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2010-04-27

素敵な短編小説に出会ったような味わい「月に囚われた男」

注・内容に触れています。70年代テイストにあふれたSF映画「月に囚われた男」は制作費500万ドル、撮影期間33日で撮られたとは思えない味わい深い作品だ。監督はデビッド・ボウイを父に持つダンカン・ジョーンズ。原題は「MOON」だがボウイの「地球に落ちて来た男」に韻をふんだタイトルがつけられたようだ(悪くないタイトルだと思いますが・・)。物語・(今からそう遠くない)未来。地球へ送る資源掘削のため月にただひとり任務に就いていたサム(サム・ロックウェル)は3年の任期が終わるまで、あと2週間を残すのみとなっていた。通信設備の故障で彼の楽しみは地球からの木星リンク経由で送られてくる妻と子供からの録画メッセージだけ。話し相手はロボットのガーディ(声をケヴィン・スペイシーが!)のみ。そんな孤独な生活が続いてきたためか、ある日サムは幻覚を見るようになる・・・そして・・・

まずロボット、ガーディの造形がよくできている。月に基地が出来るぐらいの技術があるにも関わらず表情はスマイルマーク、というかほとんど顔文字レベル(^^)。「サイレント・ランニング」のヒューイとデューイみたいでカワイイ。またCGではないミニチュアの月面基地、月面車も素晴らしい。(科学考証的にいろいろあるが、そんなの横においてもイイぞ~と思わせてくれます)
そしてサムロックウェルのひとり3役(画面上で2役)の見事さ。この最初、ふたりがあらわれた時の判りにくさが、この月面基地の秘密が判明していく面白さへと繋がる。

月に囚(とら)われた男 オフィシャルサイト
http://www.moon-otoko.jp/

映画会社製作の劇場用映画ポスター「月に囚われた男」サム・ロックウエル

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「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」

注・少しラストシーンに触れてます。原作コミック、ドラマ、アニメ、ドラマスペシャル、映画(前編)と見続けた訳で前編公開の時に「ぎゃぼー!何故?前編後編!」ということも棚にあげて「のだめカンタービレ最終楽章 後編」であります。前編には、ほとんど、というか出なかったに等しい瑛太、水川あさみ、竹中直人も登場しての大団円・・・ではなく(原作も大団円とは・・ですが)何気に続きそうな巴里、橋の上での「ふたり、これから頑張っていくのだオーラ」で、のだめ(上野樹里)と千秋(玉木宏)のキスシーンによる、ゆっくりパンアップ、ズームアウト。一応ハッピーエンドで締めたか~と、思っていたら原作、24巻・DVD&CD付き限定版が出た!「アンコールオペラ編」が収録されていますが、う~ん、やっぱりまだまだ続きそうだなぁ・・・

MEMO1
前編ではベートーヴェン交響曲第7番、後編ではラヴェルのピアノ協奏曲が物語のキー曲?

MEMO2
三大ラブシーンと呼ばれる(?)「こたチュ」「こたチュッ」シーンありますよ~

のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編

のだめカンタービレ コンプリート BEST 100(初回生産限定盤)(DVD付)

DVD&CD付き限定版『のだめカンタービレ』第24巻 (講談社コミックスキス)

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村上春樹・原作、大森一樹監督「風の歌を聴け」

村上春樹さんの「1Q84 BOOK3」が発売されて10日ほどが経過したので、そろそろ中身を・・・と、思っていたらゴールデンウィーク中にゆっくり読む、もしくは最初から読み直す人が多いと聞いたのでデビュー作「風の歌を聴け」の映画ロケ地のことを少しメモ。
大森一樹監督「風の歌を聴け」の公開は1981年。坂田明さんがマスター・ジェイ役で出ていたジェイズ・バーは実際、三宮駅北側にあったバー「HALF TIME」で撮影。ピンボールマシンも置かれていました(床に敷き詰められた落花生の殻はありませんよ^^)。今も、この店はあるのだろうか・・。僕と鼠がフィアットをひっくり返すシーンは今は無き西宮球場の前の道路。西宮球場は現在西宮ガーデンズという巨大ショッピングゾーンに(スクリーン数12のTOHOシネマズ西宮OSが入っている)。僕がレコードを買うのは元町商店街のYAMAHA。ここでビーチ・ボーイズやマイルス・デイビスのレコード(CDじゃないよ~)を買う。以上、三ヶ所がとても印象的で覚えている場所です。あ!小説再読したくなった!

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2010-04-26

「タイタンの戦い 2D」。さて、クリーチャー造形は?

注・内容に触れています。
物語。古代ギリシャ時代、アルゴス国。人間の慢心さに腹を立てたゼウスは、その怒りのため冥界の王ハデスに命じクラーケンとともに地上へ舞い降ろさせる。それに対するのはゼウス(リーアム・ニーソン)と人間の子・半神のペルセウス(サム・ワーシントン)。彼はハデスに育ての親を殺されていた・・・
ハリーハウゼン版(1981年)「タイタンの戦い」をリアルタイムで見ているだけにリメイクと聞いて公開前から少しソワソワ。数多く出るクリーチャー造形は?スコーピオンは?メデューサは?クラーケンはどう変わるのかで期待半分ドキドキ半分。まあ、ハリーハウゼン版の味わいは別物なので、ほとんどオリジナルより巨大化したクリーチャー、悪くはない感じ。スコーピオンはスターシップトルーパーズばりに動く動く(クラーケンはハリーハウゼン版の方が好みかな?)。大まかなアウトラインはギリシャ神話が元なので変りないがアルゴス国の王女・アンドロメダとのロマンスは薄れて逆にゼウス対ハデス(兄対弟)、ゼウス対ペルセウス(父対息子・半神)、ハデス対ペルセウス(育ての親の仇・冥界の王対復讐者・半神)の構図がはっきりしてすっきりしている。
監督はルイ・レテリエ。全く資料を見ずに鑑賞したので後で「インクレディブル・ハルク」の監督と知る。なるほど、あの濃~い対立構図で「何でも吹っ飛ばすぜぇ~い」映画を撮ったタッチは、この「タイタンの戦い」でも活かされている、と納得。

MEMO1
白馬ペガサスが黒い馬に変更されている。話題を読んだ車田正美(聖闘士星矢)によるコラボイラストはペガサスは白馬。※コラボイラスト、スーパージャンプ、ヤングジャンプに掲載されたものがフライヤーとして配布されています。

MEMO2
半神」というと萩尾望都の短編や野田秀樹による、その戯曲を思い出してしまう、と、ちょいメモ。

タイタンの戦い」オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/clashofthetitans/

「タイタンの戦い」オリジナル・サウンドトラック

【初回数量限定】タイタンの戦い 〈デジブック仕様〉 [Blu-ray]

タイタンの戦い 特別版 [DVD]

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2010-04-21

夢を語る父の娘も夢を語る「アリス・イン・ワンダーランド」

注・物語に触れています。
「偉大な人はみんなヘンなんだ」
ティム・バートン監督とジョニー・デップ7本目のタッグ。ルイス・キャロル原作「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」をリミックスして新たに「アリス・イン・ワンダーランド」として再創成。19歳のアリスと聞いて続編?と思ったのですが、あまりにも有名すぎて、その実、イメージやキャラクターは浮かんできても物語自体は断片的な印象しかなかったので念のため原作を再読して見たら「ほぉ~」と思えるシーンしきり。ジャバウォッキーは「鏡の国のアリス」の詩からなどは、まったく覚えていなかった・・・
原作は「夢から醒める」が「アリス・イン・ワンダーランド(実はアンダーランド)」では現実なのか夢なのか途中でわからなくなり、結局最後アリスは夢から目覚めない。何故なら自分がいる世界は最初から両方を内包しているしアリスはアリスそのものだから。冒頭6歳のアリスに父親が語る台詞「偉大な人はみんなヘンなんだ」。アリスがまわりのヘンな(逆の意味で)大人達に自分で決着をつけていってのラスト、旅立つ船のシーンが清々しい。夢を語る父の娘も夢を語る。

MEMO1
衣装デザインはティムバートン監督作品を多数手がけているコリーン・アトウッド。ロブマーシャル監督とも3作品衣装を担当している(そのうち「シカゴ」「SAYURI」でアカデミー賞受賞)

MEMO2
2D > 3D変換はIn-Three.Incsassoon film design の2社
In-Three.Incは2D > 3D変換の老舗。
数年前の技術関係の資料に登場しています。
sassoon film designはIMAX等の3D変換。
両社ホームページ等でどの部分を行ったかの確認は出来ませんでしたが、印象として立体感の違い、質感の違いなどが出ていたように思うのですが、いかがでしょうか?

アリス・イン・ワンダーランド
 オフィシャルサイト

http://www.disney.co.jp/movies/alice/

ALiCE IN WONDERLaND

アリス イン ワンダーランド 公式ビジュアル・ガイド (INFOREST MOOK)

アリス イン ワンダーランド ビジュアル メイキングブック

不思議の国のアリス (角川文庫)

アリス! 絵で読み解くふたつのワンダーランド

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2010-04-12

物語る力「第9地区」

注・今回は爆裂的にネタバレ
今から28年前、南アフリカ共和国・ヨハネスブルク上空に突然現れた故障してしまった宇宙船。乗船していたエイリアン「エビ(見た目がエビに似ている)」は仕方なく地上の隔離難民地区「第9地区」に移住し人類と共存することに。しかし人間との争いが絶えないため新しい地区へ移すことになる。その任務のために管理組織MNUから派遣されたのが主人公ヴィカスである。最初は意気揚々と仕事につくヴィカスだがエビの住居探索中に発見した容器から黒い液体を浴びてしまう。そして・・・
いやあ~、このアイデア自体はいろいろ寄せ集めっぽい感じもするが物語る力と熱度で最後まで突っ走る映画的ダイナミズムに興奮した。グロいといわれているシーンもヴィカス( 黒い液体を浴びた後、自身が徐々にエビ化していく)とエビ親子(密かに宇宙船への移動小型機を作っていた)の人情活劇( ! )に霞んでしまった。
この映画の巧さは最初、ドキュメンタリーのようなタッチで描かれているのが、いつの間にかヴィカスを中心としたドラマに最後はエビ親子とのアクション逃走劇へと変化していく観客の感情位相誘導とでも呼ぶべき物語る力にあると思います。
誰に感情移入して映画を観るのか、そのことを考えさせられた一本であります。
まったく無名だったピーターブロムカンプ監督。楽しみな監督がまた誕生した。

MEMO1
いかにもダメダメ男、ヴィカスの成長物語とも見られるかも。だから最初、自分の感染を治してもらいたい一心からだった気持ちがエビ親子を宇宙船に返したいと必死に頑張り始めるヴィカスに「頑張れ!走れ!」と

MEMO2
途中、ヴィカスに被さる感染から〇〇日と意味ありげに出る字幕手法は「ハートロッカー」でも用いられていた一種のフェイクみたいなものか・・・?。※「ハートロッカー」ではブラボー中隊の任務完了まで〇〇日の字幕

MEMO3
エビのエイリアンと聞いたとき、すぐにウルトラセブン第5話「消された時間」に登場した宇宙蝦人間 ビラ星人を思い出したよ~。確かに口元チョイ似。

第9地区オフィシャルサイト
http://d-9.gaga.ne.jp/

★両面印刷ver.★[初版・映画ポスター] 第9地区 (DISTRICT 9) [coming soon ADV-DS]

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2010-04-09

例えばこんな映画三本立て

別にクイズと言うわけではないが「例えばこんな映画三本立て」というシリーズ。Twitterを始めたばかりの28日ほど前にツイートしていたけれどbot扱いになりそうなので、中断。で、ブログの方にお引越し。まずは、まとめ。

例えばこんな映画三本立て・あー!!!と、驚く・・・「テキサスの五人の仲間」「スティング」「情婦」。

例えばこんな映画三本立て・見終わると混同するかも特集。「シックス・センス」「アザーズ」「パッセンジャーズ」。

例えばこんな映画三本立て・「生きるべきか死ぬべきか(1942)」「イングロリアス・バスターズ」「プロデューサーズ」。これは、ある意味スゴイ三本立て。ルビッチとメル・ブルックスにサンドされたタラちゃん。上映順を考えてしまう。

例えばこんな映画三本立て・「旅の重さ」「幕末青春グラフィティRonin坂本龍馬」「微熱少年」。共通項。これも判りやすい。

例えばこんなTVドラマ三本立て・「あこがれ共同隊」「懐かしき海の歌」「男なら!」。共通項。前の三本立て映画と同じ。

例えばこんな映画三本立て・「ニック・オブ・タイム」「ロープ( ヒッチコック監督 )」「ビフォア・サンセット」。これも判りやすい共通項。「真昼の決闘」も入るかな?

例えばこんな映画三本立て・三本立てではないが実際にイメージフォーラムで上映された組み合わせ「ボブ・ディラン:ノー・ディレクション・ホーム」「ドント・ルック・バック」「ラスト・ワルツ」。

番外編・この二本立て・「お熱いのがお好き」「サブウェイパニック

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2010-04-07

「ウディ・アレンの夢と犯罪」&公開記念パネル展

ロンドン3部作の締めくくり「ウディ・アレンの夢と犯罪」。もしタイトルに「ウディ・アレンの~」とついていなかったら果たしてアレン映画とわかるだろうか?と、いった趣。まず音楽がいつものスタンダードではなくフィリップ・グラス。「めぐりあう時間たち」のあの繰り返される旋律による高揚感というべき、メロディがサスペンスや悲劇を盛り上げていく。撮影も超名カメラマン、ヴィルモス・ジルモンド。アレンとは「メリンダとメリンダ」に続いて2作目となるが、いつもとは質感を変えているように思える。(撮影監督に関しては過去ブログ記事「ウッディ・アレンと撮影監督」を参照)

運命のいたずらは気まぐれのように起こる。それは「誘惑のアフロディーテ」(喜劇的アイロニカル悲劇的喜劇?)にしても「マッチポイント」にしても、一貫して描かれてきた不条理のようなもの。今作もユアン・マクレガーとコリン・ファレル演ずるふたりの兄弟の上に起こる。その視点はアレン映画独特のものでブレることはない。そのあたりがファンに取ってはたまらないものでもあります。

宣伝デザインはアレン映画といえば、の、大島依堤亜さん。パンフレットはペーパーバック版のミステリー本のよう。ペンギンブックスのようでもあります。

ウディ・アレンの夢と犯罪・公式サイト
http://yume-hanzai-movie.com/

「ウッディ・アレンの夢と犯罪」の公開を記念してパネル展が開かれています。過去の作品のポスターなどが公開順に。懐かしいものも沢山!!

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2010-04-05

美しい色彩「コララインとボタンの魔女」

コララインとボタンの魔女」は「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のヘンリー・セリック監督による3Dファンタジーアニメ、と、いうよりは「ジャイアント・ピーチ」「モンキーボーン」のヘンリー・セリック監督色満載のストップモーションアニメの秀作!

物語・引越してきたばかりの11歳の少女コララインはパパもママも仕事に追われ、食事は手抜き料理ばかりで不満でいっぱい。ある日、家の中に小さなドアを見つけて入ってみると、ドアの向こうはまったくの別世界。優しくて料理上手なママ、遊んでくれるパパ、花に満たされた庭、でも、何故かすべての人達の目がボタンになっていた。

現実世界は彩度を抑えたクールトーン、ドアの向こうの世界はビビットで派手な色彩と、はっきり分けて描かれている。普通なら派手さばかりが目立ってしまう、いわゆるケバケバしい色彩になるところが品良く仕上がっているのはオドロキ。よほどコンセプトアート、絵コンテ、色彩設計の段階で練られたかが伺える。3Dでも酔わなかった、です。

※MEMO
「目が語る」とはよく言ったもので、ボタンの目って表情が読めないから大人でも、と~っても怖い、と、思って監督のインタビューを見たら、そのようなことを語っていました。
「不思議の国のアリス」の影響が語られているが、いわゆる「ゴーストハウス」ものでもあると思う。

「コララインとボタンの魔女」公式サイト
http://coraline.gaga.ne.jp/

コンセプトアートはイラストレーターの上杉忠弘さん
TADAHIRO UESUGI  ILLUSTRATION
http://www10.big.or.jp/~tuesugi/
※クラリスホームページ(懐かしい!)~Go Liveで作り始めたホームページ、そろそろリニューアル考え中だそうです。今年、宮崎県立美術館で2010年5月1日~6月6日「宮崎-四つの風」展に参加。

ちなみに原作者のニールゲイマンは「もののけ姫」の英語吹き替え版の脚本を担当。さらに、ちなみにウィキペディア(Wikipedia)にヘンリー・セリックの項目がありません・・・って、えっ!さらにさらに、ちなみにグラフィック社「映像+」8で「3D」大特集。50ページ超えでコンセプトアート満載です。

コララインとボタンの魔女

Coraline [Original Motion Picture Soundtrack]

Coraline: A Visual Companion

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