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2011-03-31

原題の「一頁台北」がピッタリ!『台北の朝、僕は恋をする』

※注・内容に触れています。
エドワード・ヤン監督に師事し「追風」(未完)の企画・脚本開発のアシスタントをしていたアーヴィン・チェン監督台北の朝、僕は恋をする』。製作総指揮はヴィム・ヴェンダース。キャストは台湾の人気スターであるアンバー・クォと長編映画初出演のジャック・ヤオ。上映時間85分!

物語・パリにいる恋人に会いたい一心で、台北の書店でフランス語の本を読みあさるカイ(ジャック・ヤオ)。しかし、一方的に振られて焦ったカイはパリへの旅費を調達しようと怪しい小包を届ける仕事を引き受ける。親友のカオ(ポール・チャン)と一緒に小包をピックアップし、パリへ発とうとする夜、カイは書店員のスージー(アンバー・クォ)と遭遇し、三人でご飯を食べることになる。(ブルー部分シネマトゥデイより抜粋)

いやぁー可愛らしい作品だー( ´ ▽ ` )ノ ほのかにフランス映画的香りと共にロケも素晴らしく台北の街にも恋をするよー♪ 原題の「一頁台北」がピッタリ!

ファーストシーンから、あー、ふられてるのにーと突っ込みたくなるボーっとしたカイ。その友達カオもまたボーっとしているw そんなふたりが巻き込まれる小荷物届けに纏わる騒動もどこか可愛らしい(頼んだ叔父さん、そしてどこかぬけてる全員オレンジスーツの甥っ子4人組)。そして追う刑事たち。もう見事なドタバタぶり。(書店で知り合った)スージーと偶然、師大夜市で出会い翌朝パリへ出発するまでの、まさに(ホントの)或る夜の出来事というか一夜の出来事を見ているこちらもニコニコ見つめていられる楽しさ。
公園で突如出くわすダンスを練習する人たちと続くダンスシーン(書店でダンスを習っているというスージーの前フリがある)、その中に紛れ込んで追ってくる刑事から逃れようとするふたり。このシーン、糸井重里さんのRPG「MOTHER」を思い出したり。(あ、ここラスト繋がります)
台北に旅立ったと思いきや書店に現れたカイ。それに気づくスージー。だが、すぐには話さない。ゆっくりと移動するカメラ。少しずつ笑みのこぼれてくるふたり。そして、ふいに訪れる至福のエンディング♪
ダンスシーンで踊っていたダンスは Country Line Dance (Boots scooting)由来のもの?
撮影と各場面の色彩設計が全体を通してポップに整えられている(街灯の色や照らし出される人、蛍光灯が使われているお店と手前に写る人物など)

『台北の朝、僕は恋をする』公式サイト
http://aurevoirtaipei.jp/

Taipei2

Taipei

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2011-03-26

目、赤いですよ『ブンミおじさんの森』観えるものと見えないもの

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督が第63回カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドールを受賞した『ブンミおじさんの森』。タイの僧侶による冊子「前世を思い出せる男」 に着想を得て撮られた重層的イメージの輪廻転生トリップ

物語・腎臓病を患い、自らの死期を悟ったブンミ(タナパット・サイサイマー)は、亡き妻の妹ジェン(ジェンチラー・ポンパス)を自宅に招く。昼間は農園に義妹を 案内したりして、共にゆったりとした時間を過ごす。彼らが夕食のテーブルを囲んでいると、唐突に19年前に亡くなったはずの妻(ナッタカーン・アパイウォ ン)の霊が姿を現し… (ブルー部分シネマトゥデイより抜粋)

この森(ジャングル)では何があってもOK!そう思える冒頭の虫の声、葉の擦れる音、牛の逃走、あ、旅立ち。幽霊になって現れる妻、猿の精霊に姿を変えて出現する行方不明だった息子ブンソン(目、赤いですよ)、挟みこまれた王女とナマズのエピソード。それら彼岸と此岸がほとんど陸続きの如く日常に現れる(と、いうか溶け込んでる)とろとろ感。そこはかとなく漂うユーモアにクスッ。ラストのスルリと肉体をすり抜けて食事に向かうシーンにも思わずクスックスッ。(関係ありませんが)横尾忠則さんの著書「見えるものと観えないもの」というタイトルを思い出した。前世も現世も来世もも牛も虫も猿もナマズも総ごった煮闇鍋的イメージトリップ。エンディング曲、いいなぁ…

ブンミおじさんの森
http://uncle-boonmee.com/top.php

Boonmee

Boonmee2

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ジョエル&イーサン・コーエン監督『トゥルー・グリット』あの川を越えて

注・内容に触れています。
製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグジョエル&イーサン・コーエン監督によるチャールズ・ポーティス原作の映画化『トゥルー・グリット

物語・父親を殺された14歳の少女マティ(ヘイリー・スタインフェルド)は、真の勇気を持つといわれる保安官のコグバーン(ジェフ・ブリッジス)に犯人の追跡を 依頼。テキサス・レンジャーのラビーフ(マット・デイモン)も加わり、仇のチェイニー(ジョシュ・ブローリン)を追うこととなる。(ブルー部分シネマトゥデイより抜粋)

何よりもマティ役ヘイリー・スタインフェルドの存在(立居振る舞い、喋り方など)が素晴らしい。ピンと伸ばした背筋は25年後のラスト、コグバーンの墓の前に立つシーンまで続く(「ワイルド・ウェスト・ショー」の人に向かって投げつけるセリフもピシッとしている)
監督曰く「勇気ある追跡」のリメイクではないと。確かにアイパッチが左右逆になっているし結末も違う。(だがオマージュ的な部分もあるのでは?とも思える)。そう思えるほど今までのコーエン映画っぽさと違ったテイスト。
撮影はロジャー・ディーキンス。冬の西部、寒々とした荒れた土地、舞う雪、立ち上る煙、満天の星(ここはいろいろとエフェクトか)を駆け抜ける馬。そしてクライマックス、4対1の一騎打ちシーンのショット。
最近のインタビューを読むとデジタル撮影の可能性についても語っていて、このレベルなら次回作はデジタルで、とも。『トゥルー・グリット』はフィルム撮影。
メイキング映像で知ったがいくつかの馬のシーンにアニマトロニクスが使われていた。オドロキ
マティを担いで医者のところへ馬を駆るシーンがその長さ(省略なく)含めて、まるでファンタジーの1シーンを見ているようで素晴らしい。

MEMO
タイトルデザインはコーエン兄弟作品ではお馴染み、前作『シリアスマン』に続いてのBFD!(BIG FILM DESIGN)

「トゥルー・グリット」オフィシャルサイト
http://www.truegrit.jp/

True_g

Ost: True Grit

トゥルー・グリット (ハヤカワ文庫 NV ホ 16-1)

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2011-03-21

ジョエル&イーサン・コーエン監督『シリアスマン』不確定性原理とシュレディンガーの猫

注・内容に触れています。
格調ある西部劇『トゥルー・グリット』の前に撮られたジョエル&イーサン・コーエン監督シリアスマン』ユダヤ人コミュニティで起こる不条理劇。シニカルにして洒脱な「らしい」作品。結構お気に入り。撮影はロジャー・ディーキンス

物語・1967年・アメリカ中西部。物理学の教授ラリー(マイケル・スタールバーグ)は妻と二人の子ども、兄と共に一見幸福そうに暮らしていた。ところが、妻のジュディス(サリ・レニック)に別れ話を切り出され、学校ではわいろを渡され、ラリーの穏やかな生活はさまざまなトラブルに見舞われ…。(ブルー部分シネマトゥデイより抜粋)

壁紙がゆっくりペリペリ、帽子がコロコロ、スルリとボウリングピン系のコーエン兄弟作品が好きな人にはたまりません( ´ ▽ ` )ノ Bob Dylanの「風に吹かれて」を思い出した。「答えは風に舞っている」何かの要因が次の出来事のトリガーとなる(かもしれない) しかしそれは確かなことでなく。物事がコロコロと転がっていく。微妙なボタンの掛け違い?オープニング19世紀ポーランドでの寓話から最初の耳の穴、病院での「何処も悪いところはありませんよ」〜 車の事故と事故。ラストの再検査が必要!?までの見事な数珠つなぎ。不確定性原理とシュレディンガーの猫とちょっぴりマーフィの法則でもあります。ラストはまさかの「オー・ブラザー!」の再現!?と一瞬思ってしまったすぐそこにまで迫る竜巻。さて、どうなる?お見事です!

MEMO
タイトルデザインはコーエン兄弟作品ではお馴染みのBFD!(BIG FILM DESIGN) 今回は「シリアスマン」らしくシリアス(真面目)にシンプルなデザイン。

『シリアスマン』公式サイト
http://www.ddp-movie.jp/seriousman/index.html

Seriousman

Serious Man (Score)

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2011-03-09

『ツーリスト』普通の人と普通でない人?

注・内容、ラスト、台詞に触れています。
ジョニー・デップアンジェリーナ・ジョリーの初共演が実現『ツーリスト』 監督は『善き人のためのソナタ』のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク。共演はポール・ベタニー、ティモシー・ダルトン。

物語・イタリアを訪れたアメリカ人旅行者のフランク(ジョニー・デップ)は、ベニスに向かう車中で謎の美女エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)に声をかけられる。魅力あふれるエリーズに誘われるがままアバンチュールに酔いしれるフランク。しかし、それらには実はある理由が…。

Tourist1

ロマンティック・ミステリーのつもりで見始めたら、いきなりネタバレっぽいシーンが多く(わざわざ証拠や痕跡を残して動くエリーズ、電子タバコにパジャマ姿で軽々と逃げるフランクなど)実はコメディ寄りの作品と気づく。そう考えるとロンドン警視庁の刑事がポール・ベタニーで、その上司がティモシー・ダルトンってところで既に笑える。アメリカ人俳優が主演2人だけらしく、まさにヴェネチアのアメリカ人。

MEMO1
意外なこと→ 監督のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク(まだ名前覚えられない)のインタビューを読むと初めて見に行った映画が『ドリトル先生不思議な旅』(リバイバル上映を父親と)だったりヒッチコック、007などのタイトルが並ぶ。なるほど、その辺りが好みが「ツーリスト」に反映されているのだと妙に納得。
アニメーションタイトル(ヴィンテージ旅行ポスターのイメージ)をImaginary forcesが制作していたが実現せず。映画のイメージからすると是非こちらでやってほしかった)。エンドタイトルはScarletLetter

MEMO2(決め台詞)
会ったこともない男に雇われるのか?に対しての台詞
(ヒャッホーイという感じで)
「だってベニスだぜ」
「最高だ」
(『お熱いのがお好き』の決め台詞「完ぺきな人はいない」を、ふと思い出したり…。二人のボートでのツーショット、ラストのヨット上などをふまえて)

ラスト
フランクへエリーズの台詞
「二千万ドルかけた整形がそれ」
「我慢するわ」

「ツーリスト」オフィシャルサイト
http://www.tourist-movie.jp/

Tourist

Tourist

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2011-03-07

午前十時の映画祭『アメリカン・グラフィティ』

午前十時の映画祭『アメリカン・グラフィティ
フランシス・フォード・コッポラ製作、ジョージ・ルーカス監督。1962年夏。高校を卒業し地元に残る者、進学して出て行く者。彼らにとって最後の夜。その一夜の出来事をオールディーズにのせて。ラスト、登場人物の「その後」がただの感傷に浸る映画でないことを物語っている。
(字幕が戸田奈津子さんになっていた。初公開時は誰だったのかは未確認)
約数十年ぶりにスクリーンで見た。初見は梅田地下劇場で『カンバセーション』と二本立て(よくよく考えるとウォルターマーチ繋がり)
梅田地下劇場は現在のTOHOシネマズ梅田(ナビオ阪急)の前にあった映画館群の一館(他に北野劇場・梅田劇場・梅田スカラ座・北野シネマ)。ちなみに隣(現在のHEP FIVE)には梅田コマ劇場(梅田コマゴールド、シルバーの2館の映画館を併設)

Amegra

Amegra_b

▲公開時のチラシ

午前十時の映画祭

http://asa10.eiga.com/

『アメリカン・グラフィティ』の紹介が載っている名書籍を2冊。
【High School U.S.A.】
「ハイスクール U.S.A. 〜アメリカ学園映画のすべて〜」
長谷川町蔵、山崎まどか・著
学園映画(ジョン・ヒューズが発明したと記しています。まったく同意!)誕生を導いた重要作として『アメリカン・グラフィティ』を紹介。それと『アニマル・ハウス』も。
【映画で甦るオールディーズ&プログラム・コレクション】
島 敏光=編・著
見た映画のパンフレットは全て持っているという島さんのコレクション。1950~60年代の名曲が流れた映画を当時の懐かしいパンフレットとともに掲載されています。もちろん最初に紹介されるのが『アメリカン・グラフィティ』。大瀧詠一・高田文夫の特別対談も掲載。現在入手が難しくなっており是非、再版を


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