ラストダンス。周防正行・監督 『ダンシング・チャップリン』
注・内容、台詞に触れています。
「シコふんじゃった」「Shall We ダンス?」「それでもボクはやってない」などの周防正行監督によるチャップリン作品をフィーチャーしたバレエ作品「ダンシング・チャップリン」をドキュメンタリーとバレエの2部構成で映画化した『ダンシング・チャップリン』
構成・1991年初演のローラン・プティ振付、ルイジ・ボニーノ主演のバレエの名作「ダンシング・チャップリン」を、ルイジと草刈民代の共演で映画作品にする企画がスタートする。演出の構想を携えてプティのもとを訪れる周防正行だったが、プティは簡単には首を縦に振らない。そして本番。13演目からなるバレエのステージが幕を開ける(ブルー部分シネマトゥデイより抜粋)
第1幕・アプローチ
幕間(5分間休憩)
第2幕・バレエ
1.チャップリン~変身
2.黄金狂時代
3.二人の警官
4.ティティナを探して
「モダン・タイムス」より
5.チャールストン
「犬の生活」より
6.外套
7.空中のバリエーション
「モダンタイムス」より
8.小さなトゥ・シューズ
「ライムライト」より
9.警官たち
10.キッド
11.街の灯
12.もし世界中のチャップリンが手を取り合えたら
13.フィナーレ
※MEMO1
●面白い構成。間に幕間を挟みこむことによって観る側に「さあ、今からバレエを観る」という意識に切り替えられる仕組み。
●最初の1幕アプローチ部分が興味深い内容。メイキングかと思いきや周防監督のバレエに対する想い(もちろん草刈民代、ラストダンスということ、ボニーノのチャップリンを映像として残すことの意味も含めて)のようなものが垣間見えてきます。プティとの演出上の意見の違い(「警官」の演目を公園で撮りたい周防監督と舞台として完成されているものを外で撮る必要はない、とプティ)は、見ているこちらもハラハラドキドキしてくる。
●ローラン・プティのこんなシーンと台詞で幕間に入る。
プティと周防監督。
ガーデンテラス。
初演の記録映像をMacBookAirで一緒に見ている。
最後のカーテンコールのシーン。
「ルイジは、ルイジはどこだ」
覗き込んでルイジ・ボニーノを探す。
「ああ、いた」
見つけて嬉しそうなプティの声。
●2幕・バレエの最初に「これは2幕20場のバレエを1幕13場の映画に再構成したものである」とテロップが入る。そう「映画」なのである。この文言にアプローチから垣間見られた本作への監督のスタンスをうかがうことができる。
●それにしても撮影時60歳とは思えないルイジ・ボニーノの身体性と実に魅力的な人間性。そして草刈民代のしなやかなるダンス(「空中のバリエーション」は圧巻)。最もチャップリンのモチーフが全面にでた「街の灯」は一編の詩のようで美しい。
※MEMO2
周防監督のオフィスか自宅か判りませんが横尾忠則さんデザインの「ファンシイダンス」ポスターが飾られていました。
映画『ダンシングチャップリン』公式サイト
http://www.dancing-chaplin.jp/
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