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2006-10-15

「カポーティ」祈りは叶えられた?

本年のアカデミー賞主演男優賞をフィリップ・シーモア・ホフマンにもたらした「カポーティ」。この物語はノンフィクションというジャンルを切り開いた小説「冷血」のメイキングでもあります。注・ここから物語に触れています。あまり予備知識なしに見たので驚いたのは華やかな部分(スキャンダラスな部分)や「冷血」完成時の豪華なパーティ(※)などは一切描かれず(時折、会話の中に挟まれる程度)ひたすら「冷血」がどのようなきっかけで生まれ、取材をし、完成していったかを冷徹に撮られていること(小説「冷血」そのもののように)。カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの演技は抑制と微妙な感情の起伏(メガネの奥に光るシビアなノンフィクション作家としての目と殺人犯ペリー・スミスへの共感)を交えた素晴らしいものでした。全体的な色彩設計、ディレクション含め、こちらも抑制のきいたものとなっていて見事なマッチング。

冷血

MEMO
最近、未完の「叶えられた祈り」が川本三郎さんの訳で文庫化されました。同じく未完の有名な小説にフィッツジェラルドの「ラスト・タイクーン(こちら映画化されていますが未DVD化)」がありますが、妙にダブるところがあります。

叶えられた祈り

豪華なパーティ ( その色彩 )
1966年11月28日・ニューヨーク・プラザホテルで開かれたカポーティ主催のパーティ。社交界の頂点の人々約500人が招待され、ドレスコードが男は黒、女は白だったため「ブラック・アンド・ホワイト・ボール(黒と白の舞踏会)」と呼ばれた。( 以上プレスより抜粋 )

カポーティ
http://www.sonypictures.jp/movies/capote/

トルーマン・カポーティ〈上〉 トルーマン・カポーティ〈下〉
カポーティ コレクターズ・エディション

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