2017-02-24

『ラ・ラ・ランド(La La Land)』デイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、J・K・シモンズ、他

注・内容、台詞に触れています。
ラ・ラ・ランド
La La Land

監督 : デイミアン・チャゼル
出演 : ライアン・ゴズリング
エマ・ストーン
J・K・シモンズ
ジョン・レジェンド、他

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Memo1
"映画は女優で"という小林信彦先生の教えに従ってエマ・ストーンが出ているだけで無条件に見ている者にとっては、まあ、それだけで満足。
(その点から言うとウディ・アレン近作2作は"さらに倍")
"Audition"を歌うシーン、そしてエンドクレジット後半に流れる"City of Stars"エマ・ストーンによるハミングバージョン。
『ワン・フロム・ザ・ハート』想起した初期予告編やポスターからのイメージとはかなり違う。
ただ、後半、部屋がエメラルドグリーンの光に包まれ続けるシーン、特にエマ・ストーン顔アップシーンとテリー・ガーやフレデリック・フォレストに同じように照らされていた光が、やや被る(あとテリー・ガーが家を出て行くシーンの後ろ姿を捉えたショットと似たクレーン俯瞰ショットがいくつか)
ウディ・アレン『世界中がアイ・ラヴ・ユー』を"その年のベスト1"にあげていた淀川長治先生が、ある種対極にある『ラ・ラ・ランド』を見たら、どんな感想だったのだろう?ということを考えている。
(『世界中がアイ・ラヴ・ユー』パンフレットの溢れる喜びに満ちたレビューとか読むと特に)
さて、ラストの解釈についてはいろいろ分れるところ。
映画史変遷(一応、ミュージカル映画・画面フォーマット変遷史←『ザッツエンタテイメント』がモノクロの最初の『雨に唄えば』から始まるように)
SUMMITロゴスタンダードスクリーンサイズから、かつて『聖衣』初上映の際の突如、カーテンが横に開きシネマスコープに変わる部分の再現(PRESENTED BY CINEMASCOPEがモノクロからカラーに変わるところも同時に)
そしてアイリス・フェードイン&アウト
(ラストの"The End"の締め方。ここでパノラマという言葉も)
と、変遷史を見せた上でラスト"もうひとつのありえた世界"を描くシーンで使われたのが16mmによるホーム・ムービーというところが"あるひとつの解"として用意されている。(脚本にもわざわざ16mmという指定がある)
つまるところ"映画もまた夢の一種"なのである。
いま見ている実際の風景も、頭の中でイメージしている映像も、スクリーンに映される映画も、その映画の中で描かれる"ありえたかもしれない、もうひとつの世界のイメージも全ては地続きで繋がっている。
横尾忠則さんも映画にまつわる画集「画集・絵画の中の映画」の中で引用されていたが江戸川乱歩先生のこの言葉を痛烈に思いだす。
「現世は夢、夜の夢こそまこと」
"もうひとつのありえた世界"
最初の出会いでキス、バンドへの誘いを断り、ミアの一人芝居は大盛況、セブはフランスでジャズピアニストとしてライブ、そして結婚、生まれてきた子供の性別が男の子と全て現実とは真逆だと考えると、フランスで撮影する映画のオーディションにはミアは落ちたということになる。
(では、その後どのように女優として成功したのか、夫と知り合ったのかは分からないが、プロセスがどうであれ、二人とも夢は実現したこととなるラストは結構、好みの締めくくられ方)
『ラ・ラ・ランド』パンフレットで町山智浩氏が触れているエンディングについての監督へのインタビュー記事
(ここで監督による"一応のひとつの解"が語られている)
Damien Chazelle Reveals the Movie That Influenced La La Land’s Ending
http://www.vulture.com/2017/01/movie-that-inspired-la-la-lands-ending.html
クスっと笑えたシーン
「私の車の鍵も」
「車種は?」
「プリウス」
「どのプリウス?」
(いっぱい吊るされた同じキー←どれだけTOYOTAばかりやねん←関西弁)
「緑色のリボンの」(←この点もはキーカラー)
冒頭、高速道路ダンスシーンでセブの乗る車の後部座席にぎっしりと入ったカセットテープ収納ボックスがチラリ。
姉に「座るな」と言っていたホーギー・カーマイケルが座った椅子が実現したセブの店の入口入ったところに、しっかりと展示されていた。
映画館でミアがセブを探そうとスクリーンの前に立つシーン。
誰ひとり、ミアの方を向いていない(それどころか、何もないようにスクリーンを見ている。セブの横を通り過ぎるカットもある。)
少し奇妙なシーン。
(思えば次項目に書いた逆光ハイコントラスト映像も奇妙といえば奇妙)
IMAX含めTOHOフリーパス・フル活用で劇場を変えて(現時点で)7ヶ所で見たけれど、上映環境によって、これほど印象が変わる映画も珍しい。
タップの音も判別しにくい場合もある。
(ハイコントラストはラストの"もうひとつのありえたかもしれない世界"の16mmフィルムパートのためにわざとやっていると思うけれど輝度による差は大)
パーソナルカラーコーディネート的には色合い(ウォーム・クールトーン)がちぐはぐに見えていた衣装(特に前半戦)も輝度の高いスクリーンで超ハイコントラストが映えた状態だと全く印象が変わった!

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ロゴ、メインタイトル、Typography及びグラフィック周りを手がけたのはShine Studio
(おぉぉぉっ!!と唸ったトップロゴなど画像あり)
http://shinestudio.com/projects/la-la-land/
La La Land - Movie References
ロシュフォールの恋人たち』『ウェストサイド物語』『雨に唄えば』『バンドワゴン』『巴里のアメリカ人』『ブロードウェイメロディ』など本作がオマージュ(リスペクト)した該当ミュージカルとの比較シーン動画。
https://vimeo.com/200550228
AllCityによる『ラ・ラ・ランド』Theatrical Campaign
http://www.allcitymedia.com/case-studies/la-la-land
第89回アカデミー賞に『ラ・ラ・ランド』でノミネートされた衣装デザイナー > メアリー・ゾフレス(コーエン兄弟作品多数)によるスケッチが掲載された記事 > http://www.hollywoodreporter.com/news/la-la-land-costume-designer-explains-retro-realistic-look-film-951231
参照にする映画をサンタモニカのビデオ店で借りてきてフレーム画像を印刷した話やセバスチャン(ライアン・ゴズリング)の2トーンシューズのこと、ミア(エマ・ストーン)が昼間に着ている普段着衣装探しのことなど。(H&Mにも!)
(『バンドワゴン』『雨に唄えば』から『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
セバスチャンの2トーンシューズ)
La La Land Production Notes (PDFファイル54ページ)
エンドクレジットも全て掲載されています。
(動画、画像関連マテリアルは別リンク)。
http://www.lionsgatepublicity.com/uploads/assets/LA%20LA%20LAND%20NOTES%20FINAL%209.7.16.pdf
'La La Land': How to Shoot a Musical Number
"Someone in the Crowd"の撮影風景 (IndieWire記事)
http://www.indiewire.com/2017/02/la-la-land-damien-chazelle-emma-stone-musical-number-someone-in-the-crowd-watch-video-1201783573/
twitter版の方でリツイートしたコダック社のメールマガジンでも紹介されているとおり本作は35mmフィルム(一部16mm)で撮影されています。
PANAVISION社のホームベージにも
http://www.panavision.com/la-la-land-theaters
さまざまな映画・ドラマの「どこで撮影されたの?」なども紹介しているサイトに掲載された『ラ・ラ・ランド』ロケ場所。
http://www.atlasofwonders.com/2016/12/la-la-land-filming-locations.html

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IMAX上映館初日先着プレゼントとして用意されたポスタービジュアル

映画『ラ・ラ・ランド』公式サイト
http://gaga.ne.jp/lalaland/

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2016-12-23

タイトルデザイン_46 PROLOG FILM/Kyle Cooper 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(Rogue One: A Star Wars Story)』

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
Rogue One: A Star Wars Story

監督 : ギャレス・エドワーズ
出演 : フェリシティ・ジョーンズ
ディエゴ・ルナ、ドニー・イェン
ベン・メンデルソーン、マッツ・ミケルセン
アラン・テュディック
フォレスト・ウィテカー
リズ・アーメッド、チアン・ウェン、他

Ro

Memo
ディズニー傘下になってからの如実なヒロインを軸とした構成は、本線含めて良いなぁー。
語られていたローグ中隊(若干整合性が無いような気もするけれど、そういうことはどうでもよい)の物語。
監督も語っているとおり、まさに戦争映画になっている。
なんといってもドニー・イェン演ずる盲目の剣士チアルート!
唱えるはフォース念仏とも呼べる信念のフレーズ。
そして、この台詞。
「正しい者のあとに続く」
モルディブで撮影された南国イメージの惑星ビジュアルは初。
宇宙空間との色彩対比が美しい。
ダース・ベイダーの隠れ家(そしてドック)、逆光を背に登場する"見栄"のある場面。
そして何より、設計図を奪われ怒りに燃えて自ら反乱軍の舟に乗り込んでいく鬼気迫る姿。ライトセーバーによる殺陣の恐ろしさ。このシーンに続いてep4を見ると印象が変わるだろうなぁ(←まだ見直していない)
ここが描かれたことによってダース・ベイダーの怖さの部分が強調されて(思い出させてくれた)
"A long time ago,in a galaxy far,far away...." に続いてのメインテーマがなく、そのまま物語に移行していく。
(なるほどサイドストーリーは、オープニング部分をこういう手法をとっていくのか、と膝をうつ)
そしてジン・アーソの子供時代を描いたシーンに続いてメインタイトル。

エンドクレジットを見ているとタイトルデザイン周り(バックグラウンドイメージ、プロデュース)がPROLOG FILM/Kyle Cooperと表記されていた。
(ギャレス版『ゴジラ』からの流れもあってのこと?)
End Titles and Roller Design & Produced > FUGITIVE
http://www.fugitivestudios.co.uk/

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
http://starwars.disney.co.jp/movie/r1.htm

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2016-06-19

『64 -ロクヨン- 後編』瀬々敬久監督、佐藤浩市、永瀬正敏、緒形直人、綾野剛、瑛太、仲村トオル、三浦友和、他

注・内容、犯人、ラストに触れています。
64 -ロクヨン- 後編

監督 : 瀬々敬久
出演 : 佐藤浩市
永瀬正敏、三浦友和、緒形直人
綾野剛、榮倉奈々、瑛太、夏川結衣
窪田正孝、坂口健太郎、筒井道隆
鶴田真由、赤井英和、菅田俊
烏丸せつこ、小澤征悦、椎名桔平
滝藤賢一、奥田瑛二
仲村トオル、吉岡秀隆、他

物語項、前編のブログメモはこちら → 『64 -ロクヨン- 前編』

64_2

Memo
なるほど、こう変更してきたか。
(原作未読なのでドラマ版と比較)
でも嫌いではない。
前編の不思議な熱は、どうしてもラストへ向けて、まとまってしまうこととなるので常温化していくことは仕方ない。
それよりも瀬々監督は原作やドラマ版よりも犯人に対して断罪的に描きたかったのではないだろうか?
まず原作小説との違いについて
以下【小説の流儀、映画の作法 横山秀夫(原作者)×瀬々敬久(映画監督)】より引用
"小説ではラストで、三上があくまで広報官として「ロクヨン」に関わり、それまでの出来事を自分なりに消化していきます。でも映画では、広報官としての一線を越えて、一人の人間として事件と対峙する主人公を作りたいと思っていたんです"
対談・全文はこちら↓
本の話WEB
http://hon.bunshun.jp/articles/-/4761
NHKドラマ版(全5回・大森寿美男・脚本)
ドラム缶の下に置かれたメモの上半分を破って飲み込むのは同じだが、その後釈放され、再び長女が誘拐されたと思い込みロクヨン事件の犯行現場に呼び戻されることとなる映画と違って「目先が落ちた」のひとことで終結したことを知る。
ラスト、家出した娘からと思しき電話で幕を閉じるところは同じ。
各話につけられたサブタイトルがそれぞれ「窓」「声」「首」「顔」そして最終話が「指」!
そして、映画。
『復讐するは我にあり』での三國連太郎、緒形拳共演を彷彿とさせる場面があるのでは?と、公開前から期待されていた佐藤浩市と緒形直人の直接対峙するシーン。
追いかける三上。
逃げる目先(緒形直人)
「どうして殺してしまったんだ」
「わからないんだ」
一瞬、佐藤浩市とのあいだに間(ま)があいて掴みかかる三上。
ここで、もし理由付けされると「そんなことで殺してしまったのか」といった台詞展開となるので、あの答えでよかったような気がします。
ロクヨン事件に関わったすべての人に傷を残すこととなったが、忘れてはならないのは亡くなったのは雨宮(永瀬正敏)の娘ということ。
そのこともあっての目先への何よりも重い罰ともとれる場面を用意したのでは?と、思えるのだ。
あと、ドラマではテレビという規制もあってか、犯行シーンなどがなかったように記憶する(あったとしても覚えていないということは印象が薄かったのかもしれない)
思えば、出かけていく雨宮の娘・翔子がどんと焼きで使う餅のささった枝を持って出かけていく姿を捉えたショットがラストのどんと焼きシーンへとつながっていたのだなぁ、と思った。
前編との繋がり。
三上が雨宮宅を訪ねていった際に仏壇の前に置かれた電話帳をさっと避ける場合、その雨宮の指のアップ、ボサボサだった髪型が整えられた時期などが描かれていたが三上が、ロクヨン模倣誘拐事件を追ってる途中に、思い起こしたのシーンが電話帳の部分。そして番号部分が黒ずんだ公衆電話。
そして、今回もドローン撮影がいくつか。
ラストの川に向かって目先を追いかける三上のシーン(こういうショットはクレーンとも違っていて印象的)
『ちはやふる』を見ても思ったことだが、2部作公開の場合、そのタイトルの出し方に特徴が。
前編のシーンがいくつか流れ、三上の顔のアップ、目に寄っていってスコープサイズの右下に手描きによるメインタイトルが出る。タイトルデザインは赤松陽構造さん

映画『64‐ロクヨン‐前編/後編』公式サイト

http://64-movie.jp/


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2016-05-12

『64 -ロクヨン- 前編』瀬々敬久監督、佐藤浩市、永瀬正敏、綾野剛、瑛太、仲村トオル、三浦友和、他

注・内容、犯人(後編部分含む)に触れています。
64 -ロクヨン- 前編

監督 : 瀬々敬久
出演 : 佐藤浩市
綾野剛、榮倉奈々、瑛太、夏川結衣
窪田正孝、坂口健太郎、筒井道隆
鶴田真由、赤井英和、菅田俊
烏丸せつこ、小澤征悦、椎名桔平
滝藤賢一、奥田瑛二
仲村トオル、吉岡秀隆
永瀬正敏、三浦友和、緒形直人、他

物語・わずか7日で終わった昭和64年。その年に起きた少女誘拐殺人事件、“ロクヨン”から14年が経過し未解決のまま時効が近づいていた。そのロクヨンの捜査に携っていた警務部秘書課広報室の広報官・三上義信(佐藤浩市)は記者クラブとの不和、刑事部と警務部のあつれきの中、娘の家出にも心を痛めていた。そんな中、ロクヨンを模倣したような誘拐事件が起こる…。

64

Memo1
ファーストカットから乗れた。
メインタイトルが出るまでで昭和64年の事件の件(くだり)が描かれる。
スコープサイズの左右にできる余白隅々まで緊迫感みなぎる佐藤浩市のクローズアップ。
特に前編締めくくり、クライマックスとなる9分間の長回しシーン。
まさに、ひとりで多人数を受け止める芝居の真骨頂。
人が横に移動するとカメラも横に移動して、止まるとフイックス、編集で切り返し(奥から手前に移動してくる場合も動きに応じて手前へと移動する)。そして記者クラブでの広報室との対立はハンディでと、場面に応じた芝居重視の絵作りが素晴らしい。
しかも、ドローンを使った追尾空撮など最新の手法も取り入れた冒頭、身代金を持って移動する雨宮のあとを追う警察車両のカットなども効果的。
(あ、あと、夜の琴平橋で身代金を川に投げ入れる雨宮をとらえたロングショットもよかったなぁ)
↑本作から受けた印象として、ふと、昔、黒澤明監督を囲んでのティーチインで伺ったカメラの動きと役者についての話を思い出した。
原作、TVドラマ版(大森寿美男脚本/ピエール瀧)と既に結末についてはわかった上で鑑賞。
2部作として割る場合、これは正攻法にして上手い前後編手法。
(「ちはやふる」の2部作は、また違ったアプローチで成功していたと思う。まあ「ちはやふる」の場合は連載継続中ということで「ハリポタ」的シリーズ化も可能な上での2部作プラス続編の形になった感もある。「64」の場合は休憩をはさんで一挙4時間公開という手法もあったかもしれない。しかし前編で三上が「亡くなった人を持つ家族の思い」や「その人にも暮らしがあったのだ」ということを訴えかけるシーンは作品ひとつとしてのまとまりを持っており「ロクヨン」と続いて後編で描かれる「ロクヨン」模倣事件、結末へのブリッジとして、この上ない描写となっている)
犯人(少しややこしい表現とネタバレとなりますが→後編で描かれる平成14年に起こる「ロクヨン」誘拐事件の模倣の犯人)についてのヒントが実はさりげなく、いくつものシーンに(三上が雨宮宅を訪ねていった際に仏壇の前に置かれた電話帳をさっと避ける場合、その雨宮の指のアップ、ボサボサだった髪型が整えられた時期など)。それをふまえての後編(チラッと写る緒形直人)が実に楽しみ。

※Memo2
本の話Web
小説の流儀、映画の作法 横山秀夫(原作者)×瀬々敬久(映画監督)】
改稿22回(!)の脚本のこと、小説とは違うラストに言及した興味深い対談。
http://hon.bunshun.jp/articles/-/4761
昭和パートの後、スコープサイズの右上に手描きによるメインタイトルが出る。タイトルデザインは赤松陽構造(パンフレット表紙・本文・ノンブルも)
本編に後編予告編がつくようにパンフレットにも内容告知(原作者インタビューやキャストによる「結末」の封印を解くなど)の予告が!(もしかして、初?)
さらに表3モノクロ、電話ボックスの写真にかぶさる(見切れている)「全て14年前のままだ。」の文字。
パンフレットデザインは大島依提亜/中山隼人
本文40P。新聞仕様の縦組本文。後編へのネタバレ配慮が登場人物相関図はじめ随所に。
(文中敬称略)

映画『64‐ロクヨン‐前編/後編』公式サイト
http://64-movie.jp/

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2016-05-01

『レヴェナント : 蘇えりし者(The Revenant)』アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、他

レヴェナント : 蘇えりし者
The Revenant

監督 : アレハンドロ・G・イニャリトゥ
撮影 : エマニュエル・ルベツキ

出演 : レオナルド・ディカプリオ
トム・ハーディ
ドーナル・グリーソン、他

物語・アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死(ひんし)の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされてしまう。かろうじて死のふちから生還したグラスは、自分を見捨て、息子ホークを殺したフィッツジェラルドに復讐を果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Rev2

Memo1
“レヴェナント”とは“黄泉の国から戻った者”という意味。
しかし、これは"死んでいたと思われた男が復讐に執念を燃やす"単なる復讐譚ではなくヒュー・グラスは何かに導かれるように、雪原を旅し、あのラストへと帰結する。
最初のワンカットで撮られた(と、思しき)ネイティヴアメリカンによる狩猟キャンプ襲撃シーンから熊に襲われるところまでで、たった30分しか経っていないという驚くべき冒頭部分。
これによって観客は、主人公たちがいる場所へと放りこまれた形となる(で、怖い)
そしてグラスと共にサバイバルの旅が始まるわけである。
そのうち監督が「ルベツキ、ルベツキ言うなぁー(関西弁)」と、拗ねてしまうのではないかと思われるほど語られるルベツキによる撮影。
今回の自然光だけで撮られたと言われる数々のシーン、メイキング映像を見るとマジックアワーとは別に意外と明るい光(主に午前)でも撮っていて、これは最終的にカラコレで本作の統一された寒色系のトーンに色を落ちつかせたのだな、ということがわかる。
印象に残った場面。
グラスの妻が撃たれたとき、その撃たれた胸の箇所から小鳥がもぞもぞっと出てきて飛び立つところは、はっとさせられた。
(その後も夢の中にも浮遊して現れたり、やはり導きつづけているのか…)
SWITCHに掲載された坂本龍一×真鍋大度対談より抜粋
"編集と並行して音楽を足掛け半年ぐらい延々とやってたんですけど、送られてくる仮編集がOSみたいにバージョンがついていて、Ver1から始まって最終的には11月の時点でVer8.5まできたので(笑)その間、刻々と変わっていくんです"←この仮編集版、見てみたいなぁ←イニャリトゥ監督とルベツキ撮影の秘密がわかるかも。
製作費が1億3500万ドル。
予算の半分ぐらいがテクニカルかことにかかってる、ということはいったい、どれほどの時間が編集やVFX、カラコレなどに費やされたのだろうか…。
※蛇足
最近はクマの映画をよく見る。
パディントン、テッド、レヴェナント(よいクマ、わるいクマ、きょうぼうなクマ←今ここ)

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Neil Kellerhouse Designによるポスター。
写真の上にのせる計算されつくしたフォント処理で数多くの亜流を生み出した。その作品の多くはオフィシャルサイトで見ることができます。
http://www.kellerhouse.com/
タイトルデザインはScarlet Letters
使用フォントTrade Gothic
川、もしくは樹木の間を流れる水(最終場面も川)にかぶさって出るシンプルなタイトル。(フォントのピッチが絶妙。これはエンドタイトル部分にも)
Technicolor社による『レヴェナント : 蘇えりし者』『バードマン』などのColor Finishing ケーススタディ記事(PDFダウンロードスタイル)
http://www.technicolor.com/en/solutions-services/entertainment-services/creative-houses/technicolor-los-angeles/color-finishing
ドキュメンタリー(45分)、撮影、カラコレ、音響など様々なメイキング関連(動画・記事)リンクを網羅
http://jonnyelwyn.co.uk/film-and-video-editing/the-making-of-the-revenant/

映画『レヴェナント:蘇えりし者』オフィシャルサイト
http://www.foxmovies-jp.com/revenant/

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2016-04-24

『リップヴァンウィンクルの花嫁』岩井俊二監督、黒木華、Cocco、綾野剛、他

リップヴァンウィンクルの花嫁

監督 : 岩井俊二
出演 : 黒木華Cocco
綾野剛、原日出子
地曵豪、毬谷友子
和田聰宏、佐生有語
夏目ナナ、金田明夫
りりィ、他

物語・東京で派遣教員をしている皆川七海(黒木華)は、鉄也とSNSで知り合った後に結婚。結婚式の代理出席をなんでも屋の安室(綾野剛)に頼む。しかし、間もなく鉄也の浮気が明るみに。ところが七海が浮気をしたと義母に責められ、家を出ていくことになる。そんな七海に安室が結婚式の代理出席や、月給100万円の住み込みメイドのアルバイトを紹介。そこでメイド仲間で、型破りで自由な里中真白(Cocco)と出会う。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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あれよあれよという間に悲惨な出来事になだれこみ"なんでも屋"コンダクター安室行舛(綾野剛)に導かるまま、終映後、気がつけば見ているこちら側(内側)も皆川七海(と同じように少しだけ向こう側(外側)に出られたような気分になる。
現実からファンタジー、そしてまた現実へ。
その抜け出た現実(リアル世界)は最初見ていたものとは違って見える。
なんという傑作!
名前でいろいろ遊んでいたり(かけていたり)する岩井俊二監督作品。
(『花とアリス』でも駅の名前が漫画家繋がりになっていました。白戸方面、水木、藤子、北廊、塗壁、野比田など)
LINE(のようなSNS)画面に出た安室の敬礼写真
「アムロ、行きます」
(冗談のようなホントのような、ちょっとひとをくったような、でも、その匙加減も岩井監督作品)
いろいろな方が指摘しているとおり七海の名前も"全ての川は七つの海に帰す"と意味深。
それにしても真白(Cocco)の母親役がりりィ
(まさに沖縄歌姫の共演←実際の共演場面はありませんが)
真白の葬儀(擬似家族が本当の家族のように参列している)の後のこの母親を訪ねて行くシーン。
ここだけが映像のトーンもドキュメンタリーのようなリアルなタッチに変わる。冒頭、SNSで知り合って結納、結婚へと至る七海の(海月のような)ふわふわとした実態のないリアルではなく、本当にありのままの現実。
カメオ出演、笑える(笑っちゃいけないのかもしれないけど)多数。
ただ、それさえも埋没させてしまうほど本編密度が濃密。
(紀里谷監督には笑ってしまいましたが…)
真白の台詞
「この世界はさ、ほんとうは幸せだらけなんだよ」
「コンビニで知らない人がわたしなんかのためにせっせっせっと商品を詰めていってくれるんだよ」

Memo2
劇場公開作以外に配信限定版(海外上映バージョン)と映画とは異なる全6話からなるBSスカパー!で放送中『リップヴァンウィンクルの花嫁』serial edition。各話のサブタイトルが「結納」「結婚」「離婚」「家族」「白い館」「花嫁」と端的にして秀逸。
http://www.bs-sptv.com/rvw-bride/
メイキング映像を見ると使用カメラがREDだった。
撮影監督・神戸千木 Web Site
Ebank
http://www.ebnak.com/

Rvw
パンフレット
岩井俊二監督や出演者へのインタビュー。宮台真司、中森明夫、岡田育各氏による寄稿。プロダクションノートなど濃い内容。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』公式サイト
http://rvw-bride.com/

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2016-04-10

"How have I ever deserved such love?"『リリーのすべて(The Danish Girl)』トム・フーパー監督、エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、他

注・内容、台詞に触れています。
リリーのすべて
The Danish Girl

監督 : トム・フーパー
出演 : エディ・レッドメイン
アリシア・ヴィキャンデル
ベン・ウィショー
セバスチャン・コッホ
アンバー・ハード
マティアス・スーナールツ、他

物語・1926年デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、同じく画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に女性モデルの代役を依頼される。その際に、自身の内面にある女性の存在を感じ取る。それ以来リリーという女性として生活していく比率が増していくアイナーは、心と体の不一致に悩むことに。当初はそんな夫の様子に困惑するゲルダだったが、次第に理解を深め…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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Memo1
エディ・レッドメインの役どころを支えるアリシア・ヴィキャンデルがめちゃくちゃ上手い(アカデミー賞助演女優賞さもありなん)
もちろんエディレッドメインもすごいのだが、変わっていく彼を受け止めるヴィキャンデルの心情(トムフーパー監督ということもあってバストショットやアップが多くなるため表情による演技)表現。
モデルがキャンセルになったため代わりにモデルを務めるアイナー。
この時の自分の脚をみつめるアイナーの視線。
We’re going to call you Lili...
そしてウラがユリの花束をアイナーにポンと渡す。
(この時、アイナーは自分の中に存在する女性のことに気づく)
「あなたはリリーよ」
女性の仕草を真似ていくアイナー。
それは画家だからこその模倣の視点。
ワンちゃんが癒す
(観客も癒されましたが)
・最初のあたりでゲルダが肖像画を描いているシーン。
その肖像を描いてもらっている本人に対して。
「ジッとして」
「動かないで」
(ワンちゃんにもモデル、どちらに言ってるのかわからない感じが可愛らしいシーン)
・また、アイナーとゲルダ、2人の顔を順に見るシーンがあって、これが本当にパッパッと見返す感じで素晴らしい名演技
性別適合手術を受けるために旅立つアイナーを見送る駅のシーン。
プレゼントされたスカーフを首に巻くゲルダ
そのスカーフをアイナーに渡し駅での(男女としての)最後のキス。
列車に乗り込んでからも車両の窓を順に見ていって姿を探すゲルダ。
そして投げキスを送り。
列車が走りだしたと同時に急ぎ足で歩き始めるゲルダ。
(この時のゲルダの表情)
駅が出てくる(別れが多い)シーンの映画が好きだけれども、本作のシーンも格別のものがありました。

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外に出たいと庭に。
そこで交わされた台詞。
ゲルダへの無条件な愛への感謝
「大きな愛に答えられたのかしら」
How have I ever deserved such love?
ラストシーン
風景画で描かれた沼地に行くゲルダと画商のハンス(マティアス・スーナールツ)
舞い上がる、(二人の間を結びつけていたかのような)スカーフ
「行かせてあげて」
「自由になれたのよ」
※台詞は記憶をたどって書いているので若干、違うかも知れません。

Memo2
音楽が(あまりの多作ぶりで世界中にコピーロボットがいるのでは?と噂される)アレクサンドラ・デスプラ
最近、発刊された「女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」アール・デコのうもれた美女画」 (著者の荒俣宏さんによるとリリーよりリリの方がしっくりくると書かれているとおり脚本もLili表記になってました)
脚本(PDFで公開中)
Screenplay by Lucinda Coxon
http://focusguilds2015.com/workspace/media/dg-finalversion.pdf
『リリーのすべて』衣装展示記事
Hollywood Movie Costumes and Props
http://hollywoodmoviecostumesandprops.blogspot.jp/search/label/The%20Danish%20Girl
タイトルデザイン
(ラストと繋がる沼地、そして断崖)
Lipsync Design
MOVIE TITLE STILLS COLLECTION記事
http://annyas.com/screenshots/updates/danish-girl-2015-tom-hooper/

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映画『リリーのすべて』公式サイト
http://lili-movie.jp/

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2015-12-05

『Re:LIFE~リライフ~(THE REWRITE)』マーク・ローレンス監督、ヒュー・グラント、マリサ・トメイ、J・K・シモンズ、他

Re:LIFE~リライフ~
THE REWRITE
監督 脚本・マーク・ローレンス
出演・ヒュー・グラントマリサ・トメイ
ベラ・ヒースコートJ・K・シモンズ
クリス・エリオットアリソン・ジャネイ、他

物語・かつてアカデミー賞を受賞するも、15年間鳴かず飛ばず状態の脚本家キース(ヒュー・グラント)は、破産寸前で妻子にも逃げられる始末。人生どん底の彼は郊外の大学でシナリオコースの講師を引き受けるが、乗り気でなく不真面目に振る舞う。しかし、子育てしながら復学したホリー(マリサ・トメイ)をはじめ真剣な生徒たちの情熱に接するうちに鬱屈したキースの心に変化が生じ…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Re_life

Memo
マーク・ローレンス監督とは『トゥー・ウィークス・ノーティス』『ラブソングができるまで』『噂のモーガン夫妻』本作で4作目となるヒュー・グラント。
まさに安定の展開、語り口。
着地点も予想通りなのだがクセも嫌味さもなく、すんなりと見られるのはヒュー・グラントの持ち味あってのお話。
J・K・シモンズが『セッション』の鬼音楽教師とうって変わった役回りのラーナー学科長。
娘たち初め全員女性に囲まれた家族の話になると、すぐにホロッとする涙もろさ。
「今日は何秒で泣くか」予想されている端から娘の写真を出してきた際「この前膝の上に乗ったんだ」といって目頭をおさえる速攻さ。
キースがラーナー学科長宅を訪ねていった時に家族と一緒に見ていた(と、いうか見させられていた)映画が『食べて、祈って、恋をして』というのが可笑しい(いささか困っているらしく、ちょっと引き止めといてくれというラーナー学科長 笑)
舞台となるビンガムトン、町の自慢はといえば回転木馬が世界一多いことと『トワイライトゾーン』の作者ロッド・サーリングの出身地であること、スピーディというジャンクフードが美味いことぐらい。
(実際、スピーディってあまり美味しそうに見えないのだが…)
その『トワイライト・ゾーン(ミステリーゾーン)』での回転木馬のエピソード(日本放送エピソードタイトル「過去を求めて」)が物語とリンクされている。
そのエピソードで語られていたのは「過去ばかりにとらわれずに前へすすめ」
↓こちらはIMDbの記載データ。
"The Twilight Zone" Walking Distance
http://www.imdb.com/title/tt0734689/
ビンガムトンは年中、曇っている(雨も多い)と最初に告げられているとおり曇っているか、小雨が降っている。
それゆえにホリー(マリサ・トメイが実にチャーミングに演じている。キャステイングの妙!)が言っていた「晴れた日は素晴らしいわよ」が眼前に広がるラストはあらたな人生を歩み始める決心をしたキースそのものを体現していて、まさに晴れやかだ。
タイトルシークエンス・デザインはBig Film Design
http://bigfilmdesign.com/dsboj-rewrite/

映画「Re:LIFE~リライフ~」公式サイト
http://www.relife-movie.com/

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2015-10-01

『ロマンス』タナダユキ監督、大島優子、大倉孝二、野嵜好美、窪田正孝、他

注・内容、台詞に触れています。
ロマンス
脚本・監督: タナダユキ
出演 : 大島優子大倉孝二
野嵜好美窪田正孝、他

物語・鉢子(大島優子)は、特急ロマンスカーでアテンダントとして車内販売を担当している。その日も彼女は新宿駅を出発するロマンスカーに乗り込み、いつも通り真面目に仕事をこなしていた。するとどこから見ても怪しげな自称映画プロデューサー(大倉孝二)が乗っており…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Romans

Memo
タナダユキ監督オリジナル脚本。
ラブコメでありロードムービーである、いわゆる『或る夜の出来事』タイプの一日の出会いと別れ。気がつけば観客もふたりと一緒にロマンスカーに乗って箱根巡りをしている観光映画でもあります。
ほんのちょっとした逸脱で意外な展開となり翌日は少し心が軽くなって、それまで許せなかったことが許せたりするようにもなる、そんな"いい日旅立ち"映画でもあります。
どこにでもいる中庸的な優等生タイプ(恋人にお金を貸してと言われて置いていった金額も言い合った間をとって2000円だったり←細かいけれど性格で出てる)だった鉢子(大島優子)が終盤には魅力的になっていく。この辺のどんどんチャーミングになっていく様はファンではなくとも好感の持てるところ。
また鉢子の桜庭に対する「おっさん」の言い回し(イントネーション)がいい!(あ、極端な身長差もこれまたよい)
大倉孝二演じる桜庭が映画プロデューサー役ということで映画ネタ台詞が多数。
・道に迷ってしまい終電に間に合わなくなってたどりついたラブホテルで。
「ラ・ラ・ララブホテルって映画作ったんだ。その時、こんなラブホテル探してたんだけどなぁ」
・箱根の街で母親探しをすることになった鉢子。
制服のままではいくらなんでもということで服を買いに。
そこで桜庭のひとこと。
「マイ・フェア・レディみたい」
「何、それ」
「エッ!?知らないの?オードリー・ヘプバーンの」
「ヘプバーンは知ってるけど」
「ダメだなぁ、映画見てないねー」
・桜庭、通りにある銅像の人差し指と人差し指をくっつけて
「自転車乗りたくなってくるな」
「どうして」
「エッE.T.見てない」
・あと、映画ネタではないけれど前述服を買いに行ったときにあった会話。
「足、何センチ?」
「22.5」
「エー態度でかいのに足、小っちぇー」
万事このような会話で綴られていくやりとりが面白い。
パンフレットデザインはタナダユキ監督『百万円と苦虫女』に続いて大島依提亜さん。(「旅のしおり」です)
・(たぶん)絶対にゴールできない「君もプロデューサーになろう」すごろくページ(笑)←560回休みとか280回休みが半分ぐらいをしめているし…。(プロデューサーの顔がひきつる双六(汗)
・パンフの下段ノンブル横に書かれていた『ロマンス』うら話(←昔の"はみだしぴあ"みたいな感じ)でひっくり返ったコメント→「大倉孝二さんは仙石原の駐車場でうんこを踏んだらしい(!)」←これ前述のすごろくでもネタになっていました 笑

映画『ロマンス』公式サイト
http://movie-romance.com/

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2015-08-25

『ラブ&マーシー 終わらないメロディー(LOVE & MERCY)』ビル・ポーラッド監督、ポール・ダノ、ジョン・キューザック、エリザベス・バンクス、ポール・ジアマッティ、他

ラブ&マーシー 終わらないメロディー
LOVE & MERCY
監督・製作:ビル・ポーラッド
音楽:アッティカス・ロス
出演 : ポール・ダノジョン・キューザック
エリザベス・バンクスポール・ジアマッティ

物語・バンド「ザ・ビーチ・ボーイズ」の人気が過熱していた1960年代のカリフォルニア。うなぎ上りの人気とは裏腹に、新たな音楽を模索してスタジオで曲作りに没頭するブライアン(ポール・ダノ)は、新作へのプレッシャーによって精神的に参ってしまう。それから二十数年、ブライアン(ジョン・キューザック)はメリンダ(エリザベス・バンクス)と出会ったことで…。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Lovemercy

Memo1
60年代をポール・ダノ、80年代をジョン・キューザックがそれぞれブライアン・ウィルソンを演じる。
はっきりと前半、後半で分ける方式ではなく交互に織り込まれていくスタイル。60年代は父親からの抑圧とプレッシャー(その父親→子供の頃は虐待、大人になってからも自分が仲間はずれにされたことによる妬み、あろうことか著作権を7000万ドルで売り払ってしまうというシーンも)、80年代は精神科医(ポール・ジアマッティが演じている。最初、出てきた時、そのカツラ度合にふいてしまったが、これがまた逆に観ているこちらをイライラさせる風体)による薬物依存体質に陥れてのマインドコントロールと二重に映し出されていく。
それだからこそのメリンダ(エリザベス・バンクスのドシ〜ンとした感じがとても良い)との出会いとラストの歌(One Kind of LoveとLove & Mercy)は「あぁ、よかったなぁ」と心の底から拍手を贈りたい紡ぎ方となっている。
あの名盤『ペット・サウンズ』のレコーディング風景が再現されている!そして『Good Vibrations』!
テルミンも動物も謎だった弦楽録音も、いろいろな試行錯誤が全て登場していて興味津々。
(名盤と書いているけれど映画の中にも出てくるように当時は「何?これ?」状態だった←メンバーからも)
twitterで青山真治監督が「もう今年は『岸辺の旅』と『赤い玉、』と『ラブ&マーシー』しか見ないつもりになっている」とつぶやいているぐらい、この映画、というかブライアン・ウィルソンに思い入れのある年代の方が多い(自分はリアルタイムではなく、やや後追い)
※追記
その後、青山監督が鑑賞後にツイートしていましたが冒頭ポール・ダノによる「サーフズ・アップ」の完全版、確かに観たい!!
冒頭部分、実際のザ・ビーチ・ボーイズのフィルムではなくキャストによって再現されたものが幾つも流れてきて「おぉっ!!」と感激が先にたって(油断して)あっという間に終わってしまったので、もう一度ゆっくり見たい!(もしやBlue Ray発売の際に特典映像で入るとかないかな?と、期待)
キネ旬8月上旬号『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』記事。高田漣さんへのインタビュー。再現して欲しかったシーンとしてSNLでベルーシ&エイクロイドがブライアン・ウィルソンに「ビーチボーイズを名乗っていてサーフィンできない罪で逮捕」場面をやってほしかったっと 笑
これ、確かSNL総集編ディスクで見たけれどブライアン・ウィルソンとベルーシ&エイクロイドで海に出かけて本当にサーフィンするシーンへと続いていく。いいのかぁーって思った記憶。
『ペット・サウンズ』(ジム・フジーリ著)の翻訳をした村上春樹あとがきに当時高校3年生だった時『ペット・サウンズ』が発売され、その頃のことやこのアルバムがいかに凄いかについて語られています。ビートルズ『サージェント・ペパーズ〜』と『ペット・サウンズ』の比較でヘミングウェイとフィッツジェラルドが例えとして出てくるあたり面白い。

Memo2
エンドロールでのブライアン・ウィルソンのライブシーン。照明の色がブルーの時はエンドクレジット文字の色がブルー、そして演奏終了後ブライアンはじめバンドメンバーが前に出てきたときに照明はオレンジに。そして文字も!このかわる色変えタイミングが絶妙!
TITLE DESIGN > Teddy Blanks (CHIPS)
http://www.imdb.com/name/nm2688443/

そのCHIPS-NYのサイト
(Lena Dunham Letterheadや『キューティ&ボクサー』のOpening Titles & End Titlesなども)
http://chips-ny.com/

Lovemercy2

『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』公式サイト
http://www.loveandmercy-movie.jp/

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