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2010-08-23

原恵一・監督 『カラフル』

※注・内容、各重要なシーンに触れています。鑑賞後に御覧ください。「おめでとうございます。クジにあたりました」森絵都の同名小説を『クレヨンしんちゃん アッパレ!戦国大合戦』『河童のクゥと夏休み』の原恵一監督が映画化『カラフル』。今作は今までの手法をさらに推し進めた真っ向勝負の傑作。実写のようなアニメーションと言われているが実はアニメだからこそできる細かな演出が配されている。声優に『河童のクゥと夏休み』でクゥの声を演じた富澤風斗、プラプラにまいける麻生久美子宮崎あおい南明奈高橋克実ほか。

物語・天上界と外界の中間点で「クジにあたりました」と天使らしきプラプラという少年から声をかけられ大きな罪を犯したという“魂”がホームステイすることになったのは、友だちもいない成績も冴えない放課後に絵を描くことだけが好きという小林真という少年だった(実は何かが原因で自殺したらしい)。そして見知らぬ他人の家で家族のこと、学校でのいろいろな事実を知っていく。さらに…。

Colorful_1

MEMO1・各シーン
それぞれ食べ物に対応
父親 > ラーメン
母親 > ケチャップ味のハンバーグ
ひろか > うまい棒・牛タン塩味
佐野唱子 > お菓子いろいろ
早乙女君 > 肉まんとチキン
家族四人で > お鍋

母親の手、ハンバーグをこねる手
バターを塗る手、
シーツの上を動く手(指輪をしている)
真が母親の食事を拒否する理由。
つらくあたる真。
追い詰められていく母親。
灯油を入れていて、
いっぱいになっているのに気づかず
溢れ出すシーンは緊張感が漂っていた。

いつも美術部でもないのに現れる、ひろか
真の絵を見てシガレットチョコや
「秘密」という駄菓子屋にだけ売っているという
うまい棒・牛タン塩味を渡してくれる。
その、ほのかを援交で入ろうとする
ラブホテルから連れ去り二子玉川の町を疾走する。
このシーンの開放感。
(そして最後の方でひろかへ助言する
真のシーンがあります。
ここはまさに核の部分、いいですよ~)

「一緒に並んで歩ける友だちがいるだけで
どんなに幸せか」

肉まんとチキン、コンビニの前
「ごめんそうろう」に靴を買いに行ったお礼にと
チキンを渡す真。
じゃ、と、肉まんを分けて
さりげなく大きい方を渡す早乙女君。
ささやかな幸せ

そして真がポロポロと涙を流して
訴えかける「ほんとうの気持ち」の吐露
家族の気持ちも知る。
テイッシュ父の細かい演出

Last
自転車で並んで走る真と早乙女君。
その真のダウンジャケット
父親と釣り(水の表現の美しさ)に行く時に
母親が寒くないようにと
買ってくれたもの(釣りの際は、まったく着ていない)
その釣りの帰りに父親とラーメン。
坂道を駆け上がる真と早乙女君。

そして、
真にホームステイしていた「魂」は気付く…
自分は誰なのかを…
屋上で。
プラプラの台詞
「たかだか数十年の人生、
でも生きてるっていいもんですね」


エンディングテーマ「青空」

※追記
兄のシーン、佐野唱子(喋り方や目線など、
ここにも細かい演出が)のシーンも
いいシーンがいっぱいありますよ~

MEMO2
笑ってしまった台詞
いきなり名前を間違える真に
「パラパラでもペラペラでもない、プラプラや」

※追記
プラプラの得意技
頭からの体当たり。
(これも結構ウケてましたw)

MEMO3
実写をそのまま使ったシーンが1カットもない
早乙女君に付き合って玉電の跡を歩いていくシーン
白黒の写真かと思いきや実は絵!
ここで「風」(はしだのりひことシューベルツ)は
琴線に触れすぎる~
(『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』での
「今日までそして明日から」!)

映画『カラフル』公式サイト
http://colorful-movie.jp/index.html

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2010-08-14

助けを借りたいときは、いつでも言ってくれ。『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』

注・物語の内容に触れています。1980年代、日本でも人気を博したテレビドラマ『特攻野郎Aチーム』を映画化。ハンニバルことスミス大佐を『96時間』でキレのあるアクションをみせたリーアム・ニーソン、部下のフェイスことテンプルトン・ペックを『ハングオーバー』のブラッドリー・クーパーマードックことハウリング・ マッド・マードックを『第9地区』のシャールト・コプリーバラカスことボスコ・アルバート・バラカスをクイントン・ジャクソン。他にフェイスの元恋人、犯罪調査局キャリサ・ソーサをジェシカ・ビール。監督は『スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい』のジョン・カーナハン
物語・無実の罪でお尋ね者となり投獄された元特殊部隊“Aチーム”の4人が汚名返上をかけて脱獄。自分たちのぬれぎぬを晴らさんと再集結する。

まあ、とにかく目まぐるしく話が展開。映画冒頭、メキシコでの4人の運命的な出会いのシーン(精神病院にいたマードックをパイロットに任命するってw そのめちゃめちゃな操縦ぶり。これがトラウマとなってバラカスは飛行機に乗れなくなる。その度に注射で気絶して対処w )から、イラクに赴任しての偽米ドル紙幣・元版奪還作戦、そして元版が消えてしまって疑いをかけられ投獄。で、脱獄。アジトを急襲、元版を取り返したものの、またまたAチームの拠点が爆撃。最後はハンニバルの作戦で黒幕をあぶり出すための賭けに出る。そしてロスアンゼルスのコンテナ埠頭で思わず「わぁ!」と呆気にとられた暴れっぷり。

そう、とにかく暴れっぷりがスゴイので戦車の空中飛行や雨あられのように転がるコンテナをかき分ける素早い身のこなしとか「漫画かよ」とツッコむところを忘れさせてくれます。そんな楽しめる一本。キャストが偶然なのか、とても旬な方々が(Aチームさながらに)集結しています。

MEMO
TVシリーズの有名なオープニングフレーズ「助けを借りたいときはいつでも言ってくれ」がエンドクレジット前に登場。これは、あのエイブラハム版『スター・トレック』ラストで使われていて拍手が起こった手法と同じ。他にもバラカスの黒いバンが一瞬出てきたりとTVシリーズへの目配せがいくつか。

特攻野郎Aチーム THE MOVIE
http://movies.foxjapan.com/ateam/

A_team

アラン・シルヴェストリ(音楽)/オリジナル・サウンドトラック 特攻野郎Aチーム THE MOVIE(CD)










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2010-08-07

タイトルデザイン_20・ゾンビランド・LOGAN

注・内容、台詞などに触れています。
物語・人類の大半がゾンビと化した世界。ゾンビランド』。引きこもり青年・コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)がゾンビのいない地を求めて仲間たち【ゾンビ狩りに命を燃やすタラハシー(ウディ・ハレルソン)、ウィチタ(エマ・ストーン)リトルロック(アビゲイル・ブレスリン)姉妹】とサバイバルの旅をする青春・ホラー・コメディー・ロードムービー(長っ!でも、ホントにそんな映画w)。監督はルーベン・フライシャー

MEMO
4人のキャラクターがハッキリと書き分けられていて、久々笑える映画。
ウディ・ハレルソン演ずるタラハシーの屈強だがトゥインキー好き(笑)、ウィチタ、リトルロック姉妹の笑える騙しっぷり、そして主人公・コロンバスのゾンビからの生き残りルール各種、など(それぞれが抱えている心の引っ掛かりもしっかりと)描かれている。
そして(ボブ・マーリーではなく←実際、使われるフレーズ)ビル・マーレイが自身を演じて『ゴーストバスターズ』ごっこまでする豪華さ。(エンドクレジット後に再度、登場します)

笑える台詞
大好物のお菓子トゥインキーをダメにしてしまってのタラハシー(ウディ・ハレルソン)の一言。「泣いたのは『タイタニック』以来だ」

※ラストの台詞(フレーズ)
「友だちがいなけりゃゾンビと変わらない」
ゾンビ映画のようで実はコロンバス(他の3人も)の成長物語になっているところが素晴らしい。

MEMO・タイトルデザイン
ゾンビが徘徊する街のショットショットをハイスピードカメラ、スローモーションで撮影した上にモーションロゴが重なっていくカッコイイタイトルデザインを作成したのはLOGAN
AppleのいろいろなDESIGN&ANIMATIONやMGS4のGAME INTROを制作。

映画「ゾンビランド」オフィシャルサイト
http://www.zombieland.jp/

Zo_land


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2010-08-05

タイトルデザイン_19・ソルト・NINA SAXON DESIGN

注・内容に触れています。『ボーン・コレクター』から10年、再びフィリップ・ノイス監督とコンビを組んだアンジェリーナ・ジョリー主演作『ソルト』。脚本はカート・ウィマーブライアン・ヘルゲランド(最初トム・クルーズ主演で製作される予定だったとされる。ヘルゲランドは後から参加。カート・ウィマーは『ウルトラヴァイオレット』の脚本・監督)。
物語・CIAエージェントのイヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)はロシアの二重スパイ・嫌疑をかけられ逃走する。果たして真相は…

MEMO1
いわゆる二重スパイものだがアンジェリーナ・ジョリー用に設定が男性から女性に変更された分、ソルトがロシアのスパイから寝返った理由、夫への愛(最初はスパイ活動のための策略として近づくのだが)が弱くなった気がします。その為、ソルトの「忠誠→愛→復讐」といった心の動きが見えなくなって行動自体の唐突感は否めません。が、そういった部分を忘れさせる瞬間も幾度となくあり最後まで飽きさせません(シーン、シーンでどちらの脚本家が主に描いたかが、なんとなく判ったりして…)

MEMO2
タイトルデザインはNINA SAXON DESIGN(ソルトのロゴデザインとアニメーションロゴ)
NINA SAXONは映画のロゴデザインを数多く手がけてきました(1981年にSTUDIOを立ち上げているので30年近い事になります)。あの誰もがイメージできる『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『美女と野獣』などもこの人。

蛇足
あまり評価が高くなかったですがフィリップノイス監督作『セイント』はお気に入りの一本。エリザベス・シューもよかったしw

ソルト
http://salt-movie.jp/

NINA SAXON DESIGN
http://www.ninasaxondesign.com/

Salt

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2010-08-04

横尾忠則・全ポスター展

横尾忠則さんが日記で「これ以上の展覧会はもう生涯最初で最後です」と書かれている通り、全てを見ることは不可能ではと思える圧倒的な量。その数900点。『横尾忠則・全ポスター展』を見た。国内での本格的なポスター展はもちろん初めて。年代別の部屋に分かれていて60年代の天井桟敷などのシルクスクリーンから70年代のスピリチュアルなコラージュ作品、80年代「いわゆる画家宣言」以降のポスター、そして最新作、更には高校時代の作品まで展示方法が変わっていて楽しめる。80年代末にグラフィック作品を全て集めた展覧会が行われたが(その時点でも量とパワーにクラクラ)それから既に20年が経過している事に驚く。

Yokoo_pos1

Yokoo_pos2

それぞれのキャプション表示が無いが、各展示ポスターのナンバーと入り口に置かれている出品目録記載ナンバーとで対応。後で見返すと「あれ?見たかな」と思うことしきり。

映画ポスター
約800点のポスター中、映画ポスターは20点弱ぐらい。1番古いもので1960年の渋谷東急名画座の『去年の夏突然に』『尼僧物語』『愛情物語』など。以降(抜け落ちがあるかもしれませんが…)、『新宿泥棒日記』『新網走番外地』『二百三高地』『空海』『キッドナップブルース』『ファンシィダンス』『完全なる飼育』『愛情萬歳』『御法度』『火垂』など展示されています。映画ポスターでもっとも印象に残っているのがキェシロフスキ監督『トリコロール 赤の愛』。確か青と白は別のアーティストが作成。劇場でのみ販売された宣伝用とは別のもので、とても美しいポスターです。(この頃は竹のモチーフから生まれた円柱を複数並べたCGベースのデザインが多く、この『トリコロール 赤の愛』も)

大阪・国立国際美術館で9月12日まで。

国立国際美術館/横尾忠則・全ポスター展
http://www.nmao.go.jp/japanese/home.html

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