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2007-01-31

DVDにはなっていないけれど_11「おかしな おかしな おかしな世界」

World









祝!
ついにDVD化(2014年12月発売)

おかしな おかしな おかしな世界」砂漠のハイウェイで出くわした事故車に乗っていた男の間際の言葉「州立公園に35万ドルの大金が埋まっている」のひと言から始まる大金を巡ってのドタバタ(スラプスティック)コメディ。最初は4台の車に乗っていた人たちだけだったのが目的地に近づくにつれて「大金に目がくらんだ人たち」が徐々に増えていく。陸から空からカーチェイス( ? )あり、妨害あり、セット破壊あり…。目指すは「大きなWを探せ」。
監督はスタンリー・クレイマー、出演・スペンサー・トレーシー他多数(本当に多数 ! ミッキー・ルーニーやピーター・フォークやバスター・キートンなどなどなどなど…)。
公開時はシネラマ上映。日本のビデオ(レンタル版)では155分(しかもトリミングしている)だが、現在発売されているUSA_DVDでは161分。(しかし本当のオリジナルは192分。今や見た人の方が少ない…)

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「トゥモロー・ワールド」のワンシーンワンカット撮影技術

アルフォンソ・キュアロン監督の近未来SFの傑作「トゥモロー・ワールド」。日本公開が先になった関係か、情報が前後して公開されたことによって長回しワンショット(ノーカット)と紹介されているが、実際はイギリスの映像会社ダブルネガティブの開発したツール(※)によって別々に撮られたシーンをつなぎ合わせて作られたものだそうです。(※通常の2次元のフィルムではなく奥行き情報を含んだ2.5次元として作成されたものをシームレスにつなぎ合わせることが出来る)。冒頭のコーヒーショップを出て暫く歩いた瞬間に起こる爆破シーン(なんと2日間にわけて撮影されたものがワンカットに見えている !! )、襲撃される車のシーン、キャンプでの9分間(8分間)の移動シーンなど長回しとおぼしき、ほぼ全シーンに取り入れられていたそうです。(詳しくはCG WORLD 2007年1月号に4ページにわたって掲載されています。注・最新号ではないのでバックナンバー取り扱いの書店か図書館にて見ることができると思います)

「撮りたいもの」と「技術」が最高の状態で結びついた「トゥモローワールド」。出演はクライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン。

トゥモロー・ワールド

http://www.tomorrow-world.com/
 
トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション トゥモロー・ワールド

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2007-01-30

「ユメ十夜」こんな夢を見た。

夏目漱石原作の短編「夢十夜」を10組11人の監督によって映像化した「ユメ十夜」。夢なんだから物語が迷走しても全然、大丈夫大丈夫。原作に近い雰囲気のものから大きく脚色し直した派手なものまで「いろいろな夢の形」を見せてくれます。これだけバリエーション(豪華なキャストも含めて)があると自分の好みにあったものに出会えるのでは ? 注・以下、各エピソード内容、台詞に触れています。

文鳥・夢十夜

プロローグ
清水厚・監督
まずは掴み。漱石先生が書き出すところから始まります。「時間」についての取っ掛かりでもあります。「この作品がわかるまでには100年もの歳月がかかるであろう」

第一夜
実相寺昭雄・監督
小泉今日子、松尾スズキ

さすがにテイストが近い題材を演劇的ケレン味演出で見せてくれます。サラサーテの「チゴィネルワイゼン(映画クレジット表記通り)」が使われていて一瞬、鈴木清順監督の「ツィゴィネルワイゼン」を思い出しました。小泉今日子のの着物が涼しげで綺麗〜。

第二夜
市川崑・監督
うじきつよし、中村梅之助

モノクロ、サイレント !! 90歳を超えても尚アバンギャルドにしてスタイリッシュ。短刀の鞘(さや)のみ
が使われている。漱石原作では「こころ」と「吾輩は猫である」を撮っている。

第三夜
清水崇・監督
服部圭亮、香椎由宇

やはり、ここは清水監督ということでホラーテイスト満開の「ユメ十夜」中、屈指の怖さ。悪夢が続いた際のもどかしさ「夢なら覚めてくれ」感が最も出ている作品。

第四夜
清水厚・監督
山本耕史、菅野莉央

懐かしい光景。セピア風画面。墜落する飛行機が上空を飛んでいく。駅の伝言板。「思い出」もまた「夢」。師である実相寺監督のトーンを受け継いでいて今後楽しみな監督。

第五夜
豊島圭介・監督
市川実日子、大倉孝二

原作の天深女(あまのじゃく)が出てきますが、ほとんど「ケムール人」か「T2」ノリでビックリ。まさに悪夢とよべる「夢」。市川、大倉ふたりが出ていると演劇的でもあり映画的でもある。

第六夜
松尾スズキ・監督
阿部サダヲ、TOZAWA

モノクロ、BBS風字幕、英訳。アニメーションダンサーTOZAWAによる運慶ハイパーダンス。10分という制約を逆にMUSIC VIDEO仕立てに作りあげた。どう締めるのかと思っていたら「木彫りの熊オチ」って…、まさに松尾スズキ監督。

第七夜
天野喜孝、河原真明・監督
Sascha、秀島史香(共にVoiceCast)

3DCGアニメーションによるファンタジー。ファンタジーなのだから「まさに夢」。紫の色調で整えられたピアノのシーンが流麗。

第八夜
山下敦弘・監督
藤岡弘、、大家由祐子、山本浩司

原稿用紙にむかう漱石のイメージ世界。シュール。石原良純のシーンは夢オチ ? 「書いちゃえ」の一言が本オチ?

第九夜
西川美和・監督
緒川たまき、ピエール瀧

最も「映画らしい映画」。個人的には、この「第九夜」が最もよかった。緒川たまきの佇まいが美しい。お百度参りのシーンとピエール瀧演じる出征しようとする夫との確執シーンとの色彩対比も極めて美的。

第十夜
山口雄大・監督
松山ケンイチ、本上まなみ、
安田大サーカス、板尾創路、石坂浩二

最後の最後に弾けまくった ! 本上まなみの「あっ!」と驚く「ぶひっ」から突然平賀源内、豚丼まで「何でも有り」のまさに「夢の脈絡のなさ」を体現。

エピローグ
清水厚・監督
場所は現代。ビルの広告パネルの「時間」が激しく流れていく。戸田恵梨香扮する女学生が「まだ100年かかるのかな〜」と呟いて、雪。
そして、エンドクレジット。

ユメ十夜
http://www.yume-juya.jp/

夢十夜

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2007-01-29

ケビン・コスナー「守護神」

USA版「海猿」とか「愛と青春の旅立ち」プラス「トップガン」とか公開前からいろいろと評されている「守護神」。確かに構成的には一理あるかもしれないが意外と正攻法なつくりが逆に功を奏しているかもしれない。ケビン・コスナーがやっと復調してきた近作「ワイルド・レンジ 最後の銃撃」に続いて「らしい」映画への出演。物語・200人以上の遭難者の命を救ってきた伝説のアメリカ沿岸警備隊(USGC)レスキュー・スイマー、ベン・ランドール(ケビン・コスナー)。救出任務中に大切な相棒を失った後悔と叱責から、現場を退きエリート育成のためのA級学校の教官に赴く。そこで新人訓練生として若き天才スイマー、ジェイク・フィッシャー(アシュトン・カッチャー)と出会う。ハリケーン・カトリーナ災害での活躍でその存在を知らしめることとなったアメリカ沿岸警備隊(USGC)のA級学校での訓練ぶりが垣間見られて興味深い。

ラスト、ジェイクの命を救うためにベンがとった行動によって「守護神」のタイトルの意味がわかる。監督は手堅い作風(だと、思う)のアンドリューデイビス(「逃亡者」「コラテラル・ダメージ」など)。約300万リットルのウォータータンクを使用したセット撮影と「パーフェクトストーム」以降発展した流体CG技術による嵐のベーリング海を再現したシーンが素晴らしい(物理シミュレーションを駆使した水などの流体CGは年々進歩していてすごいですね)。

守護神 | shugoshin
http://www.movies.co.jp/guardian/

ワイルド・レンジ 最後の銃撃

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2007-01-28

「どろろ」と手塚治虫

手塚治虫原作の「どろろ」を塩田明彦監督(「カナリア」「黄泉がえり」)が映画化。原作の戦国時代とは違う場所と時代設定(何処かの国の賢帝歴3048年、いわゆるAnother Day Another Place設定)。日本的情緒を廃した荒野と砂漠の物語となっている。注・以下より内容に触れています。主人公百鬼丸に妻夫木聡、どろろに柴咲コウ、醍醐景光に中井貴一、百鬼丸の弟・多宝丸に瑛太、百鬼丸の育ての親・寿海に原田芳雄(ほとんどフランケンシュタイン博士的なキャラクター造形)。物語の骨格や登場人物は割とオリジナルを踏襲している(原作屈指の逸話「ばんもん」らしきセットが終盤の舞台となっていたりもします)。柴咲コウの「どろろ」役が映画全体の暗くなりがちなムードを吹き飛ばしている(原作ではもう少し子供で、物語の終盤で女の子であることがわかる)。中盤の魔物倒し3連続シーンとアクション監督は香港映画界からチン・シウトン。衣装デザインは、やはりこの人、黒澤和子さんでした。
ところで映画は最後、「残り24体」と白抜きで画面に文字が出てMr.Children「フェイク」の流れるエンドクレジットとなる訳だが、もしかして続編あり?…という事でしょうか? (24ということで、まさかTVへと続いていくとか…ピッタリ2クール分あるしね〜)

その色彩
画面サイズはビスタ。彩度を落としたざらついた画面にハイコントラスト赤い色がかなり黒みがかった沈んだ赤となっています。ラスト、醍醐景光との決着後は通常の色彩に戻って青空すら見える(更に百鬼丸とどろろが海へ出るシーンへ繋がっていく)。晴れやかさの画面設計演出として「わかりやすい幕切れ」でした。

どろろ ナビゲートDVD ~序章~ どろろ完全図絵

「どろろ」連載の頃

「どろろ」は1967年8月から翌年7月まで「週刊少年サンデー」で連載(後に「冒険王」に引き継がれる)。「どろろ」の前連載がシェイクスピア「マクベス」をベースとした「バンパイヤ」(主人公の名前が間久部六郎でした。ちなみに黒澤明監督「蜘蛛巣城」も「マクベス」が下敷き)、その前がタイムパラドックスものの傑作「W3(ワンダースリー)」、同時期には「火の鳥」黎明編、未来編などの連載とストーリーテラーとして最も油が乗っていた時期だと思われます。
MEMO
NHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」出演時の漫画家・浦沢直樹さんが人生を変えた2つの出会いのひとつとして「火の鳥」(COM版)を手にしながら「こんなに軽々しく紹介しちゃいけないんだけど…」と語るシーンがありました。

どろろ
http://www.dororo.jp/

Tezuka Osamu World
http://www.tezuka.co.jp/

どろろ Complete BOX
どろろ (1) どろろ (2)
どろろ (3) どろろ (4)

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2007-01-27

「のだめカンタービレ」と交響曲第7番

前述記事「敬愛なるベートーヴェン」繋がりで(繋げるな〜!って…)。ドラマ「のだめカンタービレ」のオープニング曲、そして最終回での演奏シーンですっかり有名になったのが「ベートーヴェン交響曲第7番」。ベートーヴェンといえば一般的(注・日本において)に「第九」か「運命」か、はたまた教科書の気むずかしそうな肖像画の人だったのを変革しちゃったのが「のだめ」の功績。ドラマはコミック中盤(現在の発売巻数で)で終了しているが連載は続いており、更にアニメ版も始まっているので一過性のブームではなく定着しそうな気配ですよね〜(ドラマもスペシャル版とかで繋いでいけそうだし…)

フジテレビ・のだめ カンタービレ
http://wwwz.fujitv.co.jp/nodame/index.html

「のだめ カンタービレ」公式サイト
http://www.nodame-anime.com/

のだめカンタービレSelection CD Book のだめカンタービレ 16巻 限定版
のだめカンタービレ キャラクター・セレクション 千秋編 のだめカンタービレ キャラクター・セレクション のだめ編 のだめカンタービレ キャラクター・セレクション ミルヒーと仲間たち編

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音楽の生まれる時「敬愛なるベートーヴェン」

ベートーヴェンの最晩年を描いた傑作「敬愛なるベートーヴェン」。監督は「太陽と月に背いて」で詩人ランボーを描き、次回作でエカテリーナの物語を撮る予定のアニエスカ・ホランド。物語・1824年ウィーン。「第九」の初演を4日後に控えながら、未だに完成できずにいるベートーヴェン(エド・ハリス)の元へ1人の女性が訪ねてくる。アンナ・ホルツ(ダイアン・クルーガー)、音楽学校の最優秀生徒であり作曲家を志望する彼女が、コピスト(写譜師)として派遣されてきたのだ。女性コピストの出現に最初は激怒するベートーヴェンだが、次第に彼女の楽曲に対する姿勢や才能、自分の曲への深い理解を見ることによって信頼を寄せるようになっていく。そして遂に「第九」初演の日を迎えるのだが…(ここまでプレス等参考)。

アカデミー賞常連のエド・ハリスがベートーヴェンを嬉々として演じていてさすがのカメレオン俳優の面目約如といったところ。そして、アンナを演じたダイアン・クルーガーの凛とした演技、表情、「第九」初演時のベートーヴェンにタイミングとテンポを伝える際(第二の指揮者とでも呼べる)の手の振り方、指のしなやかさ、すべてが美しい。「天才」を陰で支えた母性と芸術の女神(ミューズ)を見事に体現している。まさに「音楽が生まれるとき」に立ち会ったかのようだ。窓から差し込む光と人物のシャドウ部分が際だつ撮影も美麗。104分という上映時間もよい。尚、本編中指揮をするシーンをクリストファー・ホグウッドが監修している。

敬愛なるベートーヴェン
http://www.daiku-movie.com/

Copying Beethoven [Music from the Motion Picture]

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2007-01-26

香水とサスペンス「パフューム」

まったく展開の読めない物語にビックリの「パフューム - ある人殺しの物語 - 」。原作は1985年に刊行され、45カ国語に翻訳され1500万部以上の売り上げを記録した「香水 ある人殺しの物語」。当然、映画化の話が持ち上がるも(スピルバーグ、スコセッシも)作者のジュースキントは頑として映画化を許さなかった。その原作が21年の時を経て完成。注・以下、内容、ラストシーンに触れています(予備知識なしでご覧になりたい方はご注意下さい)物語・18世紀、フランス。類い希なる才能を持つ1人の孤児がいた。彼の名はジャンバティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける驚異の嗅覚を持っていたが、なぜか彼自身の体臭はなかった。やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入りして香水の作り方を学ぶと、もっと高度な技術を持つ職人の街グラースへと向かう。グルヌイユは、天使の香りの如き至高の香水を造りたいと願っていた。それはパリの街角で出会い、誤って死に至らしめた赤毛の少女の香りだった。彼はグラースで、赤毛の美少女ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)が放つ運命の香りと再会する。遂に、命あるものの匂いを取り出す技術を我がものにしたグルヌイユは、禁断の香水作りに着手するのだった…。(以上、プレスより記載)。出演は他にローラの父親役でアラン・リックマン。

監督・脚本は「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァ。共同脚本に「薔薇の名前」を脚色したアンドリュー・バーキン(ちなみに女優ジェーン・バーキンの兄です。と、いうことはシャルロット・ゲンズブールは姪ですね)。まるでレンブラントの絵画のような濃密な光と色調で仕上げた撮影監督はフランク・グリーベ。衣装デザイナーはピエール・イヴ・ゲロー(「インドシナ」「ボーンアイデンティティー」など)。

ラン・ローラ・ラン

「映画で香りを見ることはできない。我々は映画という言語で、グルヌイユの嗅覚を体験させる。」と、プロデューサーが語るとおり当時悪臭が漂ったといわれるパリの魚市場のシーンから街の雑踏、香水店、その香水の調合シーン、と「匂い立つ画面」描写のオンパレード。香水調合シーンですらサスペンスフルに描いていて、いったい、この物語はどういった結末を迎えるのかハラハラドキドキしたまま、2時間27分緊密に過ぎていきます。
ラストも驚き。

香りの撮影
「たとえば、毎日目にするコーヒーのコマーシャルがある。泡立つコーヒーがカップの中で湯気を立てているだけだ。だがある時点で、見るものの潜在意識が刺激されて、実際にコーヒーが匂っているような印象を受ける。我々も香りを実際に捕まえるような光学的緻密さで、牧草地や花を撮影することにしたのだ」(プレスより抜粋)

MEMO
音楽はティクヴァ監督自身が作曲。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が映画音楽を初めて演奏した。

ラストシーン
グルヌイユの禁断の香水作りのための行為に対して処刑が行われる広場に集まった人々。しかし、そこで起こった出来事(隠し持ったパフュームをひとふり)はまるで救世主の出現の様相を呈する。人々の憎悪を愛に満ちあふれた世界に変えてしまった「世界がひれ伏す香り」…。このシーンの撮影の中心的エキストラにヨーロッパで最も有名な舞踏団のひとつ「ラ・フラ・デルス・バウス」が起用された。

パフューム ある人殺しの物語
http://perfume.gyao.jp/

香水―ある人殺しの物語 映画「パフューム」オリジナル・サウンドトラック Perfume [Original Motion Picture Soundtrack]

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2007-01-25

「僕は妹に恋をする」俺、嘘ついちゃったな。

青木琴美・原作の同名コミック「僕は妹に恋をする」(禁じられた恋に身をやつす双子の兄弟の障害を乗り越えてをも純粋な思いを貫こうとする恋心を描いたストーリー)を「blue」の安藤尋監督が映画化。主人公・頼(より)を松本潤妹・郁(いく)を榮倉奈々、頼の親友にして「妹ちゃん・郁」に片想いの矢野立芳に平岡祐太、頼に思いを寄せる楠友華に小松彩夏。エンディング・テーマはクリスタル・ケイ「きっと永遠に」注・内容、台詞、ラストシーンに触れています。冒頭、子供時代の頼と郁。シロツメ草の草原で無邪気に遊ぶ2人。シロツメ草で指輪を作って郁の指にいれてあげたカットつなぎでの次の画面で高校生の郁の指に変わっている。ラストは冒頭の変調。シロツメ草の草原は造成されていて、もはや無くなっている。ふたりにとっては、もう思い出に変えてしまうしかないと気づくシーン。ジャンケンで、お互いをおんぶし合いながら「終わり」を感じてしまう…。その時の台詞「俺、嘘ついちゃったな。郁をお嫁さんになんかできないのに…」。

僕は妹に恋をする 公式ファンブック 僕は妹に恋をする 1―この恋はひみつ。 (1) 僕は妹に恋をする

その演出
原作とは違う「感情」の揺れをポイントにおいた演出。安藤監督独特の、見ている方も緊張する長回しのシーン(演じる方はもっと緊張しているとは思いますが…)が何回か登場します(重要なポイントとなるシーンに特に。例えば前述のラストシーンや頼と郁が結ばれるシーンなどに)。

制服着くずし方( ? )
最近の映画で最も制服を着くずしていたのは「リンダ リンダ リンダ」の香椎由宇だと思うのですが(逆にペ・ドゥナはきっちりと着ていましたね〜)、この映画での頼と郁のタイのゆるめ方も着くずしとは言えないかもしれませんが、とっても似合っていて素敵でした。(メインキービジュアルとしても)

僕は妹に恋をする
http://www.bokuimo-themovie.com/

青木琴美オフィシャルサイト
BlueCloverCafe
http://www.aokikotomi.com/

きっと永遠に blue

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2007-01-24

「ミニシアターグラフィックス2」発刊

以前このブログで紹介した「ミニシアターグラフィックス」の続編が発刊されました。今回はいきなり大島依提亜さんディレクションの「さよなら、さよならハリウッド」「僕のニューヨークライフ」といったウディ・アレン監督作品の宣伝材料やパンフレットが取り上げられていて前回よりも更にパワーアップ感あり(と、いうか好みに合っているというか…)です。大島さんの作品が22作品も掲載されています(あの「かもめ食堂」も ! )。ジャケットデザインも大島さんによるもの。もちろん、もう1人のミニシアターグラフィック界の雄、大寿美トモエさんのものも多数掲載されています。ミニシアターファンの方にオススメ !! 取りあえず、書店でパラパラと眺めてみてくださいね〜。

MEMO
映画宣材グランプリなる企画ページのあった映画季刊誌「QRANK」の休刊が惜しまれます。何処か引き続いてやってくれないものでしょうか?

追記
昨年「エコール」のディレクションの際の特殊印刷であっと驚かせてくれた岩波眞里さん(「8月のクリスマス」のPamphletDesign、フォント含めて素敵 ! )のインタビューが巻頭に掲載されています。

このブログ内・関連カテゴリー(この記事含む)
映画宣伝ツール
https://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/cat3685046/index.html

ミニシアターグラフィックス2

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2007-01-23

「それでもボクはやってない」そのリズム

周防正行監督11年ぶりの新作「それでもボクはやってない」。冤罪事件と日本の裁判システムについてをドキュメンタリーの手法ではなく、きっちりと「映画」として描き出した超傑作 !! 注・内容(カメラワーク)に触れています。主役(被告人)・金子徹平を加瀬亮、主任弁護士・荒川正義(セイギとも読めますね〜! )を役所広司、新人弁護士・須藤莉子を瀬戸朝香。その他尾美としのり、山本耕史、もたいまさこ、大森南朋など抜群の布陣。もちろん周防組お馴染みの竹中直人、田口浩正、徳井優らの登場シーンもあって嬉しい。

キネマ旬報 2007年 2/1号 [雑誌]

そのリズム
まず脚本。Aが話し、Bが対応し、またAが話すという反復だけに陥りがちな裁判劇を圧倒的な独自テンポで描き、2時間23分ダレることがない。吟味された台詞が如何に凄いかのお手本のような構成(ナレーションではなく情報を登場人物が語る形になっている)。そして撮影。ほぼフィックス(固定)で撮られた裁判所のシーン。劇中、もっとも多く登場する場所でのカメラワークが同じく飽きさせないリズムを刻んでいる。映画に引き込まれているので気づかないが、各シーンの意味に対応したカメラアングルのバリエーションの多さ。主人公越しに見える裁判官の表情(途中、裁判官が替わることによって特に印象に残っている)、アップ、バストショットの組み方、カメラの高さの変化、そしてフィックスだけではなく横移動、判決時の金子のまわりを廻るカメラ。最後の最後(判決を言い渡した後の主文最後)にカメラが裁判官にズームで寄っていき(それは監督の怒りの表れのようにもとれる)さらに見下ろす形で裁判官の頭越しのカットへとつながっていくシーンは圧巻。

それでもボクはやってない」公式サイト
http://www.soreboku.jp/

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2007-01-21

ソフィア・コッポラ監督「マリー・アントワネット」

監督のソフィア・コッポラが語るとおりガーリッシュなファンタジーといった表現がピッタリの「マリー・アントワネット」。物語・弱冠14歳にして母国オーストリアのためにフランス王太子のもとに嫁ぐことになったアントワネット。そこで待ち受けていたものは周囲の好奇な目とうわさ話と陰口に明け暮れる王族や貴族たちだった…。アントワネットにソフィアとは2度目のコラボとなるキルスティン・ダンスト。ルイ16世に「天才マックスの世界」のジェイソン・シュワルツマン。フェルゼン伯爵にカルバン・クラインのモデルで有名なジェイミー・ドーナン。他にジュディ・デイビス、マリアンヌ・フェイスフルなど。ティーンエイジャーとしてのマリー・アントワネットを描いたLOVE&POPに満ちた作品。よい音楽とならば遠くまで跳べる。

マリー・アントワネット〈上〉 マリー・アントワネット〈下〉

音楽とシーン
オープニングのタイトルバックに使われているのがNatural's Not In It(Gang Of Four)。パンキッシュなタイトルロゴとデザイン処理がBestMatching ! そして仮面舞踏会でのダンスシーンにはHong Kong Garden(Siouxsie & The Banshees)。衣装のキーコードとなった楽曲、I Want Candy (Kevin Shields Remix)(Bow Wow Wow)はアントワネットが浪費三昧、消費三昧に突っ走る映画中屈指のシーンに使用。他にも18歳の誕生日のシーン、そのまま夜明けまで待っての朝日を眺めるシーン(このシーンでの毛皮はFENDIのもの)、フェルゼン伯爵への想いがつのって宮殿の廊下を軽やかに走り抜けるシーンなどなどにAphrodisiac(Bow Wow Wow)、What Ever Happened(The Strokes)、Pulling Our Weight(The Radio Dept.)、Ceremony(New Order)(注・シーンとの順不同)らの曲が使用されています。

マリー・アントワネット Marie Antoinette


衣装と美術、そして色彩
出てくる出てくるカラフルにしてPOPなSWEETSの数々。こちらは1862年創業のフランスの老舗パティスリー、ラデュレ(LADURÉE)が担当。食事のシーンに出てくるテーブルの上のマカロンタワー( !? )には驚きました。(昨年、アナ・スイとコラボしたパッケージに入った、ものすごくカラフル・マカロンがビッシリ詰まったものを戴きましたがまさに、この映画そのものでしたよ〜)
衣装はミレーナ・カノネロ(「炎のランナー」「バリーリンドン」でアカデミー賞を2度受賞。そういえば、本作の制作総指揮も兼ねるパパコッポラの「コットンクラブ」もそうでしたね)。そのミレーナ・カノネロが起用した靴のデザイナー「マノロ・ブラニク」のコレクションもDecorativeにして「かわいい」ものがいっぱい(ワンシーン、Converseのスニーカーが映るシーンがありますよ)
そして色彩はキャンディ&ケーキ。ミント・グリーン、マゼンタ、カナリア・イエローなど本当に食べたくなるような色や素材が選ばれています。また、子供が生まれた後、ナチュラル志向へと変化していく色や素材も、きっちりと描かれていて素敵です。

※追記
ミレーナ・カノネロは本作で3度目のアカデミー賞衣装デザイン賞受賞

Bienvenue sur le site de LADURÉE
http://www.laduree.fr/
(FLASHアニメが、かわいい!!)

マリー・アントワネット
http://www.ma-movie.jp/

このブログ内・関連記事
衣装ミレーナ・カノネロ
「マリー・アントワネットの首飾り」

https://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_472f.html

「マリー・アントワネット」サントラ
https://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_794c.html

ソフィア・コッポラとアントワネット
https://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_9eb8.html

スカーレット・ヨハンソンと南禅寺
https://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_ba06.html

ロスト・イン・トランスレーション ヴァージン・スーサイズ

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2007-01-18

間違えられた男 ? 「ラッキーナンバー7」

注・内容に触れています。勘のよい方は絶対ご鑑賞後に読んで下さい。いわゆるハリウッドメジャー作品でもないのに豪華なキャスティングが見所のひとつ。もうひとつは、いわゆるツイスト(ひねり)ものの脚本のおもしろさと言える「ラッキーナンバー7」。物語・不運続きの青年・スレヴン(ジョシュ・ハーネット)は、友人を頼りにニューヨークへとやって来る。そこで出会った女・リンジー(ルーシー・リュー)と互いに惹かれ合うが、スレヴンの不運はまだ終わってはいなかった。敵対する2人の大物マフィア、ボス(モーガン・フリーマン)とラビ(ベン・キングズレー)から同時に身に覚えのない借金の返済を迫られる。そして、殺人事件を捜査するニューヨーク市警(スタンリー・トゥッチ)にも嫌疑をかけられ、スレヴンは逃れられない状況へと追い込まれる。さらに、すべての事件の裏に見え隠れする、凄腕の暗殺者・グッドキャット(ブルース・ウィリス)の影…。果たしてスレヴンはどうなる、そしてこの物語の謎は…。(ここまでフライヤーより記載)。

実際は「間違えられた男」ではなく黒澤明監督「用心棒」いやいやブルースウィリスが出ているから「ラストマンスタンディング」!?とも言えます。原題(Lucky Number Slevin)にある種のヒントが隠されていたりもします。なるほど〜、と全ての謎に決着をつけてくれるので見終わった後に「レレレッ?」とはならない親切シナリオです(冒頭のいくつかのシーン、そこに登場した様々な人々が全てラストで繋がっていきますよ〜)。しかし、ブルース・ウィリス役得ですね〜。

ラッキーナンバー7」OFFICIAL SITE
http://www.lucky-movie.jp/

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2007-01-17

気づかないうちに、守られているから。「幸福な食卓」

「せっさたくま」って漢字でかけるか? 「おぅ ! 」「おぅ」瀬尾まいこの同名ベストセラー小説「幸福な食卓」の映画化(講談社刊、第26回吉川英治文学新人賞受賞作)。母さんが家を出て、ナオ(直)ちゃんが農業をはじめ、父さんが父さんをやめた。それはいつも朝の食卓からだった…。そんなとき、大浦勉学があらわれた。主人公・佐和子の高校受験を前に「父さん」の心の崩壊から始まった、微妙にずれはじめた家族の歯車。そんな時に現れた転校生「大浦くん」の存在はなくてはならないものとなっていくのだが…。佐和子に北乃きい、大浦くんに勝地涼、兄・直に平岡祐太、その恋人ヨシコさんにさくら、母さんに石田ゆり子、父さんに羽場裕一。主役の北乃きいが素晴らしい自然体の演技(表情のバリエーションの豊かさがとても新人とは思えない)で映画全体のトーンを決定づけている。その佐和子との芝居をうける大浦くん役の勝地涼のボンポンぐあい、間合いも抜群。家族の再生を担うのは他人なんだという構造もブレがなくて最後まで素直に見られてよかった。そのセリフ「他人じゃないと救えないものが直ちゃんにはある。きっと、同じように私にも」。監督は小松隆志。主題歌「くるみ」をMr.Childrenが映画用に再レコーディング(エンドクレジット前のラストシークエンスでフルコーラス使用されている。「しるし」のtrack3に収録)
幸福な食卓

MEMO1
原作「幸福な食卓」は主人公・佐和子の中学から高校時代にかけてのお話が4連作で構成されています。その小説を1本の脚本にまとめたのは長谷川康夫。大好きな映画「深呼吸の必要」もこの人の脚本です。なるほど〜、と、納得。

MEMO2
「1人になった母さんの料理は創意工夫がすばらしい」と賞された( ? )「生クリームそば」やナオちゃんの恋人ヨシコさんの作る、いつも卵の殻が入っているシュークリームのレシピが書かれた原作単行本宣伝用のフライヤーが書店等で配布されています。お見逃しなく !!

幸福な食卓
http://ko-fuku.jp/pc/

北乃きい・Official Blog
チイサナKieのモノガタリ
http://blogs.yahoo.co.jp/yokoyokoberry/

しるし

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2007-01-15

「Shall we ダンス?」衣装と色彩

ハリウッドでのリメイク版が近年公開された作品のオリジナル版「Shall we ダンス? 」。監督は「シコふんじゃった」「ファンシダンス」そして、まもなく待望の新作「それでもボクはやってない」が公開される周防正行。物語・平凡なサラリーマンだった杉山正平(役所広司)は通勤電車の窓から、ふと見上げたダンス教室にうつる舞(草刈民代)の姿を見かけたことから社交ダンスを始める。「最初は一度でいいから彼女とダンスを踊ってみたい…」という気持ちからだったが、徐々に何かを見つけたかのように杉山の生活は変わり始める…。

Shall We ダンス? (初回限定版) Shall we Dance ?(初回限定版)

その衣装と色彩
舞を演じる草刈民代さんの衣装が最初はダンスの世界大会でのアクシデントからの挫折に立ち直れないでいるため、モノトーン系のものが多いのですが、杉山(役所)に教え始めて徐々にコーラルピンクライトカーキの淡い色へと変化していき最後の最後、ラストダンスの際に着るドレスは真っ赤なスリップドレスという風に心情に合わせて衣装の色を変えていったあたりが、とても見事でした。(もちろん回想シーンに登場する世界大会の時の衣装は華やかなものですが、この時はまだ、わがままな部分が出ていてプライドが全面にあらわれた感じの衣装です。ラストの赤のドレスは舞が素直になって解放された気持ちも出た、それはそれは素敵なものとなっています)。他にもダンス教室の窓の光やダンスフロアの床の色など非常に細かい部分まで行き届いた色彩設計が施された映画でした。それと、これ以上の組み合わせはないというぐらい快演だった竹中直人、渡辺えり子などの脇役陣もサイコー ! 見終わった後「あ〜よかった〜」と思わずつぶやく後味抜群の作品ですよ。

周防正行監督最新作
それでもボクはやってない」公式サイト
http://www.soreboku.jp/

Shall we ダンス? オリジナル・サウンドトラック 『Shall we ダンス?』アメリカを行く

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2007-01-14

「エトワール」監督による「オーロラ」

クラシック・バレエの名門、パリ・オペラ座の舞台裏を撮影した傑作バレエドキュメンタリー「エトワール」を監督したニルス・ダヴェルニエの積年の夢であったフィクション映画を実現した作品、「オーロラ」。物語・踊ることを禁じられたオーロラ姫。唯一の楽しみは弟といるときに踊ること。そんなオーロラ姫は国王でもある父親から没落しつつある国のために愛のない政略結婚を強いられるのだが…。パリ・オペラ座からエトワール3人(ニコラ・ル・リッシュほか)、ダンサー35人といった豪華な布陣によるダンスシーンが素晴らしい。そしてなによりもオーロラ姫を演じたオペラ座バレエ学校の新人マルゴ・シャトリエの立ち姿の美しさが、この映画全体のイメージを決定づけているといっても過言ではない。他にキャロル・ブーケ( シャネルNo.5のモデルでしたね〜。綺麗 ! )、フランソワ・ベルレアン(「コーラス」)など。

オーロラ・公式サイト
http://www.aurore.jp/

エトワール デラックス版

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黒澤明「生きる」言葉

その「汚し」(実際に着用した時代、暮らしに応じて、わざと傷めたり着古したようにみせる手法)のテクニックで現在の時代劇衣装の第一人者であり、山田洋次監督、木村拓哉主演「武士の一分」も担当した黒澤和子さん。その父親、黒澤明監督の「100の至言」をまとめあげた著書「黒澤明「生きる」言葉」が発刊されました。右ページに黒澤監督の言葉、左ページに、そのエピソードなどが綴られていて、すごく読みやすい構成になっています。元気になりたい時、自信を取り戻したい時、夢を追う時…。さまざまな場面に応じての黒澤監督の言葉が力強い。

このブログ内・関連記事
花よりもなほ・美術と衣装
https://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_4c9f.html

黒澤監督の映画セットのような「お店」
https://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_f88d.html

黒澤明「生きる」言葉

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2007-01-11

渋い!!「あるいは裏切りという名の犬」

久しぶりに大人の豊穣なるワインのようなフレンチフィルムノワールの登場。「あるいは裏切りという名の犬」は対立する二人の警視を軸に先の読めないストーリー展開(あまり予備知識なしで見た方がベストかも)で最後まで飽きさせない。あ、或いは主役二人(ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデュー)の「演技対決」にして「鼻対決?」とも呼べます。注・予備知識なしで見る場合、ここから先は後でお読み下さい。物語・パリ警視庁。仲間からの信頼厚く正義漢のレオ・ヴリンクス(ダニエル・オートゥイユ)と、野心家で利己的なドニ・クラン(ジェラール・ドパルデュー)。かつて親友だった二人の警視は、レオの妻カミーユを愛し奪い合った過去を持ち、今は次期長官の座を競うライバルとして対立していた。現金輸送車強奪事件の犯人逮捕を巡り、レオに手柄を奪われたドニは、ある殺人事件への関与を上司に密告する。ドニに裏切られ、容疑者として逮捕されたレオ。そしてー(ここまでフライヤーより抜粋)。クライマックスへの複線が最初の方に描かれていたりして、2周目も楽しめそうな物語展開。ラストシーンへ繋がる「ある一言」を間際に告げる場面は少し「読めて」しまうが、それでも末路としては「こういう形」しかないかといった趣で納得。(何を書いてるかは、ご覧になった方はわかりますよね〜?)監督はオリヴィエ・マルシャル。原題は36 Quai des Orfevres(オルフェーヴル河岸36番地、パリ警視庁の別称のこと)。エンドクレジット前に出る36の数字の処理が秀逸、渋いです。本作はロバート・デ・ニーロとジョージ・クルーニーによるハリウッドリメイクが決定している。

あるいは裏切りという名の犬
http://www.eiga.com/aruinu/

36 Quai des Orfevres

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2007-01-10

キネマ旬報ベストテン、他

第80回・2006年キネマ旬報ベストテンが9日発表されました。日本映画1位が「フラガール」(李相日監督)、外国映画1位が「父親たちの星条旗」(2位に「硫黄島からの手紙」が入っているのでイーストウッド監督のワンツーフィニッシュとなりました)。個人的にはウディ・アレン監督「マッチポイント」が久々に10位に入賞したことが嬉しい。ちなみに関西で恒例(49回目)の朝日ベストテン日本映画1位は「ゆれる」(西川美和監督)、外国映画1位「グエムル 漢江の怪物」(ポン・ジュノ監督)。そういえば、このベストテン、2003年に「たそがれ清兵衛」ではなく阪本順治監督の「KT」が1位になった際に阪本監督が「たそがれでなく、僕を1位に選ぶあたりが関西ですね」と授賞式のスピーチで語っていました。(今回も細田監督の傑作アニメ「時をかける少女」が3位だったりします)

asahi.com:朝日ベストテン映画祭
http://www.asahi.com/kansai/event/OSK200612040040.html

フラガール Flags of our Fathers [Soundtrack]
ゆれる グエムル-漢江の怪物- コレクターズ・エディション 時をかける少女 オリジナル・サウンドトラック

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2007-01-09

酒井家のしあわせ

飄々とした風貌がそのまま生かされているユースケ・サンタマリア、こんな「オカン」おるおるといった間合いで演じる友近。まず、このキャスティングに惹かれてご覧になった方も多いのでは?「酒井家のしあわせ」。他に濱田マリ(こんな近所のオカンもおる)、赤井英和、本上まなみ、など。
物語・酒井家は関西のとある田舎町に住む、ごく普通の家族。そんな酒井家に事件が起きる。父が家出?!好きな男が出来たから…?!あきれるしかない母、信じられない次雄(息子)、なにもわからない光(娘)。ある日、偶然父を見かけた次雄は、いつもと違う父の様子から、何か嘘をついているのではないかと、思い始めるのだが…。(ここまでフライヤーより記載)。監督は本作が長編デビュー作の弱冠29歳・呉美保(オ・ミポ)。サンダンス・NHK国際映像作家賞2005日本部門受賞。もう少し枠からはみ出ても(作劇、演出として)よいのではというぐらい、まとまっている。ロケーション周りが物語にマッチしていました(ロケハンは大事ですね〜)。

酒井家のしあわせ
http://www.sakaike.jp/

酒井家のしあわせ

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ggg 20周年記念展

ギンザ・グラフィック・ギャラリー開設20周年企画「EXHIBITIONS : Graphic Messages from ggg & ddd 1986-2006」が開催されます。東京のギンザ・グラフィック・ギャラリー(1986年開設)と大阪のdddギャラリーあわせて約170名の出店作家の代表作品とメッセージが展示されます。1月国内作家、2月海外作家の2期構成で1月11日から2月28日まで。レポートあらためて掲載します。

DNP Gallery:ギンザ・グラフィック・ギャラリー
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

田中一光 永井一正 原研哉
横尾忠則 オルガー・マチス 宇野亜喜良

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2007-01-06

衣装ミレーナ・カノネロ「マリー・アントワネットの首飾り」

このブログでも何回か取り上げているソフィア・コッポラ監督の最新作「マリー・アントワネット」がまもなく公開されます(1月20日より)。その衣装を担当したミレーナ・カノネロ(Milena Canonero)が同じくマリー・アントワネットを題材とした「マリー・アントワネットの首飾り」のコスチュームにも関わっています。物語・かつて名門だったヴァロア家に生まれたジャンヌは、政敵の罠によって領地も両親も奪われ、たった9歳で孤児となってしまった。すべてを失った彼女は再び名誉を取り戻しヴァロア家再興だけを人生の目的として生きていく。そして15年後、宮廷に取り入ったジャンヌはやがては王妃マリーアントワネットに対する民衆の怒りに火をつけるきっかけとなる一大スキャンダル「首飾り事件」を引き起こしていく(ここまでフライヤー参考)。

ミレーナ・カノネロ( Milena Canonero )
「炎のランナー」でアカデミー衣装賞受賞。ノミネートは最近でも多数の現役デザイナー。「時計仕掛けのオレンジ」「バリー・リンドン」「タッカー」「ダメージ」など

バリー・リンドン

民衆の怒りを引き起こしフランス革命のきっかけになったともいわれる有名な「王妃の首飾り事件」もともとはルイ15世が愛人デュ・バリー夫人に送るために購入した647個( ! )、2,800カラット( !! )、160万リーブル(時価192億円)のダイヤの首飾りであったが王の急死により売り先に困った宝石商がマリーアントワネットに話をもちかけたことが事件の始まりでした。(ここで王妃は断るのだが、そこに目を付けたジャンヌが枢機卿等を使ってアントワネットを陥れようと画策していく)。監督はチャールズ・シャイア、ジャンヌ役にヒラリー・スワンク、他にエイドリアン・ブロディやクリストファーウォーケンと脇も豪華 !
撮影はチェコの首都ブラハや実際にベルサイユ宮殿も使って行われた。また、劇中のアントワネットの首飾りを制作したのは映画「タイタニック」の「碧洋のハート」も作ったといわれる1781年創業の英国王室御用達の老舗宝飾店「アスプレイ」

DVD「マリー・アントワネットの首飾り」はセル版が現在出荷無し(レンタルあり)下記ブルーの表紙Marie Antoinette」はソフィア・コッポラ版の映画写真集(洋書)と日本版サントラ

マリー・アントワネット Marie Antoinette

追記
東京・明治記念館にて1月28日までミレーナ・カノネロによるソフィア・コッポラ監督「マリー・アントワネット」の映画劇中で使用されたドレスが一般公開中です(15点)。館内のラウンジ「キンケイ」では映画をイメージしたケーキ3種も。

明治記念館
(イベント&ニュース欄)
http://www.meijikinenkan.gr.jp/

MEMO

あの「ベルサイユのばら」の中でもこの首飾り事件は描かれており設定として見事に溶け込んでいました。(ジャンヌの夫のニコラスの勤務する近衛騎兵隊の隊長がオスカルという設定)。※ニコラス=映画ではニコラ

このブログ内・関連記事
ベルサイユのばらと宝塚歌劇(2006-07-23)

このブログ内・関連記事
ソフィア・コッポラ監督「マリー・アントワネット」
https://color-of-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/lovepop__e680.html

ベルサイユのばら大事典―連載開始30周年記念 ベルばらKids

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2007-01-02

そしてミニバスは行く「リトル・ミス・サンシャイン」

黄色いミニバスに乗って〜「リトル・ミス・サンシャイン」。9歳の娘を美少女コンテストに出場させるためにカリフォルニアへ向かうフーヴァー一家、その途中に起こる様々な出来事をハートフルに綴るロード・ムービー。と、ひとことで片付けられないほどのくせ者揃いなんですよね、この一家。負け組否定の成功論提唱者のパパ・リチャード(グレッグ・キニア)、家族をまとめようと孤軍奮闘しているママ・シェリル(トニ・コレット)、ミスコン優勝を夢見る、9歳の妹オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)、老人ホームを追放されたわがままなおじいちゃんグランパ(アラン・アーキン)、ニーチェに心酔している沈黙の兄ドウェーン(ポール・ダノ)、ゲイで自殺未遂のプルースト研究家の叔父。(ここまでフライヤー参考)。冒頭10分間の食事シーンで各キャラクターとそれぞれの関係性が描かれる手際よさ、何かトラブル、言い争いが起こった後、結局は押しがけでしかエンジンのかからなくなったミニバスを家族全員で一致団結して押している絵的なおもしろさ(ミニバスを押した後の家族の清々しい顔、フィジカルな行動が些細な言い争いをすっ飛ばしてしまうって事ですよね〜)。かなりブラックな笑いも多いが見た感じと違って結果、みんな家族思いなところが垣間見られるシーンが随所にあって、とってもよい映画です。もう1人の主役とよべる黄色のミニバスのような「小さくかわいらしい愛すべき映画」。監督はジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス夫妻(インタビュー記事を読むと、あ〜この2人だからなんだなぁ〜と納得することしきり)

※追記
ラジカルだけど優しいお祖父ちゃん役のアラン・アーキンが本作でアカデミー賞助演男優賞を受賞。またオリジナル脚本賞も受賞。

リトル・ミス・サンシャイン
http://movies.foxjapan.com/lms/

Little Miss Sunshine Little Miss Sunshine: The Shooting Script (Newmarket Shooting Script)

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