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2006-10-29

「トンマッコルへようこそ」へ、ようこそ

久石譲の音楽、いいなぁ〜、ということで「トンマッコルへようこそ」へ、ようこそ。物語朝鮮戦争のさなか「子供のように純粋な村」トンマッコルに6人(3つの軍)の敵対する兵士が迷い込む。彼らは最初こそ諍いが絶えなかったが村人たちの、ゆったりマイペースな生活に戦争の愚かさを感じていき、次第にうち解け笑顔を取り戻していく。しかし、そんな村にも戦争の影が…。注・ここより内容に触れています。ドッカ〜ンときた後のポップコーンの雨、突然のイノシシ襲来とそのオチ、そのまたオチ(夜中にぞろぞろと…考えることは同じなんですねぇ〜)、斜面滑りなどなどトンマッコルで起こる出来事全てが、おもしろおかしく楽しい。監督は新人にしていきなり大ヒットをとばしたパク・クァンヒョン。カン・ヘジョン演ずるヨイルが花を添える(「まぼろしの市街戦」のように)。墨絵風タイトルバックやラストシーンの雪の中から蝶が舞い上がっていくシーン(まるで無邪気にじゃれあって遊んでいるかのように)も素敵。

トンマッコルへようこそ

http://www.youkoso-movie.jp/

トンマッコルへようこそ 「トンマッコルへようこそ」オリジナル・サウンドトラック

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2006-10-26

地下鉄(メトロ)に乗って

「地下鉄に乗って」と聞くと吉田拓郎さんが楽曲を提供して猫がうたった名曲(正確には「地下鉄にのって」※THE BEST収録)をイメージしてしまいますが、こちらは浅田次郎原作の「地下鉄(メトロ)に乗って」のおはなし(とはいえ、映画の舞台が丸ノ内線であったり、歌詞の中に「赤坂見附を過ぎて新宿までは、まだまだ云々」という部分が登場しますが…)。いつもの地下鉄を降りると、そこは東京オリンピックに沸いていた頃昭和39年の東京だった。そこから主人公・真次(堤真一)の夢とも現実ともつかないタイムスリップの旅が始まる、そして、そこで若き日の父親と出会うのだが…。原作未読で見たので意外な展開に驚かされましたがタイムスリップもの(特にタイムパラドックスもの)は好きなジャンルなので、少しツッコミつつも「ありよね〜」の一作でした。編集が「グエムル 漢江の怪物」のキム・ソンミンということでザクッザクッとした印象の場面繋がりとなっています。音楽は同じ篠原哲雄監督「深呼吸の必要」に続いて小林武史。主題歌はSalyu(Lily Chou-Chouですね〜)「プラットフォーム」。

MEMO(プレス参考)
美術セットは昭和37年の開通当時の新中野駅(竹橋の駅を夜中に作り替えて撮影された)、昭和39年の鍋屋横町、昭和21年の闇市と大きく3パターン組まれていましたがCGは、ほぼ使用せずに再現されました。

地下鉄(メトロ)に乗って
http://www.metro-movie.jp/

地下鉄(メトロ)に乗って 地下鉄(メトロ)に乗って THE BEST

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2006-10-25

父親たちの星条旗

戦争を終わらせた一枚の写真。その真実。クリント・イーストウッド監督・硫黄島2部作のアメリカ側から描いた作品「父親たちの星条旗」(脚本・ポール・ハギス)を見た。注・ラストシーンに触れています。製作・S・スピルバーグということで、すぐに「プライベート・ライアン」をイメージしたが実際は「ライトスタッフ」の方が「英雄」に祭り上げられ国家に奔走されていくというプロットにピタリとはまる(もちろん彩度を落とした戦闘シーンも、きっちりと描かれています)。実際、硫黄島の戦闘のことは激戦であったことだけが語られるぐらいで日米ともに「そこで何が行われたか」を知らない、そのことを踏まえた上で双方からの視点で描こうとするイーストウッド監督の真摯な姿勢が伝わってくる一作(全体の批評は12月に公開される「硫黄島からの手紙」を見た上で改めて記載します)。
ラストシーンの頂上から降りてきた兵士たちが海に入ってはしゃぐ、つかのまの解放された姿。上品で詩的、そして秀逸な終わり方だと思います。

父親たちの星条旗 | 硫黄島からの手紙
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/

Flags of our Fathers [Soundtrack] 父親たちの星条旗

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2006-10-23

若冲と江戸絵画展・京都

Edo1








Edo2








東京展では31万7千人の入場者で好評を得た「プライスコレクション・若冲と江戸絵画展」。時代祭で賑わう(隣の京都市美術館ではルーブル美術館展も行われていて平安神宮への道は大変なことになっていましたが…)京都国立近代美術館で見た。ほぼ全館使い切っての展示で、本当に見応えたっぷりの展覧会。東京展でも話題となったガラスなし展示作品や酒井抱一の十二か月花鳥図の自然光展示(綺麗!見る時間で印象違うんだろうなぁ〜)など本来の日本画の姿をまざまざと見せてくれます。しかも、かなりの入場者にもかかわらず若冲・筆「鳥獣花木図屏風」もじっくりと「近くで順に、離れてざっくり」鑑賞できて大満足(展示位置が偶然にしては絶妙)。また葛蛇玉・筆「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」の迫力に感動(図録では伝わらないパワー)

京都展は11月5日まで。その後、九州国立博物館、愛知県美術館へと巡回展あり(会場に合わせた展示がまた楽しみ)

若冲と江戸絵画展オフィシャルブログ

http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/

京都展・開幕時の記事
http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/20060924/p1

ザ・プライス・コレクション もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 伊藤若冲大全

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2006-10-15

「カポーティ」祈りは叶えられた?

本年のアカデミー賞主演男優賞をフィリップ・シーモア・ホフマンにもたらした「カポーティ」。この物語はノンフィクションというジャンルを切り開いた小説「冷血」のメイキングでもあります。注・ここから物語に触れています。あまり予備知識なしに見たので驚いたのは華やかな部分(スキャンダラスな部分)や「冷血」完成時の豪華なパーティ(※)などは一切描かれず(時折、会話の中に挟まれる程度)ひたすら「冷血」がどのようなきっかけで生まれ、取材をし、完成していったかを冷徹に撮られていること(小説「冷血」そのもののように)。カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの演技は抑制と微妙な感情の起伏(メガネの奥に光るシビアなノンフィクション作家としての目と殺人犯ペリー・スミスへの共感)を交えた素晴らしいものでした。全体的な色彩設計、ディレクション含め、こちらも抑制のきいたものとなっていて見事なマッチング。

冷血

MEMO
最近、未完の「叶えられた祈り」が川本三郎さんの訳で文庫化されました。同じく未完の有名な小説にフィッツジェラルドの「ラスト・タイクーン(こちら映画化されていますが未DVD化)」がありますが、妙にダブるところがあります。

叶えられた祈り

豪華なパーティ ( その色彩 )
1966年11月28日・ニューヨーク・プラザホテルで開かれたカポーティ主催のパーティ。社交界の頂点の人々約500人が招待され、ドレスコードが男は黒、女は白だったため「ブラック・アンド・ホワイト・ボール(黒と白の舞踏会)」と呼ばれた。( 以上プレスより抜粋 )

カポーティ
http://www.sonypictures.jp/movies/capote/

トルーマン・カポーティ〈上〉 トルーマン・カポーティ〈下〉
カポーティ コレクターズ・エディション

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2006-10-05

夜のピクニック

恩田陸の第2回本屋大賞に輝くベストセラー小説「夜のピクニック」の映画化。物語・1000人一緒に24時間夜を徹して、80キロを歩く伝統行事「歩行祭」。今年で最後の歩行祭を迎える甲田貴子(多部未華子)は、密かに賭をしていた。それは一度も話したことのないクラスメイトの西脇融(石田卓也)に話しかけるということ。そんな簡単なことができない、親友にも言えない、特別な秘密が2人にはあった…。( ここまでフライヤーより抜粋 )。注・ここより物語のラストに触れています。ただ歩くだけ、気がついたら、この「だらだら感」が実は心地良い(前半、アニメの挿入含めて、どうなることかと思いましたが、結果2時間という長さは必要だったということでしょうか)。明け方、朝もやの中を歩く4人を捉えた風景もよい。ラスト、「ゴール」のゲートを4人一緒にジャンプした後カメラがパンすると反対側の「スタート」を映して新たな旅立ち(本当のスタート、秘密だった「わだかまり」を越えた2人にとっても)を祝福して終わるあたり、「青春映画の王道だな〜」と納得。多部未華子(好演)以外の今後の日本映画界で活躍するであろう俳優陣も素晴らしい。

夜のピクニック
http://www.yorupic.com/

夜のピクニック 「夜のピクニック」INSPIRED BEST ALBUM

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2006-10-01

レディ・イン・ザ・ウォーター

隠喩と暗示、その解釈だけで映画を作ることが可能であろうか? M・ナイト・シャマラン監督・新作「レディ・イン・ザ・ウォーター」は今までのシャマラン監督とは違った仕上がりの作品となっている。※注・ここから物語の構造に触れています。フィラデルフィア郊外のアパート住み込み管理人クリーブランド(ポール・ジアマッティ)はストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)と名乗る謎の女性がプールに潜んでいるのを発見する。彼女は青い世界の住人だというのだが…(実はストーリー自身はストーリーを語っていないというところもキー)。ストーリーを助けることによってストーリーが生まれる。ストーリーを癒すことによってクリーブランドの過去の事件による心の傷が癒される。前々作「サイン」の中で一見関連のなさそうな言葉とバットによって事件(宇宙人の襲撃)が解決するシーンがあったが「レディ・イン・ザ・ウォーター」では全ての事柄に先付けの意味が与えられていき物語が進んでいくという、ある意味「これが実人生と同じなんだよ」と語りかけられている気がしてくる構造。あまりよい批評が聞こえてこなかった本作だが根底に流れているものが極めて東洋的(表層的な東洋趣味ではなく)な事に起因しているのでは? エンディングのボブ・ディラン「時代は変わる」のカヴァーが子守歌のようで心地よい。

いつもは暗示的な色彩(「シックスセンス」の赤や「アンブレイカブル」の青など)が施されているシャマラン監督作品だが今作は構造自体が隠喩に満ちているため特別なキーカラーは使用されていない。

レディ・イン・ザ・ウォーター
http://wwws.warnerbros.co.jp/ladyinthewater/

映画「レディ・イン・ザ・ウォーター」オリジナル・サウンドトラック レディ・イン・ザ・ウォーター 眠れないベッドタイム・ストーリー

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