2017-05-31

『パーソナルショッパー(Personal Shopper)』オリヴィエ・アサイヤス監督、クリステン・スチュワート、他

パーソナルショッパー
Personal Shopper

監督 : オリヴィエ・アサイヤス
出演 : クリステン・スチュワート
シグリッド・ブアジズ
ノラ・フォン・ヴァルトシュテッテン
ラース・アイディンガー、他

物語・パリで、多忙な人々の買い物を代行するパーソナル・ショッパーとして働くモウリーン(クリステン・スチュワート)は、数か月前に双子の兄を亡くし悲しみに暮れていた。そんな折、携帯電話におかしなメッセージが届き、さらに不可解な出来事が発生し…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Ps

Memo
「他の誰かになりたい?」
"忙しいひとの代わりに"買い物をすることと"誰かを見えない何かを引きつける"霊媒体質とが合せ鏡のようになっている。
画面を見ている観客自体が目撃者であるような映画的話法。
(ルイスの姿らしき者が見えたのは映画を見ている観客だけ)
スコープサイズ、35mmフィルム撮影。
"ゴースト"もまた光の変種とするならばフィルム撮影は適していると思う。
3ヶ月前に心臓麻痺で急死した兄との「先に亡くなった方が、向こうから合図を送る事にしよう
その約束自体がモウリーンをパリに縛り付けている。
見方によっては兄が妹であるモウリーンを呪縛から解くために導いていく(後述、インゴによる事件への巻きこまれも含め)話とも読み取れる。
実際に存在する画家、ヒルマ・アフ・クリント(没後20年まで作品を公表しないようにとの遺言も)。そしてヴィクトル・ユゴーが行ったテーブルターニング(音の回数によってイエス、ノー、アルファベットを印す)
さらには、かつて住んでいた家でのエクトプラズムを吐く亡霊との遭遇(階段の途中の引っ掻いたバツ印とテーブルに残されたバツ印の符号、ここ1番怖かった…)
そういったオカルティックな雰囲気が見ているこちら側も"気分としての加担者"たらしめている要因。
兄もその彼女ララも新しい彼氏も、そしてモウリーンも彫刻や絵を描くという芸術的行為に関係している。
もしかして、ここ笑うところ?と思ったのが謎の送信者とのメッセージのやりとりで「怖いものはあるか」に対しての返信が「ホラー映画」って‥…体験している事の方がよほど怖い。
キーラが殺害され(犯人はキーラの不倫相手インゴであることは早い段階で明確だ。ただ、前述のとおり散りばめられたオカルティック雰囲気により何か"別のもの"の犯罪の匂いがするようには見える流れがある)
自分に殺害の容疑がかけられるように仕組まれた罠としてのカルティエのアクセサリーが入った紙袋。
最初に部屋に尋ねてきたのは(メールメッセージで"もう下に来ている""階段をあがっているぞ"などが続々着信する)実はルイスではないのかと思われる。
というのも、モウリーンは全くインゴと顔を合わせていない。
透明人間が歩いて行くように写される、廊下、エレベーター、入口のドアのシーンのあと、ディレイされて描かれるインゴの慌てたように同じところを通って行く場面が続く。
(最後はホテル前でインゴを捕まえようと警察が現れる)
兄が妹を助けたともとれる描かれ方。
ラスト
パリを出て、彼のいるオマーンへ到着したモウリーン。
ララの家に現れたガラスコップが割れた時と同じ現象が、ここでも。
「ルイス?ルイスなの」
ドン(Yesを標す1回だけの激しい音)
いくつかのやりとりがあって…
「全部、気のせい?」
ドンと1回、激しい音
エンドクレジットへ
(なんとも皮肉が効いているし、開放された感じもあるし、宙ぶらりんにされたような気になる面白いラスト)
クリステン・スチュワートはアサイヤス監督『アクトレス〜女たちの舞台〜』に続いての起用。撮る監督によって女優の雰囲気が変わることはよくあると思うけれど、それもまた女優としての"同化憑依体質"を呼び起こす監督との共犯関係のひとつとも言えるかもしれない。

Ps3

日本版含め3種類のポスター。
クリステン・スチュワートのポーズは同じだが、座っている場所がそれぞれベッドや違う種類の椅子になっている。

映画『パーソナル・ショッパー』公式サイト
http://personalshopper-movie.com/

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2017-04-02

"どうしてこんなに悲しいんだろう"『パンセ』木皿泉脚本、Perfume(あ〜ちゃん、かしゆか、のっち)、勝村政信、片桐はいり、古舘寛治、大島蓉子、他、エンディングテーマ・吉田拓郎

パンセ

脚本 : 木皿泉
監督 : 後藤庸介
出演 : Perfume
(あ〜ちゃん、かしゆか、のっち)
勝村政信、片桐はいり
古舘寛治、大島蓉子

Pensee

Memo
『パンセ』パンジー(三色すみれ)の語源(フランス語の思考・思索)。
力丸がテントの中で読んでいたのはパスカルの『パンセ』
(公開中のミア・ハンセン=ラブ監督『未来よ こんにちは』にもパスカルの『パンセ』が出てくるのは、よくできた偶然?)
主題歌(エンディングテーマ)も、てっきり主演のPerfumeかと思っていたら、拓郎さんの『どうしてこんなに悲しいんだろう』だった。
間のCMもオランジーナ先生『結婚しようよ』が流れて、なんと"春の吉田拓郎まつり"に。
公式サイトに掲載された拓郎さんのコメント
「古い曲です。でも僕の大切な青春の大切な曲です。この曲の存在に気がついてくれて有り難う」
さらに公式サイトによると脚本には最初から「「音楽、忍び寄る。『どうしてこんなに悲しいんだろう』(吉田拓郎)」と書かれていて、音楽までも当て書き?(スゴイ!)
いろいろな場面
・ドラマでもあ~ちゃん必殺の広島弁。
(木皿泉脚本は基本当て書きということを考えると、最初から"広島弁"そのままで書かれていたのですね)
・片桐はいりさん→役名が南野その…って 笑
「チャウチャウちゃうちゃう」
・出汁を取るのは、きっちり"いりこ"
・相撲をムード音楽をかけながらテレビ観戦
「なにしはるんどすぅ〜。かんにんしとくなはれ」笑
(確かに怪しい)
・両親から届いた宅配便。
レモンと一緒に届いた手紙を朗読するあ〜ちゃん
かしゆか、のっちが「カノン」をハミングでバックグラウンドミュージックとして歌う。
力丸「だから音楽付けるなって」
(レモン片手って「ザ・テレビジョン」? 笑)
ホント!これ連ドラにならないかなぁ
いろいろ台詞(前編と後編ミックス)
力丸の部屋を見てのセリフ
「スノードームの中にいるみたい」
前編ラスト
「わたしも力丸はババじゃないと思う」
3枚のトランプを前に。
「ひいてみて」
「何?」
「ハートのエース」
ここで、いいタイミングで拓郎『どうしてこんなに悲しいんだろう』のイントロが始まる。(もう、本当にこれいじょうないタイミング)
ちなみに『どうしてこんなに悲しいんだろう』のバージョンはアルバム「明日に向って走れ」収録のもの。
後編の『どうしてこんなに悲しいんだろう』は2番が使われていて、これまた「おかえりなさい」と遂に外へ出た力丸がおみやげに買って帰った4つのイチゴショートケーキシーンにピッタリ!
最後の最後に出てくるカレンダーに書かれた言葉はパスカル『パンセ』より
われわれの本性は、
運動のうちにある
完全な静止は死である
これは924のことばを集めた著作準備のための草稿ノートの129番
Notre nature est dans le mouvement; le repos entier est la mort.
ちなみに前編、最初の言葉はこちら。
(6日と7日に分けられている)
人間は、
死と不幸と無知とを
癒すことが
できなかったので、
幸福になるために
それらのことについて
考えないことにした
ドラマ根幹(だと思う)セリフ(モノローグ)
「この家に越してきて願うことが増えた」
「わたしがどんなときも人のために願えるひとでありますように」

ドラマスペシャル【パンセ】 | テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/pensees/

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2017-03-30

タイトルデザイン_50 Picture Mill『パッセンジャー(Passengers)』モルテン・ティルドゥム監督、クリス・プラット、ジェニファー・ローレンス、他

注・内容に触れています。
パッセンジャー
Passengers

監督 : モルテン・ティルドゥム
出演 : クリス・プラット
ジェニファー・ローレンス
マイケル・シーン
ローレンス・フィッシュバーン、他

物語・近未来、5,000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が、人々の移住地に向かうべく地球を出発。到着までの120年、冬眠装置で眠る乗客のうちエンジニアのジム(クリス・プラット)と作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)だけが、予定より90年も早く目覚めてしまう。絶望的な状況を打破しようとする二人は、次第に思いを寄せ合うものの、予期せぬ困難が立ちはだかり…。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Pass

Memo
孤島ひとりぼっち。バレーボールを相手にトム・ハンクスが2時間もたせた『キャスト・アウェイ』のような展開で進むかと思いきや、いろいろあって最後まで結構楽しい(科学的にどうのこうのは置いておいて)
その宇宙船ひとりぼっち、ジムを演じたクリス・プラット。
ほんとうに一枚看板のスターになったんだなー、と感慨深い序盤。
ジェニファー・ローレンス演じる、もうひとりの主人公オーロラという役名は『眠れる森の美女』のお姫様から?
『タイタニック』かと思いきやダグラス・トランブル監督『サイレント・ランニング』を想起した。
特にラスト。
ヒューイとデューイはいないけれど船内全体が完全緑化。
あと、原題がPassengersなのに何故『パッセンジャー』かと思ったら、先にアン・ハサウェイ『パッセンジャーズ』があった。
もうひとつ、予想していたことと違ったのはオーロラのコールドスリープを解いたのはジムだったということ(てっきり同じように隕石衝突による事故によるエラーかと思っていた)。そして中盤、乗組員のガスが目を覚まし船内には3人(正確にはアンドロイド・バーテンダーのアーサーもいる←多くの方が指摘している通りの『シャイニング』オーバールックホテルのバーのイメージ)となること。
クリス・プラットひとり芝居(ほとんど20分間はクリス・プラットを愛でるかのような…って、あの髭はいくらなんでも…笑)からのジェニファー・ローレンスとの2人芝居、そして…。
ラスト。
おややや!?
移住する惑星に近づき5000名の乗客のコールドスリープが解け、船内中央広場のシーン。
まず先頭で入ってきたキャプテンの顔が、まさかの…
で、エッ!?と思いつつ、エンドクレジットで確認してひっくり返ったアンディ・ガルシア(あれだけの出演シーンで、このクレジット表記とも思った)
タイトルデザイン関連。
・Main Title > Picture Mill
http://picturemill.com/passengers/
・additional editor: End Title Sequence
> Dustin Frost
・End Title
> SCARLET LETTERS

映画『パッセンジャー』 | オフィシャルサイト
http://www.passenger-movie.jp/

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2017-03-19

"ココロネひとつで人は空も飛べるはず"『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』原作・脚本・監督 : 神山健治、高畑充希、他

注・内容に触れています。
ひるね姫 ~知らないワタシの物語~

原作・脚本・監督 : 神山健治
出演(Voice Cast) : 高畑充希
満島真之介
古田新太
釘宮理恵
高木渉
前野朋哉
清水理沙
高橋英樹
江口洋介、他

Hirune1

Memo1
早くも今年の本ブログ"日本映画・お気に入りベストテン"!
"ココロネひとつで人は空も飛べるはず"
(↑パンフレット表記もそうですが、ここはあえてカタカナで)
既視感あれど、この手の話はめちゃくちゃ好き!
あまり情報を入れずに見た方が面白さ倍増。
(予告編やTV特番などは後で見るパターンでなるべく遮蔽して見た)
前に座っていた、かなりご年配の方2人連れも「楽しかった〜」って言ってたから、これはホントそういう映画。
宮崎駿監督作品、エヴァ、ベイマックス、メトロポリス(手塚治虫原作・りんたろう監督版)、スチームボーイ…などなど、既視感があるのはあたり前。
(いや、あえて狙っている?とさえ思える)
なんといってもそれらの作品などに深く関わってきたそうそうたる面々によるクリエイトチームなのだから。
ファンタジー要素と"SFみ"が入り交じったおはなしのように見えて実は"家族の物語"
ラストはそれまで森川モータース前の道(表側)からのシーンばかりだったのが、一転して縁側のある森川家の庭側でココネ、モモタロー(父)、一心(祖父)の3人がスイカを食べるシーンでエンディングを迎える。
ココネの台詞。
「ほんならお母さんのこと、もっと知りたいし大学どこにするか目標できたけん、これからちょくちょく東京行くな、そんときはよろしく。お祖父ちゃん、お父さん」
"コニー・ウィリスみ"を感じた…と、思っていたら以前『この世界の片隅に』の片渕須直監督がtwitterで"時の流れを感じる10の小説"でコニー・ウィリスをあげられていて『アリーテ姫』のキャラクターデザインが森川聡子さんだった!ということを思い出した(しかも『アリーテ姫』ご覧になった方は解ると思いますが「科学」と「魔法」…)
と、いうことで本作に感じた"コニー・ウィリスみ"や"マイクル・コーニィみ"とか"梶尾真治さんの『美亜へ贈る真珠』み"とかの(同じという意味ではないが)空気のようなものが自分の好みとピッタリ!
べワンが倒される時の音がトイレの水を流す音に聞こえたけれど、実際にそう?(現実世界の渡辺一郎はどーなったと思うけれど、まあトイレに流されたので、その辺は"水に流そう"…というのは冗談で現実世界で捕まったシーンなどは、あえて入れなくてよかったなー、と思っている次第)
整合性がないとかつじつまが合わないとかは、どーでもよくて後述パンフで上橋菜穂子さんが書かれているとおり心地よさという映画全体の醸しだす雰囲気がほんとうに素晴らしい。
そして、これは"夢のおはなし"。
さらには見る側の(文字通り、ここは漢字で)"心根"(こころね)に残る"忘れられないおはなし"なのですから。

Hirune2

Memo2
パンフレットには監督インタビューの他にキャストインタビューが5P
スタッフインタビューが8P
レビューは『精霊の守り人』原作の上橋菜穂子さん。
高畑充希さんが主人公・森川ココネとして歌う『ディ・ドリーム・ビリーバー』歌詞。
その歌が流れるエンディングは、まさに歌詞と一体化した母イクミの物語(そして父・モモタローとどうやって知り合ったかもわかる)
主題歌予告(デイ・ドリーム・ビリーバー)
https://www.youtube.com/watch?v=ztm99tdbs

映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/hirunehime/

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2016-12-29

『ヒッチコック/トリュフォー(Hitchcock/Truffaut)』ケント・ジョーンズ監督、マーティン・スコセッシ、デヴィッド・フィンチャー、黒沢清、他監督多数

ヒッチコック/トリュフォー
Hitchcock/Truffaut

監督 : ケント・ジョーンズ
出演 : マーティン・スコセッシ
デヴィッド・フィンチャー
アルノー・デプレシャン
ウェス・アンダーソン、黒沢清
ウェス・アンダーソン
ジェームズ・グレイ
オリヴィエ・アサイヤス
リチャード・リンクレイター
ピーター・ボグダノヴィッチ
ポール・シュレイダー

Ht1

Ht2

Memo1
堪能した!
(そして短い!延々と見ていられる。もし完全版なるものが存在するならば、是非Blue Ray化などの際に出してほしい!)
そして、これは世にも珍しい『映画術』という本(名著)についの考察およびメイキング(この場合メイキングと呼ぶのはおかしいけれど…)
ポール・シュレイダー監督がマーティン・スコセッシ監督と一緒に見たと語っていた『めまい』
(当時はビデオもなく、ましてや上映されることもなかったので海賊版の16ミリフィルムをくいいるように見たとも)
ビデオが無い→つまりは映画館にかけられた時にしか見られない!→「映画術」掲載の『サイコ』シャワーシーン連続写真や『知りすぎた男』のカット写真、『鳥』絵コンテなどの貴重なこと貴重なこと。
パンフレットに滝本誠氏が書かれていたけれども、ヒッチコックとトリュフォーの生々しい声(合間に漏れた喘ぎ声のようなものなど)が本作の、まさに貴重なる肝だと思える。
ラストの記念撮影のやり取りなどもボツになったコマ部分も見せつつ、とても面白い。
ヒッチコック作品、ロードショー公開時にリアルタイムで見られたのは『ファミリー・プロット』が最初にして最後。
(現在のTOHOシネマズ梅田の地に、かつて華々しく構えられていた旧・北野劇場で)
あと、当時はヒッチコック側(ヒッチコック財団)が権利を保有していて公開されていなかったカラー5作品(『めまい』『裏窓』『知りすぎた男』『ロープ』『ハリーの災難』)が見たくても見られない渇望状態だったので1984年にヒッチコックフェスティバルと銘打たれて公開されたときは小躍り状態だった、と記憶(それは世界的なことで本編中スコセッシ監督が海賊版と思しき状態で見た話を語っている通り『めまい』などは本当に幻。
小林信彦さんのコラムを遡って読むと『サイコ』や『北北西に進路を取れ』『鳥』などの当時のリアルタイムな世評、状況なども含めて垣間見ることができる。

Fp

Memo2
いくつかの興味深いリンク
(2016年12月時点でのリンク切れ無し確認)
淀川長治 解説 "めまい"(動画)
https://youtu.be/pKakG8WAFR0
黒沢清監督「映画の全てが込められている」
『ヒッチコック/トリュフォー』トークショー
(動画)
(於 : Tokyo International Film Festival)
https://youtu.be/fDJQSX1-lcs
映画『ヒッチコック/トリュフォー』
K・ジョーンズ監督が選ぶ、自分に影響を与えた映画5本
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/27280

映画『ヒッチコック/トリュフォー』公式サイト
http://hitchcocktruffaut-movie.com/

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2016-10-13

『BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(The BFG)』スティーヴン・スピルバーグ監督、マーク・ライランス、ルビー・バーンヒル、他

BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント
The BFG (2016)
Director : Steven Spielberg
Writers : Melissa Mathison (screenplay),
Roald Dahl (book)

Thebfg

※Memo
『チョコレート工場の秘密』(ティム・バートン)『ファンタスティック Mr.FOX』(ウェス・アンダーソン)『ジャイアントピーチ』(ヘンリー・セリック)『マチルダ』(ダニー・デビート)とロアルド・ダールが書いた原作(児童文学)へのアプローチの仕方が各監督によって違っているのも興味深い。
スピルバーグはまさにド直球な形でのファンタジー(『フック』以来!)
"For our Melissa"
脚本メリッサ・マシスンというエンドクレジットにジーンとする。
(ちょっと『E.T.』想起のシーンもあったりして更に…)
BFGを演じたマーク・ライランスのまなざし、声が素晴らしい!そして、ソフィーを演じたルビー・バーンヒルの実にイキイキとしたこと。
デビュー初劇場公開作から現在に至るまでリアルタイムで見続けている監督は誰だろう?と思って考えてみるとスピルバーグ監督作品がそれにあたる。
(『激突!』は淀川長治さんによる名解説TV放映後、今は閉館した梅田コマゴールドで見た!『続・激突カージャック』は阪急プラザ劇場『ジョーズ』は梅田東映パラス『未知との遭遇』はOS劇場と作品と映画館が結びついた形で記憶されているのも印象深い)
映画を見始めた時期、ヒッチコックもビリー・ワイルダーも劇場で新作として見られたのは『ファミリープロット』『フロントページ』のそれぞれ1作品ずつ(まさにすべりこみ)という中、ずっと撮り続けコンスタントに新作として公開されるスピルバーグ作品を見られることは幸せなことである。
Main and End Title Design
Scarlet Letters
http://scarletletterstitles.com/Our-Services/Main-Titles/Projects/159

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント
http://www.disney.co.jp/movie/bfg.html

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2016-08-28

『ブルックリン(BROOKLYN)』ジョン・クローリー監督、シアーシャ・ローナン、エモリー・コーエン、ドーナル・グリーソン、他

ブルックリン
BROOKLYN

監督 : ジョン・クローリー
出演 : シアーシャ・ローナン
エモリー・コーエン
ドーナル・グリーソン、他

物語・アイルランドの町で暮らすエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、きれいで仕事もバリバリこなす姉ローズ(フィオナ・グラスコット)とは正反対だった。内気な妹の未来を心配するローズの考えもあり、エイリシュはニューヨークに渡ることを決意する。だが、田舎町での静かな生活とは全然違う暮らしが彼女を待ち受けていた。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Brooklyn

Memo1
シアーシャ・ローナンは(実年齢からみてもキャリアからみても)本当によい役を得たなぁ、と思う。
最初は(それは出自によるものだと思うけれど)愛想も悪く人との接し方もままならず、上司からは注意をうけていたエイリッシュ、フラッド神父のこころづかい、教会でのボランティア、簿記の学校へ通い始め、イタリアから移民してきたトニーとの出会いなどを経て次第にニューヨークでの生活に馴染むようになる。
入国管理局のブルーグリーンのドア(コートの色もグリーン!)を開けた、その先が白い光につつまれていて、いかにも新天地での夢と希望がこれから始まるのだという雰囲気が素晴らしい。
またエイリッシュが故郷をあとにしてニューヨークへ渡る際、船の同室女性にアドバイスをうけた事と同じように、ラスト、再びニューヨークへ戻る船のデッキで不安そうにしている、これから移民しようとする女性に入国審査のアドバイスをする円環構造もすごくよい(グリーンのコートではじまりペールエメラルドグリーンのカーディガンで終わる色の円環も)
下宿先の寮母キーオ婦人の的確な毒づき(笑)
(そして、よく人を見ている)
アイルランドと1950年代ニューヨークでの色彩設計の違い。
そのメリハリの美しさ。
全体的に彩度を抑えたアイルランドの住宅街、逆にウォームトーンで華やかなニューヨーク。
『アバウトタイム』『エクス・マキナ』など出演作の役柄がいつも"どーなる、ドーナル・グリーソン"と誰もが語るとおり、本作でも"エッ!?エイリッシュに選ばれるの、選ばれないの" "どーなるの?"というジム役を演じている。
水着の着替え方。
トニーと初めてコニーアイランドへ出かけた際に洋服の下に最初から水着を着ていくことを知らずにビーチで着替えるエイリッシュ。
アイルランドに帰国して親友ナンシーやジムたちとも馴染みの海へ出かける。その時、ひとりだけさっと洋服を脱ぎ水着になるエイリッシュ。(←ちょっと鼻高々 笑)
わざわざ呼び出して(エイリッシュがニューヨークでイタリア移民と結婚したことを小耳に挟んだのよと鬼の首をとったかのように)嫌味な言葉を投げかける食料雑貨店のミス・ケリー。
「今思い出したわ」
「ここはこういう場所だったことを」
(すぐに決心してニューヨークへ帰ることを決意するエイリッシュ。
「一番、早い便は?」)
ラストが鮮やか。
(エイリッシュがもたれかかっている壁にほのかにライトをあてて、少しそこだけ明るく見えるようにしているのもよい)
もう戻ってこないかもと思っていたトニーがエイリッシュを見つけ、同僚に工具を渡し嬉しそうに駆け寄ってくる。
抱き合うふたり。

Memo2
パンフレットが『バードマン』『グランド・ブダペスト・ホテル』と同じFOXサーチライトマガジンとして編集されたもの。
(マガジンとしての後半別記事も『ブルックリン』に繋がるものが多々)
衣装デザイナーはオディール・ディックス=ミロー
発想を広げるために参考にしたという、ふたりの写真家。
Elliott Erwitt オフィシャルサイト(日本語)
http://www.elliotterwitt.com/lang/ja/index.html
Vivian Maier
こちらはヴィヴィアン・マイヤー・サイト
http://www.vivianmaier.com/
Film Locations - On the set of New York
(現時点ではコニーアイランドのみ)
サイトの特性からみて、今後アップデートされ追加ロケ地が記載されるものと思われます。
http://onthesetofnewyork.com/brooklyn.html
BBC - Brooklyn - Writers Room
Nick Hornby (adapted from the novel by Colm Toibin)
脚本(英文)がPDFで読めます。
http://www.bbc.co.uk/writersroom/scripts/brooklyn
Title Design > Matt Curtis
(↓タイトル部分の画像あり)
http://annyas.com/screenshots/updates/brooklyn-2015-john-crowley/
(それにしてもMatt Curtis、最近のイギリス制作作品には必ずと言っていいほど携わっている)

映画『ブルックリン』公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/brooklyn-movie/

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2016-07-30

『ふきげんな過去』前田司郎監督、小泉今日子、二階堂ふみ、高良健吾、板尾創路、他

注・内容、台詞に触れています。
ふきげんな過去

監督 : 前田司郎
出演 : 小泉今日子二階堂ふみ
高良健吾、板尾創路、他

物語・東京・北品川に位置する食堂で生活している女子高生・果子(二階堂ふみ)の前に、18年前に他界したはずの伯母・未来子(小泉今日子)が突然現れる。とある事件によって前科持ちとなった未来子は果子の実母だと告白し、そんな彼女の登場に周りの家族はうろたえる。自分の部屋に住み込む空気を読めない未来子に、イライラする果子だったが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Kako

Memo
全体的に彩度を下げてレンズフィルター、オレンジをかけたような色調は好み。
そして、それはまた北品川の運河を行き来する"ここではないどこか"の曖昧領域な人たちにピッタリのトーン。
さらには、これはいい風が通り抜けるのだろうなぁー、と、思えるエジプト風豆料理店の雰囲気や2階の果子の部屋、着ている衣装などから醸しだされる"夏の空気"映画でもあります。
twitterにも書いたけれど最初、ずっと『ふきげんな過去』のことを『ふざけんな過去』と思い込んでいた(あながち間違ってなさそうな気もしたけれど果子と過去をかけていることを考えると"ふざけんな"は無いよなぁー、などと)
母(実母ではない)サトエの友人、レイの娘カナちゃん(←『花子とアン』でヒロインの幼少期を演じていた山田望叶がめちゃくちゃ上手い!)と果子のやりとりにしばしば現れる"ふきげんな言動"
「面白さなんて期待するほうが間違いでだいたい同じことの繰り返しの中で感覚を麻痺させていくのよきっと」
「想像を超えることなんて起こらない、起ったとしても、すぐに対処できて、想像内の出来事に収まっていくの」
「だから、もともとつまらないものなの、世界は」
なんとペシミスティックな 笑
そして、いちいち反応するカナに対して受け答えしていて、どこか禅問答のようでもあり面白い。
二階堂ふみが小泉今日子に向かって言う台詞を借りるならば、遠くを見ながら"いいこと"言ってる映画。
そのシーンの台詞。
「みんな寂しいんじゃない?ひとりで居ても家族と居ても」
「(前略)〜欲望が人と人を結びつけるのよ。でもね、誰かと結びついたら、それはやっぱり孤独なのよ〜(後略)」
「欲望の行き着く先は結局孤独なの。それでも人は欲望するんだわ」
実際の母娘であるふたりの言動は(実のところ)よく似ていることがわかる。
やがて、果子は(爆弾を嬉々として作ったりしている)未来子に停滞したままの過去に絡み取られた現状から、まさに未来を垣間見るのだ。
それがラストの(噂だけで本当にいないと思われた)ワニが現れ、暴れ逃げ出すところを見ていて「これ、これ、これですよー」と言い出しそうなイキイキとした果子の表情に繋がる。
前田司郎監督、演劇的な間合いを感じるところもあるけれど台詞回しの妙として、これまた好みの領域。
(要はお気に入り色彩トーンの中でのあーだこーだ会話とかを絶妙のカメラポジションで撮ってくれることが嬉しいのだ)
パンフレット(オフィシャルブックとして書店売りも有り←こちらは帯が付いてる)デザインは大島依提亜/中山隼人
映画本編、ラストを華々しく(笑)飾るワニがモチーフの表紙。
(写真、インタビュー、対談など90ページ)
シナリオが掲載されているのは嬉しい。
(実際の脚本の最初に載っていたという年表も掲載←映画本編では多くを語られない登場人物たちを巡る"激動の歴史" 笑 が詳細に)
※文中敬称略

映画『ふきげんな過去』公式ホームページ
http://fukigen.jp/

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2016-05-18

『ヘイル、シーザー!(HAIL,CAESAR!)』ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン監督、ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、チャニング・テイタム、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンド、他

ヘイル、シーザー!
HAIL,CAESAR!

監督 : ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演 : ジョシュ・ブローリン
ジョージ・クルーニー
チャニング・テイタム、レイフ・ファインズ
スカーレット・ヨハンソン
フランシス・マクドーマンド
ジョナ・ヒル、アルデン・エーレンライク、他

物語・1950年代のハリウッド。スタジオの命運を左右する超大作『ヘイル、シーザー!』の撮影中、主演俳優ウィットロック(ジョージ・クルーニー)が何者かに誘拐されてしまう。事件解決を任されたスタジオの何でも屋(ジョシュ・ブローリン)は、魅力あふれる若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や著名なミュージカルスター(チャニング・テイタム)ら個性豊かな俳優たちを巻き込み、ウィットロック奪還に向け奮闘する。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Caesar

Memo1
"チャニング・テイタム"とつぶやくだけで頬がゆるみ "ジョシュ・ブローリン"と3回唱えると顔がひと回り大きくなり"ティルダ・スウィントン"が気のせいか、ふたりに見える、そんな映画を見た『ヘイル、シーザー!』
これは、まさにコーエン兄弟の「アメリカの夜」!(違う違う…でも、ちょっとひねった映画愛がある。そんな作品)
コーエン兄弟、久々の"そっち系"映画で楽しめました!
ジョシュ・ブローリン演じる"なんでも屋"(ゴシップぬぐいから、もめ事の後始末、撮影をスムーズに行うためなら何でもやる男、航空機会社から転職の誘いを受けていて、こころ揺れているが、その実、映画のことが気になって気になってしようがないという役どころ)が素晴らしい。
レイフ・ファインズ演じる映画監督。
その名も「ローレンス・ローレンツ」笑
(IMDbトリビアによるとヴィンセント・ミネリ監督がモデル。確かに写真で見比べても似てる)
そのローレンツ監督は、きっちりとセットを組んで文芸ものを撮影中。
そこに撮影所の意向で訛りのきつい演技もおぼつかない西部劇役者ボビー・ドイル(若きハン・ソロ役が決まって超注目のアルデン・エーレンライク。こちらもティム・ホルトというモデルあり)が主演として登場。
キャスト全員が定位置について既にスタンバイ状態のところに「どぉぅもぉ〜」といった雰囲気で現れる(もう、このあたりからおかしくて可笑しくて)
そして実際に撮影が始まる。
やたら訛る(←ちなみにこのシーンを使った日本版予告編、字幕が大阪弁バージョンや広島弁バージョンなど複数あり 笑)
何度も台詞の言い回しをレクチャーする監督。
名前を「ローレンス監督」と間違えてばかりのボビー・ドイル。
「ローレンツ監督」名前も訂正してキレる寸前となるレイフ・ファインズの顔が 笑
ティルダ・スウィントン演じるソーラとセサリーのライバル心むき出しの双子ゴシップ記者(帽子が見分ける目印 笑)←こちらもモデルとなる記者がいるらしい(えっ!?ホントに)
エスター・ウィリアムス(水中レビュー映画は「ザッツ・エンタティンメント」で初めて見て「おぉっ」と思った)がモデルと思われるスカーレット・ヨハンソン。渋いナレーションはマイケル・ガンボン。
フランシス・マクドーマンドが『ヘイル、シーザー!』本編編集を行っている場面はさすがコーエン組。キレキレの編集ウーマンで場面をさらう(ここで観客も本編シーンの一部が見られる)
そして、チャニング・テイタム演じるミュージカルスターの正体にはひっくり返った。(飼っているワンちゃんの名前にもひっくり返った。潜水艦、ジャーンプのシーン、一瞬「メル・ブルックスの大脱走」の飛行機飛び乗りワンちゃん思い出した)
これまたモデルとされるジーン・ケリーは逆に赤狩りの嵐が吹き荒れる時代において疑いをかけられた友人をかばうなど本作とは全く逆のスタンスの人だったということが皮肉がきいている。
すっかり(本人は気づいていないが)誘拐された教授たちの思想に影響を受けたウイットロック。
その様子を見て、しっかりしろ!と言わんばかりにビンタをくらわすジョシュ・ブローリン演じる撮影所なんでも屋のひと言。
スターであることを証明してこい

Memo2
撮影はロジャー・ディーキンス
「アンブロークン」の邦題に「不屈の男」ってついてたけれど彼こそ不屈の男だ。コーエン兄弟作品多数含むアカデミー賞ノミネートされること、13回
(そろそろそろそろディーキンス先生に受賞を…。)
『トゥルー・グリッド』より続行中の35mmフィルムによる撮影。
衣装デザインは、これまたコーエン組のメアリー・ゾフレス
タイトルデザインはまたまたまた、お馴染みのBig Film Design
そのBig Film Designによるコーエン兄弟作品のタイトルデザインいくつか(ファーゴ、ビッグ・リボウスキ~シリアスマン) 他に『ファクトリー・ガール』『マグノリア』 など現時点で代表作38作品公開中
http://bigfilmdesign.com/titles/
メイキング映像
Hail, Caesar! Behind The Scenes B-Roll & Featurettes
https://www.youtube.com/watch?v=o_9_ODd5uIs

映画『ヘイル、シーザー!』公式サイト
http://hailcaesar.jp/


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2016-03-27

『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生(Batman v Superman: Dawn of Justice)』ザック・スナイダー監督、ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、ガル・ガドット、エイミー・アダムス、ジェシー・アイゼンバーグ、他

注・内容、台詞などに触れています。
バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生
Batman v Superman: Dawn of Justice

監督 : ザック・スナイダー
脚本 : クリス・テリオ
デヴィッド・S・ゴイヤー
出演 : ベン・アフレック
ヘンリー・カヴィルガル・ガドット
エイミー・アダムス、ダイアン・レイン
ジェシー・アイゼンバーグ
ジェレミー・アイアンズ
ローレンス・フィッシュバーン
ホリー・ハンター、他

物語・バットマン(ベン・アフレック)は、両親の殺害現場を目撃したという過去のトラウマから犯罪者一掃に力を注ぎ、一方超人的能力を持つスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は、その力を人類のために惜しみなく使ってきた。だが、その破壊力の強大さゆえに、スーパーマンは人々からバッシングを受けるようになり…(シネマトゥデイより抜粋)

Bvs

Memo1
何と言ってもワーナー。あのジェームズ・キャグニーのワーナー、クリント・イーストウッドのワーナーなのだから、このトーンになるのは至極当然。(と、いうことであっちのユニバースよりこっちのユニバースの方が好きかも)
ベン・アフレックによるバットマン。
ブルース・ウェインパートがものすごくよくて、今後のジャスティスリーグ続編に期待大。『アルゴ』の脚本家クリス・テリオを引っぱってきて本作のリライトに参加させたのもベン・アフレックらしいし、その点からも◎二重丸。
知人が言ったひとこと→確かに"あの顎なら腹筋も割れる"(おいおい 笑)
で、本編に出てくる、まさかの巨人の星"思いこんだらタイヤ引き回し特訓"シーンには「おぉぉ」と、これは「あんな鋼鉄の男には負けられまへん(関西弁)」というバットマンの意地を見せた良いシーンです。そういえばマッスル・アンド・フィットネス誌が「主役のふたりのスターが取り組んだ体づくりのプログラムを公開」という特集を組んでたぐらいだから(エンドクレジットにジムトレーナー名も出てた)
レックス・ルーサー(ジェシー・アイゼンバーグ)の部屋に飾られた"絵画は逆さま"
「父親が気にいっていた、この絵画は逆さまなんだ」
天と地。
救世主と悪魔。光と影。
そのことは冒頭とラスト。
父と母の葬儀の日に走り出し、穴に落ちる少年ブルース・ウェイン。そこには無数のこうもりが。
死せるスーパーマン/クラークケントの棺のシーンにも効いてくる。
(ロイス・レインが棺の上に撒いた砂が少し浮くところでエンドクレジット)
"地より蘇りしもの"
「鍵を握るのはロイス・レイン」
夢のなかでメッセージ(幻視/ゴーグルをつけたナイトメア版バットマンが猫耳に見える)を見るブルース・ウェイン/バットマン。
これは文字通り、クリプトナイトの槍の件(くだり)でのラストシーンもそうだけれども続く次回作への"ふり"でもあるようにも考えられる台詞。
クリプトナイトで作った槍で止めを刺そうとする瞬間、クラーク・ケント/スーパーマンの台詞。
「マーサを…」
手が止まるバットマン
(やや、激高気味に)
「なぜ、その名前を知っている」
(ここで気がつくぐらい、すっかり忘れていたけれどブルース・ウェインの母親もマーサだった。しかも冒頭部分で父親がつぶやいているのに)
まさに、父権の世紀ではなく母系たる地球だったという返し。
(画面や物語世界はダークにかつての明るい赤と青やらカラフルなコミック世界ではなくなっているのに、その実、嫌な気がしないのはそういうことかも、と、思ったり。"強いアメリカ"の幻想は父権社会の最たるものだと思えるし)
まあ、なんにしてもワンダーウーマンである。
(レベッカ・ファーガソン、シャーリーズ・セロン、デイジー・リドリーと昨年以来のカッコイイヒロインの系譜はまだまだ続いていて、本作はガル・ガドット)
ミステリアスなブルース・ウェインとのからみ部分は、もう少し膨らませても良かった気もするけれど、そうすると軸がぶれるので丁度よいあんばいかも。
ガル・ガドット。元々美人だけれどもワンダーウーマンにあたってのメイク(特に眉)など、素晴らしい面構えでよいなー(小林信彦さんの言葉通り"映画は女優で")
そして最も笑ったシーン。
戦いに加わることとなって現れたワンダーウーマン。
ブルースウェイン/バットマンがすかさずクラーク・ケント/スーパーマンに。
「連れか?」
「君の連れでは?」
ワンダーウーマンが写るたびにタイミングよく流れるテーマ曲 "Is She With You"(サントラ>Hans Zimmer & Junkie XL)が本作、スコア中1番好きな曲。

Memo2
Main Title Design > Method Studios
ワーナーロゴに一枚、枯れ葉がひらひらと舞い落ちる。
続いて、また一枚。
そして前述、ブルース・ウェイン/バットマンの過去、父と母の死、葬儀の回想的シーンへと連なっていく
End Title > SCARLET LETTERS

映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/batmanvssuperman/


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