ソフィア・コッポラ監督『SOMEWHERE』
注・内容に触れています。
「ロスト・イン・トランスレーション」「マリー・アントワネット」のソフィア・コッポラ監督『 SOMEWHERE 』 主演は「バック・ビート」「ブレイド」の
スティーヴン・ドーフとダコタ・ファニングの妹、エル・ファニング。デル・トロ他カメオ出演もあり。
物語・ロサンゼルスのホテルで派手な暮らしを送るハリウッド・スターのジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)だが、別れた妻のもとで暮らしていた11歳の娘 クレオ(エル・ファニング)をしばらくの間、預かることになる。騒々しい日常は一転、クレオとの楽しく穏やかな日々が過ぎていく。そして、再び離れ離れになる日が訪れるが… (ブルー部分シネマトゥデイより抜粋)
フェラーリのエンジン音はハッキリとフェラーリとして聴こえることに驚き、ポール・ダンスのポールが折りたたみ収納な事に驚いた。なによりも空とプールの色は眩いばかりのブルーだ。そしてエル・ファニングの手足はすらっと伸びてスティーヴン・ドーフの目尻が、時折はっとさせる娘の成長を見て緩み微笑む。冒頭、最初は同じところをぐるぐる回るだけのマルコが運転する車はクレオと過ごした後、直線を進み、やがて降車して歩き出す。ミニマムなセンチメンタル漂う(ホテル物語、父と娘のおはなし、父親の成長物語)。エル・ファニングの(貴重な)輝ける少女時代をフィルムに定着させた手腕はソフィア・コッポラだからこそ。
●撮影監督はハリス・サヴィデス。父親フランシス・フォード・コッポラ監督「ランブルフィッシュ」で使用されたカメラのレンズで撮影された質感が素晴らしい。
●インタビューによるとスティーヴン・ドーフに対してソフィア・コッポラ監督からのレファレンスとして「ペーパームーン」や「世にも怪奇な物語」(フェリーニ篇)他、何本かのフランス映画を手渡していたそうです。
●美術監督アン・ロスが決めたキーカラーは「SOMEWHERE Yellow」と名付けられた黄色。セットや小道具に使用されているが見事に溶け込んでいてハッキリとは気づかないほど。それよりも空の青に対して補色関係(マンセル色相環)に位置する黄色が補色残像としてちらつくことによる印象が強かった気がします(意図的?)
●今作も使用楽曲がとてもイイ!
が、サントラが発売予定なし!
プールのシーン The Strokes「 I'll Try Anything Once」とキーとなっている曲 Phoenix 「Love Like A Sunset pt2」は素晴らしすぎるのでTwitterの方でYouTubeへのリンクを貼りました(下記にもリンクを追加・2011年4月3日確認)
♪ The Strokes >>> I'll Try Anything Once
♪ Phoenix >>> Love Like A Sunset pt2
●台詞いろいろ
wii sportsでマルコの友人サミーとテニスゲームをするクレオ
「ナブラチロワになれる」
「誰?」
ジェネレーションギャップw
ちなみにクレオはシャラポワと言ってPLAY
エレベーターでの会話
「何号室」
「59号室」
「ボノが泊まった部屋だ」
数々の逸話、伝説の残るホテル「シャトー・マーモント」ジョン・ベルーシ、ヘルムート・ニュートン、ロマン・ポランスキー… 数多くのセレブ、ミュージシャンたち(ヘルムート・ニュートンの自動車事故を思わせるショットがはいっている)。そういえば今年スカーレット・ヨハンソンがパパラッチされるという、まさかの「ロスト・イン・トランスレーション」繋がりがありました。
S O M E W H E R E
http://www.somewhere-movie.jp/
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