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2010-07-12

『借りぐらしのアリエッティ』宮崎駿脚本、米林宏昌監督

注・内容、少しラストに触れています。
主題歌を歌うセシル・コルベルのミニライヴ、監督らの舞台挨拶付き試写会(7月2日大阪)で『借りぐらしのアリエッティ』(脚本・宮崎駿、監督・米林宏昌)を見た。

ぼくは、あの年の夏、
母の育った古い屋敷で
一週間だけ過ごした。
そこでぼくは
母の言っていた小人の少女に
出会ったー
人間に見られてはいけない
それが床下の小人たちの掟だった。
(フライヤー、コピーより)


物語・床下で暮らす小人、14歳の少女アリエッティ(志田未来)とその家族(父・ポッド=三浦友和、母・ホミリー=大竹しのぶ)は床上の屋敷の住人(貞子=竹下景子、ハル=樹木希林)から水や食べ物やティッシュや角砂糖を気づかれないほどの量を少しずつ借りて生活していた。そんなある日、病気療養のため12歳の少年、翔(神木隆之介)が屋敷へやってくる。

最初は小人たちの暮らしぶり、続いて翔とアリエッティが出会ってからは二人を軸に(志田未来、神木隆之介のふたりのボイスキャストの上手さ)、最後はお手伝いさんのハルさんに見つかってしまってからの展開と大凡3パートで構成されている。若干、最後のパートが悪者(一概には言えないとして)をハルさん一人に負わせてしまって物語の引力が弱くなるが全体的に夏のそよ風のような佳品といった趣でいいなぁ。小人が主人公だけに、あるもの全てが巨大。地下から一階へ移動するのも大冒険(狩り=借り?、とよんでいる)。テーブルからの昇り降りもひと仕事。ティッシュペーパーを引っ張り出すのも合図を送って二人がかり。聞こえてくる音も大きい(本当はもっと大きく聞こえているかもしれない)。寝ている翔に見つかった時の「怖がらなくていいよ」も、そんな大きな音として響く(この時のティッシュペーパー越しにシルエットになるアリエッティの描写、好きだなぁ。ときめきとはじらいとほんの少しのなまめかしさと)。少しずつ心通わせていく翔とアリエッティ(途中、残酷なフレーズをはさみつつ)、そして新しい借りぐらしの地へ移らざるをえなくなるアリエッティとの別れ(翔の指にアリエッティのおでこ、そしてポロポロ涙を落としながら立ち去る、の流れもよかった)。

Karigurashi

MEMO1
冒頭、アリエッティがハーブを頭に乗せて家まで走っていくシーンの動きはポニョが荒れた海の波の上を走るシーンと被る。この足の動きやスカートのふくらませ方はジブリ的伝統?
宮崎駿監督がインタビューで翔とアリエッティ、ふたりの描き方について「トーマの心臓」(なるほど!禁断の愛!!)の事を引き合いに出していました。

MEMO2
セシル・コルベルのミニライヴはカラオケではなくチェロ、バイオリン、アコースティックギターなどの6人編成のバンドと本人のケルティックハープを加えての本格的なものでした。曲目はオープニングに使われている『荒れた庭 The Neglected Garden』と主題歌『Arrietty's Song 』。生のハープの音とコルベルさんの声の響き、美しかった。

MEMO3
借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展
2010年7月17日より、スタジオジブリの新作映画『借りぐらしのアリエッティ』と同日公開される展覧会『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』。『キル・ビルVol.1』『ザ・マジックアワー』など多数の話題作を手がけ、今最も注目される映画美術監督・種田陽平が、東京都現代美術館の1200㎡を超える展示室に『借りぐらしのアリエッティ』の巨大なセットを創ります。(プレスより)

追記(2011_06_15)
現在、愛媛県美術館で巡回展が行われています(2011年6月12日まで)。その後7月より兵庫県立美術館に巡回。

借りぐらしのアリエッティ 公式サイト
http://www.karigurashi.jp/index.html

借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展
http://www.ntv.co.jp/karigurashi/

東京都現代美術館
http://www.mot-art-museum.jp/

Taneda

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Arrietty's Song(借りぐらしのアリエッティ・主題歌)

借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック

SongBooK vol.2(国内盤限定ボーナストラック収録)

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