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2010-10-09

午前十時の映画祭・『ゴッドファーザー』

午前十時の映画祭フランシス・フォード・コッポラ監督ゴッドファーザー』を再見。エンドクレジットでレストレーション版だと知る。プリントで色調がグリーン気味になったのは一箇所だけ(安定したニュープリント)。スクリーンサイズもシネコン(TOHOシネマズなんば)内、最大で。消防法改定後のほぼ暗闇に近い状態での上映を観るは初めてかも。ゴードン・ウィリスの陰影あるゴールデンアンバー映像。ドン・コルレオーネの顔が本当に凄みが効いて映し出される。瞳の光がはっきりとわかる。スクリーンで判るトムヘイゲンの立ち居振る舞い。コルレオーネ村での眩いばかりの日差し。俯瞰から捉えられたドンコルレオーネが撃たれるシーン。転がる果物までがはっきりとわかる。演技をまったく感じさせない役者とその存在すら忘れさせるカメラの動き。ゆったりと3時間のドラマに酔う。ファミリーの姿とその裏で起こる出来事のカットバック。それはワルツのリズムが刻まれるが如く、PARTII(2)へと続いていく。

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※公開時のパンフレット

午前十時の映画祭

http://asa10.eiga.com/

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『ナイト&デイ』 トムとディアス仲良く喧嘩しな(トムとジェリーのメロディで)

注・内容、台詞にふれています。『バニラ・スカイ』で共演したトム・クルーズキャメロン・ディアス再び。『ナイト&デイ』。監督は『3時10分、決断のとき』『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』『17歳のカルテ』(作品振り幅スゴイ)などのジェームズ・マンゴールド
物語・理想の男性を追い求める平凡な女性ジューンは、ある日、空港でハンサムな男性と運命的な出会いを果たす。だがその男の正体は、ジューンが夢に見た理想の男性どころか、重要任務を帯びたスパイだった。予想外の裏切りや暗殺者による執拗な攻撃など、何度も危険な目に遭遇するジューンは、ミステリアスなロイに疑念を抱き始める。そして彼の背後には、巨大な組織の陰謀の影が…。(goo映画より)

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MEMO
ボストン、NY、オーストリア、スペイン、アイルランドといったロケが効果的。『ミッションインポッシブル』系のアクションではなくコメディ側に針のふれた恰好のデートムービー。既に話題にでているスペインでのオートバイチェイスシーン、予告編ではあった「マ~ックス!(充填)」の台詞が無くなっている。前フリになるシーンはその前にあるのに何故?(ダッコちゃんスタイル銃撃シーンはありますが)。まあ、それにしてもトムとキャメロン・ディアスの息のピッタリなこと。
で、今作、脇役がちょっと面白いなあと思ったのは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で見る人をイライラっとさせたポール・ダノがキーとなる発明品を作った役を演じ、『17歳の肖像』でケリーマリガンをオトナにしたピーター・サースガードが敵か味方かわからないCIA役。このキャスティング、ちょい楽しめました。あ、サースガード、マギー・ギレンホールの旦那さんですw

MEMO(蛇足)
「白いブリーフは似合わない(似合っている)」なんて曲が出来そうな『マグノリア』やカメオ出演の定義を根底から覆した『トロピック・サンダー』でヘンな役を嬉々として演じたトムの久々の「ニカッと笑い」、面目躍如たるファンサービスムービーでもあります。

MEMO・オチの台詞
「いま、何履いてる?」
要は暗闇で銃が組み立てられるか、車が組み立てれるか、ですね。
着替をさせて見たのは…「ちょっとだけ」

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映画『ナイト&デイ』公式サイト
http://movies.foxjapan.com/knightandday/

バニラ・スカイ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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2010-10-04

アスガー・ファハルディ監督『彼女が消えた浜辺』

注・何をどう書いてもネタバレになってしまう、まったく予備知識無し、プロットも読まずに観ることをオススメします。でも、ここ読むと「そういう話し」だと思ってみてしまう「この矛盾」。『彼女が消えた浜辺』。
監督は、本作でベルリン映画祭最優秀監督賞を受賞したイランの新鋭、アスガー・ファルハディ (この作品が長編第四作目)

物語・さ さやかな週末旅行を楽しもうとカスピ海沿岸のリゾート地を訪れた大学時代の友人たち。その参加者の中に、セピデーが誘ったエリもいた。初日は楽しく過ぎる が、2日目に事件が起こる。海で幼い子どもがおぼれ、何とか助かったものの、エリが忽然と姿を消してしまったのだ。パニックに陥った一行は懸命に捜索を続 けるが、エリの姿はどこにもなかった…(goo映画参考)

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(くどいようですが)。この映画のことを「旅行中に突然、女性が失踪するミステリー」「女性が行方不明になって旅行に来た仲間同士の不穏な空気と葛藤を描く集団劇」「親切で行ったことが、ほんのちょっとしたボタンのかけ違いで大変なことになっていくサスペンスドラマ」など、何を見聞きして観たかで印象が変わると思います。タイトルからして『彼女が消えた浜辺』ですから。

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週末旅行、貸し別荘、食事のあとのゲームなどイランの知らなかった文化的側面も見えてきて面白い。日常の積み重ね(こちらも旅行気分で。しかし、やや居心地も悪く)から突然、緊迫のカメラワークに変わっていくメリハリの付け方もいい(エリが楽しそうに凧をあげている、アップ、カメラが見失う、そして我々もエリを見失う)。本当にエリは消えてしまったのか?何か事件に巻き込まれたのでは?もしかすると婚約者(途中でいた事が判明)に連れ去られたのでは?やはり子供を助けようとして溺れてしまったのか?幾重もの疑問の中、まるでこの集団の中にいるかのような気分で最後まで観させてくれる。傑作。

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映画『彼女が消えた浜辺』公式サイト
http://www.hamabe-movie.jp/

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2010-10-03

バジルと7人の仲間達 『ミックマック』

『アメリ』『デリカテッセン』『ロストチルドレン』『ロングエンゲージメント』のジャン=ピェール・ジュネ監督による底抜け脱線ファンタジー映画『ミックマック
物語・ビデオショップで働くバジル(ダニエル・ブーン)は、発砲事件に巻き込まれ頭に銃弾が残ってしまう。その為、仕事も家も無くなりホームレスに。そんなある日、ガラクタ修理屋のプラカールと出会い、ユニークな仲間たちと共にガラクタ集めを手伝うことになる。新たな人生を得たバジルだったが、偶然、頭のピストルの弾を製造している会社と父の命を奪った地雷製造会社を発見。人生をメチャクチャにした死の商人に仕返しをしようと企む。

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バジルと7人の仲間達。ユーモアとシニカル。映画マニアうふふ、ガジェット感にニマニマ。画面のあちこちにもミックマック(イタズラ)♪ジュネ濃度高し。ハンガーのまま廻るシャツとスカートの幸福感。バジルも仲間達も作戦もかわいいw ジュネ作品お馴染みのデリカテッセン・おじさん、ピノン(今回は大砲男)を上回る愛すべき奇人・変人がいっぱいです。

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オレンジアンバー暖色系画面の撮影監督はいつものジュネ組、ブリュノ・デルボネルではなく永田鉄男(『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』)。でも、しっかりジュネカラーです。

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バジルの頭が混乱したときに出てくる答えを出すのが難しい質問。「シマウマは白地に黒?黒地に白?」。で、答えは…?

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宣伝デザインは大島依堤亜さん。車の型抜きフライヤーも可愛いがパンフレットがまた秀逸です。透明カバーに描かれた車の内部構造とともにレントゲンよろしくバジルの頭にも弾丸がw カレンダー開きのプリチーな仕上がり。是非、手にとって見てみてください。

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映画「ミックマック」オフィシャルサイト
http://www.micmacs.jp/

Micmacs  - O.S.T.

アメリ [Blu-ray]


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『十三人の刺客』

注・台詞、内容に触れています。
1963年に公開された工藤栄一監督十三人の刺客を『オーディション』『中国の鳥人』『ゼブラーマン』『妖怪大戦争』『クローズZERO』『神様のパズル』など(本当に多数、撮っている)の三池崇史監督がリメイク。物語・将軍の腹違いの弟という立場に甘んじ、悪行の限りを尽くす明石藩主・松平斉韶(なりつぐ)(稲垣吾郎)。幕府の老中は、この暴君が国の要職に就く前に暗殺するよう、御目付役・島田新左衛門(役所広司)に密命を下す。斉韶の凶行の数々を知った新左衛門は、命がけで大義を果たすことを決意。信頼が置けて腕の立つ刺客を集め、斉韶が参勤交代で江戸から明石へ帰国する道中を狙うことに…

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※MEMO
伊勢谷友介演ずる小弥太が「七人の侍」の旗でいうと三角△の役回りか?他にも「七人の侍」のキャラクターとのダブるところもあるが、ここはまったく別と考えよう。(公開前から話題に登っていた)暴君、吾郎ちゃんもビックリだが冒頭の谷村美月にオドロキ(お歯黒に眉なし)。ロウソク照明、効果的。前半の抑えた演出を画的に支えている。実際の江戸時代となると更に暗いと思われるが渋めのクールトーンでこの効果は素晴らしい(暖色系でロウソクの灯りだけ照明はよく見かけるが)。

※MEMO2

松平斉韶の台詞「迷わず愚かな道を行け」や「生きてきて今日が1番楽しい」は何も起こらない平安な世(城での生活)を退屈して発したと思われるが、この辺りを描写することによって悪逆非道さに意味をつけてしまったのは少し残念。訳がわからない精神や行動をもつ斉韶にしていた方が見ている側にも不気味さがあってよかったと思うのだが。あと、暗殺となると側近含めて数人を隠密に行えばいいような気もするが、ここもラストシーン(侍辞めた、及び、むなしさだけあった)ありき、という事でしょうか…。しかし、久々の超チャンバラ映画、堪能しました。

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十三人の刺客
http://13assassins.jp/main.html

十三人の刺客 オリジナル・サウンドトラック

十三人の刺客 [DVD]

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