1969年、夏。宇宙の中心へようこそ『ウッドストックがやってくる!』
注・内容と台詞、ラストシーンに触れています。
エリオット・タイバーとトム・モンテ原作の回想録『ウッドストックがやってくる!』をトークショーの同じ日に収録に来ていた際に受け取ったことがきっかけでアン・リー監督が映画化。主人公エリオットにオーディションで選ばれたディミトリ・マーティン。友人ビリー(ベトナム帰りで心に傷を負っている)にエミール・ハーシュ。フェスティバルのプロデューサー、マイケル・ラングにジョナサン・グロフ。音楽が(ちょっと意外な)ダニー・エルフマン。
物語・1969年夏、エリオット(ディミトリ・マーティン)はニューヨーク州ホワイトレイクの実家に戻る。かんしゃく持ちの母(イメルダ・スタウントン)と父(ヘンリー・グッドマン)が経営するモーテルが火の車だったのだ。借金返済に悩む彼はある日、ウッドストック・フェスティバルの開催許可が取り下げられたという記事を目にした。そして…(ブルー部分記載シネマトゥディより)
ウッドストック・フェスティバルは1969年8月15日からの3日間、ホワイトレイク近郊の町の牧場を会場として開かれた。(劇中、実在の牧場主マックス・ヤスガーの登場シーンもあります)
本編中に全く演奏シーンは登場しないが、その分開催までのバックステージものとしての面白さの方に主眼が置かれている。
※MEMO(数々の台詞)
強欲な母親の尻に敷かれてエリオットともしっくりこなかった気の弱い父親がコンサートの準備の中で変化していく。そして、当日、エリオットへの台詞。
「宇宙の中心を見てこい」
また、フェステイバル終了後、こんな台詞も。
「祭りは終わった。若者は旅立ちだ」
ビリーがエリオットと雨上がりの会場で泥と戯れて(ドキュメントでもよく見られるシーン)、一瞬ベトナム帰りの後遺症から解放されてのシーン。
「この丘、見覚えがある」
遠くのステージから「I Shall Be Released」が聴こえる。
ふたりが「Freedom」を実感する瞬間。
プロデューサー、マイケル・ラングの浮世離れ感を表す台詞。
問題が山積みで困惑しているエリオットに。
「大丈夫。いい波動が出てるから」
そしてラストシーン。
「サンフランシスコに来いよ」
「無料コンサートをやるから」
馬上(ドキュメンタリー映画『ウッドストック』ではバイク)から耳打ちするように
「ローリング・ストーンズ」
「ストーンズ?」
(聞き返すエリオット)
「そう」
明るいトーンを残すラストシーンだが、実は苦い。
そのサンフランシスコでのフリーコンサートこそ後に「オルタモントの悲劇」として記憶されるイベントの事なのだから…。
※ちょこっとMEMO
・エンドクレジットにマーティン・スコセッシの名前が。
・ポスターがドキュメント『ウッドストック』のリチャード・アムセルがデザインしたもの(ドイツ制作ポスター版)を踏襲していて秀逸。
・エリオットのイメージが『あの頃ペニーレインと』の主人公ウィリアムと重なって見えた。
映画『ウッドストックがやってくる!』公式サイト
http://ddp-movie.jp/woodstock/
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