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2006-07-05

船を降りたら彼女の島

最初に思ったのは、なんて素敵なタイトルなのだろうということ。次に風景を横切るギターの音。東京から結婚のことを両親に伝えようと戻ってきた娘役に「寝ずの番」で「あっ」と驚かせてくれた木村佳乃、父親役に大杉蓮、母親役に大谷直子。「がんばっていきまっしょい」「雨鱒の川」の磯村一路監督の静けさを伴った人々への眼差しが優しい(それは突然帰ってきた娘の何か言いたそうで、なかなか切り出せない事を察知して見守っている父親の眼差しに連なっている)。瀬戸内の島々の風景がドラマの別軸になっている「伝説の鈴」と相まって、観ているこちら側にも懐かしい郷愁を誘う。ラスト、昔あった実家後の丘から娘を見送る父親の立ち姿が素晴らしい。そう、ここは‥まぎれもなく彼女の生まれ育った島なのだから‥。「船を降りたら彼女の島」‥

船を降りたら彼女の島
http://www.altamira.jp/kanojo/
ロケ地となった愛媛県・大三島のロケ地MAPや撮影セットの写真、デッサンの一部、映画の原案となった漫画家サキヒトミさんの「カントリーパラダイス」(集英社・刊)などが紹介されています。

Kanojo








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マリッジブルーな感傷に浸る・・初恋は悲しい。わが恋は 三島の浦の うつせ貝 むなしくなりて 名をぞわづらふ、鈴に秘めた瀬戸内の鶴姫の伝説 東京の出版社で勤める25歳の久里子(木村佳乃)は、近く結婚することの報告を兼ねて、父周三(大杉漣)と母泰子(大谷... [続きを読む]

受信: 2006-08-23 01:19

» 映画 船を降りたら彼女の島を観た [僕のつぶやき。 ネットの窓から。]
船を降りたら彼女の島東宝このアイテムの詳細を見る この映画は愛媛県でオールロケして 瀬戸内の美しい島々を写しこんだ情愛あふれた映画だ。 結婚を決意した主人公の揺れ動く心を木村佳乃がうまく演じている。 両親の大杉漣と大谷直子もすばらしい。 監督 脚本: 磯村一路 出演は: 木村佳乃 / 大杉漣 / 大谷直子 / 照英 / 佐々木蔵之介 / 小山田サユリ / 村上淳 / 林美智子 烏丸せつこ   など製作: 20... [続きを読む]

受信: 2006-08-23 11:19

» 船を降りたら彼女の島 ★★★★ [マダム・クニコの映画解体新書]
 人が抱えている近代性と前近代性、つまり現在と過去との関係を、久里子の帰郷を通して描いている。一度近代という回路を通過した者は、もう元には戻れないし、戻る必然性はない。しかし、過去の痕跡を手がかりに変容していく。それは、今を生きる観客の私達に通じるありようなのだ。ほの暗い場所に灯る明かりのシーンが多いが、暖かさ=前近代性を象徴しているのである。  都会に出てマスコミという近代産業に従事している久... [続きを読む]

受信: 2006-08-30 01:03

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