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2010-06-07

川口浩史監督「トロッコ」。風景も眼差しも美しい。

芥川龍之介の短編小説『トロッコ』を台湾を舞台に移して再構築。3年の歳月をかけてオリジナル脚本として生まれ変わった。監督は篠田正浩監督、行定勲監督の助監督をつとめてきた川口浩史。撮影監督に侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督作品でおなじみのリー・ピンビン。そのリー・ピンビンの「台湾にはまだトロッコが残っている」というひと言から当初は日本で撮影予定だった映画の軸が台湾に移ったことによって山々の緑が生える美しい作品に仕上がった。
物語・急死した父親の遺灰を届けるために8歳の少年、敦(原田賢人)と弟の凱(大前喬一)、母親の夕美子(尾野真千子)の3人は父の故郷である台湾へ。そこは山深いところにある、しかしどこか懐かしさもある、小さな村だった。

少年を演じたふたりの顔がいい。最初はゲームばかりして、ふてくされていた兄の敦が徐々に母親とのもどかしい距離や自分の抑えていた気持ちがほどけていく感じが良く出ている。少年たちの母親を演じた尾野真千子も(よく言われているとおり)どこか昭和の女優(褒め言葉です)の趣があり映画全体のトーンとあっていて美しい。そして、日本語を話すおじいさん役(日本に対しての複雑な感情吐露のシーンも上手いなぁ)にホン・リウ(「戯夢人生」)。

MEMO1
撮影監督、リー・ピンビン。誰もいない室内や風景のワンショットがいいなァ。トラン・アン・ユン監督「ノルウェイの森」も。期待。

MEMO2
音楽、ヴァイオリニストで作曲家の川井郁子。(フィギュアスケートのミッシェル・クワンが「レッドヴァイオリン」の曲を使用していました)

※追記
モントリオール世界映画祭・新人コンペ部門へ正式出品(^^)/

トロッコ 公式サイト
http://www.torocco-movie.com/

Toro

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» トロッコ [LOVE Cinemas 調布]
幼い頃に芥川龍之介の同名短編小説を教科書で読んだ川口浩史監督が映画化のチャンスを暖めていた作品だそうだ。実際にトロッコの線路が残る台湾を訪れた際に、そこで出会った日本統治時代を生きた老人たちに感銘を受けたことがきっかけで、脚本を書いたという。主演は『真幸くあらば』の尾野真千子。日本と台湾をつなぐ家族の絆に心が温まるヒューマンドラマだ。... [続きを読む]

受信: 2010-06-07 23:25

» 「トロッコ」:木場公園バス停付近の会話 [【映画がはねたら、都バスに乗って】]
{/kaeru_en4/}こんなところにも、緑まぶしい一角があるんだな。 {/hiyo_en2/}まるで川口浩史監督の映画「トロッコ」に出てきた光景のようね。 {/kaeru_en4/}川口浩が草深い山奥でトロッコに乗る映画を撮るっていうから、すわ、川口探検隊が亡霊になって帰ってきたかと早合点したけど、“川口浩”じゃなくて“川口浩史”だった。 {/hiyo_en2/}まったく、人騒がせな名前だけど、それとは裏腹に、この映画はなんとも静謐な情感にあふれている。 {/kaeru_en4/}十歳にもなら... [続きを読む]

受信: 2010-06-09 19:49

» トロッコ [映画的・絵画的・音楽的]
 落ち着いた文芸物でも見たいものだと思い、『トロッコ』を銀座のシネスイッチで見ました。 (1)この映画は、いうまでもなく、芥川龍之介の短編『トロッコ』を原作としています。ただ、舞台を日本から台湾に移したこともあって、原作とはかなり味わいの異なった作品に仕上がっています。  まず、原作は、良平という8歳の少年一人のお話ですが、映画では、同じ8歳の少年・敦のみならず、凱という次男坊も登場します。  また、映画は、急死した台湾人の父親の遺骨を携えて、2人の少年とその母親が、台湾の田舎にいる祖父・祖母のも... [続きを読む]

受信: 2010-06-19 08:17

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芥川龍之介の同名短編小説を基に、舞台を台湾の山間の小さな村に舞台を 移して、亡くなった台湾人の父の遺灰を故郷に届けるために日本人の母と ともにやってきた兄弟のひと夏の成長をノスタルジーあふれるタッチで 描いた日本/台湾合作映画。 監督は今作がデビュー作とな..... [続きを読む]

受信: 2010-06-19 22:55

» 映画「トロッコ」このレールは戦争の時代から平和な現在へ [soramove]
「トロッコ」★★★☆ 尾野真千子、ブライアン・チャン、ワン・ファン 出演 川口浩史監督、116分、2010年5月22日全国順次公開、2010,日本,ビターズ・エンド (原題:トロッコ )                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 「本好きを自認しながらも この作品の原作が芥川龍之介の同名小説とは 見終わっても、分からなかった、読んでないし。 映画は声高に伝えることもなく 淡々と進行していく... [続きを読む]

受信: 2010-07-24 11:10

» トロッコ [シネマDVD・映画情報館]
トロッコ 父を亡くした年の夏、敦(あつし)と凱(とき)の兄弟は母に連れられて、初めて父の故郷である台湾の小さな村を訪れ、祖父母に温かく迎えられる。敦は亡き父が大切にしていた古い写真にトロッコと写る少年が遥か昔の幼い祖父の姿だと知る。山林を走るトロッコに......... [続きを読む]

受信: 2011-03-04 00:25

» mini review 11527「トロッコ」★★★★★★★☆☆☆ [サーカスな日々]
芥川龍之介の同名短編小説をモチーフに、懐かしい風景の残る台湾に舞台を移して再構築した、幼い兄弟の冒険と成長を叙情的につづる青春ドラマ。メガホンを取るのは、本作で長編監督デビューを飾る川口浩史。ホウ・シャオシェン監督などの名監督と共にアジアをまたに掛けて...... [続きを読む]

受信: 2011-06-10 02:14

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