"もも"とオジサン“妖怪3人組” 沖浦啓之監督『ももへの手紙』
注・内容、台詞に触れています。
沖浦啓之監督が約12年ぶりに手掛けた劇場用長編第2作『ももへの手紙』(製作はプロダクションI.G)。声の
出演は美山加恋、優香、西田敏行、山寺
宏一、チョー。主題歌はサザンオールスターズの原由子。
物語・小学校6年生のももは、夏のある日、母に連れられ瀬戸内海に浮かぶ汐島に向かっていた。父を突然の事故で亡くしたももは、母のいく子がかつて暮らした島に引っ越してきたのだ。喧嘩をしたまま、仲直りする間もなく父と永遠の別れが訪れたため、ももは心の中にわだかまりを抱えたままだった。瀬戸内の穏やかな風景の中で新生活を始めたももの身の回りで、やがて奇妙な事件が起こりはじめる。そして突然3人組の妖怪が現れて…。(Blue部分、goo映画より抜粋)
※Memo1
●いいなぁ( ´ ▽ ` )/ 感動作という表現より"コメディ要素を持ったフランク・キャプラ作品的物語"印象をうけた。その辺りと"だいだらぼっち"やイノシシ(襲ってくるシーンなど特に)、妖怪などの既視感で「観たことあるなぁ」と捉えられてしまいがちだが、すごく丁寧に造形されたすぐれたアニメーション。舞台設定が島(瀬戸内、大崎下島がモデル)というところもよい(限定することで軸がブレない。またラストの橋のシーンがいきる。←橋を渡った側のシーンを出していないところからも、監督の意図が見て取れる)
●オジサン“妖怪3人組”
黄表紙からモチーフとした百鬼夜行的妖怪の造形が"パッと見"気持ち悪いのだが物語が進むにつれ愛着がわいてくる。(そして最初怖がっていた、ももが元気を取り戻していくことともなる)
(監督インタビュー曰く旧・ソ連映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」からおじさんっぽい妖怪にしたかったとのこと)
イワ、カワ、マメ。イワに西田敏行、カワに山寺宏一ともうピッタリなボイスキャスト(体型から想起?)
マメの声を演じたチョーさん、「ONE PIECE」ブルック役、『ロード・オブ・ザ・リング』吹替え版でゴラム役をやっていた方なのですね(三人の妖怪のアクセントになっていて、すごくよかったなぁ)。優香、美山加恋のキャスティングもマッチしている。
●父親が残した「ももへの手紙」
便箋の最初にたった"一文字"。
「ももへ」
「へ」を「は」に書き換えて"天界"へ送り返すイワ(三人組妖怪。実は、そういう役目を持ってももの元へやってきた見守り組としての"二級天使"のような役回り)←その報告書をマメが作った書き出しと勘違いして「いかんなぁ。書き出しから間違えとる。そう言って「へ」を塗りつぶし「は」に変えて、こう続ける。
「ももは元気です」
この文面が布石となって、ちょっと"クスっと"そして"クシュッと"させてくれる素敵なエンディングへと繋がる。
●ももとの台詞
クライマックスへ繋がるマメのひと言。
「オイラやっていいことと悪いことの区別がつかないから、いいよ」
ラスト、ももとカワの会話
「絶対忘れないから」
「これだから女は信用できないんだ」
※Memo2
●監督・沖浦啓之、作画監督・安藤雅司、美術監督・大野広司の磐石たるスタッフで描かれる世界はいわゆる"影付きアニメ"とは違ったリアルな動き(風になびく髪の毛、動作から生じる服のシワ)とコミカルさを含むファンタジー性を共存させて素晴しい。
●主題歌:原由子「ウルワシマホロバ ~美しき場所~」
『ももへの手紙』公式サイト
http://momo-letter.jp/
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監督: 沖浦啓之
出演(声): 美山加恋 、優香 、西田敏行 、山寺宏一 、チョー
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−監督−
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−絵コンテ−
沖浦啓之
−原案−
沖浦啓之
−脚本−
沖浦啓之
−主題歌−
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−制作−
プロダクション I.G
−声の出演−
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