« デヴィッド・フィンチャー監督『ドラゴン・タトゥーの女』(The Girl with the Dragon Tattoo) | トップページ | アンドリュー・ニコル監督『TIME/タイム』 »

2012-02-18

沖田修一・監督『キツツキと雨』或いはキコリとゾンビとカントクと。

注・内容、台詞に触れています。
「南極料理人」の沖田修一監督による『キツツキと雨』。脚本は沖田修一・守屋文雄。出演は役所広司小栗旬高良健吾嶋田久作平田満伊武雅刀山崎努、他

物語・人里離れた山村に住む克彦(役所広司)は森林で木々を伐採する、いわゆる木こり。妻に先立たれ、定職に就かない息子(高良健吾)と二人暮らしをしていた。ある日、仕事の途中、映画の撮影で山に来た青年、幸一(小栗旬)と出会う。車が溝に嵌って身動きが取れない幸一らを撮影現場まで送ると、ゾンビのメイクをされエキストラ出演するハメに。嫌がりながらも内心はまんざらでもない克彦は、やがて幸一の姿に息子と自分自身を重ねるようになり…。(green部分、goo映画より抜粋)

Kikori_zombie

Memo1
ミイラ取りがミイラではなくゾンビ取りがゾンビにといった感じで(ゾンビにとり憑かれるわけでなく)映画撮影にとり憑かれるプロセスが面白い(そして、描かれ方がとても丁寧)
フィックスで撮られた画をきっちりとした編集で繋ぐ、その点からしても丁寧(逆に劇中劇がかなりのグダグダ感なところもよい)
撮影が素晴しいなぁ、と思ったら月永雄太さんでした。「東京公園」「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」ですっかりお気に入りの撮影監督です。デジタルカメラによる撮影は現在の日本映画においてダントツじゃないかなぁ…→(デジタルゆえのピント合わせやデータ変換時の色彩調整に対しての勘というかセンス)

Memo2
小さいエピソードの積み重ね
木で作った将棋台で将棋をさす克彦と幸一。海苔をムシャムシャ食べながら(←とてもイイ)←これが、ラストの息子(実は同じ幸一という名前)と将棋をさすシーンへと繋がる。
そして、この台詞
「なんか、この駒ベトベトしてない」
幸一登場シーンでの台詞
「え?」
助監督が何かを言っている。
チェーンソーの音で聞こえない。
そしてラストカットを撮影前に雨に降られ困っている幸一は一瞬、声を聞く
「晴れるよ」
隠れ家的露天風呂で遭遇する克彦と幸一。2回出てくるシーン。ふたりの距離のつめ方のメリハリが楽しい。
洗濯ものをたたむ克彦が正座してたたんでいたり、海苔を指先にちょんとくっつけてご飯にのせ食べる親子の仕草とか些細なディティールも楽しい( ´ ▽ ` )
あ、ラストシーンの木で作ったディレクターズチェアも。

映画『キツツキと雨』公式サイト
http://kitsutsuki-rain.jp/

映画「キツツキと雨」ロケ地めぐり|ぎふの旅ガイド
http://www.kankou-gifu.jp/feature/cinema/

|

« デヴィッド・フィンチャー監督『ドラゴン・タトゥーの女』(The Girl with the Dragon Tattoo) | トップページ | アンドリュー・ニコル監督『TIME/タイム』 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 沖田修一・監督『キツツキと雨』或いはキコリとゾンビとカントクと。:

» キツツキと雨 [LOVE Cinemas 調布]
『南極料理人』でヒットを飛ばした沖田修一監督最新作。今回の舞台は山間の小さな山村だ。そこで林業を営む男と、そこにゾンビ映画を撮りに来た新人監督が何故か心を通わせていく姿をハートフルかつユーモアたっぷりに描いている。主演は『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』の役所広司。共演に小栗旬、山崎努、古舘寛治、高良健吾ら若手ベテランの実力派が出演している。... [続きを読む]

受信: 2012-02-18 20:36

» キツツキと雨 [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。沖田修一監督、役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、古舘寛治、嶋田久作、平田満、山崎努、 りりィ、伊武雅刀。岐阜県の山奥を行く明知鉄道付近でロケする映画ク ... [続きを読む]

受信: 2012-02-18 20:42

» キツツキと雨 [とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver]
村にいる木こりは役所広司で、3年前に妻を亡くした60歳だ。映画監督役の小栗旬は自信がなく、まわりのスタッフになんとか助けられて仕事ができている。出会うはずのない二人がだんだんと親しくなって、映画監督が一人前になる様子をコメディタッチで描いている。わては、大声... [続きを読む]

受信: 2012-02-18 21:32

» キツツキと雨 [花ごよみ]
ある村で木こりとして、 暮らす男には役所広司、 気の弱い映画監督には小栗旬。 この二人の出会いから物語は始まります。 監督は沖田修一。 共演は高良健吾、嶋田久作、 平田満、伊武雅刀、山崎努… ある山村に、映画の撮影隊が訪れる。 映画の撮影の手助けをするこ...... [続きを読む]

受信: 2012-02-18 21:40

» キツツキと雨/役所広司、小栗旬 [カノンな日々]
「木こり」って言葉、久々目にした気がするし、こうしてタイプするのもかなり新鮮な気分ですね(笑)。人里離れた山村にゾンビ映画の撮影にやってきた自信なさげな新人映画監督が木 ... [続きを読む]

受信: 2012-02-18 22:13

» 『キツツキと雨』 [ラムの大通り]
----確かこの映画って、 去年の東京国際映画祭で話題になっていた作品だよね。 「そう。 『南極料理人』で一躍脚光を浴びた沖田修一監督作品。 もとより、映画祭は映画が好きでたまらない人々の祭典だから、 よけいにこの映画は受けたんだろうね」 ----どういうところが...... [続きを読む]

受信: 2012-02-18 23:48

» キツツキと雨 [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評]
キツツキと雨(役所広司、小栗旬出演) [DVD]クチコミを見るきこりと新人監督との異業種交流を描くハートウォーミング・ドラマ「キツツキと雨」。時に非常識で傍若無人な映画作りの妙 ... [続きを読む]

受信: 2012-02-18 23:56

» 『キツツキと雨』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「キツツキと雨」□監督・脚本 沖田修一 □脚本 守屋文雄 □キャスト 役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、古舘寛治、嶋田久作、平田満、伊武雅刀、山崎努■鑑賞日 2月11日(土)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆...... [続きを読む]

受信: 2012-02-19 10:18

» 「キツツキと雨」 [てんびんthe LIFE]
「キツツキと雨」試写会 一ツ橋ホールで鑑賞 2012-012 「南極料理人」の沖田修一監督が、老年の木こりと気の弱い映画監督の出会いから成長を役所広司と小栗旬の初共演で描いた作品。 「南極料理人」結構好きでした。 料理もおいしそうだったし堺正人が良かったです。 今回この演技派のおじさんと旬な役者小栗旬の競演、魅力的だと思いました。 ストーリーそのものはなんてことのない話なのですが、BGMもほとんどなく、静かなんだけど、ものすごく笑わせます。 間のとり方がものすごく上手。 間のとり... [続きを読む]

受信: 2012-02-20 15:41

» キツツキと雨 [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
人里離れた山村にゾンビ映画の撮影にやってきた青年と、そこに暮らす父親のような木こりの男のふれあいを、ユーモアを交えて描いたハートフルドラマ。監督は「南極料理人」の沖田 ... [続きを読む]

受信: 2012-02-22 12:07

» 映画「キツツキと雨」ただ懸命に取り組むこと、ただそれだけ [soramove]
「キツツキと雨」★★★☆ 役所広司、小栗旬、高良健吾、 臼田あさ美、伊武雅刀出演 沖田修一 監督、 129分、2012年2月11日公開 日本,角川映画 (原題:キツツキと雨 ) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「ある日、ゾンビ映画の撮影隊が村にやってきた、 監督らしくない若い監督と 山仕事をしていた男の奇妙な関係が やがて村全体... [続きを読む]

受信: 2012-02-23 06:54

» 「キツツキと雨」感想 [新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~]
 「南極料理人」の沖田修一監督・脚本。役所広司・小栗旬主演。無骨な木こりと新人映画監督の、奇妙な出逢いと交流を描くハートフル人情コメディ。  映画の撮影に偶然巻き込まれ、そのままなし崩し的に協力。いつしか村民全員が参加しての一大ロケに発展…という、ある意... [続きを読む]

受信: 2012-02-24 22:14

» 木こりと監督 [笑う学生の生活]
15日のこと、映画「キツツキと雨」を鑑賞しました。 田舎 人里離れた山村、映画撮影のために訪れた若い監督 幸一 妻が亡くなり 息子2人暮らしの木こり 克彦は撮影を手伝うはめになり・・・ なんともほのぼので クスッと笑え、ほっこり温かくなる 日本映画らしさが 木...... [続きを読む]

受信: 2012-02-25 09:46

» 「キツツキと雨」 やるの?やんないの? [はらやんの映画徒然草]
「やるの?やんないの?」 新人映画監督、田辺幸一(小栗旬さん)にカメラマンが言う [続きを読む]

受信: 2012-02-26 17:25

» キツツキと雨 [映画的・絵画的・音楽的]
 『キツツキと雨』を吉祥寺バウスシアターで見ました。 (1)この映画は、出演者の好演もあって、まずまずの仕上がりではと思いました。  といっても、新人の映画監督と木こりとが交流を深めていく中でお互い成長するという話がメインであって、マアありきたりといえばあ...... [続きを読む]

受信: 2012-02-28 22:09

» 『キツツキと雨』 (2011) / 日本 [Nice One!! @goo]
監督: 沖田修一 出演: 役所広司 、小栗旬 、高良健吾 、臼田あさ美 、古舘寛治 第24回東京国際映画祭 審査員特別賞受賞作品 公式サイトはこちら。 昨年TIFFのコンペで来てたのは知ってたんですが、舞台挨拶もあってチケ取りが激戦になると予想、一般公開...... [続きを読む]

受信: 2012-03-11 15:53

» キツツキと雨(2012-025) [単館系]
「南極料理人」の沖田修一監督が、無骨な木こりと気の弱い映画監督の 出会いから生まれるドラマを役所広司と小栗旬の初共演で描く。 とあるのどかな山村に、ある日突然、ゾンビ映画の撮影隊がやってくる。 ...... [続きを読む]

受信: 2012-03-28 22:33

» 「キツツキと雨」(2011 角川) [事務職員へのこの1冊]
鶴岡まちなかキネマは文字どおり街にすっかり定着したようで、平日の一回目、しかもメ [続きを読む]

受信: 2012-04-13 00:05

« デヴィッド・フィンチャー監督『ドラゴン・タトゥーの女』(The Girl with the Dragon Tattoo) | トップページ | アンドリュー・ニコル監督『TIME/タイム』 »