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2006-06-22

「真夜中まで」と撮影監督・篠田昇さん

イラストレーターにして映画館監督の和田誠さん(「怪盗ルビイ」「麻雀放浪記」)が撮った「真夜中まで」。全編をスタンダードジャズが流れる粋なファンタジームービー。

物語 PM10時35分、ジャズトランペッターの守山(真田広之)はライブハウスの店裏で休憩を取っていた。そんな彼の元にホステス・リンダ(ミッシェル・リー)が助けを求め飛び込んでくる。事情が飲み込めないまま追いかけてきた得体の知れない男たちの攻撃をかわし2人は夜の街へと逃走する。次のステージまで残された時間はわずか2時間あまり。果たして守山は再びステージに立てるのか? 

1時間50分がリアルタイムで描かれ、果たして主人公・守山は次のステージに間に合うか!というサスペンスもしゃれています。そして、この映画、真夜中が舞台ということで全篇夜間撮影。とにかく油絵のようなこってりした画面に驚かされます。その撮影監督が篠田昇さんここより抜粋3200の感度で撮影された映画って、映画の歴史上でもないと思うよ。日本映画だけじゃなくて。あの色は、美術の福ちゃんが道路を濡らそう言ったことも影響してる。あ、俺か(笑)アスファルトは真っ黒ではないから、浮いた感じになるんだけど濡らすことによって真っ黒な感じになる。濡れてると赤とか青とかの光が映って、こってりした感じになる。長いホースを使って銀座の道路を濡らしたりしたのはすごいよね」ここまで抜粋(「ジャズと映画と仲間たち」講談社・刊より)。
「俺にはこれしかないから」といって最後までトランペットを持ったまま疾走した真田広之さんがとても粋でした。

撮影監督・篠田昇さん
行定勲監督の「世界の中心で愛をさけぶ」が遺作となった。岩井俊二監督との「Love Letter」「リリィシュシュのすべて」「スワロウテイル」「四月物語」なども全て篠田昇さん。本当に素晴らしい映像の数々です。

3200の感度
800の高感度フィルムの感度をさらに4倍にあげて(増感)3200にしたそうです。

真夜中まで

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