モノクロ&カラー・シャッフル!!
モノクロ&カラーに関する映画をリレー形式で。
スティーブン・スピルバーグ監督にはなくてはならない存在となった撮影監督がヤヌス・カミンスキー。有名なところでは手法として「前述・トニー滝谷とプリント処理(2006-06-18)」で記載した「銀残し(Skip Bleach)」を使った「プライベートライアン」「ミュンヘン(フラッシュバックシーンに使用)」、モノクロの映像の中に一部分だけ色彩(赤い服の女の子)を入れた「シンドラーのリスト」などがあります。
さて、モノクロに一部分だけ色彩を使う手法で有名な作品が黒澤明監督の「天国と地獄」です。犯人逮捕のきっかけとなる煙突から立ち上るピンクの煙のピンク部分だけ色がついていました。(本当はその前に製作した「椿三十郎」の椿の花だけを着色したかったそうですが技術的なこともあり断念したそうです)
また、白黒からカラーへ変わる映画でよく紹介されているのがタイトルもそのものズバリの「カラー・オブ・ハート」。50年代のモノクロのホームドラマ「プレザントヴィル」に、あこがれる高校生の主人公がそのTV世界に入り込んでしまうというストーリー。その世界は全てモノクロで出来ていて街に恋愛の要素が取り込まれ色気づき始めると、その世界も色づいていき大騒動となってしまいます。(デジタルが使えるようになってこその効果抜群のアイデアです)。
モノクロとカラーを別のテーマで使い分けたものもあります。まだベルリンの壁があった頃に製作されたヴィム・ベンダース監督作品「ベルリン天使の詩」は天使(何故か男性、ピーター・フォークも元・天使役で本人として出演していました)の見る現実世界はモノクロで描かれ、地上に降りて人間になってからの元・天使のいる世界はカラーで描かれていました。中でも印象的なシーンとして元・天使がけがをした時、初めて赤い血を見るという場面があって思わずハッとさせられました。このようにモノクロとカラーを使っての効果は今も昔もほんとによく見られる手法といえます。(そういえば「オズの魔法使い」もドロシーのいる現実世界はモノクロで魔法の国はカラーの原色世界でした。その橋渡しで歌われた歌が「Over the Rainbow」というところが、いかにも、しゃれていました)。
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