「善き人のためのソナタ」回復の回路
弱冠33歳のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドーナスマルク監督による監視国家の真実を描いた傑作「善き人のためのソナタ」注・内容、台詞、ラストシーンに触れています。物語・1989年ベルリンの壁崩壊前の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)局員ヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は反体制の疑いをもたれている劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)と同棲相手の舞台女優クリスタ(マルティナ・ゲデック)を監視して証拠をつかむよう命じられる。ドライマンのアパートに盗聴器をしかけ、徹底した監視をはじめるヴィースラー。しかし…。2時間18分、まったく途切れることのない緊密な空気。サスペンス的にケレン味たっぷりに描いてしまうところを品位と気高さを持って描く。役者は演技を感じさせずカメラはカメラの存在自体を感じさせない演出(時折、挟み込まれる俯瞰で撮った道路が効果的)。ヴィースラーがドライマン、クリスタのふたりが喧嘩をしてしまうようにし向ける意地の悪い行動をおこすシーンがある。しかし、その後ヴィースラーが盗聴機越しに聞いた会話は…(この辺りを境にヴィースラーは目覚めていく)。タイトルのソナタはひとつのアイテムだが物語自体が音楽のような主旋律とコーダ部分(ベルリンの壁崩壊後のエピソード)を含ませて忘れがたい余韻を残す。
ラスト、これ以上はない幕切れ。
ヴィースラーがふと、目にする書店の広告。
ドライマンの著書「善き人のためのソナタ」
その本に記された献辞。
… HGW XX/7へ捧げる …
(HGW XX/7はシュタージでのコードネーム)
「ギフト包装しますか?」
「いや、これは私のための本だから」
※追記
アカデミー賞外国語映画賞受賞
善き人のためのソナタ
http://www.yokihito.com/
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» 感想/善き人のためのソナタ(試写) [APRIL FOOLS]
壁があった頃の東ドイツを舞台にした社会派ドラマ。これは興味深い力作! 『善き人のためのソナタ』2月10日公開。劇作家ドライマンは、反体制の疑いをかけられ、国家組織シュタージによって監視されることになった。四六時中彼を盗聴するのはヴィースラー。監視されてることに気がつかないままドライマンは、東ドイツの伏せられた真実を告発する原稿の執筆を計画し、それはヴィースラーに盗聴されるのだった。
善き人のためのソナタ
盗聴にしろなんにしろ、他人の生活を覗き見すんのってドキドキすんだよなー。とか軽いノリで観... [続きを読む]
受信: 2007-02-25 15:30
» 善き人のためのソナタ [映画のメモ帳+α]
善き人のためのソナタ#8194;(2006 ドイツ)
原題 DAS LEBEN DER ANDEREN
(あちら側の人々の生活)
監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
脚本 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
撮影 ハーゲン・ボグダンスキー
音楽 ガブリエル・ヤレド
出演 ウルリッヒ・ミューエ マルティナ・ゲデック
セバスチャン・コッホ
... [続きを読む]
受信: 2007-02-25 15:51
» 「善き人のためのソナタ」映画感想 [Wilderlandwandar]
「囚人番号227番取り調べ室へ入れ」「ボクはやっていない」「正直に話せ」「ボクは [続きを読む]
受信: 2007-02-25 17:04
» 善き人のためのソナタ◆冷徹なシュタージ局員を変えた自由の旋律 [好きな映画だけ見ていたい]
「善き人のためのソナタ」 (2006年・ドイツ)
監督・脚本: フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
音楽: ガブリエル・ヤレド/ステファン・ムッシャ
出演: ウルリッヒ・ミューエ/マルティナ・ゲデック/セバスチャン・コッホ
久々に感動作と出合えた気がする。上映が終わると、暗い場内にはハンカチを目に当てる人の姿がちらほら。最後の最後で絶... [続きを読む]
受信: 2007-02-25 18:18
» 善き人のためのソナタ [シャーロットの涙]
この曲を本気で聴いた者は悪人になれない・・・ [続きを読む]
受信: 2007-02-25 19:13
» *善き人のためのソナタ* [Cartouche]
2006年 ドイツ映画
先日、[http://blogs.yahoo.co.jp/cartouche_ak/44847064.html 『あなたになら言える秘密のこと』]を早々今年のベスト10入りさせてしまいましたが
この作品は2007年ベストではなく、今まで見た映画の中で・・のベストに入れます。
ほんと。それほどの作品で、倒れそうになりました。
この映画のあらすじを読まれてしまった方もいるかと思いますが、どうしてもネタ元に..... [続きを読む]
受信: 2007-02-25 21:50
» 『善き人のためのソナタ』 [ラムの大通り]
※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(原題:Das Leben des Anderen)
----これって来年度のアカデミー賞の
ドイツ映画代表なんだよね?
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク?
まったく知らない監督だけど?
「うん。ぼくも知らなかった。まだ33歳の新人らしい。
でもドイツからは『ヒトラー〜最期の12日間〜』『戦場のア... [続きを読む]
受信: 2007-02-25 22:01
» 人は変わる? 「善き人のためのソナタ」 [平気の平左]
評価:80点 [続きを読む]
受信: 2007-02-25 22:59
» 善き人のためのソナタ [★試写会中毒★]
満 足 度:★★★★★★★★★
(★×10=満点)
監 督:フロリアン・ヘンケル・ドナー・スマルク
キャスト:ウルリッヒ・ミューエ
マルティナ・ゲデック
セバスチャン・コッホ
ウルリッヒ・トゥクール
トマス... [続きを読む]
受信: 2007-02-26 14:54
» 映画:善き人のためのソナタ [駒吉の日記]
善き人のためのソナタ(シネマライズ)
「この本を<HGW XX/7>に捧げる」
(原題:DasLebenDerAnderen (The Lives Of Others))協力者10万人、密告者20万人。
体制維持のためにこれだけの人員と労力をかけていたのは本当に末期症状だったのだろうな、と思いました。でも... [続きを読む]
受信: 2007-02-26 17:36
» 「善き人のためのソナタ」アカデミー外国語映画賞受賞! [cinemania35]
「善き人のためのソナタ」がアカデミー外国語映画賞を受賞しました!{/abanzai/}
サントラは、我らがcinemania35から大好評発売中です。
実は、cinemania35にとって2年連続のアカデミー賞作品なのですよ。
去年は「クラッシュ」、今年は「善き人のためのソナタ」。
これからも、cinemania35をよろしくお願いいたします!!
Paris-Tokyoでした{/kaeru_en4/}... [続きを読む]
受信: 2007-02-27 10:52
» 【劇場映画】 善き人のためのソナタ [ナマケモノの穴]
≪ストーリー≫
1984年、東西冷戦下の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)局員のヴィースラーは、劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタが反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。成功すれば出世が待っていた。しかし予期していなかったのは、彼らの世界に近づくことで監視する側である自分自身が変えられてしまうということだった。国家を信じ忠実に仕えてきたヴィースラーだったが、盗聴器を通して知る、自由、愛、音楽、文学に影響を受け、いつの間にか今まで知ることのなかった新しい人生に目覚めていく。... [続きを読む]
受信: 2007-02-28 23:14
» 善き人のためのソナタ [Alice in Wonderland]
観ようかどうかを迷っていた作品ですが、アカデミー賞の外国語作品賞を獲得した事も後押しして梅田の空中庭園まで足を運びました。
1984年、東西冷戦下の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)局員のヴィースラーは、劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタ...... [続きを読む]
受信: 2007-03-02 01:08
» フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督「善き人のためのソナタ」 [詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)]
監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 出演 ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ケデック
たいへんすばらしいシーンがある。
男が盗聴している。彼は会話に耳を澄ます。聞こえてくることばから何らかの意味、秘密をさぐろうとしている。しかし、思いがけないものが耳に流れてくる。ピアノソナタ。それもレコード(CD)ではなく、男が盗聴している相手(劇作家)が弾いている。こころが引きつ�... [続きを読む]
受信: 2007-03-06 19:48
» 善き人のためのソナタ [あいち国際女性映画祭ANNEX-Nouveau's BLOG]
なんだかいつもみんなが「よかった!」って言ってる映画に難癖??つけてばっかりです。ということで今回も…。まず、前半は眠ってしまいました。ごめんなさい。芸術家カップル。勝手にカッコいいだろうと憧れていたんだけど、それは間違い。ヴィースラーはドライマンとクリスタの監視をしていて、ある日、彼に彼女の裏切りをわざわざ見せるということを仕掛けた。ちょっと悪趣味。二人が罵り合ったり、険悪になるだろうと想像していたけれど、結局、ドライマンは彼女に何も言わず、ヴィースラーは拍子抜け。そしてまた、ヴィースラーは二人に... [続きを読む]
受信: 2007-03-08 01:27
» 善き人のためのソナタ [シネマログ 映画レビュー・クチコミ 映画レビュー]
この曲を本気で聴いた者は、悪人になれないチラシ「善き人のためのソナタ」より引用。1984年、東西冷戦下の東ベルリン。壁の向こうで、何が起こっていたのか?ようやく明かされた、”監視国家”の真実___。国家保安省(シュタージ)局員のヴィスラーは、劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタが反体制である証拠をつかむように命じられ、ドライマンの住む部屋の至る所に盗聴器を仕掛けて監視を始める。盗聴器から聴こえてきたのは、自由な発想や愛の言葉、美しいソナタの調べだった。その思想・...... [続きを読む]
受信: 2007-03-09 21:32
» 「善き人のためのソナタ」映画感想 [Wilderlandwandar]
「囚人番号227番取り調べ室へ入れ」「ボクはやっていない」「正直に話せ」「ボクは [続きを読む]
受信: 2007-03-14 03:08
» 善き人のためのソナタ/Das Leben Der Anderen [我想一個人映画美的女人blog]
今年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞したドイツ映画{/kirakira/}
先月から日本公開されていて、ずっと観たいと思ってたけどやっと観てきた♪
ほとんど前知識なく観たんだけど 評判通り、良い作品でした{/hikari_pink/}
時は1989年のベルリンの壁崩壊少し以前。
共和党主義体制を確立していた旧東ドイツでその支配の中枢を握ってたとされる
国家保安省(通称、シュタージ)。
壁の崩壊から17年経った今、当時の状況が徐々に明かさ... [続きを読む]
受信: 2007-03-19 10:50
» ★「善き人のためのソナタ」 [ひらりん的映画ブログ]
今週の平日休みもシネコン2軒はしご。
1本目は川崎チネチッタで、今年のオスカーで外国語映画賞を獲得したドイツ映画。 [続きを読む]
受信: 2007-03-23 00:56
» 『ブラックブック』&『善き人のためのソナタ』のセバスチャン・コッホ! [映画『ブラックブック』公式ブログ〜バーホーベンはお好き?〜]
『ブラックブック』を宣伝している間に勝手に人気が急上昇したのは
アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『善き人のためのソナタ』にも出ている
セバスチャン・コッホでしょう。
ヒロインのエリスが憎むべき敵でありながら愛してしまうナチ将校ムンツェ役の
セバスチャン。
もちろん、設定的にも、いい男でなければいけない。
バーホーベン監督のアシスタントのMさんによると
何人か..... [続きを読む]
受信: 2007-03-23 16:52
» 善き人のためのソナタ [小部屋日記]
Das Leben Der Andere(2006/ドイツ)
【劇場公開】
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演:ウルリッヒ・ミューエ/マルティナ・ゲデック/セバスチャン・コッホ/ウルリッヒ・トゥクール/トマス・ティーマ/ハンス=ウーヴェ・バウアー
本年度アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。
楽しみにしていた映画で、やっとこさ観にいくことができました。
1984年の東西ドイ... [続きを読む]
受信: 2007-03-25 17:48
» 「善き人のためのソナタ」(ドイツ 2006年) [三毛猫《sannkeneko》の飼い主の日常]
盗聴器を通して知る自由、愛、音楽、文学。 それは自分自身を変えてしまうこと。 予想もしない人生に目覚めること。 「善き人のためのソナタ」 [続きを読む]
受信: 2007-03-25 21:41
コメント
はじめまして。
TBありがとうございます。
デザインという切り口でまとめられているのですね~。
そういったお仕事をされているのでしょうか?
大変興味深く拝見(まだちょっとですが)しました。
じっくり隅々まで拝見したいので、ちょくちょくお邪魔しますー。
投稿: まんまる | 2007-02-27 10:59
ラストは素晴らしかったですね。
私もあの最後があったからこそ
孤独な男性の人生が捨てたものじゃないって
心から思うことが出来ました。素晴らしいです!
投稿: ALICE | 2007-03-02 01:09