3Dよりも立体視できる美しさ。レフ・マイェフスキ監督、ルトガー・ハウアー主演『ブリューゲルの動く絵』
16世紀フランドル絵画の巨匠ブリューゲルの傑作「十字架を担うキリスト」をポーランドの鬼才レフ・マイェフスキ監督が再現『ブリューゲルの動く絵』。出演はルトガー・ハウアー、シャーロット・ランプリング、マイケル・ヨーク
物語・16世紀のフランドル地方。農村の夜明けと共に巨大な風車が動き出す。人々は目覚め、一日の仕事が始まる。スケッチブックを片手に画家ブリューゲルは村を散策する。そこへ兵士たちが馬に乗って現れ、無実の男を残虐にも車輪刑にするが殺された男の妻以外は誰も関心を払わない。この非情な光景を嘆く友人ヨンゲリンクに求められるままブリューゲルは、聖書にあるキリスト受難の物語を再現してみせるのだった。(Brown部分、goo映画より抜粋)
※Memo
●いくつものレイヤーが合成されて動く様子に目が点。3Dよりも立体視できる美しさ。これは今後のアート系絵画映画の扉を開いた作品。
●ブリューゲルさん(あえて「さん」付けで)による「十字架を担うキリスト」の解説という贅沢さ(なによりも人物の配置や構図について本人が語るのですから!)。観終わってから「絵」を見ると風車小屋の小さな人影からゴルゴダの丘の人垣、その他様々なエピソードの集約が込められていることがわかる。
●映画の中に絵画、動き出す絵画、思い出したのが油絵と実写によるレイヤー、エリック・ロメール監督「グレースと公爵」、そして黒澤明監督「夢」のゴッホエピソード。ピーター・グリーナウェイ監督作品も(初期段階のHD使用によるBOOKを動かした「プロスペローの本」など)
●「Roger Ebert's Top 20 Movies of 2011」で【ブリューゲルの動く絵】(THE MILL & THE CROSS)は19位にランクインしていました。
●大島依提亜さんデザインによるパンフレットが超絶仕様(ボール紙金色特色折り返して「十字架を担うキリスト」美麗印刷)←本編後のチェックに◎
上記写真、表紙が傷んでいるようで見えますが実はそういった造りになっている手の込み具合。本文Critiqueも読み応えあり。
映画『ブリューゲルの動く絵』公式サイト
http://www.bruegel-ugokue.com/
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