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2006-09-29

美しい「フラガール」

常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた人々の奇跡の実話、というシノプシスを最初に聞いたとき、プロジェクトXみたいな話?とか南海キャンディーズのしずちゃん(好演 !)がClose Upされていたために少しいろもの的要素(失礼)映画かと「ややノーマーク」でプレス試写をパスしていたところ、あれよあれよというまに評価が高まっていった「フラガール」。見ている途中「あ〜これは松雪泰子の映画だなぁ」と思ったこと、そして「なんて綺麗な人なんだろう」間違いなく代表作になる傑作が誕生したんだなぁということ、蒼井優はやっぱり、うまいなぁとかダンスシーンの撮り方、カット割りの美しさ、集団劇としてのウルウルものの盛り上がり方などなど…。色々なことが頭を駆けめぐった文句なく現時点での今年見た日本映画中トップ ! 懐深い泣かせどころ(人によってウルッとくる場所が違う、その落としどころの多さ)をもった希有な映画でもあります。

撮影においてこのBlogでも何度か取り上げているスキップブリーチ(銀残し)が使用されていました。松雪泰子の衣装やフラガールのダンスシーンでのビビットな色づかいとの対比がとても見事でした。

映画「フラガール」オフィシャルサイト
http://www.hula-girl.jp/

フラガール

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2006-09-22

アメリカ,家族のいる風景

アメリカ,家族のいる風景」かつては西部劇のスター俳優。しかし、今はすっかり落ちぶれてしまったハワード・スペンス。彼は新作の撮影中に突如、現場から逃げ出し、長く帰っていなかった故郷を訪ねる。そこで30年ぶりに再会した母から、驚きの事実を聞かされる。20数年前、彼の子供を身ごもっているモンタナに住む女性から連絡があったというのだ。ハワードは、まだ見ぬ自分の子供を捜し出すため、彼がスターダムにのし上がるきっかけとなったデビュー作の撮影地、モンタナ州ビュートへ向かった。そして、時同じくして自分の父を求めてビュートへ向かう、また別の娘がいた。
最初、このビュートへ向かう娘が、連絡のあった母親の子供かと思って見ていると、実は違っていて、また、別の母親の間に生まれた娘だとわかってきます。自分の娘(スカイ)だという事にも気づかないハワード。そんな存在さえわかってもいない父親に優しく接するスカイ。また、突然目の前に父親と兄妹(スカイ)が現れた事に対して苛立ち取り乱すサムの息子アール、そしてアールの母にしてハワードの昔の恋人ドリーン。ラスト、二人の子供とハワードの間に訪れる和解の距離感が素晴らしい余韻として残ります。

アメリカ,家族のいる風景―オフィシャル・フォトブック

アメリカ映画なのだが、何処か悟りのような慈愛に満ちた作品となっている。(ヴェンダース監督の敬愛する小津安二郎監督の影響が自然とにじみ出たと言えるかもしれません)

キャストはハワード役にサム・シェパード、かつての恋人ドリーンにジェシカ・ラング(実生活通りの夫婦競演!!)スカイ役に「死ぬまでにしたい10のこと」での好演が印象的だったサラ・ポーリー、息子アール役にガブリエル・マン。また、ティム・ロスがハワードを撮影現場につれて帰る探偵役で、ハワードの母親役に「北北西に進路を取れ」の名女優・エヴァ・マリー・セイントがそれぞれ脇を固めている。

そして、美術面ですが、これがもうワンショット、ワンショットが一枚の写真として成立する位に美しく決まっています。(写真家としても個展を開く位ですから、当たり前と言えば当たり前なのですが‥)
エドワード・ホッパー(※1)の絵画をモチーフとした色彩と構図。特にモンタナ州ビュートの街の色彩のヴィヴットさ!!(もちろんアメリカ西部の砂漠の風景もシネマスコープサイズいっぱいに広がって感動的)。ホッパーの絵画における「人のいない風景」が映画でも再現されていてハワードの孤独を浮かび上がらせる形となっています。撮影はフランツ・ラスティグ。(ナイキのCMやミュージッククリップの超売れっ子監督)
尚、ホッパーの絵画は同じヴェンダース監督の「エンド・オブ・バイオレンス」(※2)ではメインキービジュアルを含め、まるっきり引用されていました。

アメリカ、家族のいる風景

※1エドワード・ホッパー( Edward Hopper 1882-1967 )
都市(アメリカ)の孤独を描いたといわれるアメリカの現代絵画作家。

※2「エンド・オブ・バイオレンス」での引用
ホッパーの代表作「夜更かしの人々( Nighthawks )」を引用。誰一人歩いていない深夜の街に浮かび上がるダイナー(現代においての「深夜のコンビニ」のようなイメージか)ガラス張りのダイナー越しには年老いた定員とカウンターに座る男女、少し離れて中年の男性がひとり。見事なまでの「孤独の心象風景」と呼べる一枚。

Edward Hopper: 1882-1967, Transformation of the Real (Basic Art)

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2006-09-21

プライドと偏見

プライドと偏見」原作はジェーン・オースティンの「高慢と偏見」(自負と偏見)。製作が「ブリジット・ジョーンズの日記」「ラブ・アクチュアリー」の「ワーキング・タイトル」。監督は、これが1作目とは思えないジョー・ライト。次女エリザベスに「パイレーツ・オブ・カリビアン」のキーラ・ナイトレイ。ダーシーにマシュー・マクファディン。5人姉妹の両親にそれぞれ、ドナルド・サザーラント、ブレンダ・ブレッシン。(本当の両親みたいで、いいですよ〜)そして強烈なダーシーの叔母役にジュディ・デンチ( 出た!! )(「至上の恋」でビクトリア女王、「恋に落ちたシェイクスピア」でエリザベス女王を演じていた人。この人が出るとイギリス〜って空気になります。)

高慢と偏見〔新装版〕

で、この映画、まずひとついえるのが当時の階級差というものがベースとしてあります。ベネット家も労働者階級※ではありませんが、隣に引っ越してきたのが壮大な屋敷に住む大富豪なのですから、色めき立つのは当たり前。いつの時代にも「玉の輿」への憧れはあるもの。(※どちらも、おそらく地主階級その両家の衣装や家の内装などでレベルの違いを表しています)
また、この映画、オールイギリスロケを敢行しておりそれが、みどころのひとつともなっています。(本物の豪邸)ベネット家として使われたのがピーター・グリーナウェイ監督の「英国式庭園殺人事件」のロケにも使われたグルームブリッジ・プレイス。大富豪の設定のビングリーの屋敷はすごいはずで、絵画や家具とともに名称史跡保存団体に寄付されて、一般公開もされているバジルトン・パーク。など、時代の空気を映し出すのにピッタリのロケーションです。

DVDの話
DVDに収録されている特典映像の中に「プライドと偏見」に登場する邸宅という項目があるのですが、動画と写真閲覧(静止画)で構成された、いわばロケ地とメイキングの合体した素晴らしい内容です。例えば、グルームブリッジ・プレイスでは内装が時代と合わないという事で15cm手前に張り出して合板を貼っていく行程やキッチンの作り直し等がプロダクションデザイナーによって解説付きで見る事ができます。映画館でご覧になった方にも興味津々のシーンがいっぱいですよ ! (レンタル版にも収録されていました)

プライドと偏見

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2006-09-18

オーレ・エクセルの作品集

スウェーデングラフィックデザイン界の先駆的存在にして巨匠、オーレ・エクセル( Olle Eksell・1918年〜・60年以上のキャリアにして現役)の作品集が出た。洋書では多く出版されていたものの、まとまった形では本邦初ではないかと思います。
グラフィックデザイナーだけにとどまらず、イラストレーター、文筆家、広告コピーライターなどの顔を持つオーレ・エクセルの作品が多数収録されています。
(スウェーデンのチョコレート会社「マゼッティ社」のロゴマークは有名なのでご覧になった方も多いのでは? Ann Rand と共著の絵本「Edward and the Horse」も有名)

オーレ・エクセル Swedish Graphic Designer

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2006-09-17

X-MEN:ファイナル ディシジョン

ブライアン・シンガー監督の「精神性をおびた高尚なアメコミ映画演出」からブレット・ラトナー監督の「アクションてんこ盛り演出」へと大きくシフトした「X-MEN:ファイナル ディシジョン」。注・ここから物語に触れています。まるで戦っている相手がラトナー監督では?と、思わせるぐらい、あっさりと姿を消されるサイクロップス(横山やすし風「メガネ、メガネ」も無いし)や、こちらも前2作はあんなに目立っていたのに、あっけなく普通の人になってしまうミスティーク(あれでは本当に「Oh!ミステーク!!!」です)、そしてローグのあっさりした扱い。しかし、代わって復活したジーンの暴れ放題や若作り(若くないけど)プロフェッサーX、マグニートーが見られたりとおもしろいところも多い。全体的な構造は破綻しているが見終わったときに、そんなに悪い感じがしないのはアクションが物語を引っ張っていってるから?でしょうか。ファイナルではなく明らかに続編を匂わせるラスト(最近恒例のエンドクレジットのあとのワンシーン付き)。次回作は流れ的にみてミスティークの「バカにしないでよ!」復讐編?。あ!、ウルヴァリンのサリーちゃんのパパ-HairStyleは健在ですよ。

X-MEN Final Decision
http://movies.foxjapan.com/x-menfinal/

X-MEN:ファイナル ディシジョン
http://www.x-menthelaststand.com/JPN/

オリジナル・サウンドトラック「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」 X-MEN <特別編>

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2006-09-11

デザインという先手・デザイナー川崎和男

デザイナー川崎和男さんがMacPowerに連載しているエッセイ(と、いってよいのか、わかりませんが…)をまとめた著作「デザインという先手 日常的なデザインガンビット」が発売されました(ガンビットとは先手を撃つの意)。これで5冊目となるシリーズだが、いつものことながら川崎さんの言葉には勇気づけられることが多い。何回かワークショップやセミナーを見ていますが、中でも印象に残っているのが京都精華大学で数年前に行われたセミナー。本当にこんな事まで語ってしまっていいの?と、いうぐらい色々なデザインのヒントや含蓄を惜しげもなく、そして熱く伝えている姿自体に深く感動しました。もちろん中身はデザインや企画に携わるものにとって最高にして最良なものだったことは言うまでもありません。

その川崎和男さんの展覧会が金沢21世紀美術館で9月16日よりおこなわれます。あわせて図録を兼ねた書籍も出版予定です。

金沢21世紀美術館
http://www.kanazawa21.jp/ja/index.html

デザインという先手 日常的なデザインガンビット artificial heart:川崎和男展 川崎和男 ドリームデザイナー―課外授業ようこそ先輩・別冊

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2006-09-09

沢尻エリカ、関西弁再び「手紙」

沢尻エリカの関西弁と山田孝之の漫才、玉山鉄二の坊主頭。東野圭吾の「手紙」が映画化された。注・ここより物語とラストシーンに触れています。ファン投票で必ずベスト5に入る人気作「手紙」(未読です)。暗い話だといやだなぁ〜と思って見始めると、これが実に手際よくまとめられていて驚きました。監督はTBSで1978年から現在まで(本当に)多数のTVドラマを演出してきた生野慈朗。(「3年B組金八先生」「ずっとあなたが好きだった」「Beautiful Life」「オレンジデイズ」に至るまでプレスの演出作リストを見てビックリ)

手紙

弟・直貴(山田孝之)を大学にやるための学費ほしさに盗みに入った邸宅で、誤って人を殺してしまった兄・剛志(玉山鉄二)。もし身内から犯罪者が出た時、その家族は…。世間の偏見の中で彼を支え取り巻く人々。唯一心を開く子供の頃からの親友そして漫才の相方・寺尾(尾上寛之)、直貴を日の当たる場所へ引きずり出していく由美子(沢尻エリカ)、はかない幻想とわかりつつ心惹かれていく朝美(吹石一恵)との恋。そして劇中、最も胸に突き刺さる言葉を語る直貴の勤める会社社長(杉浦直樹)。直貴と剛志。ふたりを繋ぐのも苦しめるのも塀の中から届き続ける「手紙」…。

たぶん公開時に話題になる「パッチギ!」に続く沢尻エリカの関西弁(「あっ!あのままやん」)とメガネ姿(と、初母親役)。最初は違和感があったけれど見ているうちに意外にはまっている山田孝之の漫才シーン(漫才というところがラストにいきてきます)。そして弟の回想シーンをのぞいて、ほとんど一人芝居となる玉山鉄二(「手紙」の内容を語るナレーションもいい)。三者三様の持ち味が出た好編。

付記
エンディングの刑務所内での漫才シーンで流れる小田和正「言葉にできない」の入るタイミングが公開版と違うらしく、確かにそこで微妙に印象が変わるかも…。(もしかすると9月13日頃から始まる試写で変わっているかもしれません)

付記2
沢尻エリカと尾上寛之は「パッチギ!」再共演、山田孝之と尾上寛之は「白夜行」再共演ですね〜

「手紙」公式サイト
http://www.tegami-movie.jp/

パッチギ ! プレミアム・エディション パッチギ ! スタンダード・エディション パッチギ! (HD-DVD)

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2006-09-04

ウディ・アレン監督「マッチポイント」

「運」についての深〜い考察。ウディ・アレン監督最新作「マッチポイント」はネットの上で弾むボールがこちら側へ落ちるか相手側に落ちるか、それはコントロールできるものではなく「運」が決めるものだと、ある種のペシミスティックさをもって描いている。
注・ここから物語、大事なプロット、結末に触れています。
野心的なクリス(ジョナサン・リース・メイヤーズ)は最初から「太陽がいっぱい」風の少し屈折した劣等感を持った趣で造形されていて(目線の演技が素晴らしい)、その点でラストぎりぎりまで「太陽がいっぱい」的オチだと思っていたらすっかり騙されてしまいました、と、いうか、のせられていました(事件の重要な鍵となる指輪が河川の柵の上で跳ねて川に落ちるか落ちないかという見せ方も含めて)。全てが(わざと)わかりやすいキャラクター設計(これも計算だったのね)。大金持ちのヒューイット一族、女優をめざしてアメリカから渡ってきているノラ(スカーレット・ヨハンソン)、そしてアイルランド出身のクリス。こんなオチでよいのかと思うが、実はクリスにとっての不幸(罰)は元々不釣り合い(この不釣り合いさの描写が、またすごい)であったヒューイット家で、これからも(この先も)ずっと暮らしていくことになる事自体にあるかもしれないのですから…(実際、もしノラの方を選んだ場合、どうなるかなど、それこそネット上のボールのようなものなのだから。あくまでも上流階級に入ることを第一義として考えた場合の「運」の考察ともいえないだろうか)。見終わった後、いろいろ考えさせられる傑作 !!

「映画の色」について
ウディ・アレン監督曰く「グレイはとてもラブリーな色」「映画の色合いは直接感情に作用するものだから、今作は殺人事件も絡んだりするので無味乾燥な冷たいトーンで見てもらいたくなかったのでウォーム・トーンで撮ることにしたんだ」(キネマ旬報9月上旬号インタビューより)

いろいろ蛇足
今作からロンドン製作の作品が続いているウディ・アレン監督。はじめてのオールロンドン・ロケ作品ということで観光巡り的な(それでいてアレン的な)要素もいっぱい。(下記にロンドンマップ掲載のWEBアドレス記載)

次回作は再びスカーレット・ヨハンソンと組んだ「SCOOP(原題)」スカーレット・ヨハンソンは眼鏡姿で登場。

パンフレットデザイン、今回はウディ・アレン監督前3作をデザインした大島依提亜さん(前述2006-06-06)ではなくて、大寿美トモエさん(前述2006-07-06)によるもの。

マッチポイント
http://www.matchpoint-movie.com/

Film London (英文)
http://filmlondon.org.uk/film_culture/film_tourism/movie_maps/match_point
マッチポイントのロケ地マップがPDFでダウンロードできます。
(2011/06/12・掲載を確認)

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2006-09-03

グエムル 漢江(ハンガン)の怪物

グエムル対ガンちゃん。やっぱり怪物に対抗しうる役者ですね〜、ソン・ガンホという人は。と、いうことで「ほえる犬は噛まない」「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督最新作にして超ヒット作(韓国において)の「グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」を見た。
注・ここから物語、結末に触れています。
冒頭、グエムル(怪物)の誕生する原因、成長過程を描き、これは定石通りの展開か…と、思わせておいてのいきなりの暴走シーンにまず、驚き。日常に紛れ込む「異物」の瞬間的戸惑い、数秒おいて把握した瞬間「恐怖」が襲ってくる漢江の堤防でのシーンがコミック版「AKIRA」や「寄生獣」的だが秀逸。最初から姿を見せまくる怪物。これは「エイリアン」や「JURASSIC PARK」系のショッカー型映画ではないことがすぐにわかる。(「ほえる犬は噛まない」もジャンル分け不可の映画だったが「グエムル」もやはりその系譜)。時にスピルバーグ、時にテリー・ギリアム、時にエミール・クストリッツァ(音楽がダブってきました)…。ポン・ジュノ監督はそれらの監督作へのオマージュ的な部分も絡めつつ怪獣映画のふりをしてオリジナルの映画を創り出した。「ほえる犬は噛まない」の時は鼻ティッシュで疾走したペ・ドゥナが今回も泥まみれで熱演(ポン・ジュノ監督作に出演した場合、今後もこんな感じばかりだったりして…。とはいえ、実は輝いて見えるわけですから当たっているキャラクター作り)。結末は大方の批評で言われているとおり、娘のヒョンソは生きていても良かったのでは?と思った次第。ラスト、まるで漢江(ハンガン)の見張り番のように雪の中の売店に座るパク・カンドゥ(ソン・ガンホ)と救出された子供とのエピソードがあるのでカタルシスは弱いが「後味」が悪いわけではない。「さあ、ご飯に集中 !」

 

グエムルのデザインは「ロード・オブ・ザ・リング」3部作「キングコング」のWETAワークショップ。

 

グエムル -漢江(ハンガン)の怪物-
http://www.guemuru.com/

 

公式ブログ
http://blog.livedoor.jp/guemuru/

殺人の追憶

 

グエムル-漢江の怪物- コレクターズ・エディション

 

 



 

 

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2006-09-02

衣装デザイナー_4

60年代〜70年代初め

1961年、映画衣装の分岐点のひとつとされる「ウェストサイド物語」が公開された。(デザイナーはアイリーン・シャラフ)。ジーンズにスニーカーでアカデミー賞衣装賞を受賞した訳ですから、かつての豪奢なコスチュームからは想像もできない変化と呼べると思います。それは、ビートルズの登場ともリンクされた「エポックな出来事」だったと言えるでしょう。(ただし、50年代にジェームズ・ディーンやポール・ニューマン、マーロン・ブランドがTシャツにジーンズという姿で既に登場していた下地があった訳ですが・・)

アイリーン・シャラフ( Irene Sharaff )
アカデミー衣装賞を5回受賞

 アカデミー衣装賞受賞作
 ・巴里のアメリカ人(1951)
 ・王様と私(1956)
 ・ウエスト・サイド物語(1961)
 ・クレオパトラ(1963)
 ・バージニア・ウルフなんかこわくない(1966)

ウェスト・サイド物語 巴里のアメリカ人

1970年代に入ってメンズのデザイナーブランドが起こり始めるのと呼応するように2本の映画がアカデミー衣装賞を受賞します。(共に1920〜1930年代ルック)。一本は先に挙げたイーデス・ヘッドによる「スティング」もう一本はスコット・フィッツジェラルド原作の「華麗なるギャッツビー」。衣装はテニオ・V・オルドリッジだが、有名になったのは主役のロバート・レッドフォードが着たラルフ・ローレンの方であった。(この後もポロはウディ・アレン監督作品「アニー・ホール」、「マンハッタン」にも登場)この頃から映画の衣装デザインの中心がメンズファッションへと移行していきこの流れがしばらく続くこととなります。

スティング スペシャル・エディション 華麗なるギャツビー

〜この時代の他のデザイナー〜
セオドラ・ヴァン・ランクル( Theadora van Rankle )
俺たちに明日はない」の衣装によって60年代後半から70年代にかけての30年代ルックのレトロモード復活の立て役者といわれる。「ブリット」もこの人。

俺たちに明日はない ブリット スペシャル・エディション

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