ジョエル&イーサン・コーエン監督『シリアスマン』不確定性原理とシュレディンガーの猫
注・内容に触れています。
格調ある西部劇『トゥルー・グリット』の前に撮られたジョエル&イーサン・コーエン監督『シリアスマン』ユダヤ人コミュニティで起こる不条理劇。シニカルにして洒脱な「らしい」作品。結構お気に入り。撮影はロジャー・ディーキンス
物語・1967年・アメリカ中西部。物理学の教授ラリー(マイケル・スタールバーグ)は妻と二人の子ども、兄と共に一見幸福そうに暮らしていた。ところが、妻のジュディス(サリ・レニック)に別れ話を切り出され、学校ではわいろを渡され、ラリーの穏やかな生活はさまざまなトラブルに見舞われ…。(ブルー部分シネマトゥデイより抜粋)
壁紙がゆっくりペリペリ、帽子がコロコロ、スルリとボウリングピン系のコーエン兄弟作品が好きな人にはたまりません( ´ ▽ ` )ノ Bob Dylanの「風に吹かれて」を思い出した。「答えは風に舞っている」何かの要因が次の出来事のトリガーとなる(かもしれない) しかしそれは確かなことでなく。物事がコロコロと転がっていく。微妙なボタンの掛け違い?オープニング19世紀ポーランドでの寓話から最初の耳の穴、病院での「何処も悪いところはありませんよ」〜 車の事故と事故。ラストの再検査が必要!?までの見事な数珠つなぎ。不確定性原理とシュレディンガーの猫とちょっぴりマーフィの法則でもあります。ラストはまさかの「オー・ブラザー!」の再現!?と一瞬思ってしまったすぐそこにまで迫る竜巻。さて、どうなる?お見事です!
※MEMO
タイトルデザインはコーエン兄弟作品ではお馴染みのBFD!(BIG FILM DESIGN) 今回は「シリアスマン」らしくシリアス(真面目)にシンプルなデザイン。
『シリアスマン』公式サイト
http://www.ddp-movie.jp/seriousman/index.html
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神の啓示と超・物理学。
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量子的なゆらぎを伴いながら、
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『シリアスマン』
2009年/アメリカ/106min
監督:ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン
出演:マイケル・スター... [続きを読む]
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シリアスマン
1967年ミネアポリス郊外
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