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2007-01-27

音楽の生まれる時「敬愛なるベートーヴェン」

ベートーヴェンの最晩年を描いた傑作「敬愛なるベートーヴェン」。監督は「太陽と月に背いて」で詩人ランボーを描き、次回作でエカテリーナの物語を撮る予定のアニエスカ・ホランド。物語・1824年ウィーン。「第九」の初演を4日後に控えながら、未だに完成できずにいるベートーヴェン(エド・ハリス)の元へ1人の女性が訪ねてくる。アンナ・ホルツ(ダイアン・クルーガー)、音楽学校の最優秀生徒であり作曲家を志望する彼女が、コピスト(写譜師)として派遣されてきたのだ。女性コピストの出現に最初は激怒するベートーヴェンだが、次第に彼女の楽曲に対する姿勢や才能、自分の曲への深い理解を見ることによって信頼を寄せるようになっていく。そして遂に「第九」初演の日を迎えるのだが…(ここまでプレス等参考)。

アカデミー賞常連のエド・ハリスがベートーヴェンを嬉々として演じていてさすがのカメレオン俳優の面目約如といったところ。そして、アンナを演じたダイアン・クルーガーの凛とした演技、表情、「第九」初演時のベートーヴェンにタイミングとテンポを伝える際(第二の指揮者とでも呼べる)の手の振り方、指のしなやかさ、すべてが美しい。「天才」を陰で支えた母性と芸術の女神(ミューズ)を見事に体現している。まさに「音楽が生まれるとき」に立ち会ったかのようだ。窓から差し込む光と人物のシャドウ部分が際だつ撮影も美麗。104分という上映時間もよい。尚、本編中指揮をするシーンをクリストファー・ホグウッドが監修している。

敬愛なるベートーヴェン
http://www.daiku-movie.com/

Copying Beethoven [Music from the Motion Picture]

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コメント

 こんばんは♪
 TBどうもありがとうございました。
 こちらからもTBさせていただきました。
 よろしくお願いします◎

 アンナを演じたダイアン・クルーガー、
 よかったですよね~♪
 私も同感です!
 はっきり言って、エド・ハリスよりよかったと
 思ってますから^^;;

投稿: miyukichi | 2007-01-29 00:06

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