2013-11-20

砂田麻美監督『夢と狂気の王国』"高畑勲監督の圧倒的不在による存在と宮崎駿監督は何故屋上に登るのか"「アニメーションは呪われた夢だ」

"アニメーションは呪われた夢だ"
「エンディングノート」の砂田麻美監督によるスタジオジブリを捉えたドキュメンタリー『夢と狂気の王国宮崎駿監督高畑勲監督鈴木敏夫プロデューサーに密着し、その創作の現場を映し出す。

Yumeto

Memo1
キャッチコピーの「ジブリにしのび込んだマミちゃんの冒険」通りどこにでもスッと入っていく感じがとてもよい。(きっと監督に指名したのもこの辺りのことがわかってのことだったんだろうなぁ、と)
スタジオジブリに居ついた半ノラネコのウシコ(←牛っぽい模様のせい?)。あらゆるところに出入り自由だが決して宮崎監督の作画エリアには入っていかない(窓の端から顔を半分覗かせて様子を伺う姿はもはや演技のよう)。屋上庭園のテーブルで寝転がるウシコ。「なんて平和な顔をしているんだ。スケジュールがないんだな」とモフモフをつんつんする監督(笑)
"えん(縁)とかうん(運)とかそんなわからないもの"
庵野秀明のこと
「不思議だよね、庵野」
その彼が主人公・堀越二郎の声に決まる瞬間も描かれている。
(このシーンはNHKスペシャルでも登場したが、この後のアフレコシーンも描かれていくのでさらに多面的な描かれ方)
また日テレ新入社員研修でレクチャーする鈴木プロデューサーのこんなシーン。
「どうしてジブリ作品は日テレだけで放送してるか、わかる?」
「それは、当時(社長だったかどうかはわからないけど)日テレの氏家さんと徳間康快さんが友だちだったから
「誰を捕まえたか。その誰を捕まえた人だけが生涯やりたい仕事ができる」
「風立ちぬ」ラストのこと。
「死んだんですか?」
アフレコ台本が映される。
「きて」の文字が赤線で消され
「生きて」に。
ギリギリで変えられた台詞。
(その心境の変化とは?)
車の後部座席からの撮影
鈴木プロデューサーと庵野監督
「終わりが変わってよかったですよ。
前のままだとみんな死んでしまいますからね」
完成の日
宮崎監督が屋上に登って行くとそこにいるはずのない高畑勲監督が。
「彼がいなかったらジブリはなかったですよ、というかこういう形にはなってなかった」と。
お互いをリスペクトするふたり。
東映、組合運動をやっている頃の写真。(いかに高畑監督がグイっと引き寄せたかがわかる気がします)
※高畑勲監督があまり登場していないですが時々、会話の中に登場する「本当にできるんだろうか」とか「宮さんは必ず仕上げてくるけど高畑さんはわからないからなぁ」など端々にその存在の強烈さが見て取れる。
そして本編屈指の場面のひとつ。
記者会見場の控え室で「緊張はしてないよ」とかいろいろと談笑する監督と鈴木プロデューサー。ふと窓に立っている監督が砂田監督を手招きして呼び寄せる。
窓の外の景色について
「屋根から屋根へ飛び移ったり、配管をつたってよじ登ったり、通れないところを通ったりして、どこまでも行ける気がするでしょ」
ここで初めて映画本編シーンが一気に映しだされる。
カリオストロの城、天空の城ラピュタ、千と千尋の神隠し、ハウルの動く城…
創造の源の一端がここに!
"高畑勲監督の圧倒的不在による存在と宮崎駿監督は何故屋上に登るのか"が垣間見られる傑作ドキュメンタリー映画。

Memo2
宣伝デザインは goen°の森本千絵さん。記事によるとタイトル文字はピンクがいいというジブリ要望によるものだそう。
下記写真はジブリの広報誌「熱風」
映画の中で新聞を広げて語っていた記事の発端はこの2013年7月号(左側)ちなみに右側の「特集・健康」の表紙が本作ポスターに使用されたもの。

Yume_to_k

映画『夢と狂気の王国』公式サイト
http://yumetokyoki.com/

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2013-04-11

沖田修一監督『横道世之介』高良健吾、吉高由里子主演

注・内容、台詞に触れています。
吉田修一
原作の小説『横道世之介』を「キツツキと雨」の沖田修一監督が映画化。上京したての大学一年生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々の姿を描く。出演は高良健吾吉高由里子池松壮亮伊藤歩綾野剛朝倉あき。音楽・高田漣、主題歌・ASIAN KUNG-FU GENERATION「今を生きて」

Yo2

Memo1
あー、いたいた。あいつ、そういえばどうしてるんだ。えー、そんな奴いたっけ?あれ、お前知らなかったんだっけ。そんな会話の先に世之介がいる。

見どころ、いろいろな台詞
映画の冒頭
引っ越してきたときの新生活始まる感。隣から目覚まし時計の音がずっと鳴り続けるのでドアをノックしてみるが誰も出てこない。そのまた 隣の人が窓から顔を出して世之介に「ずっと、そうなんですよ。あ、シチュー、食べます」「は、ハイ」「あ、いや、別にそんな」(この人本気にするんだという間合いで)
で、1年ほど経過して終幕近く。同じく隣の隣の人が久しぶりに世之介を見て「結構、しっかりしてきたね。最初見たとき、どーなるんだろうって思ったけど…なんか、隙だらけで」
そんな世之介の1年
なんといっても面白くなるのが(いつの間にかずけずけと友だちになった)加藤(綾野剛)のダブルデートのつきあいで行ったとき現れたひとり、与謝野祥子(吉高由里子)が登場して以降。まさに監督のいう"ロマンティック・コメディ"の骨格を持った展開となっていく。
そのデートシーンで世之介の名前だけでウケてひと言
「韻を踏んでらっしゃるのね」
続くハンバーガーをかぶりついて、ふたり楽しく笑うシーンの微笑ましさ。
祥子の実家に呼ばれてのシーン
告白シーンにカーテンぐるぐる巻きになって照れまくる祥子←これ、歴史的名シーンw
こたつの中に入ってケーキの箱の裏に嬉々として「ベルサイユのばら」の落書きを描く祥子。
「これは?」「知らないのですか〜」「オスカルさまですよぉ」
「この子は」
「ピエールです。銃殺されるんですよぉ」
「シャルロットです。自殺しちゃうんですよ」
世之介の実家に行ったときに垣間見せた嫉妬シーン(しかし、世之介は気づいていない)
カメラを始めた世之介に祥子の台詞
「世之介の作品を見る。最初の女になりたいんです」
飄々とした世之介と、どこか浮世離れした祥子を見ているこちらもニコニコしながらを、ふたりの行く末を見守っていく事に(この雰囲気こそが映画全体を覆う多幸感の秘密の一端?)
考えてみたら、このふたり。環境は違えど真っ直ぐさという点では似た者どうしなんですよね。

※ここまで書いて全く倉持くんエピソードを書いていないけど銭湯のシーンや引っ越しのシーンなどいいシーンがあったなぁ、と追記。

80年代という時代設定もあってということで35ミリフィルムで撮影された(けど、上映はデジタルという、まあ現在ではあたりまえになってきた環境)。撮影は「海炭市叙景」「マイバックページ」「霧島、部活やめるってよ」と素晴らしい作品が続く近藤龍人。
フリースタイル22号の中の対談記事でこんなことを語っていました→"70年代を描いた「マイバックページ」は16ミリで、80年代の「横道世之介」は35ミリで撮影したことになるんですよね"
"初めから今回はフィルム撮影でいこうと決めていました"

Memo2
観客は話が進んでいくにつれ、誰もが知りたくなっている世之介の現在を本当に不意打ちのように、DJをやっている千春(伊藤歩)が読んだニュースとして知ることとなる。そのニュース原稿の下読みのシーンが1回目ではよくわからなかったけど2回目に見ると何故、何度も読めていなかったのがよくわかる。
「昨日、じゅうしち、しち…」
「なんか、うまく喋られない。しちって苦手なのかな」
(実はその後の事故で亡くなったカメラマンとなった世之介のことが…)
加藤が一緒に暮らす男性に
「あ、そうか、お前知らないのか」「世之介のこと」ニマニマする加藤。
俺、あいつと知り合っただけで、なんかだいぶ得した気分だ
ラスト
世之介の母から祥子への手紙
(世之介、処女作スナップ写真とともに)
「最近おばさん、こう思うの。世之介に出会えたことが自分にとって、1番幸せではなかったかって。また遊びに来てくださいね。思い出話でもできたらと思います。きっと笑い話ばかりになりそうね」

奇しくも同時期に「世界にひとつのプレイブック」「横道世之介」と自分の中では対になる多幸感にみ満ちた(変則型)ロマンティック・コメディの傑作の誕生です。

Yo1

映画『横道世之介』公式サイト
http://yonosuke-movie.com/


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2012-02-26

ジェイソン・ライトマン監督、シャーリーズ・セロン主演『ヤング≒アダルト』

注・内容、台詞に触れています。
「JUNO/ジュノ」の監督・脚本コンビ、ジェイソン・ライトマンディアブロ・コーディが再びタッグを組んだ『ヤング≒アダルト』出演はシャーリーズ・セロンパトリック・ウィルソンパットン・オズワルト

物語・ヤングアダルト小説のゴーストライターをしているバツイチ
37歳のメイビス(シャーリーズ・セロン)の元に高校時代の恋人バディ(パトリック・ウィルソン)から父親になったとメールが届く。そしてある思い込み(勘違い)のもと故郷へ戻る。そして…

Ya2

Memo1
冒頭からメイビスのくたびれ具合の描写が見事(メインタイトル前で全て判る)。昨日(もしくは今朝)帰ったままの姿でベッドの上にうつぶせ寝、散らかった部屋、起きてすぐコーラのがぶ飲み、ずれたヌーブラ、汚れの目立つMac Book(白)、ペットへの対応…。故郷に帰ってからの私はイケてるのよ感バリバリの嫌〜な描写もめちゃめちゃ上手い(そして面白いw)

高校時代にメイビスに憧れていたというマット(いじめから障がい者になっている)を演ずるパットン・オズワルト(Patton Oswalt)が素晴しい。彼は誰かを非難するわけでもなく(他の人もそうであるように)町に居て自分の趣味の枠内でいまを楽しんでいる(スターウォーズの酒場風密造バーボン酒を作ったり、オリジナル的フェバリットフィギュアを作ったりしている)。結局、(最初、会ったときに全く覚えていなかったうえにバディの前では陰口までたたいているのに)ことある毎にメイビスはマットにクダをまき、話し相手になってもらう(逆にそうしてあげているマット←あこがれのメイビスと話せるちょっと嬉しい部分もあり←この辺の演技のさじ加減とか上手いなぁ)

そして、まわりの町の人たちも、メイビスがそんなにうまくいっていないことは判っていて気をつかっていたことがバディの子供の命名式パーティの日に判る。感情の持っていきようがないジレンマの中のメイビス。それでもどちらが良いとか悪いとかの決めつけはなく描くあたり「あるある」「思い当たる」「ドキリとした」と納得させられるライトマン監督の品の良い演出持ち味ですね。
YA絡みでこんな台詞
「YA?」
(どういう小説かを聞いている)
「ヤングアダルト、ティーン向けの小説」
「ヴァンパイア?」
(↑通じるぐらいに共通代名詞になってますねーw)
しかしシャーリーズ・セロン、こんなにうまい役者だったんだ、と感心した一作でもありました(相手によって変わる口元の笑み、とか←スゴイ!)。

Memo2
Title Designer : main and end titlesはGareth Smith
前「Shadowplay Studio」→現「Gareth Smith & Jenny Lee」
ジェイソン・ライトマン監督「JUNO」「サンキュー・スモーキング」「マイレージ、マイライフ」も全て制作(Shadowplay Studio名義になっています)。

Ya1

映画『ヤング≒アダルト』公式サイト
http://www.young-adult.jp/



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2011-11-23

午前十時の映画祭。ルキノ・ヴィスコンティ監督『山猫 イタリア語・完全復元版』

午前十時の映画祭ルキノ・ヴィスコンティ監督『山猫 イタリア語・完全復元版』。プリント状態が素晴らしくて感激。レストレーションのTOPクレジットにGUCCIが冠されているだけあって生地の違いまでも判別できる。

物語・1860年5月、イタリア統一と貴族支配からの脱却を目指すガリバルディの部隊がシチリア島に上陸する。治安は悪化の一途をたどるが山猫を紋章とするシチリアの名門・サリーナ公爵家の当主ドン・ファブリツィオ(バート・ランカスター)は、家族を率いて例年通り避暑地の別荘へ赴く。そこに、時流に乗って義勇軍に参加していた甥のタンクレディ(アラン・ドロン)も合流する。貴族社会の終わりを予見する公爵は、目をかけている甥の将来を考えて資産家の娘アンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)と婚約させる。(ブラウン部分、goo映画より抜粋)

Visconti

Memo
淀川長治さんの言葉だとおもいますが「まさに目のご馳走」。なるべく自然光で撮られたといわれる室内撮影の豪華絢爛さ。GoldRedの再現性に感嘆。
デジタルかフィルムか。この映画こそフィルムで見るべき作品。デジタル(RED ONEカメラなど)で撮影されたものを4Kデジタルで上映した美しさも否定できないが、このフィルムというマテリアルを1つ通して透過される映像は全く別次元のものだ。午前十時の映画祭・青の中でも見逃せない一本。
Wikiや「暮しの手帖別冊・シネマの手帖」にも書かれている(某政治家が引用したこと)バート・ランカスターの有名な台詞「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」。これはタンクレディを想い続けていた娘が「あなたは変わってしまったわ」に対して「何も変わっていない」と答えるタンクレディの台詞に呼応している。
今の時代とシンクロする、もうひとつの台詞「山猫と獅子は退きジャッカルと羊の時代がくる」。価値観が変わってしまったことを(変わってしまうことを)ファブリツィオ公爵は判っていて静かに舞踏会の場を去っていくラストシーンがこの上なく詩的だ。
2004年(イタリア語・完全復元版・公開時)の村上龍さんのコメント → 「この完全復元版を見てやっとわかった。ルネッサンス絵画を思わせる圧倒的な映像美は監督の「哲学」に支えられている。ヴィスコンティは普遍的な人間の不可解さを描いているが、それは勇気と希望を孕んだものだ」

午前十時の映画祭
http://asa10.eiga.com/

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2011-10-31

ウディ・アレン監督、ミラ・ソルヴィーノ主演『誘惑のアフロディーテ』

ウディ・アレン監督・主演、ミラ・ソルヴィーノがアカデミー助演女優賞を受賞した『誘惑のアフロディーテ』。今年遂に日本初DVD化されました。他にヘレナ・ボナム・カーター、F・マーレー・エイブラハム、ピーター・ウェラー

物語・生まれたばかりのベビーを養子に迎えたワインリブ夫妻。ルックス、IQ、性格の三拍子揃った息子マックスの成長ぶりに、夫レニー(ウディ・アレン)は鼻高々。しかし一方で夫婦仲は崩壊寸前。そこでちょっとした浮気心から息子の実の母親探しに熱中し始めたレニーは、驚くべき真実と直面する。(ピンク部分、ビデオ解説より抜粋)

アフロディーテ…Aphrodite
ギリシャ神話に登場する愛と美の女神。其の美しさに魅せられた神々は、みな彼女を妻に望んだという。

Mighty_aphrodite_a

Memo
探し当てた母親(実は娼婦、でも純粋)を演じたミラ・ソルヴィーノとアレンのやりとりが最高におかしい。オチもきいていて素晴らしい。
ミラ・ソルヴィーノのあっけらかんとした下ネタにドギマギすねウディ・アレンも。
そういえば今年(2011年)公開されたアレン『人生万歳!』も、ある種、偶然と幸運についての素敵な考察でした(エヴァン・レイチェル・ウッドとミラ・ソルヴィーノのキャラもダブってるし♫)
オープニングはギリシャの円形劇場。古代ギリシャ劇のように舞台にあがる合唱隊(この合唱隊が本編の中にも登場して場面場面を歌う)。
撮影はカルロ・ディ・パルマ。ウォームトーンの画面がとてもよい。

Mighty_aphrodite_p

公開時のパンフレット(上記)
横長の版型にエッセイ、ジャズ・ピアニスト/ディック・ハイマン(ウディ・アレンの多くの作品に参加。「マンハッタン」「ラジオ・デイズ」「ハンナとその姉妹」「ブロードウェイと銃弾」などのサントラの中にピアノでクレジットされています)のインタビュー、シナリオ採録も掲載。

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2010-12-07

ヤマトとナビオと波動砲。『SPACE BATTLESHIP ヤマト』

注・内容に触れています。
1974年に放映されたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」を実写化したイベントムービー『SPACE BATTLESHIP ヤマト』。監督は『ジュブナイル』『リターナー』(個人的には、この2本がベストだと思う。以降の作品はオーダー型)の山崎貴。主人公、古代進を木村拓哉、女性パイロットの森雪を黒木メイサ、沖田艦長を山崎努が演じる。

物語・2194年、外宇宙に突如として現れた敵・ガミラスが地球への侵攻を開始し、人類の大半が死亡してしまう。5年後、地球が放射能で汚染される中、かつてエースパイロットとして活躍していた古代進(木村拓哉)は、はるか彼方のイスカンダル星に放射能除去装置がある事実を知り、宇宙戦艦ヤマトで仲間と共にイスカンダル星へ向かう。
(ブルー部分シネマトゥデイより引用)

MEMO1
変更されている点、いくつか。何故か佐渡先生が女医(高島礼子)に。アナライザーが古代の腕や戦闘機に装着されるディスクタイプのAIに(イスカンダルでは起動型ロボットに)。あとガミラスも!声は伊武雅刀ですがw 「個は全体であり全体は個でもある、なんちゃらかんちゃら」と語る。

MEMO2
「地球か何もかもみな懐かしい」
「お前を弟のように思っていた」などのおなじみの台詞も。
しかし、真田(柳葉敏郎)の台詞、唐突すぎるw
エンドタイトルでの緑が蘇った地球。草原に森雪。その傍らには…が。あれ~?w

MEMO3
CG・VFXは白組 調布スタジオ
メインツールは通常Mayaだが、いろいろ導入された模様。

Yamato_h

Yamato_n


上・
既に夏ごろから始まっていたプロモーション。ボタンを押すと青い波動砲がw
下・
TOHOシネマズ梅田が入っているビル・ナビオ阪急とのコラボキャンペーン。確か、元々船をイメージして建てられているのでピッタリではありますがw 当日、写真を撮っている方が多かったので既にTwitter上にはたくさん画像登場してるかも、です。

SPACE BATTLESHIP ヤマト
公式WEBサイト
http://yamato-movie.net/

「SPACE BATTLESHIP ヤマト」ORIGINAL SOUNDTRACK

LOVE LIVES

ジュブナイル [DVD]

リターナー ― デラックス・エディション [DVD]

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2007-02-25

「善き人のためのソナタ」回復の回路

弱冠33歳のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドーナスマルク監督による監視国家の真実を描いた傑作「善き人のためのソナタ注・内容、台詞、ラストシーンに触れています。物語・1989年ベルリンの壁崩壊前の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)局員ヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は反体制の疑いをもたれている劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)と同棲相手の舞台女優クリスタ(マルティナ・ゲデック)を監視して証拠をつかむよう命じられる。ドライマンのアパートに盗聴器をしかけ、徹底した監視をはじめるヴィースラー。しかし…。2時間18分、まったく途切れることのない緊密な空気。サスペンス的にケレン味たっぷりに描いてしまうところを品位と気高さを持って描く。役者は演技を感じさせずカメラはカメラの存在自体を感じさせない演出(時折、挟み込まれる俯瞰で撮った道路が効果的)。ヴィースラーがドライマン、クリスタのふたりが喧嘩をしてしまうようにし向ける意地の悪い行動をおこすシーンがある。しかし、その後ヴィースラーが盗聴機越しに聞いた会話は…(この辺りを境にヴィースラーは目覚めていく)。タイトルのソナタはひとつのアイテムだが物語自体が音楽のような主旋律とコーダ部分(ベルリンの壁崩壊後のエピソード)を含ませて忘れがたい余韻を残す。

Das Leben der anderen. Geschwaerzte Ausgabe.

ラスト、これ以上はない幕切れ。
ヴィースラーがふと、目にする書店の広告。
ドライマンの著書「善き人のためのソナタ」
その本に記された献辞。
… HGW XX/7へ捧げる …
(HGW XX/7はシュタージでのコードネーム)
「ギフト包装しますか?」
「いや、これは私のための本だから」

追記
アカデミー賞外国語映画賞受賞

善き人のためのソナタ
http://www.yokihito.com/

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2007-01-30

「ユメ十夜」こんな夢を見た。

夏目漱石原作の短編「夢十夜」を10組11人の監督によって映像化した「ユメ十夜」。夢なんだから物語が迷走しても全然、大丈夫大丈夫。原作に近い雰囲気のものから大きく脚色し直した派手なものまで「いろいろな夢の形」を見せてくれます。これだけバリエーション(豪華なキャストも含めて)があると自分の好みにあったものに出会えるのでは ? 注・以下、各エピソード内容、台詞に触れています。

文鳥・夢十夜

プロローグ
清水厚・監督
まずは掴み。漱石先生が書き出すところから始まります。「時間」についての取っ掛かりでもあります。「この作品がわかるまでには100年もの歳月がかかるであろう」

第一夜
実相寺昭雄・監督
小泉今日子、松尾スズキ

さすがにテイストが近い題材を演劇的ケレン味演出で見せてくれます。サラサーテの「チゴィネルワイゼン(映画クレジット表記通り)」が使われていて一瞬、鈴木清順監督の「ツィゴィネルワイゼン」を思い出しました。小泉今日子のの着物が涼しげで綺麗〜。

第二夜
市川崑・監督
うじきつよし、中村梅之助

モノクロ、サイレント !! 90歳を超えても尚アバンギャルドにしてスタイリッシュ。短刀の鞘(さや)のみ
が使われている。漱石原作では「こころ」と「吾輩は猫である」を撮っている。

第三夜
清水崇・監督
服部圭亮、香椎由宇

やはり、ここは清水監督ということでホラーテイスト満開の「ユメ十夜」中、屈指の怖さ。悪夢が続いた際のもどかしさ「夢なら覚めてくれ」感が最も出ている作品。

第四夜
清水厚・監督
山本耕史、菅野莉央

懐かしい光景。セピア風画面。墜落する飛行機が上空を飛んでいく。駅の伝言板。「思い出」もまた「夢」。師である実相寺監督のトーンを受け継いでいて今後楽しみな監督。

第五夜
豊島圭介・監督
市川実日子、大倉孝二

原作の天深女(あまのじゃく)が出てきますが、ほとんど「ケムール人」か「T2」ノリでビックリ。まさに悪夢とよべる「夢」。市川、大倉ふたりが出ていると演劇的でもあり映画的でもある。

第六夜
松尾スズキ・監督
阿部サダヲ、TOZAWA

モノクロ、BBS風字幕、英訳。アニメーションダンサーTOZAWAによる運慶ハイパーダンス。10分という制約を逆にMUSIC VIDEO仕立てに作りあげた。どう締めるのかと思っていたら「木彫りの熊オチ」って…、まさに松尾スズキ監督。

第七夜
天野喜孝、河原真明・監督
Sascha、秀島史香(共にVoiceCast)

3DCGアニメーションによるファンタジー。ファンタジーなのだから「まさに夢」。紫の色調で整えられたピアノのシーンが流麗。

第八夜
山下敦弘・監督
藤岡弘、、大家由祐子、山本浩司

原稿用紙にむかう漱石のイメージ世界。シュール。石原良純のシーンは夢オチ ? 「書いちゃえ」の一言が本オチ?

第九夜
西川美和・監督
緒川たまき、ピエール瀧

最も「映画らしい映画」。個人的には、この「第九夜」が最もよかった。緒川たまきの佇まいが美しい。お百度参りのシーンとピエール瀧演じる出征しようとする夫との確執シーンとの色彩対比も極めて美的。

第十夜
山口雄大・監督
松山ケンイチ、本上まなみ、
安田大サーカス、板尾創路、石坂浩二

最後の最後に弾けまくった ! 本上まなみの「あっ!」と驚く「ぶひっ」から突然平賀源内、豚丼まで「何でも有り」のまさに「夢の脈絡のなさ」を体現。

エピローグ
清水厚・監督
場所は現代。ビルの広告パネルの「時間」が激しく流れていく。戸田恵梨香扮する女学生が「まだ100年かかるのかな〜」と呟いて、雪。
そして、エンドクレジット。

ユメ十夜
http://www.yume-juya.jp/

夢十夜

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2006-10-05

夜のピクニック

恩田陸の第2回本屋大賞に輝くベストセラー小説「夜のピクニック」の映画化。物語・1000人一緒に24時間夜を徹して、80キロを歩く伝統行事「歩行祭」。今年で最後の歩行祭を迎える甲田貴子(多部未華子)は、密かに賭をしていた。それは一度も話したことのないクラスメイトの西脇融(石田卓也)に話しかけるということ。そんな簡単なことができない、親友にも言えない、特別な秘密が2人にはあった…。( ここまでフライヤーより抜粋 )。注・ここより物語のラストに触れています。ただ歩くだけ、気がついたら、この「だらだら感」が実は心地良い(前半、アニメの挿入含めて、どうなることかと思いましたが、結果2時間という長さは必要だったということでしょうか)。明け方、朝もやの中を歩く4人を捉えた風景もよい。ラスト、「ゴール」のゲートを4人一緒にジャンプした後カメラがパンすると反対側の「スタート」を映して新たな旅立ち(本当のスタート、秘密だった「わだかまり」を越えた2人にとっても)を祝福して終わるあたり、「青春映画の王道だな〜」と納得。多部未華子(好演)以外の今後の日本映画界で活躍するであろう俳優陣も素晴らしい。

夜のピクニック
http://www.yorupic.com/

夜のピクニック 「夜のピクニック」INSPIRED BEST ALBUM

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2006-08-13

ユナイテッド93

「ボーン・スプレマシー」の(というよりドキュメンタリータッチで描かれた「ブラディ・サンデー」のというべきか)ポールグリーン・グラス監督による2001年9月11日のテロで犠牲になった4機の飛行機中、ただ1機ターゲットにたどり着かなかったユナイテッド93便の機内で起こった出来事を時間軸に沿って淡々と描ききった「ユナイテッド93」。リアルという表現では捉えきれない監督とスタッフの真摯な態度が垣間見られる。本当にその場にいた管制官や軍関係者たちのやりとり、無名の役者を使った乗客の混乱と悟り…(監督は役者に対して同じ座席に座ることのみ指示されたとか)。見終わった後の気分は複雑だが、これも「映画のできること」のひとつ(何かを知ること)。すでに予告編が流れはじめているオリバー・ストーン監督「ワールド・トレード・センター」も実話だが「ユナイテッド93」とは対極的になりそうです(あくまでも予告編とシノプシスからの私見ですが…)。

ユナイテッド93

http://www.united93.jp/

オリジナル・サウンドトラック「ユナイテッド93」

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