「エターナル・サンシャイン」は永遠に
バレンタイン目前のある日、主人公のジョエル(ジム・キャリー)は、喧嘩別れした恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分の記憶を削除してしまった事実を知り、ショックのあまり自らも記憶を消す事を決意。しかし、施術中、過去を思い出していくうちに彼女と過ごしたキラキラと輝く瞬間が何にも変えがたい宝物であることに気がついて‥
と、物語を書くと普通ですが、なんといってもこの映画、「マルコビッチの穴」のチャーリー・カウフマン・脚本という事で一筋縄にはいきません。物語が時間軸通りに進まないのと、ジョエルの頭の中(記憶消去中の脳)で起こる事と、現実のリアルタイムの話が混ざり合って「あれ?ここは何処?いつの話」感覚に襲われてしまいます。そこで混乱しないためのヒントとして度々変わるクレメンタインの髪の色がキーとなります。大雑把に言って現在が青、過去が赤い色となっています。ですので、画面を見てクレメンタインの髪の色が何色かを確認しつつストーリーを追うと、わかりやすくなっています。
ネタバレですが一番最初のシーンは最も近い現在のシーンで始まって、タイトルバックが始まると(スタート17分後ぐらい)、少し過去シーンに戻りますので、そこだけ混乱しなければ、すっと見られると思います。(髪の色、他にタンジェリンオレンジ、グリーンまじりのブロンドなど、有り)で、そのネーミングが笑わせます。「アカの脅威」「青い廃墟」「黄熱病」「緑の革命」(こんなヘアカラー名が付いていても怖くて頼めませんが‥)
この映画のビジュアルキーはヘアカラーとクレメンタインの着ているオレンジのパーカー。映画冒頭、2人が出会うシーン(正確には、実は記憶の消去された2人が気づかず、再開しているのですが‥)での、ブルーのヘアカラーとオレンジのパーカーの色がすごくマッチしていて印象的です。更に中間部分でのオレンジのヘアカラーへとモチーフが続いていくのも結構、意図的であったりして最後まで色彩がイメージとして残っている事にとても、感心してしまいました。(このへんのセンスは、さすがビョークのPVを撮ってきたゴンドリー監督ならではです)。
映像も音楽もすごいですが、ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットの演技も素敵(ケイト・ウィンスレット、とても二児の母には見えません!! )。記憶って実はランダムなんだなぁ、なんて事も思った「記憶に残る一作」
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