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2011-08-14

テレンス・マリック監督『ツリー・オブ・ライフ』Nature : Grace、FATHER : MOTHER、Micro : Macro…

注・内容に触れています。
『地獄の逃避行』『天国の日々』『シン・レッド・ライン』『ニュー・ワールド』と全作品が挙げられるぐらい寡作テレンス・マリック監督の最新作『ツリー・オブ・ライフ』。出演はブラッド・ピットショーン・ペンジェシカ・チャスティン他。カンヌ映画祭パルムドール受賞作品。

Tree_of_life1

Memo(散文的に)
「Nature : Grace」「FATHER : MOTHER」「Micro : Macro」…
極めてパーソナルが故にスクリーンサイズで印象が違うものに。特にMacroなるものの映像部分は差が大きいかも。思索するナショナルジオグラフィックの趣。
(誰が、何が、見つめているのかという点での)カメラ視点がコロコロ変わっているのが面白い。しかも泳いでいるような感じの時さえあるのだ…。(このカメラの動きとモノローグ、音楽を全て分解し再構築すると別の映画にさえなる気がする…)←この辺り初見なので再見するとまた別の感じをうけるかも…。
要はこの視点が曲者で感情移入を排した、(よい意味での)居心地悪さなのかもしれない。
仮に宇宙の起源、生命の誕生、進化の系譜などのイメージ部分を全て取り除いたら「どのような映画」になるかというと「1950年代のテキサスで暮らす厳格な父と慈愛に満ちた母、そして子供たちの家族の話。それを回想する(成功したと思しき)長男ジャック(ショーン・ペン)」
恐竜が別の恐竜の頭を踏み潰そうとした瞬間、思いとどまらせたものは?ふと思いとどまった?NatureとGraceとの境界線?
この恐竜のシークエンスに出てきた川と子供たちが遊ぶ川は構図的にもイメージ的にも同じ川のように思える。
恐竜のシークエンスと同じく父親に反発するジャックがNatureとGraceとの境界線で揺れ動くシーンが何度もある(車を修理している父親に殺意を抱くシーン、留守宅の家に侵入して下着を盗み川に捨てるシーンなど…)
ブラピそっくりの次男は性格が寵愛に満ちた母親に似て、逆に全く似ていない長男は、その存在自体を疎ましく思い忌み嫌っていた父親に似ている(ここは父親が工場を解雇された後のシーンで長男に「つらくあたって悪かった」「僕は父さんに似ている」に連なる)

そして子供の時の自身に導かれてジャックはある場所に出る(生命の海?)

Excuse
いろいろな解釈があると思うのでパンフレットも各批評も読まずに第一インプレッションで記載しました。(✿╹◡╹)< さあ、いろいろ読むぞー


追記(2011_8_19)
フィルム上映で再見。先にデジタルで見た為か全体に彩度が低い気が…(もしかするとプリントによるもの?) 樹々の黄みが足りなかったり暗部がつぶれていたり。監督の意図した本当の色彩状態は?

(今思うと)海外で告知第2弾として発表されていた下記ポスターにほぼ全てのポイントとなるシーンが出ていました。

Tree_of_life2

ツリー・オブ・ライフ 公式サイト
http://www.movies.co.jp/tree-life/

The Tree Of Life (Original Motion Picture Soundtrack)

天国の日々 [DVD]

シン・レッド・ライン 【VALUE PRICE 1500円】 [DVD]

ニュー・ワールド コレクターズ・エディション [DVD]

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2011-08-02

人生すべからく喜劇。阪本順治監督『大鹿村騒動記』

注・内容、台詞に触れています。
「人生すべからく喜劇」とはこれが遺作となった原田芳雄さんの言葉。阪本順治監督『大鹿村騒動記』は90分間というタイトな時間に「楽しい映画的至福なる瞬間」が溢れた見事な喜劇。共演陣は佐藤浩市松たか子ら普段から原田邸でごはんを食べていた人たち。そこからくる自然な芝居はアドリブなのか素なのか判らないぐらいの掛け合いを生み出しています。他に三國連太郎、石橋蓮司、瑛太、でんでん、小野武彦ら豪華キャスト。脚本・荒井晴彦、阪本順治。主題歌は「太陽のあたる場所」忌野清志郎

物語・南アルプスの麓にある長野県大鹿村で鹿料理店「ディア・イーター」を営む風祭善(原田芳雄)は300年以上の歴史を持つ村歌舞伎の花形役者。しかし実生活は妻・貴子(大楠道代)を幼なじみの友人治(岸部一徳)に駆け落ちされて今は独り身暮らし。公演を5日後に控えた、ある日その貴子と治が村に帰ってくる。そして…。

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Memo
原田芳雄さんの言葉、「人生すべからく喜劇」以外にも「面白いの向こう側に可笑しみ(おかしみ)がある」「真剣に遊ぶ」。そして2週間、オールロケで作られた本作に対しての言葉「撮影そのものが一つの騒動記
阪本順治監督曰く「今回の世界観はフェリーニ!」(「アマルコルド」を念頭に置いて)
演じられる演目は「六千両後日文章 重忠館の段」。本公演時に撮ったのかと思ってたらエキストラを入れて2日間で撮影されたと知ってビックリ。(なお、本作のきっかけとなった大鹿歌舞伎を舞台としたドラマ「おシャシャのシャン!」が今年DVD化されています)
シナリオ8月号に掲載された脚本と実際の作品とで違う部分(これ、きっとアドリブで演じたんだろうなぁ、と思うと頬がゆるみます)
例えば(ラスト近く)
・馬鹿踊りを(実際に)原田・岸部で戯れながら店の前を歩く(獅子舞のように連なって←創作?)。それを見て雷音(冨浦智嗣)が「何してるんですかぁー」
・織井美江(松たか子)が東京にいる恋人に会いに行こうとするのを佐藤浩市演ずるバス運転手・一平が「行かせねぇ」と言って阻止するシーン。バスの乗客に「目、つぶってろ」
・そのバス停近くで大楠、岸部、原田の3人。
治ったと思った認知症がまた再発病した大楠を追いかける岸部、それを追いかける原田。
(シナリオはここで終わるが)ラストに原田のひと言「あれぇ?」

映画『大鹿村騒動記』公式サイト
http://ohshika-movie.com/

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いつか晴れるかな  (ポプラ文庫)

おシャシャのシャン!【DVD】

シナリオ 2011年 08月号 [雑誌]


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