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2006-06-27

川本三郎さんと「八月のクリスマス」

評論家・川本三郎さんが「八月のクリスマス(ホ・ジノ監督、ハン・ソッキュ、シム・ナウ)」がきっかけで韓国映画に興味を持ち始めたと、何かの雑誌で語っていました。確かに「八月のクリスマス」はそれまでの韓国映画と何かが違っていて(よく指摘されるように)まるで、小津安二郎監督の映画を見ているようなフォルムを持っていました。続く「春の日は過ぎゆく(ユ・ジテ、イ・ヨンエ)」も若者の年上の女性への失恋を描いた(まさに)通り過ぎる風のような映画で印象的です。その川本三郎さんの著書「美しい映画になら微笑むがよい」は、いわゆるミニシアター系で公開された映画のパンフレットや雑誌に書かれた批評(エッセイ)などを集めた評論集です。日本映画(「がんばっていきまっしょい」「船を降りたら彼女の島」など)からアジア映画、静かな欧米映画(「シン・レッド・ライン」など)まで、2〜3ページの分量の映画評はどれも、読みやすくてシンプルです。ホ・ジノ監督、含め9人の監督インタビューも掲載されています。物静かなホ・ジノ監督へのインタビューは苦心されたようで3回分をまとめなおしていました(「八月のクリスマス」での爪を切るシーンが小津監督の映画と偶然、一致していた話など)。

美しい映画になら微笑むがよい 八月のクリスマス 春の日は過ぎゆく

尚、「八月のクリスマス」は昨年、長崎俊一監督によって「8月のクリスマス(山崎まさよし、関めぐみ)」としてリメイクされました(こちらもキャスティング、高岡でのロケを含め、風情ある成功作だと思います)。

8月のクリスマス スタンダード・エディション

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