スティーヴ・マックィーン監督『SHAME シェイム』"New York, New York"…
注・内容、台詞に触れています。
ヴェネチア国際映画祭主演男優賞を受賞したマイケル(ミヒャエル)・ファスベンダーと「17歳の肖像」のキャリー・マリガンによる衝撃作『SHAME シェイム』監督は長編映画2作目のスティーヴ・マックィーン。
物語・ブランドンは上司に認められる有能な会社員。外見も魅力的で、洒落たマンションにひとりで暮らす彼は仕事以外の全ての時間を“セックス”に注ぎ込んでいる。プロの女性を買い、時には行きずりの女性と駐車場で事におよびアダルトサイトを常に閲覧するという毎日を送っていた。ある日、妹のシシーが突然転がり込んでくる。人との繋がりを持たず感情を排して生きてきた彼は、愛を渇望し感情をあらわにするシシーの出現に心乱される。(Darkgreen部分、goo映画より抜粋)
※Memo1
●冒頭、留守電に出ないブランドンが部屋の周りを回るシーンが2回。あきらかに、ある種の情緒を欠く感じが伝わってくる。続く地下鉄での視線。じっと斜め前に座る女性(Cast表記ではWoman on Subway Train)を見つめる(ブランドンがハンサムなので女性も、やや困惑気味もまんざらではない)そして…。←このシーンはラストにも繋がる。
●まあ、とにかくモテるのが判るシーンが何回かある(バーで上司がナンパをしにいった後にすっと現れたブランドンを見る女性の視線が瞬時に変った)。そう、この映画は視線の映画でもあるのだ。(もちろんセックス依存とコミュニケーション不全と空虚さを纏う物語でもある←オフィスの空虚感、上司や働く人を含めすごい…←ぎりぎりで保っているとも言える?)
●そして(幾度と無く出てくる)地下鉄の中の孤独とでも呼ぶべきシーン。誰もが黙ったまま(そして何かを視ている)。サウンドデザインが絶妙(小さく耳障りな音が入っていると推測←爆音上映レベルの音響必要かも)
●キャリーマリガン演ずるシシー("New York, New York" を歌うシーン、秀逸!)とブランドン。あきらかに顔が似ていないのでおそらく親が違うし以前(過去)何かがあったのが解るが説明的な台詞はない(リストカットの跡や感情から大凡の事はわかるが…)
●終盤近く…
シシーの電話越しの台詞
「私たちは悪い人間じゃないわ」
「いた場所が悪いのよ」
※Memo2
●劇場を出てからも音楽がループし続けた印象的なSoundtrack(この映画全体を覆う不穏な空気を創りだした素晴しい音たち)を手掛けたのはハリー・エスコット(Harry Escott)「ハードキャンディ」の音楽もですね(繋がっている?意味深にw)
あ、劇中、グレン・グールドの楽曲も!
●撮影はショーン・ボビット(Sean Bobbitt)
マイケル・ウィンターボトム監督「ひかりのまち」でロンドンの夜の街を写しだした人(←この作品もマイケル・ナイマンの音楽と画がループ)ちなみにマイケル・ナイマンの娘、モリー・ナイマンとハリー・エスコットコラボで音楽を担当した「マイティ・ハート/愛と絆」の撮影もSean Bobbitt(なんだか全部繋がっている)
映画『SHAME -シェイム-』公式サイト
http://shame.gaga.ne.jp/
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