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2006-08-02

灯りと希望と「大停電の夜に」

大停電ということで、まったくの暗闇とキャンドルの灯りのイメージかなぁ〜と思っていたら各シーン、色とりどりの色彩に誇張されていました。妻から思わぬ告白を受けた夫が我を忘れて家を飛び出した先で車を拝借する駐車場は極端なぐらいに真っ赤、モデルが失望の末にたたずんでいる病院の屋上も普通なら非常灯のがぽつぽつ、あるぐらいのところに更にのネオンが反射され濃いレッドオレンジに。また、従業員とOLが閉じこめられたホテルのエレベーターの中はグリーン、産気づいた妊婦をおぶっていく地下鉄のトンネルはイエローグリーンと、バリエーション豊かで、あきさせません。もちろん、キャンドルの灯りを通しての撮影も綺麗でした。撮影はフランスで活躍している永田鉄男。(「アメリ」のジャンピエール・ジュネや「ドーベルマン」のヤン・クーネンらとミュージックビデオやCMの仕事で組む2002年セザール賞・最優秀撮影賞)

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美術監督は都築雄二(「ホテルビーナス」や「茶の味」「恋の門」など)映画中に登場するバーの店内、キャンドルショップ、その二軒の外観と通りなどのデザインは、この人。(このセットデザイン自体も出演者と呼べるぐらいの役割を果たしていました。店の脇に階段がありますが、それがまたラストに活きていたんですよね)。挿入曲はBILL EVANSの「MY FOOLISH HEART」(これは豊川悦司演ずるマスターが経営するバーの名前になっていました)。映画とは関係ありませんが、その「MY FOOLISH HEART」が素晴らしいエディ・ヒギンズ&スコット・ハミルトンのアルバムがこちら。

マイ・フーリッシュ・ハート

神戸ルミナリエが初めて開催されたのは阪神・淡路大震災が起きた1995年の12月でした。その頃はまだ解体される途中のビルや空き地も多くて通りを照らす明かり自体が少なく、どちらかというと街全体が暗い感じでした。そんな中で点灯されたルミナリエの美しさは、まさにこの「大停電の夜に」のキャンドルの灯りのようでした。灯りが浮かび上がらせる「希望」のようなもの‥。そんなことを、ふと思い出させてくれた映画でした。

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コメント

達也です。
クリスマス前と言うことで『大停電の夜に』を
観ました。
映像や音楽は良いのですが、12人の関係とエピソードに、
もう少しファンタジーが欲しかったのと、
田口トモロヲがイマイチ共感できませんでした。
この映画、ちょっと大風呂敷を広げすぎのサンタ、
と言ったところでしょうか・・・。
しかし、優しい灯りは、ひとの心を素直にする
チカラがあるようですね。

@_@ トラバさせていだだきますね。

投稿: TATSUYA | 2006-12-23 16:18

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