マイケル・ベネット(演出・振付)による伝説のブロードウェイミュージカル「ドリームガールズ」の映画化(舞台初演は1981年)。物語・1962年デトロイト。エフィー・ホワイト(ジェニファー・ハドソン)、ディーナ・ジョーンズ(ビヨンセ・ノウルズ)、ローレル・ロビンソン(アニカ・ノニ・ローズ)の3人トリオ・ドリーメッツは辣腕プロデューサー・カーティス・テイラー Jr(ジェイミー・フォックス)に見出され人気歌手ジミー・アーリー(エディ・マーフィ)のバックコーラスに抜擢される。そして…。監督は「シカゴ」の脚本を書いたビル・コンドン。インタビューなどで語っている通り、歌の間もストーリーが進行するノンストップミュージカル。バックステージものとしても最高だが、黒人と白人の文化対岐クロニクルとしての描き方も素晴らしい。キャストも最良。
注・以下、内容・台詞・各シーンの使用楽曲などに触れています。
各シーンと主な楽曲
アマチュアコンテストでドリーメッツとして歌う「Move」まだ垢抜けない3人組(驚くべき事にビヨンセはオーラ消している…)がカーティスの目に留まりジミーのバックコーラスに。エフィーの兄、C.C.ホワイト(キース・ロビンソン)がジミーとドリーメッツに楽曲を作った「Cadillac Car」は黒人専門のラジオ局のチャートを駆け上がる、が、すぐに白人シンガーに無断で盗られてしまい当時の音楽業界の常であった人種の壁を感じる。この事がきっかけでカーティスは本格的にレインボーレコードを起ち上げてチャレンジをはじめる(ラジオ局へのあからさまな買収も)。その様子と共に歌われる「Steppin' To The Bad Side」。そんな情熱(と、裏工作)の甲斐あってジミーとドリーメッツの人気は上昇、と、同時にカーティスはディーナのカリスマ性に目をつけリードボーカルの変更を告げる。最初は猛反発のエフィー、しかしカーティスの説得に渋々承諾する。そこで歌われる(ジェイミー・フォックス、メインボーカルで)「Family(この曲は後半にもRepriseとして歌われる)」
象徴的な会話
「まるで商品みたいね」
「そう商品だ」
名前をザ・ドリームズに変えてのデビュー曲はキャッチーなナンバー「Dreamgirls」売れていく様子がテンポ良く描かれていて見ているこちらのテンションもあがっていく(映画ならではのダイナミズム溢れるシーン)。だがエフィーの不満は募るばかり(ディーナへの嫉妬も)。亀裂がもはや修復不可能になったステージ上で歌われる「And I Am Telling You I'm Not Going」(舞台版では第一幕Last Number)。舞台にひとり、エフィー…
新しいメンバーを加えたザ・ドリームズの人気は更に加熱。カーティスとディーナは結婚。エフィーには子供が…(実はカーティスとの間の娘)。そんな中、ジミーの元マネージャー、マーティ(ダニー・グローバー)がエフィーのためにセッティングしてくれたオーディションで歌への情熱をみせる「 I Am Changing」。逆に売れるためにメロウ路線を強いられ、自分を見失っていくジミー最後の登場シーンとなる「 I Meant You No Harm/Jimmy's Rap」(エディ・マーフィらしさが出たナンバー)。
エフィの再出発(レコードデビュー)のためにC.C.ホワイトが書いたバラード「One Night Only」。しかし、カーティスのラジオ局などへの妨害でせっかくのエフィのレコードは葬られ、ディスコ調に変えられたザ・ドリームズが歌う「One Night Only ( Disco )」にとって代わられる(それは、かつて自分たちの受けた仕打ちと同じ事)。そしてディーナ(エフィーの一件を知ってしまう)とカーティスとの別れが決定的になった時に歌われるのが「Listen」(これは、もうビヨンセの超々熱唱)。
Last Sequenceはザ・ドリームズ解散コンサート。客席にはレインボーレコードに関わったすべての人たちが…。ザ・ドリームズによる「Hard To Say Goodbye」そして「ザ・ドリームズは4人です」のひとことにエフィーも加わってバラードテンポで「Dreamgirls ( Finale )」
End Titleへ
舞台とStaff、CastへのRespect
ラストナンバー「Dreamgirls ( Finale )」からEnd Titleへ入る瞬間がとても綺麗、きらきらと輝き舞い落ちる雪のような光。そしてカーテンコールの如くCastが紹介され(スマートなカット割り)、Staffもそれぞれ意味のある表記のされ方(例えば衣装デザイナー、シャロン・デイヴィスの場合デザイン画が映って実際の映画シーンがカットインされる)。本当にRespect溢れるタイトルロール。
そして最後に「マイケル・ベネットに捧ぐ」
※ End Title DesignはPictureMill
ドリームガールズ
http://www.dreamgirls-movie.jp/top.html
※追記
ジェニファー・ハドソンがアカデミー賞助演女優賞を受賞。
※MEMO
ダイアナ・ロスとザ・シューブリームス、モータウンレコードがモデルといわれる本作。確かに、そのモータウンレコードの設立者はベリー・ゴーディ Jr、「ドリームガールズ」のレインボーレコード創立者はカーティス・テイラー Jr。どちらもカーディーラーというところも同じ。
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