テレンス・マリック監督『ツリー・オブ・ライフ』Nature : Grace、FATHER : MOTHER、Micro : Macro…
注・内容に触れています。
『地獄の逃避行』『天国の日々』『シン・レッド・ライン』『ニュー・ワールド』と全作品が挙げられるぐらい寡作テレンス・マリック監督の最新作『ツリー・オブ・ライフ』。出演はブラッド・ピットとショーン・ペン、 ジェシカ・チャスティン他。カンヌ映画祭パルムドール受賞作品。
※Memo(散文的に)
●「Nature : Grace」「FATHER : MOTHER」「Micro : Macro」…
●極めてパーソナルが故にスクリーンサイズで印象が違うものに。特にMacroなるものの映像部分は差が大きいかも。思索するナショナルジオグラフィックの趣。
●(誰が、何が、見つめているのかという点での)カメラ視点がコロコロ変わっているのが面白い。しかも泳いでいるような感じの時さえあるのだ…。(このカメラの動きとモノローグ、音楽を全て分解し再構築すると別の映画にさえなる気がする…)←この辺り初見なので再見するとまた別の感じをうけるかも…。
●要はこの視点が曲者で感情移入を排した、(よい意味での)居心地悪さなのかもしれない。
●仮に宇宙の起源、生命の誕生、進化の系譜などのイメージ部分を全て取り除いたら「どのような映画」になるかというと「1950年代のテキサスで暮らす厳格な父と慈愛に満ちた母、そして子供たちの家族の話。それを回想する(成功したと思しき)長男ジャック(ショーン・ペン)」
●恐竜が別の恐竜の頭を踏み潰そうとした瞬間、思いとどまらせたものは?ふと思いとどまった?NatureとGraceとの境界線?
●この恐竜のシークエンスに出てきた川と子供たちが遊ぶ川は構図的にもイメージ的にも同じ川のように思える。
●恐竜のシークエンスと同じく父親に反発するジャックがNatureとGraceとの境界線で揺れ動くシーンが何度もある(車を修理している父親に殺意を抱くシーン、留守宅の家に侵入して下着を盗み川に捨てるシーンなど…)
●ブラピそっくりの次男は性格が寵愛に満ちた母親に似て、逆に全く似ていない長男は、その存在自体を疎ましく思い忌み嫌っていた父親に似ている(ここは父親が工場を解雇された後のシーンで長男に「つらくあたって悪かった」「僕は父さんに似ている」に連なる)
●そして子供の時の自身に導かれてジャックはある場所に出る(生命の海?)
Excuse
いろいろな解釈があると思うのでパンフレットも各批評も読まずに第一インプレッションで記載しました。(✿╹◡╹)< さあ、いろいろ読むぞー
追記(2011_8_19)
●フィルム上映で再見。先にデジタルで見た為か全体に彩度が低い気が…(もしかするとプリントによるもの?) 樹々の緑、黄みが足りなかったり暗部がつぶれていたり。監督の意図した本当の色彩状態は?
(今思うと)海外で告知第2弾として発表されていた下記ポスターにほぼ全てのポイントとなるシーンが出ていました。
ツリー・オブ・ライフ 公式サイト
http://www.movies.co.jp/tree-life/
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