2007-01-21

ソフィア・コッポラ監督「マリー・アントワネット」

監督のソフィア・コッポラが語るとおりガーリッシュなファンタジーといった表現がピッタリの「マリー・アントワネット」。物語・弱冠14歳にして母国オーストリアのためにフランス王太子のもとに嫁ぐことになったアントワネット。そこで待ち受けていたものは周囲の好奇な目とうわさ話と陰口に明け暮れる王族や貴族たちだった…。アントワネットにソフィアとは2度目のコラボとなるキルスティン・ダンスト。ルイ16世に「天才マックスの世界」のジェイソン・シュワルツマン。フェルゼン伯爵にカルバン・クラインのモデルで有名なジェイミー・ドーナン。他にジュディ・デイビス、マリアンヌ・フェイスフルなど。ティーンエイジャーとしてのマリー・アントワネットを描いたLOVE&POPに満ちた作品。よい音楽とならば遠くまで跳べる。

マリー・アントワネット〈上〉 マリー・アントワネット〈下〉

音楽とシーン
オープニングのタイトルバックに使われているのがNatural's Not In It(Gang Of Four)。パンキッシュなタイトルロゴとデザイン処理がBestMatching ! そして仮面舞踏会でのダンスシーンにはHong Kong Garden(Siouxsie & The Banshees)。衣装のキーコードとなった楽曲、I Want Candy (Kevin Shields Remix)(Bow Wow Wow)はアントワネットが浪費三昧、消費三昧に突っ走る映画中屈指のシーンに使用。他にも18歳の誕生日のシーン、そのまま夜明けまで待っての朝日を眺めるシーン(このシーンでの毛皮はFENDIのもの)、フェルゼン伯爵への想いがつのって宮殿の廊下を軽やかに走り抜けるシーンなどなどにAphrodisiac(Bow Wow Wow)、What Ever Happened(The Strokes)、Pulling Our Weight(The Radio Dept.)、Ceremony(New Order)(注・シーンとの順不同)らの曲が使用されています。

マリー・アントワネット Marie Antoinette


衣装と美術、そして色彩
出てくる出てくるカラフルにしてPOPなSWEETSの数々。こちらは1862年創業のフランスの老舗パティスリー、ラデュレ(LADURÉE)が担当。食事のシーンに出てくるテーブルの上のマカロンタワー( !? )には驚きました。(昨年、アナ・スイとコラボしたパッケージに入った、ものすごくカラフル・マカロンがビッシリ詰まったものを戴きましたがまさに、この映画そのものでしたよ〜)
衣装はミレーナ・カノネロ(「炎のランナー」「バリーリンドン」でアカデミー賞を2度受賞。そういえば、本作の制作総指揮も兼ねるパパコッポラの「コットンクラブ」もそうでしたね)。そのミレーナ・カノネロが起用した靴のデザイナー「マノロ・ブラニク」のコレクションもDecorativeにして「かわいい」ものがいっぱい(ワンシーン、Converseのスニーカーが映るシーンがありますよ)
そして色彩はキャンディ&ケーキ。ミント・グリーン、マゼンタ、カナリア・イエローなど本当に食べたくなるような色や素材が選ばれています。また、子供が生まれた後、ナチュラル志向へと変化していく色や素材も、きっちりと描かれていて素敵です。

※追記
ミレーナ・カノネロは本作で3度目のアカデミー賞衣装デザイン賞受賞

Bienvenue sur le site de LADURÉE
http://www.laduree.fr/
(FLASHアニメが、かわいい!!)

マリー・アントワネット
http://www.ma-movie.jp/

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衣装ミレーナ・カノネロ
「マリー・アントワネットの首飾り」

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「マリー・アントワネット」サントラ
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ソフィア・コッポラとアントワネット
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スカーレット・ヨハンソンと南禅寺
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ロスト・イン・トランスレーション ヴァージン・スーサイズ

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2007-01-06

衣装ミレーナ・カノネロ「マリー・アントワネットの首飾り」

このブログでも何回か取り上げているソフィア・コッポラ監督の最新作「マリー・アントワネット」がまもなく公開されます(1月20日より)。その衣装を担当したミレーナ・カノネロ(Milena Canonero)が同じくマリー・アントワネットを題材とした「マリー・アントワネットの首飾り」のコスチュームにも関わっています。物語・かつて名門だったヴァロア家に生まれたジャンヌは、政敵の罠によって領地も両親も奪われ、たった9歳で孤児となってしまった。すべてを失った彼女は再び名誉を取り戻しヴァロア家再興だけを人生の目的として生きていく。そして15年後、宮廷に取り入ったジャンヌはやがては王妃マリーアントワネットに対する民衆の怒りに火をつけるきっかけとなる一大スキャンダル「首飾り事件」を引き起こしていく(ここまでフライヤー参考)。

ミレーナ・カノネロ( Milena Canonero )
「炎のランナー」でアカデミー衣装賞受賞。ノミネートは最近でも多数の現役デザイナー。「時計仕掛けのオレンジ」「バリー・リンドン」「タッカー」「ダメージ」など

バリー・リンドン

民衆の怒りを引き起こしフランス革命のきっかけになったともいわれる有名な「王妃の首飾り事件」もともとはルイ15世が愛人デュ・バリー夫人に送るために購入した647個( ! )、2,800カラット( !! )、160万リーブル(時価192億円)のダイヤの首飾りであったが王の急死により売り先に困った宝石商がマリーアントワネットに話をもちかけたことが事件の始まりでした。(ここで王妃は断るのだが、そこに目を付けたジャンヌが枢機卿等を使ってアントワネットを陥れようと画策していく)。監督はチャールズ・シャイア、ジャンヌ役にヒラリー・スワンク、他にエイドリアン・ブロディやクリストファーウォーケンと脇も豪華 !
撮影はチェコの首都ブラハや実際にベルサイユ宮殿も使って行われた。また、劇中のアントワネットの首飾りを制作したのは映画「タイタニック」の「碧洋のハート」も作ったといわれる1781年創業の英国王室御用達の老舗宝飾店「アスプレイ」

DVD「マリー・アントワネットの首飾り」はセル版が現在出荷無し(レンタルあり)下記ブルーの表紙Marie Antoinette」はソフィア・コッポラ版の映画写真集(洋書)と日本版サントラ

マリー・アントワネット Marie Antoinette

追記
東京・明治記念館にて1月28日までミレーナ・カノネロによるソフィア・コッポラ監督「マリー・アントワネット」の映画劇中で使用されたドレスが一般公開中です(15点)。館内のラウンジ「キンケイ」では映画をイメージしたケーキ3種も。

明治記念館
(イベント&ニュース欄)
http://www.meijikinenkan.gr.jp/

MEMO

あの「ベルサイユのばら」の中でもこの首飾り事件は描かれており設定として見事に溶け込んでいました。(ジャンヌの夫のニコラスの勤務する近衛騎兵隊の隊長がオスカルという設定)。※ニコラス=映画ではニコラ

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ベルサイユのばらと宝塚歌劇(2006-07-23)

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ベルサイユのばら大事典―連載開始30周年記念 ベルばらKids

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2006-12-28

中島みゆきサプライズ !! 「間宮兄弟」ほか

今年、9月に行われた拓郎さんとかぐや姫のつま恋ライヴでの「中島みゆきサプライズ」には驚かされましたが、時々出演している「映画」にもビックリします。やはり、今年公開された「間宮兄弟」(森田芳光監督)の間宮兄弟の母親役は、う〜ん、この兄弟の母親、ありえるな〜。これは「のだめカンタービレ」の、のだめを造りあげた家族に納得 ! と同じぐらいのハマリ役(ボーリングにリンカーンを運転、…なんて ! )。また竹中直人監督作品「サヨナラCOLOR」「東京日和」にも出演しています。「サヨナラCOLOR」の女医役(役名が巌岳先生って…)、「東京日和」のバーのママ役( このバーのシーンに編集者役で森田芳光監督も出ています。すでに繋がっている!? )、共に見事な演技でピッタリ。

間宮兄弟
http://mamiya-kyoudai.com/

間宮兄弟 スペシャル・エディション (初回限定生産) サヨナラCOLOR スペシャル・エディション

驚いたね〜、中島みゆきサプライズ(つま恋ライヴ)

~Forever Young~ Concert in つま恋2006

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2006-11-23

心が痛い「麦の穂をゆらす風」

今年のカンヌ映画祭でPalme d'Orを受賞したケン・ローチ監督「麦の穂をゆらす風」ラストまでドラマの緊密度が途切れることなく続く「こころにヒリヒリと届く」映画。主演のキリアン・マーフィ(「プルートで朝食を」)が素晴らしい!! 物語・1920年、緑深きアイルランド。医師になる将来を捨て、兄とともにイギリス支配からの独立を求める戦いに身を投じる青年デミアン(キリアン・マーフィ)。戦いは終わり、ついにイギリスは独立を認める。しかし今度はアイルランド人同志が敵味方になる内戦が始まりデミアンと兄、そして恋人シネードとの絆をも引き裂いていく…。注・ここより内容に触れています。映画の中盤、分岐点となる出来事が起こったとき、デミアンがシネードにつぶやいた言葉「心が何も感じなくなってしまった…」。その出来事は、そのままラストでのシネードと兄のやりとりと重なり合う。悲痛なラストシーンに軍靴の響きが聞こえてきてエンドクレジットが流れていく。監督のカンヌ受賞の際のスピーチ「過去について真実を語れたなら、私たちは現実についても真実を語ることができる」。このスピーチ通り悲劇を描いているが見終わった後に残るものは悪いものではなく「映画が伝えることのできること」の希望すら感じる。傑作です。

MEMO
アイルランドというと美しい風景と濃厚なメロドラマが紡ぎ出す一編の詩のような映画、デビッドリーン監督の「ライアンの娘」を思い起こさずにはいられません(今年、DVD化されました。オススメです)。

ケン・ローチ監督作「麦の穂をゆらす風」公式サイト
http://www.muginoho.jp/

プルートで朝食を ライアンの娘 特別版

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2006-11-09

「マリー・アントワネット」サントラ

ソフィア・コッポラ監督、キルスティン・ダンスト主演「マリー・アントワネット」(2007年1月20日公開予定)のSoundtrackを聞いた。ニューウェイブからエレクトロ、そしてVivaldi ( ! )まで(Radio Deptから3曲)。2枚組のディスク1と2で趣が変わる趣向。とりわけディスク1(PARTY Side?)の選曲サイコー。 既に劇場で予告編がかかっていますが、その中で流れているのはサントラにも収録されているGang Of Four「Natural's Not In It」New Order「Ceremony」です。(日本版Soundtrackは12月13日発売予定)

追記(訂正)
上記・記事はUS版予告編のもの、日本版予告編ではNew Orderの「Ceremony」ではなく「Age Of Consent」(サントラ未収録)が使用されています。

マリー・アントワネット
http://www.ma-movie.jp/

Marie Antoinette

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2006-10-26

地下鉄(メトロ)に乗って

「地下鉄に乗って」と聞くと吉田拓郎さんが楽曲を提供して猫がうたった名曲(正確には「地下鉄にのって」※THE BEST収録)をイメージしてしまいますが、こちらは浅田次郎原作の「地下鉄(メトロ)に乗って」のおはなし(とはいえ、映画の舞台が丸ノ内線であったり、歌詞の中に「赤坂見附を過ぎて新宿までは、まだまだ云々」という部分が登場しますが…)。いつもの地下鉄を降りると、そこは東京オリンピックに沸いていた頃昭和39年の東京だった。そこから主人公・真次(堤真一)の夢とも現実ともつかないタイムスリップの旅が始まる、そして、そこで若き日の父親と出会うのだが…。原作未読で見たので意外な展開に驚かされましたがタイムスリップもの(特にタイムパラドックスもの)は好きなジャンルなので、少しツッコミつつも「ありよね〜」の一作でした。編集が「グエムル 漢江の怪物」のキム・ソンミンということでザクッザクッとした印象の場面繋がりとなっています。音楽は同じ篠原哲雄監督「深呼吸の必要」に続いて小林武史。主題歌はSalyu(Lily Chou-Chouですね〜)「プラットフォーム」。

MEMO(プレス参考)
美術セットは昭和37年の開通当時の新中野駅(竹橋の駅を夜中に作り替えて撮影された)、昭和39年の鍋屋横町、昭和21年の闇市と大きく3パターン組まれていましたがCGは、ほぼ使用せずに再現されました。

地下鉄(メトロ)に乗って
http://www.metro-movie.jp/

地下鉄(メトロ)に乗って 地下鉄(メトロ)に乗って THE BEST

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2006-09-04

ウディ・アレン監督「マッチポイント」

「運」についての深〜い考察。ウディ・アレン監督最新作「マッチポイント」はネットの上で弾むボールがこちら側へ落ちるか相手側に落ちるか、それはコントロールできるものではなく「運」が決めるものだと、ある種のペシミスティックさをもって描いている。
注・ここから物語、大事なプロット、結末に触れています。
野心的なクリス(ジョナサン・リース・メイヤーズ)は最初から「太陽がいっぱい」風の少し屈折した劣等感を持った趣で造形されていて(目線の演技が素晴らしい)、その点でラストぎりぎりまで「太陽がいっぱい」的オチだと思っていたらすっかり騙されてしまいました、と、いうか、のせられていました(事件の重要な鍵となる指輪が河川の柵の上で跳ねて川に落ちるか落ちないかという見せ方も含めて)。全てが(わざと)わかりやすいキャラクター設計(これも計算だったのね)。大金持ちのヒューイット一族、女優をめざしてアメリカから渡ってきているノラ(スカーレット・ヨハンソン)、そしてアイルランド出身のクリス。こんなオチでよいのかと思うが、実はクリスにとっての不幸(罰)は元々不釣り合い(この不釣り合いさの描写が、またすごい)であったヒューイット家で、これからも(この先も)ずっと暮らしていくことになる事自体にあるかもしれないのですから…(実際、もしノラの方を選んだ場合、どうなるかなど、それこそネット上のボールのようなものなのだから。あくまでも上流階級に入ることを第一義として考えた場合の「運」の考察ともいえないだろうか)。見終わった後、いろいろ考えさせられる傑作 !!

Match Point [Music from the Motion Picture]

「映画の色」について
ウディ・アレン監督曰く「グレイはとてもラブリーな色」「映画の色合いは直接感情に作用するものだから、今作は殺人事件も絡んだりするので無味乾燥な冷たいトーンで見てもらいたくなかったのでウォーム・トーンで撮ることにしたんだ」(キネマ旬報9月上旬号インタビューより)

いろいろ蛇足
今作からロンドン製作の作品が続いているウディ・アレン監督。はじめてのオールロンドン・ロケ作品ということで観光巡り的な(それでいてアレン的な)要素もいっぱい。(下記にロンドンマップ掲載のWEBアドレス記載)

次回作は再びスカーレット・ヨハンソンと組んだ「SCOOP(原題)」スカーレット・ヨハンソンは眼鏡姿で登場。

パンフレットデザイン、今回はウディ・アレン監督前3作をデザインした大島依提亜さん(前述2006-06-06)ではなくて、大寿美トモエさん(前述2006-07-06)によるもの。

ウディ・アレン バイオグラフィー

マッチポイント
http://www.matchpoint-movie.com/

Film London (英文)
http://www.filmlondon.org.uk/
マッチポイントのロケ地マップがPDFでダウンロードできます。
News & Features >>> Movie Maps >>> Match Point
(2006/09/04・掲載を確認)

Woody Allen On Woody Allen Four Films of Woody Allen
マッチポイント 初回限定版 (特別ブックレット付)

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2006-08-19

「ミュンヘン」における撮影手法

スピルバーグ監督の盟友、ヤヌス・カミンスキーによる撮影が効果的だった「ミュンヘン」(「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」でアカデミー撮影賞を受賞。このCOLOR of CINEMAでも以前、取り上げましたが彩度を落とした銀残し※という現像手法と手持ちカメラのドキュメンタリータッチといえば、この人)

シンドラーのリスト スペシャルエディション

そのヤヌス・カミンスキーの撮影における色彩設計についてのコメント(以下プレスより引用)「映画には8ヶ国が登場する。そこでそれぞれの国ごとに視点を変える事にした。絵の具を変えるみたいな感じ。微妙な差異だけど。この方法でマルタとハンガリーで大部分撮影されたにもかかわらず、それぞれの国の個性が生まれた。中東の出来事はよりカラフルで暖かみが溢れている。でも、その地を離れパリ、フランクフルト、ロンドン、ローマへ移動すると色彩はより冷たく、彩度も減っていく。それがヨーロッパの国々それぞれの個性と色彩になる
例えばキプロスのシーンでは鮮やかさと陽光照りつける黄色を強調、一方、アテネのシーンではパレットの色はエーゲ海のブルーへと変化する。そしてパリのシーンではパレットの色彩は雨空の雰囲気をたたえた、よりソフトな色彩になるという具合。それに合わせ照明も変化する。暗殺チームの面々が初めて互いを知る気の置けないディナーのシーンでは心温まるトーンで始まり、任務に対し恐怖感と疑念が増すに従い、登場人物の心に内的葛藤が沸いてくると、それを反映するかのような光科学形成過程をふんだんに用いた、よりコントラストのきついシーンへと変化していく。また、ミュンヘンオリンピックのテロ場面はオープニング以外はフラッシュバックで挿入されますが、それらのシーンは全て銀残し※を用いたざらついた画面で表現されています。(これは不吉なイメージとして、ことのほか有効な手法でした)

他にもプロダクションデザイン、衣装など現在撮影されたにもかかわらず70年代当時を再現する見事な仕事ぶりに感心させられました。(テイスト自体がまるで、70年代の映画を見ているような気に錯覚してしまうほどでした)

銀残し
スキップ ブリーチ(Skip Bleach)と呼ばれる現像手法で仕上がり画像の特徴としては以下のような点があげられます。
・コントラストが増す
・黒がしまる
・サチュレーション(彩度)が落ちる

ミュンヘン スペシャル・エディション

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2006-07-01

「M:i:III」「デスノート」対立の構図

(推論)「デスノート - DEATH NOTE - (前編)」と「M:i:III (M : i : 3)」2本の映画に共通しているのは対立の構図である。

ネタバレの恐れ有りですので未見の方は、すぐにパスして下さい。

前述の通り、オープニングからいきなりクライマックスとも呼ぶべきシーンを持ってきた「M:i:III (M : i : 3)」。ここで敵となるディヴィアン=フィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン=トム・クルーズとの対立構図をはっきりさせる事によって観客は、これから始まる映画の中で無意識に、この二人のことを軸に物語を追っていく事になります。その事によって「裏切り者」が誰であるのかが1次元的な見方になってしまい、本編中に出てくる「実は‥本当の裏切り者は‥」の決め手となるセリフを見過ごしてしまうように考えられているのではないでしょうか?
もし、オープニングに対立構図を持ってこずにイーサンの日常生活部分(自宅でのパーティシーン)から始まっていたら、かなり平板になっていた気がするのですが、いかがでしょうか?

M:i:III [Original Motion Picture Soundtrack]

そして、「デスノート - DEATH NOTE - (前編)」。言わずと知れた「ライト」と「 L 」の対立構図。こちらは前後編、通して見た時に更に「はっきり」と浮かび上がるように設計されているのでは? 現に「デスノート - DEATH NOTE - (前編)」の最後の最後に、やっと「ライト」と「 L 」が顔を合わせた所で「つづく」形になっているのですから(わざわざ、そこまで集約させて‥)。また、秋野詩織という原作に無いキャラクターを登場させる事によって、すんなりと後編へ繋がるブリッジ的役割を形成させている事も見逃せない。後編は弥海砂が加わる事によって図式がどう変わっていくのか(雑誌・映画秘宝の戸田さんへのインタビューではL側に付くような事を喋っていますが‥)いずれにせよ、楽しみなところであります。

Death Note 1: Boredome (Death Note) 映画「デスノート」オリジナル・サウンドトラック SOUND of DEATH NOTE

付記(驚愕)
日テレ、スゴイコトヲヤルモンダ‥
本編の冒頭数分間を公開中に放送してしまったのですから(これは本当に初?の出来事?)。
付記(蛇足)
リンゴ大好き死神リューク、Apple大好き「 L 」(Macでした)。ちなみに映画館が座席指定の場合は、やっぱり「 L 」の何番で観るのが通。(ほんとに蛇足)

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2006-06-25

M:i:III (M : i : 3)、ウサちゃんの足

ミッション:インポッシブル(Mission Impossible)3作の中で最も出来が良いと評判のM:i:III (M : i : 3)。スパイの日常を描いた事による今までには無かった心理描写からくる緊張感や普通の映画セオリーではあり得ないオープニング(しかし、この方法論は大正解で、ディヴィアン=フィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン=トム・クルーズとの対立構図がはっきりして「ある事柄」を隠す事にも成功している)が素晴らしい。TV出身のJ.J.エイブラムス監督(「エイリアス」「LOST」)、映画は初めてとは思えないキレ味鋭い演出にオドロキ!!共演者それぞれのトムとの距離的バランスもよい。で、ラビットフット(ウサちゃんの足)は何 ? (「ある事柄」などのネタは公開後しばらくして記載します)。ビジュアル面は、やはりILM(インダスリアル・ライト&マジック)。

M:i:III [Original Motion Picture Soundtrack]

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2006-06-22

「真夜中まで」と撮影監督・篠田昇さん

イラストレーターにして映画館監督の和田誠さん(「怪盗ルビイ」「麻雀放浪記」)が撮った「真夜中まで」。全編をスタンダードジャズが流れる粋なファンタジームービー。

物語 PM10時35分、ジャズトランペッターの守山(真田広之)はライブハウスの店裏で休憩を取っていた。そんな彼の元にホステス・リンダ(ミッシェル・リー)が助けを求め飛び込んでくる。事情が飲み込めないまま追いかけてきた得体の知れない男たちの攻撃をかわし2人は夜の街へと逃走する。次のステージまで残された時間はわずか2時間あまり。果たして守山は再びステージに立てるのか? 

1時間50分がリアルタイムで描かれ、果たして主人公・守山は次のステージに間に合うか!というサスペンスもしゃれています。そして、この映画、真夜中が舞台ということで全篇夜間撮影。とにかく油絵のようなこってりした画面に驚かされます。その撮影監督が篠田昇さんここより抜粋3200の感度で撮影された映画って、映画の歴史上でもないと思うよ。日本映画だけじゃなくて。あの色は、美術の福ちゃんが道路を濡らそう言ったことも影響してる。あ、俺か(笑)アスファルトは真っ黒ではないから、浮いた感じになるんだけど濡らすことによって真っ黒な感じになる。濡れてると赤とか青とかの光が映って、こってりした感じになる。長いホースを使って銀座の道路を濡らしたりしたのはすごいよね」ここまで抜粋(「ジャズと映画と仲間たち」講談社・刊より)。
「俺にはこれしかないから」といって最後までトランペットを持ったまま疾走した真田広之さんがとても粋でした。

撮影監督・篠田昇さん
行定勲監督の「世界の中心で愛をさけぶ」が遺作となった。岩井俊二監督との「Love Letter」「リリィシュシュのすべて」「スワロウテイル」「四月物語」なども全て篠田昇さん。本当に素晴らしい映像の数々です。

3200の感度
800の高感度フィルムの感度をさらに4倍にあげて(増感)3200にしたそうです。

真夜中まで

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2006-06-20

「メリンダとメリンダ」とメイクダウン?

ウディ・アレン監督「メリンダとメリンダ」は「人生の本質は悲劇か、喜劇か」についてのなかなか興味深〜いお話。で、喜劇バージョン、悲劇バージョンそれぞれのメリンダを同じ役者(ラダ・ミッチェル)が演じているわけですが、まぁ、ものの見事に別人になっています。喜劇バージョンのメリンダはブロンドのショートカットに小さい花柄のブラウス、満面の笑みをたたえてのピンクピンクメイク。かたや悲劇バージョンのメリンダはかなりヨレヨレ感のあるソバージュ、どちかというとダークブラウンの暗めの洋服、目の下にクマ、眉間にしわ(この辺がメイクアップならぬ、メイクダウンなんですよね)と、いった具合。実は「悲劇か、喜劇か」というのは、本当のところは「全て見ためで決まっているのでは?」‥もしくは、「外観が中身までも悲観的に変えてしまってるのでは?」‥なんて映画を見て、思った次第(このあたりは主演のラダ・ミッチェルも同様に語っていました)。

メリンダとメリンダ

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2006-05-16

ソフィア・コッポラとアントワネット

前述のカンヌ映画祭・コンペティションで、まもなくベールを脱ぐソフィア・コッポラ監督の「マリー・アントワネット」。昨年、アメリカで公開されて話題となったティーザートレーラー(予告特報)でバックに流れていた曲がニュー・オーダーのアルバム「権力の美学(POWER,CORRUPTION&LIES)」の一曲目「エイジ・オブ・コンセント(AGE OF CONCENT)」だった事も相まって、これは普通のコスチューム劇ではないと予感させる期待度100%の作品となっています。(プラス衣装はアカデミー賞の常連、ミレーナ・カノネロだし‥)
今年はマリー・アントワネット生誕250年ということで宝塚歌劇「ベルサイユのばら」もフェルゼンとマリー・アントワネット編(星組公演)が新たな演出を加えて上演されましたが映画は今年公開とならず、どうやら2007年正月第二弾公開となりそうです(全米は2006年秋公開予定)

Trailers - Marie Antoinette
http://www.apple.com/trailers/sony_pictures/marieantoinette/
主演のアントワネット役のキルスティン・ダンストが軽やかにベルサイユ宮殿を走り抜けています。(予告編の視聴にはQuickTimeが必要です)

このブログ内・関連記事
ソフィア・コッポラ監督「マリー・アントワネット」
(公開後の記事です。音楽とシーンについて記載あり)
http://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/lovepop__e680.html


ロスト・イン・トランスレーション Power, Corruption & Lies

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