろろ (1) どろろ (2)
どろろ (3) どろろ (4)

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2006-12-27

Oh ! スコセッシ「ディパーテッド」

あの香港ノワールの傑作「インファナル・アフェア」(あの、という形容がピッタリ)をマーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ(トニー・レオンが演じた役)、マット・ディモン(アンディ・ラウの演じた役)、ジャック・ニコルソンによってリメイク「ディパーテッド」。

インファナル・アフェア(低価格版)   インファナル・アフェア III 終極無間 インファナル・アフェアII 無間序曲

注・ここより内容、ラストに触れています。ストーリー自体はオリジナルをほぼ踏襲(潜入捜査を知っている上司がふたりになっていること、ラストが本作で完結するように変わっていること、の2点が変更されている)。舞台をボストンに移してアイリッシュ・マフィア(同監督「ギャング・オブ・ニューヨーク」のテーマ)と州警察の対立構造にふたりの潜入サスペンスが絡み合う。久々にスコセッシ節炸裂でオープニングから見せてくれます。なんといってもジャック・ニコルソンのマフィアのボス役が例によって怪演、ディカプリオはスコセッシと3度目のタッグでベスト、マット・デイモンはオリジナル版のアンディ・ラウとは違って少し線を太く演じて好演(このあたりはやはりメンタリティの違いからか、かなり違う印象に書き換えられている)、州警察の上司の1人を演じたマーク・ウォールバーグがやたら血の気が多く口が悪くて(こちらの方がマフィアみたい)と、思ってたら、こういうラスト(確かなものが何もないオチ、善きものとは何?)へ繋がる訳かと納得。(えっ ! そんなに潜入させてたの ?、と、ツッコミどころではあります)
オリジナル版の精神を追い詰められていくような緊迫感とはまた違った緊密度(スコセッシ・タッチです)が漂うブルース感覚溢れる作品となった。スコセッシ監督次回作は篠田正浩監督「沈黙」のリメイクを予定。

追記
本年度アカデミー賞作品賞およびマーティン・スコセッシが監督賞を(遂に)受賞 !
また、脚色賞も受賞。

ディパーテッド
http://wwws.warnerbros.co.jp/thedeparted/

ディパーテッド

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2006-12-19

FLY ! 「鉄コン筋クリート」

クロ(二宮和也)とシロ(蒼井優)が跳んだ!! 原作・松本大洋、監督・マイケル・アリアス、そしてスタジオ4℃によるアニメーション制作、ASIAN KUNG-FU GENERATION初の書き下ろし主題歌「或る街の群青」、まさに怒濤のコラボレーションによって生まれた「鉄コン筋クリート」。

鉄コン筋クリート オリジナル・サウンドトラック 或る街の群青

純粋な力を信じるクロ。純粋な心を信じるシロ。激しく変わろうとする宝町で、二人がみつけた たったひとつの答えとはー。(フライヤーより記載)

鉄コン筋クリート (1) 鉄コン筋クリート (2) 鉄コン筋クリート (3)

スタジオ4℃といえば世紀のアニメーション怪作「マインド・ゲーム」を制作したチーム。予想通りの疾走ぶりと「2001年宇宙の旅」のSlit-Scanばりのトリップシーンも加わって、いわゆる普通のアニメーションになっていないところはさすが、といったところ。もちろんクロとシロの飛翔シーンも。
二宮和也、蒼井優の主役ふたりはピッタリはまり役。他のVoiceCastも伊勢谷友介、宮藤官九郎、大森南朋、岡田義徳、森三中、田中泯、本木雅弘と超豪華。中でも鈴木(通称ネズミ)(田中泯)と、その子分、木村(伊勢谷友介)とのラスト近くでの「やりとり」や、宝町を我がものにしようとする蛇(本木雅弘)の「ねちっこさ」は声の名演技賞もの。

美術監督は「STEAM BOY」で「あっ」と驚く背景を作成した木村真二。とにかく宝町の美術設定、背景は「もうひとつの主役」と言っても過言ではない素晴らしさ。それだけで、もう満足しちゃったんですね〜。

MEMO
12月16日に発刊されたアニメーションノート・No4に「鉄コン筋クリート」の背景美術メイキングが掲載されています。

映画「鉄コン筋クリート」公式サイト
http://tekkon.net/

鉄コン筋クリート クロside 美術設定・アートボード集 鉄コン筋クリート シロside 背景美術集

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2006-11-29

ボタンをどうぞ「椿山課長の七日間」

こんな感じのプログラムピクチュアが、かつての松竹には多かったんだろうなぁ、などと思いながら「椿山課長の七日間」を見た。浅田次郎原作の同名小説の映画化。物語・勤務先のデパートで脳溢血のため突然死した椿山課長(西田敏行)。天国と地獄の間にある「中陰役所」で3日間だけ現世に戻ることを許された(その理由が可笑しい)椿山は、正体がバレないように生前の姿とは似ても似つかぬ美しい女性(伊東美咲)としてよみがえる。そこで自分の知らなかった親子の秘密や同僚の女性の秘めたる想いを知ることとなる。そして…。他に成宮寛貴、須賀健太(今、子役の男の子といったら彼でしょう! )、志田未来、他。「中陰役所」の案内人役の和久井映見がとぼけた味で笑わせてくれる(是非主演でコメディを)。西田敏行の役を伊東美咲が演じているおかしさも手伝って意外と(と、いうと失礼ですが)楽しめた好編。後味も悪くない。フランク・キャプラ的でもあります。

椿山課長の七日間
http://www.tsubakiyama.jp/

椿山課長の七日間 素晴らしき哉、人生〈特別版〉

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2006-11-12

幸せの一瞬「天使の卵」

長くベストセラーを続けている村山由佳・原作「天使の卵」の映画化。物語・美大を目指す浪人生の歩太(市原隼人)は偶然、電車に乗り合わせた春妃(小西真奈美)に一目惚れをする。しかし彼女はガールフレンド夏姫(沢尻エリカ)の姉だった。うまくいくはずはないと迷う気持ちの中、ふたりは惹かれ合っていく。そして…。注・ここより以下、一部内容に触れています。最近の日本映画のパターンになっていると言われている(批判も出てきている)主人公が亡くなる話だが欠落(あるいは喪失)は相手や周辺の人々との関係性や意外な一面などを浮かび上がらせる手法として「あり」だと思うのですが、いかがでしょうか?(見せ方に違いは出てきますが、そこが脚本と演出にかかってくるところ)。監督は富樫森(「ごめん」は、よかったですね〜)。

幸せの一瞬(その色彩)
ラスト、失意の歩太が再び絵筆を持つきっかけとなる一言「お姉ちゃんね、桜色のセーターを着て同じ桜色の毛糸、選んでたの、で、そこだけ季節が違うみたいに見えて、そしてとても幸せそうで」( 注・正確な台詞採録ではありません )

MEMO1
テレビ朝日で続編の「天使の梯子」が放映されましたが、いろいろと「天使の卵」と繋がる形に(例えば描かれている春妃の絵や夏紀の好きな詩の使い方など。尚、Castは歩太が要潤、夏姫がミムラへと代わっていました)。

MEMO2
ちなみに劇中、歩太と夏紀が背中合わせで座っている(喫茶店の設定?)場所は前述(若冲と江戸絵画展・京都・2006_10_23)の京都国立近代美術館から市立美術館側を向いた常設展示入り口前のソファ(だと、思います、平安神宮の鳥居が見えているし…)

天使の卵
http://www.tentama.jp/

天使の卵―エンジェルス・エッグ 天使の梯子 ヘヴンリー・ブルー

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2006-11-08

DEATH NOTE デスノート the Last name

Note











L(松山ケンイチ)と月(Light)(藤原竜也)の直接対決。そして新たなキラ。原作とは違ったエンディング。「DEATH NOTE デスノート the Last name」(金子修介監督)は2時間20分、最後まで飽きさせることなく緊密に物語が進行していくというコミックの映画化としての最良の形を示してくれた。注・ここよりネタバレ多数。コミックとは違ってLと月(Light)の対立構図をラストまで持っていく事によって、月(Light)の死神リューク(Ryuk・中村獅童)、新たな死神レム(Rem・池端真之介)、レムによって死神目を持つキラの崇拝者、弥海砂(あまねみさ・戸田恵梨香)。コミックのいろいろなキャラを組み合わせて造形されたキャスター高田清美(片瀬那奈・次第にデスノートに絡め捕られていく)などの絡み合い方が見事なタペストリーを織りなす構成。そしてリュークによって用意された「死」ではなく「無」…。色彩設計もセット、衣装、全てが対立的な暖色と寒色、Black&Whiteなどに類型化されている。上記写真は夏に行われた放送局のイベントで展示されていたもの(既にレムもありました)

これも対立!?
超甘党Lが食べ続けているのが「前編」が洋菓子、「the Last name」が和菓子という構図も面白い(嗚呼、蓬餅、みたらし団子…)

ラストカットについて(思うこと)
ラストシーンは東京タワー前を飛び回るリュークではなく、ひとつ前の夜神総一郎と娘・粧裕が雪の中を歩いていき、弥海砂がベッドの上に寝転がり窓に映る同じく雪の東京のシーンのカットで終わってもよかったかも(そしてレッチリの  
「スノー」が始まる)。う〜ん、しかしそれでは少し弱いのかな…。

DEATH NOTE -デスノート-
http://wwws.warnerbros.co.jp/deathnote/

DEATH NOTE DEAD OR ALIVE ~映画「デスノート」をアシストする特別DVD~ 映画「デスノート」オリジナル・サウンドトラック SOUND of DEATH NOTE

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2006-10-29

「トンマッコルへようこそ」へ、ようこそ

久石譲の音楽、いいなぁ〜、ということで「トンマッコルへようこそ」へ、ようこそ。物語朝鮮戦争のさなか「子供のように純粋な村」トンマッコルに6人(3つの軍)の敵対する兵士が迷い込む。彼らは最初こそ諍いが絶えなかったが村人たちの、ゆったりマイペースな生活に戦争の愚かさを感じていき、次第にうち解け笑顔を取り戻していく。しかし、そんな村にも戦争の影が…。注・ここより内容に触れています。ドッカ〜ンときた後のポップコーンの雨、突然のイノシシ襲来とそのオチ、そのまたオチ(夜中にぞろぞろと…考えることは同じなんですねぇ〜)、斜面滑りなどなどトンマッコルで起こる出来事全てが、おもしろおかしく楽しい。監督は新人にしていきなり大ヒットをとばしたパク・クァンヒョン。カン・ヘジョン演ずるヨイルが花を添える(「まぼろしの市街戦」のように)。墨絵風タイトルバックやラストシーンの雪の中から蝶が舞い上がっていくシーン(まるで無邪気にじゃれあって遊んでいるかのように)も素敵。

トンマッコルへようこそ

http://www.youkoso-movie.jp/

トンマッコルへようこそ 「トンマッコルへようこそ」オリジナル・サウンドトラック

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2006-10-25

父親たちの星条旗

戦争を終わらせた一枚の写真。その真実。クリント・イーストウッド監督・硫黄島2部作のアメリカ側から描いた作品「父親たちの星条旗」(脚本・ポール・ハギス)を見た。注・ラストシーンに触れています。製作・S・スピルバーグということで、すぐに「プライベート・ライアン」をイメージしたが実際は「ライトスタッフ」の方が「英雄」に祭り上げられ国家に奔走されていくというプロットにピタリとはまる(もちろん彩度を落とした戦闘シーンも、きっちりと描かれています)。実際、硫黄島の戦闘のことは激戦であったことだけが語られるぐらいで日米ともに「そこで何が行われたか」を知らない、そのことを踏まえた上で双方からの視点で描こうとするイーストウッド監督の真摯な姿勢が伝わってくる一作(全体の批評は12月に公開される「硫黄島からの手紙」を見た上で改めて記載します)。
ラストシーンの頂上から降りてきた兵士たちが海に入ってはしゃぐ、つかのまの解放された姿。上品で詩的、そして秀逸な終わり方だと思います。

父親たちの星条旗 | 硫黄島からの手紙
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/

Flags of our Fathers [Soundtrack] 父親たちの星条旗

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2006-09-09

沢尻エリカ、関西弁再び「手紙」

沢尻エリカの関西弁と山田孝之の漫才、玉山鉄二の坊主頭。東野圭吾の「手紙」が映画化された。注・ここより物語とラストシーンに触れています。ファン投票で必ずベスト5に入る人気作「手紙」(未読です)。暗い話だといやだなぁ〜と思って見始めると、これが実に手際よくまとめられていて驚きました。監督はTBSで1978年から現在まで(本当に)多数のTVドラマを演出してきた生野慈朗。(「3年B組金八先生」「ずっとあなたが好きだった」「Beautiful Life」「オレンジデイズ」に至るまでプレスの演出作リストを見てビックリ)

手紙

弟・直貴(山田孝之)を大学にやるための学費ほしさに盗みに入った邸宅で、誤って人を殺してしまった兄・剛志(玉山鉄二)。もし身内から犯罪者が出た時、その家族は…。世間の偏見の中で彼を支え取り巻く人々。唯一心を開く子供の頃からの親友そして漫才の相方・寺尾(尾上寛之)、直貴を日の当たる場所へ引きずり出していく由美子(沢尻エリカ)、はかない幻想とわかりつつ心惹かれていく朝美(吹石一恵)との恋。そして劇中、最も胸に突き刺さる言葉を語る直貴の勤める会社社長(杉浦直樹)。直貴と剛志。ふたりを繋ぐのも苦しめるのも塀の中から届き続ける「手紙」…。

たぶん公開時に話題になる「パッチギ!」に続く沢尻エリカの関西弁(「あっ!あのままやん」)とメガネ姿(と、初母親役)。最初は違和感があったけれど見ているうちに意外にはまっている山田孝之の漫才シーン(漫才というところがラストにいきてきます)。そして弟の回想シーンをのぞいて、ほとんど一人芝居となる玉山鉄二(「手紙」の内容を語るナレーションもいい)。三者三様の持ち味が出た好編。

付記
エンディングの刑務所内での漫才シーンで流れる小田和正「言葉にできない」の入るタイミングが公開版と違うらしく、確かにそこで微妙に印象が変わるかも…。(もしかすると9月13日頃から始まる試写で変わっているかもしれません)

付記2
沢尻エリカと尾上寛之は「パッチギ!」再共演、山田孝之と尾上寛之は「白夜行」再共演ですね〜

「手紙」公式サイト
http://www.tegami-movie.jp/

パッチギ ! プレミアム・エディション パッチギ ! スタンダード・エディション パッチギ! (HD-DVD)

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2006-08-06

「デスノート」等身大リューク

11月に注目の後半が公開予定の「デスノート the Last name」。テレビ局のイベントで等身大のリュークや本物( !? )の「デスノート」が展示されていました。こちらは、その画像。

D_note1















D_note2
















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2006-08-02

灯りと希望と「大停電の夜に」

大停電ということで、まったくの暗闇とキャンドルの灯りのイメージかなぁ〜と思っていたら各シーン、色とりどりの色彩に誇張されていました。妻から思わぬ告白を受けた夫が我を忘れて家を飛び出した先で車を拝借する駐車場は極端なぐらいに真っ赤、モデルが失望の末にたたずんでいる病院の屋上も普通なら非常灯のがぽつぽつ、あるぐらいのところに更にのネオンが反射され濃いレッドオレンジに。また、従業員とOLが閉じこめられたホテルのエレベーターの中はグリーン、産気づいた妊婦をおぶっていく地下鉄のトンネルはイエローグリーンと、バリエーション豊かで、あきさせません。もちろん、キャンドルの灯りを通しての撮影も綺麗でした。撮影はフランスで活躍している永田鉄男。(「アメリ」のジャンピエール・ジュネや「ドーベルマン」のヤン・クーネンらとミュージックビデオやCMの仕事で組む2002年セザール賞・最優秀撮影賞)

大停電の夜に オリジナル・サウンドトラック 大停電の夜に スペシャル・エディション (初回限定生産)

美術監督は都築雄二(「ホテルビーナス」や「茶の味」「恋の門」など)映画中に登場するバーの店内、キャンドルショップ、その二軒の外観と通りなどのデザインは、この人。(このセットデザイン自体も出演者と呼べるぐらいの役割を果たしていました。店の脇に階段がありますが、それがまたラストに活きていたんですよね)。挿入曲はBILL EVANSの「MY FOOLISH HEART」(これは豊川悦司演ずるマスターが経営するバーの名前になっていました)。映画とは関係ありませんが、その「MY FOOLISH HEART」が素晴らしいエディ・ヒギンズ&スコット・ハミルトンのアルバムがこちら。

マイ・フーリッシュ・ハート

神戸ルミナリエが初めて開催されたのは阪神・淡路大震災が起きた1995年の12月でした。その頃はまだ解体される途中のビルや空き地も多くて通りを照らす明かり自体が少なく、どちらかというと街全体が暗い感じでした。そんな中で点灯されたルミナリエの美しさは、まさにこの「大停電の夜に」のキャンドルの灯りのようでした。灯りが浮かび上がらせる「希望」のようなもの‥。そんなことを、ふと思い出させてくれた映画でした。

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2006-07-25

トリコロール 青の愛・白の愛・赤の愛

フランスの国旗を構成する3色、。それぞれの色はフランス革命の精神、自由・平等・博愛をあらわしていると言われています。その3色をモチーフとした3本の独立した映画にして三部作。3本全てを監督するのはポーランドのクシシュトフ・キエシロフスキ監督。(「世界の中心で、愛をさけぶ」の行定勲監督や「LoveLetter」の岩井俊二監督など、多くの映画監督にRESPECTされています。尚「トリコロール三部作」はキェシロフスキ監督の遺作となりました)それぞれ3本の映画にはテーマに沿ってジュリエット・ビノシュ、ジュリー・デルピー、イレーヌ・ジャコブが主演をつとめました。

トリコロール・青の愛
ジュリエット・ビノシュ演じる作曲家の妻、ジュリーはある日突然、愛する夫と娘を事故で失ってしまう。ジュリーは自殺を図るが死にきれず葛藤の末、新たな人生をスタートさせ絶望の淵からジュリーは夫の意志を継いで未完成だったコンチェルト曲を完成させようと試みる。そんな矢先、死んだ夫に愛人がいたことに気づきジュリーは‥‥

トリコロール/青の愛

トリコロール・白の愛
性的不能に陥った夫との結婚生活に嫌気がさした妻ドミニク(ジュリー・デルピー)は裁判所に離婚請求を申し立てた。妻に捨てられ、失意のうちに母国ポーランドに帰った夫は新たなビジネスで大成功。そして、別れた妻と再会したい一心である大芝居に打って出るのだが‥‥

トリコロール/白の愛

トリコロール・赤の愛
大学に通うかたわらモデルの仕事をしているバランティーヌ(イレーヌ・ジャコブ)はある日、誤って車で犬をはねてしまう。首輪から飼い主は初老の退官判事だとわかり、自宅まで訪ねていくと、彼は一日中電話の盗聴をして過ごしていた。バランティーヌは盗聴をやめるように懇願するが「これが自分の生活だ」と取り合わない。それから、しばらくしてバランティーヌは彼が盗聴の罪で起訴されたことを知り再び、訪ねていくと男の意外な過去を知る‥‥
〜ここまで初公開時のフライヤーより引用。

トリコロール/赤の愛

物語の舞台はそれぞれ、パリ、ワルシャワ、スイスとモチーフによって分けられています。また、映画それぞれの物語もクールな風合いの「青の愛」皮肉が効いた「白の愛」暖かさのある「赤の愛」とそれぞれのテーマ「自由」「平等」「博愛」にそって綴られています。
もちろん、画面には各タイトルの色に関係あるオブジェや処理がちりばめられています。例えば「青の愛」では最も印象的な「青いプール」や「青いファイル」「青い窓」「青いガラス玉のモビール」などなどが象徴的に使われています。さらに「白の愛」ではウェディングドレスの白、「赤の愛」ではバランティーヌの街角に飾られる広告の大幕の真紅の色といった具合にさまざまです。

キェシロフスキ監督は常に「運命」と「偶然」にまつわる物語を描き続けてきましたがこの「トリコロール三部作」でも多くの「運命」と「偶然」が描かれています。中でも三部作最後を飾る「トリコロール・赤の愛」のラストはそれまでの「青の愛」「白の愛」をつなぐ素晴らしい「運命」と「偶然」が用意されています。(これは、これからご覧になられる方がいるかもしれませんので記載いたしません。尚、もしご覧になる場合はの順に見ることをオススメします)

トリコロール/青の愛 トリコロール/白の愛 トリコロール/赤の愛

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2006-07-20

しみじみと「東京日和」

前述(「竹中さんと知世ちゃん」2006-04-14)で取り上げた「サヨナラCOLOR」も素敵な映画でしたが、この「東京日和」も、しみじみと「あ〜いいなぁ〜」と心から思える作品でした。

竹中直人が散歩の途中に立ち寄った本屋で手にした写真家・荒木経惟+陽子夫妻のフォトエッセー集「東京日和」を元に映画化。(荒木氏の写真と90年に他界した陽子さんのエッセーによって構成された本は「夫婦で歩いた楽しくも、切ない東京の記憶」を封じ込めたものとなっている)。映画自体はその写真集「東京日和」の骨格を借りて別の人の人生として描いている。

東京日和

主人公の写真家・島津巳喜男を竹中直人、その妻ヨーコを中山美穂。(演じる中山美穂がえもしれぬ存在感と透明感で最後まで映画のトーンをひっぱっていってます)

他の出演者に松たか子、三浦友和、浅野忠信、内田也哉子、田口トモロヲ、鈴木砂羽、中島みゆき(「サヨナラCOLOR」にも出ていて竹中組の常連ですね)など多彩。(荒木経惟も車掌役で特別出演しています)スタッフも監督・竹中直人、脚本・岩松了、音楽・大貫妙子、サウンドトラックのオーケストレーションには坂本龍一も参加と、豪華な組み合わせが実現。

この映画で出てくる島津のマンションと室内のセットがとてもキレイで、特に色彩が時間によって変わっていく様が特筆ものの出来映えです。(これは撮影と照明の共同作業によって、時刻、天候によってベランダから見える景色が変わるように組み立てられたそうです)。また、衣装に北村道子が参加(近作に「メゾン・ド・ヒミコ」! )。コム・デ・ギャルソンが使われたシーンもあります。更に映画の中に多くの花が登場するのですが、それらを専属のフラワーコーディネーターが担当しひまわりあじさいなどで美しく彩っています。そして、現在では既に撮影時とは様変わりしつつある東京のロケ地の数々が本当に美しさに溢れていました。(特に有楽町、銀座、東京ステーションホテル丸の内など)

東京日和

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2006-07-15

細田守監督の「時をかける少女」

まるで映画自体がタイムリープ(時間跳躍)しているかのように、時代の空気を取り込みながら過去6回実写映画化されてきた筒井康隆原作「時をかける少女」。一番有名なのは1983年・原田知世主演で映画化された大林宣彦監督版ですが今回、細田守監督の手によって初のアニメーション化。これが、もう最高によかったのですよ、ホント。あ〜すっがすがしい〜って感じ。既に各メディアでも言及されている通り主人公・紺野真琴の声を演じた仲里依紗(なか・りいさ)のボイスキャスティングが功を奏した好感の持てる一作となっています !! ちなみに真琴の叔母として原作の主人公・芳山和子(声・原沙知絵)が登場 ! (確かに年数も合う!!)。今日15日から全国順次公開 !

時をかける少女
http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/

WEBアニメスタイル_TOP
http://www.style.fm/as/index.shtml
監督の絵コンテや対談記事が読めます。

時をかける少女 時をかける少女
時をかける少女 限定版 時をかける少女 通常版

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2006-07-14

都市とモードのビデオノート

ヴィム・ベンダース監督がファッションデザイナー、山本耀司に関する映画を作ってほしいとポンピドゥー文化センターから依頼を受け作成したシネ・エッセー「都市とモードのビデオノート」(公開時の表記はヨージ・ヤマモトではなく山本耀司)。舞台は1987年、秋のパリから88年7月の東京、そしてルーヴル宮でのコレクション発表の秋のパリと約1年にわたって撮影された。

当時ヴェンダース監督はビデオを「敵視」していたが、はじめて映画に導入することとなり、それをどう扱うかが大きく注目されていた。(当時のビデオとは8ミリビデオの事を指しておりデジタルビデオやHDビデオなどの影も形もないホントに今と比べるとウソのように画質の悪いものでした。まさか「スター・ウォーズ」のように丸々一本、映画がとれるなんて誰もイメージしていない時代でした。この作品以降、ヴェンダース監督は積極的にビデオカメラや最新の器材を使用するようになり、後に全編DIGITAL CAMERAで撮影した音楽映画の傑作「ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ」が生まれた)映画はこのフィルムとビデオの間で揺れる監督とモードの仕事でかかえる矛盾と未来(流行とクラシック)の間で葛藤するデザイナー・山本耀司とが重なり合って、今までに例をみないファッションドキュメンタリーとなっている。

都市とモードのビデオノート デジタルニューマスター版

ヨージ・ヤマモトというと、既にその当時Y'sなどにおいて代表されるように黒のイメージが定着していた。その黒という色に関して映画の中でこんなことを言っていました。〜「服作りということで言えば私にとっては単純なのです。私がつくりたいのはシルエットや形(フォルム)なので色は必要ないのです。の生地は生地でしかない。何らかの色がついていると、そうした色によってさまざまな感覚や感情がついてきてしまう。それがうるさいのです。〜中略〜 時にはが色彩の行きつくところになる。色を混ぜて混ぜていくとになる。この感じがすごくおもしろいのです」〜 映画は仮縫いやリハーサル風景など、克明に写し出していて、最後まで興味深いものとなっていました。

付記
近年、ヴェンダース監督は16日間という短期間で傑作「ランド・オブ・プレンティ」を、やはり全編DIGITAL CAMERAで撮影しました。

ランド・オブ・プレンティ スペシャル・エディション ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ

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2006-07-01

「ダメジン」今日から公開 !!

何回か取り上げた三木聡監督・事実上のデビュー作「ダメジン」が今日から公開です(テアトル新宿1日2回上映・ほか順次公開)。何故、これが「お蔵入り」していたのかと思う豪華な俳優人。インドとジャージとユルユルと、いった趣の脱力パワー全開の作品です。し、しかし「ゴールデンチャイルド」って‥。ちなみにテアトル新宿では上下ジャージ姿割引有り!!ブログに書かれている監督の小ネタ&「めんこ」付きパンフレットも楽しみ!

前回の記事
2006-06-20
続・市川実日子と「ダメジン」と三木聡

映画『ダメジン』公式サイト
http://www.damejin.com/
ブログ有り

時効警察 DVD-BOX