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2010-12-18

省略と跳躍。マノエル・ド・オリヴェイラ監督『ブロンド少女は過激に美しく』

妻にも友にも言えないような話は、見知らぬ人に話すべし…」
ゆれるカーテン、夕べの鐘、くるくると廻される扇、クイッとあがる踵、リスボンの街。
先日(12月11日)103歳の誕生日を迎えたマノエル・デ・オリヴェイラ監督『ブロンド少女は過激に美しく(Singularidades de uma Rapariga Loura)』は64分の上映時間ながら、その数倍の濃密さで描かれるショットと体感時間に驚かされる。(原作はエッサ・デ・ケイロスの短編小説『ある金髪女の奇行』)

物語・列車で隣り合わせた婦人(レオノール・シルヴェイラ)に衝撃的な体験を語り始めたマカリオ(リカルド・トレパ)。彼は叔父に雇われて洋品店の2階で会計士として働き始めた折、通りの向かいの家に姿を現したブロンドの少女ルイザ(カタリナ・ヴァレンシュタイン)に一目ぼれし、結婚の許しを得ようとするまでに至ったというが…(ブルー部分シネマトゥデイより抜粋)

Bk

MEMO1
艶のある画面、ショットを堪能するために最前列で再見。説明は必要なく、それどころか物語の必要性もいらないぐらいの省略と跳躍。まるで額縁の中にいるように見える窓際に立つルイザ。マカリオの仕事部屋のベランダと隔てた距離感も掴みにくい。
公証人の豪邸・マカリオとルイザが立つゲーム室越しに音楽室を捉えたフレーム内フレーム。両側の壁に掲げられた絵。一瞬で時間跳躍する固定撮影で撮られた夕暮れ、夜、夜明けの街並み。マカリオが一財産築くために行ったカーボヴェルデの事は手紙で。いろいろな事柄やショットが跳躍し見ているこちら側の体感時間をもグラグラさせる。

MEMO2
無くなったハンカチ、無くなったチップ、伯父の言葉…。予兆はいくつも描かれているがマカリオと同じく気付かない(そんな展開?と思ってしまっている)。はたして、不意におとずれるルイザの事実。そしてラストの脚を広げガックリとうなだれるルイザのショット。しかし、このショットはマカリオが列車で隣に座った婦人へ語った訳ではないので象徴的「オチ」とも呼べるだろうか。(ポスターのメインビジュアルに使っている国もあるみたいですが、これは一種のネタバレ的になるかも?と、思ってしまう)

Loura1

Loura2

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2010-12-17

ブルー、オレンジ。『トロン:レガシー』

注・物語、台詞に触れています。
トロン:レガシー』。監督はジョセフ・コジンスキー。前作『トロン』を見なくても楽しめると伝えられていたが、やはり予習は必須かも。と、いうことで少し前作について。
トロン」物語・巨大コンピューター会社・エンコム社のデリンジャー社長の独断を止めるためエンジニアのアラン、ローラはゲームセンターを経営している天才プログラマー、ケヴィン・フリンをたずねる。デリンジャーのMCP(今で言うとCPU)の監視プログラムとしてトロンを作成するが上手くいかないのだ。そこでフリンたちはエンコムに忍びこみ直接コンピューターを作動させようとした瞬間、コンピューターの世界に飛ばされてしまう。そこは執行官サークがプログラム全体が支配されていた。(goo映画参考の上作成)

トロン:レガシー」物語・デジタル業界のカリスマ、エンコム社のCEOケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジス)が謎の失踪(しっそう)を遂げてから20年たったある日、27歳に成長した息子サム(ギャレット・ヘドランド)に父ケヴィンからのメッセージが届く。サムは、父ケヴィンの消息を追って父のゲームセンター内オフィスに足を踏み入れるが、そこには衝撃的な真実が待ち受けていた。(シネマトゥデイより) 

MEMO1
「トロン」におけるデリンジャー社長と執行官サークを同じデイヴィッド・ワーナーが演ずるように「トロン:レガシー」でのケヴィン・フリンとコンピューター世界の支配者クルー(フリンによってプログラム)はジェフ・ブリッジスが演じている。また「トロン」に登場したアラン・ブラッドリーがポケベルに父からのメッセージが届いたとサムに知らせに来る役で出ている(さらにクライマックス、いいタイミングで登場します)

MEMO2
映画内にも登場(プログラム達が集うクラブで)するダフト・パンクの音楽が秀逸。バイク型の乗り物、ライトサイクルのデザインやゲームグリッドが前作を踏襲してパワーアップ。前作のライトサイクルはケヴィンが自らアップデートした、あのデザインで。
そしてコンピューター世界の配色がブルーオレンジの補色になっていて美しい。

MEMO3
「私も拾われた子犬みたいなものよ」
クルーから粛清を受けて全滅したミュータントプログラム、ISO(突然プログラム世界に生成された)最後のひとり、クオラ(オリヴィア・ワイルド)の台詞。
クオラは今作での重要なポイント。

「WiFi?」
「無線通信」
「1985年には出来てたぞ」
現実世界の状況についてケヴィンとサムの会話。

Tron

「トロン:レガシー」公式サイト
http://www.disney.co.jp/tron/

トロン:レガシー オリジナル・サウンドトラック

THE ART OF TRON:LEGACY ディズニー映画『トロン:レガシー』の世界 (ShoPro Books)

トロン:レガシー (映画文庫)

【ムービー・マスターピース】 『トロン:レガシー』 1/6スケール ライトアップ機能付きビークル ライト・サイクル&サム・フリン

トロン [DVD]

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2010-12-11

タイトルデザイン_22・「ロビン・フッド」Prologue Films

『グラディエーター』『キングダム・オブ・ヘブン』に続いてのリドリー・スコット監督による歴史スペクタクル『ロビン・フッド』。主人公ロビンには5度目のタックとなるラッセル・クロウ。よく知られている緑のタイツの人ではなく森に住む前日譚が史実をまじえて描かれる。

物語・12世紀末。十字軍の兵士としてフランスで戦っていたロビンは、イングランドの騎士ロバート・ロクスレーの暗殺現場に遭遇。ロバートの遺言を彼の父、ノッティンガムの領主、サー・ウォルター(マックス・フォン・シドー)に剣を届ける役目を引き受ける。そして領地でロビンはロバートの未亡人マリアン(ケイト・ブランシェット)と出会う。

MEMO1
しかしリドリー・スコット監督73歳とは思えない力技の電圧高い演出(モブシーン!)。やや詰め込み過ぎた感はあるが最後まで飽きさせずに見せるあたりはさすがの貫禄。インタビュー(キネ旬12月下旬号)によると既に15分程長いディレクターズ・カットが作られているらしく、元祖ディレクターズ・カット版の人(「ブレードランナー」!!)としての面目躍如です^^
(この項、後日追記)

追記1
既に海外ではブルーレイにディレクターズ・カット156分版を収録したものが発売済み。

MEMO2
美しい絵画モチーフのエンドタイトル(オープニングタイトルも)はPrologue Films
AnimationGianluigi Toccafondo(ACME Filmworks)
Prologue Filmsは「アイアンマン」「アイアンマン2」「ザ・ウォーカー」「シャーロック・ホームズ」「インクレディブル・ハルク」「テラビシアにかける橋」「俺たちフィギュアスケーター」「アクロス・ザ・ユニバース」「インベージョン」などなど、それはそれは多数のタイトルシークエンスやデザインワークを行っています。

Robin

Prologue Films
http://prologue.com/

「ロビン・フッド」公式サイト
http://robinhood-movie.jp/

Robin Hood  - O.S.T.

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2010-12-09

『瞳の奥の秘密』

注・内容に触れています。
シークエンス自体についての記載もあり。

第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したアルゼンチンのファン・J・カンパネラ監督による『瞳の奥の秘密』。封印された真犯人。アルゼンチンにおける政治的理不尽な歴史。告白できないもどかしい愛のドラマ。それらが巧みなレイヤータペストリーとして綴られる。

物語・刑事裁判所を退職したベンハミン(
リカルド・ダリン)は、残された時間で25年前に起きた忘れ難い事件をテーマに小説を書くことを決心し、かつての上司で今は判事補のイレーネ(ソレダ・ビジャミル)を訪ねる。それは1974年、銀行員の夫と新婚生活を満喫していた女性が自宅で殺害された事件。当時、渋々担当を引き受けたベンハミンが捜査を始めてまもな く、テラスを修理していた2人の職人が逮捕されるが、それは拷問による嘘の自白によってだった…。(ブルー部分goo映画より)

MEMO1

いくつもの視点で論じられる映画。犯人が判って銀行員の夫がとった復讐手段、アルゼンチンの歴史など。しかし何といってもイレーネ役のソレダ・ビジャミルの大きな瞳がまさに様々な事を物語っている(物語っていく)部分がいい。取り調べ室で犯人を追い詰めるシーンでのベンハミンとのアイコンタクト。身の危険から姿を隠すことになったベンハミンを見送る駅のシーン(開巻すぐの回想シーン)、そしてラスト叶わなかったかに思われたロマンスの結末(このシーンで「ハッ」として、喜びが一瞬よぎるイレーネの表情がいい)。またベンハミンの酒浸りで手の焼ける、しかし良き相棒・パブロを演じたギレルモ・フランチェラも上手い。

MEMO2

犯人らしき人物が映っていた殺害された女性の写真から大のサッカーファンであることをつきとめたベンハミンとパブロ。そのふたりがサッカースタジアムで犯人を追い詰める突然トーンとリズムが変わる驚くべきシークエンス。
スタジアム空撮→近づいていく→試合が行われている→選手の頭上を真上から捉えて、そのまま観客席へ→犯人を探すベンハミン→カメラがパンして同じく犯人を探すパブロ→話す二人→パブロがおぼしき人物を発見→人違い→カメラが犯人はを捉える→ベンハミンとパブロが発見→試合が盛り上がって観客が興奮する中を追跡→スタジアム通路へ→見失う→途中のトイレへパブロ→犯人に殴られ再び逃走する犯人に→飛び降りてスタジアム、試合の行われているサッカーグラウンドへ→足をくじいていて選手とぶつかり倒れる犯人→警察犬、そして抑えつけられる犯人。ここまでのシークエンスで5分!
スタジアムでの追跡シーンはワンショットで三日間で撮影(準備に9ヶ月)。
空撮とスタジアムに入るシーンは繋げていると思われますが他は本当に見ているこちら側も追いかけている気になる秀逸な映像。

Hitomi1

Hitomi2

映画『瞳の奥の秘密』公式サイト
http://www.hitomi-himitsu.jp/

瞳の奥の秘密 [DVD]

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2010-12-07

IMAX アイマックスシアター・サントリーミュージアム天保山

今月26日で閉館する「IMAX アイマックスシアター・サントリーミュージアム天保山」。現在、ラストショーとして「ブルーオアシス -神秘の海へ-」 「ブルーオアシスII 3D」が公開中。1作品・500円の入場料!
その巨大な勇姿を撮影してきました!
この外側からの撮影ポイントは反対側が西に面した海側なので絶好の夕陽ポイントです。ギャラリー出口横に出入口があります。

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Imax_2

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▲ロビーには今まで上映された全作品のポスターを展示中

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▲これらの作品はジャイアントスクリーンフォーマットで上映された映画。『ハリー・ポッター』や『スパイダーマン2』など。『ダークナイト』の試写も行われました。

高さ20m×幅28mの巨大スクリーン。そして通常の35ミリフィルムの10倍以上、70ミリの3倍以上という映画史上最大のフィルムサイズを採用した本物のIMAX!
閉館がとても残念。もう一度言いますが本物のIMAXです。是非、体感を。

アイマックスシアター サントリーミュージアム天保山
http://www.suntory.co.jp/culture/smt/theater/

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ヤマトとナビオと波動砲。『SPACE BATTLESHIP ヤマト』

注・内容に触れています。
1974年に放映されたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」を実写化したイベントムービー『SPACE BATTLESHIP ヤマト』。監督は『ジュブナイル』『リターナー』(個人的には、この2本がベストだと思う。以降の作品はオーダー型)の山崎貴。主人公、古代進を木村拓哉、女性パイロットの森雪を黒木メイサ、沖田艦長を山崎努が演じる。

物語・2194年、外宇宙に突如として現れた敵・ガミラスが地球への侵攻を開始し、人類の大半が死亡してしまう。5年後、地球が放射能で汚染される中、かつてエースパイロットとして活躍していた古代進(木村拓哉)は、はるか彼方のイスカンダル星に放射能除去装置がある事実を知り、宇宙戦艦ヤマトで仲間と共にイスカンダル星へ向かう。
(ブルー部分シネマトゥデイより引用)

MEMO1
変更されている点、いくつか。何故か佐渡先生が女医(高島礼子)に。アナライザーが古代の腕や戦闘機に装着されるディスクタイプのAIに(イスカンダルでは起動型ロボットに)。あとガミラスも!声は伊武雅刀ですがw 「個は全体であり全体は個でもある、なんちゃらかんちゃら」と語る。

MEMO2
「地球か何もかもみな懐かしい」
「お前を弟のように思っていた」などのおなじみの台詞も。
しかし、真田(柳葉敏郎)の台詞、唐突すぎるw
エンドタイトルでの緑が蘇った地球。草原に森雪。その傍らには…が。あれ~?w

MEMO3
CG・VFXは白組 調布スタジオ
メインツールは通常Mayaだが、いろいろ導入された模様。

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Yamato_n


上・
既に夏ごろから始まっていたプロモーション。ボタンを押すと青い波動砲がw
下・
TOHOシネマズ梅田が入っているビル・ナビオ阪急とのコラボキャンペーン。確か、元々船をイメージして建てられているのでピッタリではありますがw 当日、写真を撮っている方が多かったので既にTwitter上にはたくさん画像登場してるかも、です。

SPACE BATTLESHIP ヤマト
公式WEBサイト
http://yamato-movie.net/

「SPACE BATTLESHIP ヤマト」ORIGINAL SOUNDTRACK

LOVE LIVES

ジュブナイル [DVD]

リターナー ― デラックス・エディション [DVD]

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