青山真治監督『東京公園』
小路幸也原作の小説『東京公園』を『サッド ヴァケイション』以来およそ4年ぶりの長編作となる青山真治監督が映画化。奇妙な撮影依頼を受けたことをきっかけに、カメラマン志望の青年と周囲の女性たちとの関係が微妙に変化していく様子を描く。主人公・光司を演じるのは『君に届け』の三浦春馬。彼の義理の姉に小西真奈美、親友の元カノ(富永)を榮倉奈々、彼が依頼をうけて写真を撮る(こととなる)女性(百合香)を井川遥が演じている。
Red Oneによるデジタル撮影が素晴しい!(これは「ソーシャル・ネットワーク」以来、日本映画では初めて「おー」と唸ってしまった)。被写界深度の浅いRed Oneカメラの特性を活かしきった絵作りにも感嘆。
そして驚いたシーン2点 >>> フィックスできっちりと撮られた絵の中に突如ハンディカメラに変わり井川遥(百合香)に近づいていく時はドキドキしました。またほんの少しズレただけでピントが合わなくなるRed Oneで(群像7月号対談記事でも取り上げられていた)ラスト近くのソファで立ち上がって→小西真奈美の手を三浦春馬が引っ張って座らせる→その一連の流れを流麗にパンしているすごさ(スーっと動いている)。撮影は月永雄太(「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」)。
※Memo(ホントにメモ)
●榮倉奈々演じる富永の映画趣味
劇中映画「吸血ゾンビの群れ」、加藤泰、「瞼の母」、長谷川伸、「リップスティック」、ロメロ、「ゾンゲリア」。富永、やっぱり変だよー(笑)
●光司が使っていたのはMacBookPROにアプリが「iPhoto」
●デジタルとアナログの違い
奇妙な撮影依頼をしてくるの高橋洋演じる初島と光司の会話
「ネガをよこせ」
「デジタルだからネガなんてありませんよ」
●言及されている小津安二郎監督・想起のシーンの数々。その中で特に印象的なのが「こたつのシーン」。
前述の群像記事によると「薄手の木箱2個ぐらいをかませた高さ」だそうです。
●グリフィス、小津、マキノ、フォード(この映画のキーポイント)
●小津監督と共に成瀬巳喜男監督・想起もいくつか(やはり監督が「すばる」での対談で「山の音」に言及)
●(こちらも監督が言及→)百合香(井川遥)が光司(三浦春馬)に撮影されていることに気づいたのは大島の前。
●ラストの台詞
「公園みたいな人だね、君は」
映画 | 東京公園 | 公式サイト
http://tokyo-park.jp/
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