『白夜行』
注・内容に触れています。
既にテレビドラマ、韓国版映画、舞台と映像・舞台化されている東野圭吾の人気小説『白夜行』を『60歳のラブレター』『半分の月がのぼる空』の深川栄洋監督が映画化。文庫で850ページにも及ぶ長編を149分の限られた時間内に紡ぎ出した。『ALWAYS 三丁目の夕日』などの堀北真希が主人公の雪穂(一概に悪女と言えないが初悪女役)。彼女を見守り続ける亮司を『おにいちゃんのハナビ』の高良健吾 。19年間事件を追い続ける刑事に船越英一郎。
物語・昭和55年、質屋の店主が殺されるという事件が起きるが、結局被疑者死亡のまま解決。だが、当時の担当刑事笹垣(船越英一郎)は、何か腑に落ちないものを感じていた。数年後、事件の殺人犯と目されていたがガス中毒死した女性の娘・雪穂(堀北真希)は美しく成長し、一方質屋店主の息子亮司(高良健吾)も事件後は家を出ており……。(ブルー部分シネマトゥディより抜粋)
白夜の如き薄明るい光。
「あたしの上には太陽なんてなかった」
雪穂の台詞。
しかし彼女には太陽に変わるものがあった。
それは10歳の時から続く絆
(しかし、決して交わることはない…)
亮司を見守る刑事・笹垣の部分が少し端折られているのでラストのビル越しの呼びかけが、いささか唐突になったのが残念。(原作よりは父性を強めた設定)
※MEMO1
昭和の時代感を出すために用いられた銀残し手法のフィルム撮影が映画全体のトーンを決定づけている。
【銀残し】
スキップ ブリーチ(Skip Bleach)と呼ばれる現像手法で仕上がり画像の特徴としては以下のような点があげられます。
・コントラストが増す
・黒がしまる
・サチュレーション(彩度)が落ちる
※MEMO2
パンフレットデザインは大島依提亜さん。Twitterによるご本人談→こもれびのように淡く発光するようなしかけになってます。で、写真に撮ってみたけれど、あああッー、これでは(白夜の如き薄明るい光みたいなイメージは)伝わりにくいので是非、劇場で手にとって御覧ください ^^;
総ページ数86P、キャスト、監督インタビュー、コラム、美術・衣装・ヘアメイク・切り絵・プロダクションノートなどテキスト部分も読み応えあり。

※MEMO3(ロケ地)
ロケーションジャパンNo.43によると昭和の町並みが残る群馬県や茨城県笠間市、常総市、埼玉県羽生市などで雪穂、亮司の子供時代を撮影。また、雪穂が開くブティック「R&Y」(亮司&雪穂…と、笹垣がつぶやく)は設定では青山付近のイメージだが撮影は昭和12年に登録有形文化財に指定されている長野県松本市の「アールモニービアン」で行われました。
映画『白夜行』公式サイト
http://byakuyako.gaga.ne.jp/



| 固定リンク
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 『白夜行』:
» 白夜行 [LOVE Cinemas 調布]
今までにテレビドラマや舞台になってきた東野圭吾の同名人気小説を映画化。ある事件の容疑者の娘と被害者の息子が辿る数奇な運命を、事件を担当した刑事の目線で追う。主演は『誰かが私にキスをした』の堀北真希。共演に『おにいちゃんのハナビ』の高良健吾、『ウルルの森の物語』の船越英一郎が出演している。監督は『60歳のラブレター』の深川栄洋。... [続きを読む]
受信: 2011-02-09 21:20
» 白夜行 [勝手に映画評]
19年前に起きた、殺人事件。交わるはずのない被害者の息子と容疑者の娘の人生は、深く・複雑に絡み合っていた・・・。
う〜ん、評価に困ります。恐らく、小説としては一級品です。間違い無く面白いと思います。ですが、映像化されると・・・、厳しいモノが。上手く説明で...... [続きを読む]
受信: 2011-02-09 22:38
» 『白夜行』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「白夜行」□監督・脚本 深川栄洋 □原作 東野圭吾 □脚本 入江信吾、山本あかり□キャスト 堀北真希、高良健吾、船越英一郎、姜暢雄、緑友利恵、粟田麗、今井悠貴、福本史織、中村久美、田中哲司、戸田恵子■鑑賞日 1月29日(土)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0.5)<感想> 原作も読んでいないのに、東野圭吾の世界がどれぐらい表現されているのか期待した作品。 主人公雪穂を演じる堀北真希の殺人犯の娘という役柄をどう演じるか、 また不... [続きを読む]
受信: 2011-02-10 08:16
» 白夜行 [ケントのたそがれ劇場]
★★★☆ 東野圭吾の原作も読んでないし、TVドラマも観ていない。全くの白紙の状態で観たため、それらとの比較は出来ないが、長編にもかかわらず最後まで飽きずに楽しむことが出来たのは嬉しい。 また主役の堀北真希ちゃんと高良健吾くんはなかなかの好演。ただ船越英... [続きを読む]
受信: 2011-02-10 10:46
» 白夜行、傑作です [とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver]
よくもこれだけハードな内容の物語を忠実に映像化したと、製作者に讃辞を送りたい。今年の日本映画を代表する作品になるのは間違いない。人間の欲望の醜い極めが、画面から観客の心に突き刺さる。万人にお勧めできる映画ではないけど、骨のある作品である。... [続きを読む]
受信: 2011-02-10 14:26
» 映画「白夜行」私はいつも夜だった・・・でも不幸ではなかった [soramove]
「白夜行」★★★☆
堀北真希、高良健吾、船越英一郎、戸田恵子、田中哲司出演
深川栄洋監督、107分、2011年1月29日公開
2010,日本,ギャガ
(原作:原題:白夜行)
→ ★映画のブログ★
どんなブログが人気なのか知りたい←
累計180万部を突破した東野圭吾のベストセラーを映画化。
「ひとつの殺人事件に浮かぶ疑惑、
担当刑事は容疑者の自殺で解決とした事件を
ひとりその後も執念深く追っていた... [続きを読む]
受信: 2011-02-11 10:01
» 白夜行 びゃくやこう(2011-007) [単館系]
東野圭吾さん原作の小説を映画化。
例によって原作は読んでいません。
過去にTBSで早瀬はるかさんと山田孝之さんで
連続ドタマ化されているので記憶にある方も
多いのでは?
ドラマとちょっと比較し...... [続きを読む]
受信: 2011-02-11 12:14
» 白夜行 [映画通信みるみる]
暗く、不気味。
物音を立てて観てはいけないような雰囲気で、成り行きを静かに見守るようでした。
“あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。
でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから...... [続きを読む]
受信: 2011-02-11 14:11
» 映画「白夜行」 感想と採点 ※ネタバレあります [ディレクターの目線blog]
映画『白夜行』(公式)を、初日(1/29)鑑賞。第一回目で観客は30名ほど。30歳代の女性同士や、50歳代の夫婦らしき人が多め。
最初に言っておきますが、原作小説・演劇・テレビドラマ等は一切見ていません。予告編以上の情報は殆んどない状態で鑑賞しました。
採点は、★★☆☆☆(5点満点で2点)。100点満点なら30点。
『映画「犬とあなたの物語 いぬのえいが」 感想と採点 ※ネタバレあります』と違った意味で、良い勝負でした。
ざっくりストーリー
... [続きを読む]
受信: 2011-02-11 19:45
» 映画「白夜行」感想 [タナウツネット雑記ブログ]
映画「白夜行」観に行ってきました。
東野圭吾原作のサスペンス小説映画版。
質屋の殺人事件から始まる、被害者の息子、容疑者の娘、そして18年もの歳月をかけ真相に迫る刑事の視点で綴られる心理描写ミステリー作品です。
ちなみに私は、原作未読のまま映画を観に行っています。
物語最初の舞台は1980年(昭和5... [続きを読む]
受信: 2011-02-12 01:05
» 白夜行■二人でないと生きていけない [映画と出会う・世界が変わる]
雪穂が幼い時期に過ごした再開発からも取り残されたようなスラム街。昭和55年には、まだ戦後の貧しさを残した地域が残っていたのか。ざらついた画面や褪色したような色調が、その貧... [続きを読む]
受信: 2011-02-15 08:01
» 東京国際映画祭・特別招待作品『白夜行』舞台挨拶@TOHOシネマズ六本木ヒルズ [|あんぱ的日々放談|∇ ̄●)ο]
チーム・ホリキッター・・・それは、ごく一部で流行っているらしい女優・堀北真希さんの愛称【ホリキッター】を、メジャーらしい「ホマキ」「まきまき」を押しのけ、wikipediaに載る ... [続きを読む]
受信: 2011-02-15 19:43
» 白夜行☆独り言 [黒猫のうたた寝]
映画化されると聞いて、実はその前に原作は読了。最近WOWOWでは『幻夜』がドラマ化されて放送されていました。こっちもドラマの開始の前に読了。なんか東野圭吾づいてる今日この頃ですが(笑)でも映画化で一番楽しみだったのは、深川栄洋監督がメガホンをとるということで・... [続きを読む]
受信: 2011-02-15 22:41
» 白夜行 [映画的・絵画的・音楽的]
『白夜行』を吉祥寺のバウスシアターで見てきました。
(1)この映画は、冒頭で少年・亮司の父親が殺され、その殺害事件の犯人は誰なのかを巡る事件の真相が物語の展開の中で明らかにされるミステリー物といえるのでしょう。
とはいえ、事件が起きた昭和55年から次第次...... [続きを読む]
受信: 2011-02-19 06:38
» [遅ればせながら、映画『白夜行』を観た] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆良い出来の作品ではあった。
公開からかなり遅い時期になっての鑑賞なので、その内容について詳細に語るつもりはない。
が、原作の東野圭吾については、何ゆえに、こんなにも「通俗的」かつ「大衆迎合的」な作家に変貌してしまったのかと、私は、ずーっと考え続け...... [続きを読む]
受信: 2011-02-28 21:27
» 白夜行 [Yuhiの読書日記+α]
東野圭吾の同名小説を映画化したもの。幼い頃にある殺人事件に関わった男女の宿命を描く。監督は深川栄洋、キャストは堀北真希、高良健吾、船越英一郎、戸田恵子、田中哲司他。
<あらすじ>
昭和55年、廃ビルの中で質屋の店主が殺された。刑事の笹垣は被害者の10歳の息子・亮司と会い、彼の暗い目に驚く。殺害された日、被害者が西本文代という女性の家を訪ねていたことが判明。文代には雪穂という10歳の娘がいた。やがて文代が自殺し、被疑者死亡のまま捜査は終了するが、笹垣は納得できないままだった。数年後、雪穂は遠縁に引き... [続きを読む]
受信: 2011-02-28 23:55
» 映画「白夜行」 [itchy1976の日記]
白夜行 - goo 映画
白夜行(映画.com)
「白夜行」オフィシャルサイト
白夜行@ぴあ映画生活
白夜行-Wikipedia
○作品データ(goo映画)
監督 深川栄洋
エグゼクティブプロデューサー 石垣裕之 小竹里美 菅井敦 阿久根裕行
プロデューサー 小島里佳 朴木浩美 井上竜太 ...... [続きを読む]
受信: 2011-03-16 19:10
» 映画:白夜行 [よしなしごと]
ドラマ版がマジ泣きしてしまった東野圭吾原作の白夜行。今回は映画版を観てきました。 [続きを読む]
受信: 2011-03-25 01:29
» ■映画『白夜行』 [Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ>]
東野圭吾好きの友人から薦められてちょっとハマってしまい、小説、ドラマとチェックしてきた「白夜行」が映画になりました。
この「白夜行」、もともとがベストセラー小説ですし、ドラマ化もされていて、ストーリーをご存じの方も多いでしょう。
とはいえ、ネタばれはしない方向... [続きを読む]
受信: 2011-05-10 03:25
» 【映画】白夜行…携帯電話に騙されそうな感覚 [ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画]
以前の記事でも書いた大晦日の携帯水没事故について追記。
(サブタイトルの携帯電話云々はこの話ではなくて、下のほうの映画鑑賞記録のほうね)
…直ぐに書こうかと思っていたのですが、すでに一月以上前の出来事です
昨年大晦日に携帯をトイレに落としてしまったのは以...... [続きを読む]
受信: 2012-02-07 21:56