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2006-11-30

礼節の極み「硫黄島からの手紙」

「硫黄島からの手紙」注・内容に触れています。最も衝撃的なことは、これは紛れもなく「ハリウッド映画」(イーストウッド監督作品は正確にはハリウッド映画と呼べないかもしれないが便宜上ハリウッド映画と表記しています)であるということ。最後に「監督クリント・イーストウッド」と出るまで何の違和感もなく「日本映画」として見てしまっていた。それほど、この映画はある種の畏怖の念とRespectが全体を通して貫かれている。栗林中将を演じた渡辺謙も堂々たる風格の演技でさすがだが、物語全体の語り手となる西郷役・二宮和也のうまさは、この映画の成功のひとつの要因だと思います(全ての主要人物と交錯するわけですから)。その他、バロン西役の伊原剛志、憲兵隊を訳ありで除隊させられた(このエピソードを挟み込むこと自体がハリウッド映画的ではない)清水役の加瀬亮も素晴らしかった。
情緒に流されない潔い各シーンのカット割り、それとは逆になんと耳に残る主題曲の旋律。これこそ伝えられてこなかった事柄への鎮魂歌( Requiem )と言えるのではないだろうか。ラスト「父親たちの星条旗」と同じく硫黄島の海岸が映し出されるが、そこには兵士の姿もなく、ただ暗い水と黒いすりばち山が佇んでいるだけである。
イーストウッド監督の「礼節の極み」に感応して涙してしまった。

「父親たちの星条旗」との繋がり
上陸時のカットで同じものが使われているのでは?というシーンがいくつかと「父親たちの星条旗」で米兵士が塹壕の中に入って「ひどい」と言って出てきたシーンの前部分とおぼしきシーンが初見で見る限りの繋がったところだと推測できます。

その色彩
彩度を抑えた、モノクロに近い色彩処理(「銀残し」かデジタル処理かは未確認)。ラストシークエンスのいくつかにいたっては、ほぼモノクロにしか見えないほど。

父親たちの星条旗 | 硫黄島からの手紙
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/

Flags of our Fathers [Soundtrack] Letters from Iwo Jima [Music from the Motion Picture]

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2006-11-29

ボタンをどうぞ「椿山課長の七日間」

こんな感じのプログラムピクチュアが、かつての松竹には多かったんだろうなぁ、などと思いながら「椿山課長の七日間」を見た。浅田次郎原作の同名小説の映画化。物語・勤務先のデパートで脳溢血のため突然死した椿山課長(西田敏行)。天国と地獄の間にある「中陰役所」で3日間だけ現世に戻ることを許された(その理由が可笑しい)椿山は、正体がバレないように生前の姿とは似ても似つかぬ美しい女性(伊東美咲)としてよみがえる。そこで自分の知らなかった親子の秘密や同僚の女性の秘めたる想いを知ることとなる。そして…。他に成宮寛貴、須賀健太(今、子役の男の子といったら彼でしょう! )、志田未来、他。「中陰役所」の案内人役の和久井映見がとぼけた味で笑わせてくれる(是非主演でコメディを)。西田敏行の役を伊東美咲が演じているおかしさも手伝って意外と(と、いうと失礼ですが)楽しめた好編。後味も悪くない。フランク・キャプラ的でもあります。

椿山課長の七日間
http://www.tsubakiyama.jp/

椿山課長の七日間 素晴らしき哉、人生〈特別版〉

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2006-11-26

DVDにはなっていないけれど_10

最近、村上春樹氏の手によって新訳版「華麗なるギャツビー」が刊行されたスコット・フィッツジェラルドの未完の小説「ラスト・タイクーン」(公開年度1976年)・ふと目に留めた若き女性。そこに亡き妻の面影を見た。心を強く動かされる男。二人の運命の出会いであった…。愛してはならない女と、愛されてはならない男。この二人の愛が、黄昏のハリウッドに燃え上がってゆくー(ここまで公開時のフライヤーより記載)。プロデューサー、サム・スピーゲル、監督はエリア・カザン(亡くなったのは2003年だが「ラスト・タイクーン」が最後の作品となった)、音楽にモーリス・ジャール、キャストはロバート・デ・ニーロ(主人公のモンロースター役)、トニー・カーティス、ジャンヌ・モロー、ロバート・ミッチャム、ジャック・ニコルソン…。この作品、何故かDVD化どころかビデオ化もされていません(実は筆者も未見)。小説は第6章・第1エピソード(このエピソードを書いた翌日に急死)で終わっており要約とノート(シナリオ製作過程のようで興味深い内容)が続いて収録されています(大貫三郎訳・角川文庫版を参考)。ラストタイクーンとしてハリウッドに君臨した男の愛と悲しみの半生〜。是非、作品として見てみたい一作です。
ノートの最後の一行には、こう記されています。
「行動は性格である」

グレート・ギャツビー 愛蔵版 グレート・ギャツビー

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2006-11-23

心が痛い「麦の穂をゆらす風」

今年のカンヌ映画祭でPalme d'Orを受賞したケン・ローチ監督「麦の穂をゆらす風」ラストまでドラマの緊密度が途切れることなく続く「こころにヒリヒリと届く」映画。主演のキリアン・マーフィ(「プルートで朝食を」)が素晴らしい!! 物語・1920年、緑深きアイルランド。医師になる将来を捨て、兄とともにイギリス支配からの独立を求める戦いに身を投じる青年デミアン(キリアン・マーフィ)。戦いは終わり、ついにイギリスは独立を認める。しかし今度はアイルランド人同志が敵味方になる内戦が始まりデミアンと兄、そして恋人シネードとの絆をも引き裂いていく…。注・ここより内容に触れています。映画の中盤、分岐点となる出来事が起こったとき、デミアンがシネードにつぶやいた言葉「心が何も感じなくなってしまった…」。その出来事は、そのままラストでのシネードと兄のやりとりと重なり合う。悲痛なラストシーンに軍靴の響きが聞こえてきてエンドクレジットが流れていく。監督のカンヌ受賞の際のスピーチ「過去について真実を語れたなら、私たちは現実についても真実を語ることができる」。このスピーチ通り悲劇を描いているが見終わった後に残るものは悪いものではなく「映画が伝えることのできること」の希望すら感じる。傑作です。

MEMO
アイルランドというと美しい風景と濃厚なメロドラマが紡ぎ出す一編の詩のような映画、デビッドリーン監督の「ライアンの娘」を思い起こさずにはいられません(今年、DVD化されました。オススメです)。

ケン・ローチ監督作「麦の穂をゆらす風」公式サイト
http://www.muginoho.jp/

プルートで朝食を ライアンの娘 特別版

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2006-11-21

遂にDVD化!!「ふたりのベロニカ」

故・クシシュトフ・キエシロフスキ監督「ふたりのベロニカ」が遂にDVD化されます。長くDVD化の待たれていた作品(Amazonでもいつも上位でした)。物語・同じ年、同じ時刻にポーランドとフランスに生まれたふたりのベロニカ(イレーヌ・ジャコブ、この作品で1991年カンヌ映画祭の主演女優賞を受賞)。お互いのことを全く知らないふたりだが、名前も、顔も、癖も、音楽の才能も全く同じ…。ポーランドのベロニカはある日、心臓発作で倒れ、息絶えてしまう。しかし彼女の希望と生命が引き継がれたかのようにフランスのベロニカに次々と不思議なことが起こりはじめる。突然に生じた霊感、見知らぬ人からのメッセージ、運命的な恋との出会い。まるでもう一人のベロニカに導かれるかのように本当の恋を見つけていく(以上、現在廃盤となっているビデオパッケージより記載)。ほとんど奇跡に近い偶然と必然の混じり合った映像の連続。この繊細な映像がDVDで再現されているかどうかが心配でもあり楽しみでもあります(HDマスターだし…)。とはいえ、やはり映画館で上映される度に見にいくことは変わらないと思うのです(今年、リバイバル公開されました)。

この項続きます(キエシロフスキ監督のインタビューを元にDVD発売後に細部について別記事で記載します)

以前の記事
ふたりのベロニカ(2006-04-06)

ふたりのベロニカ スタンダード・エディション ふたりのベロニカ コレクターズ・エディション

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2006-11-19

キラキラ「プラダを着た悪魔」アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ

独特のイントネーションでカリスマ編集長を演じたメリル・ストリープと、まさにこの役がピッタリというキュートなアン・ハサウェイによる最高に楽しめる映画「プラダを着た悪魔」。

物語・ジャーナリストをめざしてNYにやってきたアンディ(アン・ハサウェイ)が、手に入れた仕事は業界の動向自体を左右する一流ファッション誌「RUNWAY」のカリスマ編集長ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)のアシスタント。しかし、彼女はファッションにはまったく興味がなく、ミランダからは「センスゼロ」と酷評される。その上仕事の要求は超ハイレベルにしてめちゃめちゃ横暴。はたしてアンディは…。

いや〜それにしてもメリル・ストリープ、すごいですね〜(デスクの上にコートの毛皮、投げること投げること投げること…)。原作者がモデルにしたといわれる米「ヴォーグ」誌のアナ・ウィンターとは違ったキャラクター造形で見せてくれます。アン・ハサウェイも「プリティ・プリンセス」のイメージから脱却(「ブロークバック・マウンテン」もびっくりしましたが…)する新たな一歩となる代表作とよべるかわいらしさ。また、ファッションディレクター、ナイジェルを演じたスタンリー・トゥッチがいい味だしてます。

物語のKEY
衣装はパトリシア・フィールド。(舞台がファッション誌ということで衣装デザイナーは重要なポイント)。プロデューサー曰く「パットが、本物のファッション界の背景を作り出してくれたの。〜例えばシャネルは、2006年のクチュール・コレクションを、この映画のために独占的に使わせてくれたわ。それに魔法のように、ヴァレンティノ、ダナ・キャラン、ビル・ブラス、ジョン・ガリアーノ、そしてもちろんプラダのデザインを作り上げてくれたの(この部分プレスより抜粋)」

Blueの話
最初にアンディが着ていたセーターのことを酷評する時に使われていたBlueいろいろ。「そのブルーはターコイズでもラピスラズリでもなくセルリアンブルー。それは私たちが数年前に作り出したトレンド、セルリアンブルー」(正確な台詞採録ではありません)

映画「プラダを着た悪魔」公式サイト
http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/

 

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2006-11-15

ロシアのかわいいデザインたち

以前紹介した「西欧のかわいいデザインたち」に続いて「ロシアのかわいいデザインたち」が発刊されました。例によって新しい発見に出会える本です。著者の一人、井岡 美保さんは奈良でカフェ「カナカナ」を営んでいます(素敵なお店ですよ)。

以前の記事
小物・雑貨・文具本は、いつから?(2006-04-15)

カナカナ
http://trafika.jp/kanakana/

naracafe.com
http://www.naracafe.com/blog/

ロシアのかわいいデザインたち 西欧のかわいいデザインたち

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迷宮入り?「パビリオン山椒魚」

うぉ〜っ! (魚)ギョギョッ(魚)ということで驚いてしまいました「パビリオン山椒魚」(冨永昌敬監督)。これはなに何だ?これぐらい観客を選ぶタイプの映画は久しぶりです。もはや何やら別の領域で傑作になってしまいそうで、あ〜わけわからず(そこを楽しむ)。で、結論的にはオダギリジョーと香椎由宇を見る映画なのではないかと「ひとり納得」。なんたってオダギリジョーは2パターン楽しめますから(笑)。(例えとしては鈴木清順監督が登場した時ってこんな感じ?、と、書くと清順監督ファンから怒られそうですが…)。一応物語自称「21世紀の天才レントゲン医師」こと飛島芳一(オダギリジョー)のもとに150年生きているといわれている動物国宝、オオサンショウウオ・キンジローの真偽を確かめるためのレントゲン撮影の依頼がくる。キンジローは美人四姉妹(その中の一人が、あづき=香椎由宇)の二宮家によって代々運営されている財団によって管理されていた。(しかし、二宮家のキンジローって…)。音楽、菊地成孔。

パビリオン山椒魚
http://www.pavillion.jp/

パビリオン山椒魚 Annex 実録 パビリオン山椒魚! パビリオン山椒魚 オリジナル・サウンドトラック


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2006-11-12

幸せの一瞬「天使の卵」

長くベストセラーを続けている村山由佳・原作「天使の卵」の映画化。物語・美大を目指す浪人生の歩太(市原隼人)は偶然、電車に乗り合わせた春妃(小西真奈美)に一目惚れをする。しかし彼女はガールフレンド夏姫(沢尻エリカ)の姉だった。うまくいくはずはないと迷う気持ちの中、ふたりは惹かれ合っていく。そして…。注・ここより以下、一部内容に触れています。最近の日本映画のパターンになっていると言われている(批判も出てきている)主人公が亡くなる話だが欠落(あるいは喪失)は相手や周辺の人々との関係性や意外な一面などを浮かび上がらせる手法として「あり」だと思うのですが、いかがでしょうか?(見せ方に違いは出てきますが、そこが脚本と演出にかかってくるところ)。監督は富樫森(「ごめん」は、よかったですね〜)。

幸せの一瞬(その色彩)
ラスト、失意の歩太が再び絵筆を持つきっかけとなる一言「お姉ちゃんね、桜色のセーターを着て同じ桜色の毛糸、選んでたの、で、そこだけ季節が違うみたいに見えて、そしてとても幸せそうで」( 注・正確な台詞採録ではありません )

MEMO1
テレビ朝日で続編の「天使の梯子」が放映されましたが、いろいろと「天使の卵」と繋がる形に(例えば描かれている春妃の絵や夏紀の好きな詩の使い方など。尚、Castは歩太が要潤、夏姫がミムラへと代わっていました)。

MEMO2
ちなみに劇中、歩太と夏紀が背中合わせで座っている(喫茶店の設定?)場所は前述(若冲と江戸絵画展・京都・2006_10_23)の京都国立近代美術館から市立美術館側を向いた常設展示入り口前のソファ(だと、思います、平安神宮の鳥居が見えているし…)

天使の卵
http://www.tentama.jp/

天使の卵―エンジェルス・エッグ 天使の梯子 ヘヴンリー・ブルー

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木更津キャッツアイ/ワールドシリーズ

「ばいばいだよぉ〜(オジー風に)」そして「ネタバレしてるよぉ〜(これもオジー風に)」ぶっさん(岡田准一)、バンビ(櫻井翔)、マスター(佐藤隆太)、アニ(塚本高史)、うっちー(岡田義徳)、さよならキャッツ、オジー(古田新太)もね。「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」は脚本・宮藤官九郎がきっちりと「本当にこれで最後」を締めくくってくれた愛すべき一本となっています。注・ここより内容に触れています。映画の冒頭、おぉこうくるかという、ネタで笑わせてくれます(ここは見てのお楽しみ・ヒント、ユッケ)。ストーリーも「それを作れば彼が来る」というぶっさんの声をバンビが聞く、なんてベタなネタ(「フィールド・オブ・ドリームス」)でどうなることかと思っていたら見事にいろいろ仕掛けが施してあってラスト近くで猛烈に物語自体のスピードとテンションがあがっていきます(やっぱり巻き戻し巻き戻し)。ラスト、亡くなる瞬間のぶっさんと父親・田渕公助(小日向文世)のワンシーン(しみじみ)が静かに5年の歳月(TV放映の第一回は2002年1月)の幕を引いてくれます。マジでばいばい。

木更津キャッツアイ | ホーム
http://www.tbs.co.jp/catseye/

猫でもわかるキャッツアイ 木更津キャッツアイワールドシリーズ ナビゲートDVD 木更津キャッツアイワールドシリーズ公式メモリアルブック 木更津キャッツアイ 日本シリーズ

木更津キャッツアイ 5巻BOX フィールド・オブ・ドリームス

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2006-11-10

オルセー美術館展・神戸

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神戸市立博物館で開催中の「19世紀 芸術家たちの楽園 オルセー美術館展 パリ・印象派の殿堂から - マネ、モネ、ルノワール、ゴッホ - 名作に出会う」を見てきました。平日にもかかわらず大変な賑わい(入り口はそうでもないが中に入ってビックリ)。12月8日からは神戸ルミナリエが始まるので更に混雑が予想されます。スペースは1階から3階、ほぼ全館使いきっての展示になっているので、それなりの時間配分と休憩をとりながら見ることをお勧めします(1階入ってすぐに猫がかわいい有名なルノワールの「ジュリー・マネ(あるいは猫を抱く子ども)」やモリゾの「ゆりかご」が展示されていたりします)。そして、やはり人気なのはキャッチーにも使用されているエドゥアール・マネの「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」。その筆致の勢い、黒のみずみずしさ、もう一筆入れてしまうと違うものになったんだろうなぁと思わせる瞳の描き方は実物でのみ感じられる傑作。このマネの作品が展示されているSection「芸術家の生活 - アトリエ・モデル・友人」は画家の交友関係含めて「画家が描く画家」という意味でも興味深かった。神戸展は2007年1月8日まで。東京展は1月27日より東京都美術館で開催。

オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園
http://www.orsay3.com/

オルセー美術館展~19世紀芸術家たちの楽園~のすべてを楽しむ公式ガイドブック パリ オルセー美術館 NHK世界美術館紀行 (6)


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2006-11-09

「マリー・アントワネット」サントラ

ソフィア・コッポラ監督、キルスティン・ダンスト主演「マリー・アントワネット」(2007年1月20日公開予定)のSoundtrackを聞いた。ニューウェイブからエレクトロ、そしてVivaldi ( ! )まで(Radio Deptから3曲)。2枚組のディスク1と2で趣が変わる趣向。とりわけディスク1(PARTY Side?)の選曲サイコー。 既に劇場で予告編がかかっていますが、その中で流れているのはサントラにも収録されているGang Of Four「Natural's Not In It」New Order「Ceremony」です。(日本版Soundtrackは12月13日発売予定)

追記(訂正)
上記・記事はUS版予告編のもの、日本版予告編ではNew Orderの「Ceremony」ではなく「Age Of Consent」(サントラ未収録)が使用されています。

マリー・アントワネット
http://www.ma-movie.jp/

Marie Antoinette

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2006-11-08

DEATH NOTE デスノート the Last name

Note











L(松山ケンイチ)と月(Light)(藤原竜也)の直接対決。そして新たなキラ。原作とは違ったエンディング。「DEATH NOTE デスノート the Last name」(金子修介監督)は2時間20分、最後まで飽きさせることなく緊密に物語が進行していくというコミックの映画化としての最良の形を示してくれた。注・ここよりネタバレ多数。コミックとは違ってLと月(Light)の対立構図をラストまで持っていく事によって、月(Light)の死神リューク(Ryuk・中村獅童)、新たな死神レム(Rem・池端真之介)、レムによって死神目を持つキラの崇拝者、弥海砂(あまねみさ・戸田恵梨香)。コミックのいろいろなキャラを組み合わせて造形されたキャスター高田清美(片瀬那奈・次第にデスノートに絡め捕られていく)などの絡み合い方が見事なタペストリーを織りなす構成。そしてリュークによって用意された「死」ではなく「無」…。色彩設計もセット、衣装、全てが対立的な暖色と寒色、Black&Whiteなどに類型化されている。上記写真は夏に行われた放送局のイベントで展示されていたもの(既にレムもありました)

これも対立!?
超甘党Lが食べ続けているのが「前編」が洋菓子、「the Last name」が和菓子という構図も面白い(嗚呼、蓬餅、みたらし団子…)

ラストカットについて(思うこと)
ラストシーンは東京タワー前を飛び回るリュークではなく、ひとつ前の夜神総一郎と娘・粧裕が雪の中を歩いていき、弥海砂がベッドの上に寝転がり窓に映る同じく雪の東京のシーンのカットで終わってもよかったかも(そしてレッチリの  
「スノー」が始まる)。う〜ん、しかしそれでは少し弱いのかな…。

DEATH NOTE -デスノート-
http://wwws.warnerbros.co.jp/deathnote/

DEATH NOTE DEAD OR ALIVE ~映画「デスノート」をアシストする特別DVD~ 映画「デスノート」オリジナル・サウンドトラック SOUND of DEATH NOTE

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2006-11-07

WOW !!「ナチョ・リブレ 覆面の神様」

「スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラックと「バス男」(原題「ナポレオン・ダイナマイト」)のジャレッド・ヘス監督が組んだ独特のテンポでみせる怪作「ナチョ・リブレ 覆面の神様」。物語イグナシオ(愛称ナチョ)はメキシコの修道院で育てられ、現在は料理番として働いている。そんなある日、町中で「新人ルチャ・ドール(レスラー)求む!」のチラシを目にした彼は、お金を稼いで子供たちやひとめぼれしたシスターにおいしい食事を出してあげようとリングに上る決意をする。とにかく相変わらずの弾けっぷりの、まさにジャック・ブラック・ショーとでもよべる仕上がり。特訓シーンは、おいおい、それでは意味ないじゃんの連続です(笑)。
ちなみに本作は、かの「タイガーマスク」の原案とも言われるメキシコの伝説的レスラー、フライ・トルメンタの実話が元(「ブルースブラザース」でのジョン・ベルーシの「バ〜ンド !」ともダブりますが…)。

その色彩
やはりメキシコ・テイストということでハイコントラストに原色。なんといってもマスク、タイツのターコイズブルー(TurquoiseBlue)が黄色黄土色茶褐色のイメージに映えるんですよね。あ、タイトルバックかわいい。

ナチョ・リブレ 覆面の神様

http://www.nacho-movie.jp/top.html

バス男 スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション

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2006-11-06

衣装デザイナー_5

80年代〜

80年代になってブランドの注目度(主にメンズ)は、ますます高まり「アメリカン・ジゴロ」でリチャード・ギアが身にまとっていたのがジョルジオ・アルマーニ( GiorgioArmani )でした(「アンタッチャブル」の衣装もアルマーニによるもの)。

その後、堰を切ったかのようにミラノのデザイナーブランドの大乱立へと突入していき、ニノ・セルッティ(「プリティウーマン」)、ジャンニ・ベルサーチ、へと続いていきます。(セルッティの紳士部門から独立したアルマーニの衣装を「アメリカン・ジゴロ」で着ていたリチャード・ギアが「プリティ・ウーマン」ではセルッティを着ているのが、おもしろいですね)

プリティ・ウーマン 15周年記念特別版

勿論、メンズのブランドが注目される以前からレディスのブランドはスターに愛されていました。(参考までにクリスチャン・ディオールを衣装に用いたのはマレーネ・ディートリッヒが最初でした)

〜この時代の他のデザイナー〜
ミレーナ・カノネロ( Milena Canonero )
炎のランナー」でアカデミー衣装賞受賞。ノミネートは最近でも多数の現役デザイナー。「時計仕掛けのオレンジ」「バリー・リンドン」「ダメージ」など。2007年1月公開予定の話題作「マリー・アントワネット」も

炎のランナー

アン・ロス( Ann Roth )
マリアンの友だち」でデザイナーデビュー。「イングリッシュペイシェント」でアカデミー衣装賞受賞。「9時から5時まで」「ワーキング・ガール」など

補足1
1977年「スターウォーズ」でアカデミー衣装賞を受賞したジョン・モロは元々、軍服のデザイナーとして活躍していた変わり種。その後、1982年に「ガンジー」でも同賞を受賞している。

補足2
日本人のアカデミー衣装賞・受賞者
1953年「地獄門」和田三造
1985年「」ワダ エミ
1992年「ドラキュラ」石岡瑛子

乱

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2006-11-05

京都国際マンガミュージアム、まもなく開館

Manga











2006年11月25日、いよいよ京都国際マンガミュージアムが開館します。このミュージアムは京都精華大学と京都市の共同事業で、マンガの収集・保管・展示、またマンガ文化に関する 調査・研究および関連事業を行うことを目的としています。建物は烏丸御池の交差点近く、昭和4年建造の旧・龍池小学校の校舎を活用し、当時の佇まいを残したものとなります。所蔵資料は明治の雑誌や戦後の貸本などの貴重な歴史資料や現在の人気作品、海外のものまで、約20万点。2008年には、30万点以上の蔵書数になる見込みです。また、マンガに関する調査研究の発表、マンガに関するワークショップやセミナーなど、多彩な催しが行われる予定です。(以上・SEIKA PLUSより転載)
上記写真は工事中のところを通りかかったときに撮影したものです(すごく緑が美しく、よい雰囲気。期待大!)

京都国際マンガミュージアム
http://www.kyoto-seika.ac.jp/kyotomm/index.html

その京都精華大学が行っているアセンブリーアワー講演会は一般の方も聴講できる上、ゲスト講師の多彩にして豪華な布陣に驚かされます(前述の金沢21世紀美術館で展覧会中の川崎和男さんのプレゼンの極みも、こちらで聴講しました)
直近の予定
(無料・申込不要)・場所 : 明窓館201教室
※入場は先着順です。満員になり次第、入場が制限されます。
11月8日(水)15:00〜17:00
対談 浦沢直樹(マンガ家)×長崎尚志(マンガプロデューサー)

11月25日(土)14:00〜16:00
“ap bank dialogue '06 vol.5 at Kyoto Seika University”
小林武史(音楽プロデューサー、ap bank 代表理事)
丹下紘希(映像監督)

アセンブリーアワー講演会
http://www.kyoto-seika.ac.jp/assembly/index.html

KINO  Vol.3 KINO Vol.02 思考としての『ガンダム』 KINO Vol.1


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2006-11-04

虹の女神 Rainbow Song

「行くなって言ったら、きっと、行くのやめると思う。ずっとそばにいてくれって言われたら、なにもかも捨てて、ずっとそばにいると思う」。「ニライカナイからの手紙」を撮った熊澤尚人監督、岩井俊二監督プロデュースによる「虹の女神  Rainbow Song」はもどかしくも、じれったい、でも、あるよねという「想い」を綴った秀作。物語岸田智也(市原隼人)は小さな映像製作会社に入社したばかり、そんな彼の元に大学時代の友人・佐藤あおい(上野樹里)の飛行機事故の訃報が入る。彼女とは大学の映画サークルで8ミリの自主映画を苦労しながら作っていた仲。あおいの家へ向かう車の中、いろいろな思いがよぎる。そして、あおいの隠された、ある思いを知ることに…。注・ここより内容、ラストシーンに触れています。あおいとあおいの妹と3人で出かけた、お祭りのシーン、帰りのバスのシーンもよいし(その妹を演じた蒼井優。ラストの一言「馬鹿だよ、ふたりとも…」のぽつりとつぶやく台詞が泣かせる)、劇中のキスシーンで相手の唇噛むシーンもよい(こちらもラストで上映される8ミリ作品でいきています)。また、2回出てくる缶を蹴るシーンも(2回目は文字通り、遠回しの告白の末の失恋ですよね)もよかった。ほんのちょっとしたディティールの積み重ねが、とてもとても素敵な映画でした。他に唐突に盛り込まれている(でも、岩井俊二的です)智也のおしかけ女房(笑)千鶴(相田翔子)のエピソードも秀逸。

虹の女神 Rainbow Song(初回生産限定盤)(DVD付)
その色彩
劇中、あおいがこだわっていたフィルム・コダクローム、黄色の発色がよく高彩度の暖かみのある色調でファンが多い(残念なことに今年、販売が終了してしまいました)

アドバイス
原案、脚本の桜井亜美さんが月刊誌「papyrus(幻冬舎)」での岩井俊二監督との対談の中で「友達以上恋人未満の方は男女で見に行くと絶対カップルになれますよ」と語っていました。なるほど。

虹の女神・公式ホームページ
http://rainbowsong.jp/

「虹の女神」公式ブログ
http://rainbow.toho-movie.jp/

虹の女神―Rainbow Song Rainbow Song―虹の女神PHOTO BOOK

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2006-11-01

金沢21世紀美術館・川崎和男展

Ka1








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デザインディレクター・川崎和男さんの展覧会「川崎和男展・いのち・きもち・かたち artificial heart」を紅葉には、まだ少し早い金沢21世紀美術館に見にいきました。金沢21世紀美術館は妹島和世+西沢立衛(SANAA)の設計で兼六園近くの金沢市の中心部に建てられています(レアンドロのプールやタレルの空など体感できる作品などで、観光コースとしても定着してきています)。
7つのギャラリー(独立した部屋のようになっている)を使ったそれぞれの空間が展示内容によって変えられており、入っていく度に新鮮な驚きがあります。中でも人工心臓やカテーテル、スマートアトミックエンジンなどのプロトタイプが展示された「Gallery8・トポロジーデザイン言語」は、その可能性を含め感動することしきり。また1994年に行われた「個展」のインスタレーション(PLATON'S ORGEL)の再現も嬉しく、素晴らしい内容でした。11月12日まで開催(月曜閉場)

金沢21世紀美術館
http://www.kanazawa21.jp/ja/index.html

artificial heart:川崎和男展

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