まったく展開の読めない物語にビックリの「パフューム - ある人殺しの物語 - 」。原作は1985年に刊行され、45カ国語に翻訳され1500万部以上の売り上げを記録した「香水 ある人殺しの物語」。当然、映画化の話が持ち上がるも(スピルバーグ、スコセッシも)作者のジュースキントは頑として映画化を許さなかった。その原作が21年の時を経て完成。注・以下、内容、ラストシーンに触れています(予備知識なしでご覧になりたい方はご注意下さい)。物語・18世紀、フランス。類い希なる才能を持つ1人の孤児がいた。彼の名はジャンバティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける驚異の嗅覚を持っていたが、なぜか彼自身の体臭はなかった。やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入りして香水の作り方を学ぶと、もっと高度な技術を持つ職人の街グラースへと向かう。グルヌイユは、天使の香りの如き至高の香水を造りたいと願っていた。それはパリの街角で出会い、誤って死に至らしめた赤毛の少女の香りだった。彼はグラースで、赤毛の美少女ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)が放つ運命の香りと再会する。遂に、命あるものの匂いを取り出す技術を我がものにしたグルヌイユは、禁断の香水作りに着手するのだった…。(以上、プレスより記載)。出演は他にローラの父親役でアラン・リックマン。
監督・脚本は「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァ。共同脚本に「薔薇の名前」を脚色したアンドリュー・バーキン(ちなみに女優ジェーン・バーキンの兄です。と、いうことはシャルロット・ゲンズブールは姪ですね)。まるでレンブラントの絵画のような濃密な光と色調で仕上げた撮影監督はフランク・グリーベ。衣装デザイナーはピエール・イヴ・ゲロー(「インドシナ」「ボーンアイデンティティー」など)。
「映画で香りを見ることはできない。我々は映画という言語で、グルヌイユの嗅覚を体験させる。」と、プロデューサーが語るとおり当時悪臭が漂ったといわれるパリの魚市場のシーンから街の雑踏、香水店、その香水の調合シーン、と「匂い立つ画面」描写のオンパレード。香水調合シーンですらサスペンスフルに描いていて、いったい、この物語はどういった結末を迎えるのかハラハラドキドキしたまま、2時間27分緊密に過ぎていきます。
ラストも驚き。
香りの撮影
「たとえば、毎日目にするコーヒーのコマーシャルがある。泡立つコーヒーがカップの中で湯気を立てているだけだ。だがある時点で、見るものの潜在意識が刺激されて、実際にコーヒーが匂っているような印象を受ける。我々も香りを実際に捕まえるような光学的緻密さで、牧草地や花を撮影することにしたのだ」(プレスより抜粋)
※MEMO
音楽はティクヴァ監督自身が作曲。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が映画音楽を初めて演奏した。
ラストシーン
グルヌイユの禁断の香水作りのための行為に対して処刑が行われる広場に集まった人々。しかし、そこで起こった出来事(隠し持ったパフュームをひとふり)はまるで救世主の出現の様相を呈する。人々の憎悪を愛に満ちあふれた世界に変えてしまった「世界がひれ伏す香り」…。このシーンの撮影の中心的エキストラにヨーロッパで最も有名な舞踏団のひとつ「ラ・フラ・デルス・バウス」が起用された。
パフューム ある人殺しの物語
http://perfume.gyao.jp/