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2012-05-27

ウディ・アレン監督『ミッドナイト・イン・パリ』(Midnight in Paris)

注・内容、台詞に触れています。
ウディ・アレン
の監督生活47年、監督作42本目にして自己最高の興行成績を樹立した『ミッドナイト・イン・パリ』本作でゴールデン・グローブ賞の脚本賞を受賞。アカデミー賞では作品・監督・脚本・美術の主要4部門にノミネート(脚本賞で受賞)

物語・映画脚本家のギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)の父親の出張に便乗して憧れのパリにやってきた。脚本家として成功していたギルだが虚しさを感じ、現在は本格的な作家を目指して作品を執筆中だ。そんなギルの前にイネズの男友達ポールが出現。心中穏やかでないギルだが真夜中のパリの町を歩いているうち、1920年代にタイムトリップしてしまう。そこはヘミングウェイ、ピカソ、ダリなど、ギルの憧れの芸術家たちが活躍する時代だった。(TurquoiseBlue部分、goo映画より抜粋)

Mip_woody

Memo1
冒頭、Sidney Bechet "Si tu vois ma mère"が流れる中、パリ観光案内の趣で約3分間。
朝の人通りの少ない時からお昼、しとしととした雨、土砂降りの雨、雨上がりの補導、夕暮れのパリ、夜のシャンゼリゼ通りやエッフェル塔…。観客を街自体が魅惑的なパリへと誘う(いざなう)
※一瞬ですが映画館もしっかり映していますよ。
真夜中を告げる鐘の音
座り込んでいたギルの目の前にビンテージなプジョー
そしてついて行った先にはギルが憧れていた1920年代のパリが。(この辺りの説明なしでスッとタイムスリップしても違和感なく描かれているのはアレンならでは)
フィッツジェラルドとゼルダ、ヘミングウェイ、コール・ポーター…数多くの芸術家たち。
そしてヘミングウェイに連れられて行ったサロンでピカソとその愛人アドリアナ(マリオン・コティヤール)と出会う。

1番笑った台詞
ギルとアドリアナの前に馬車が表れ、連れられて行くとそこにはベル・エポックのパリが。キョロキョロと辺りを見回してマキシム・ド・パリの中へ入って行く時。
「なんて素晴しい街なんだ」
「商工会議所にお礼を言わないと」
(これウディ・アレンが言いそうな台詞で思わず脳内変換したw)
ガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)がマティスの新作を「500フランで買うことに」の台詞にギルが(驚いた顔で)「それはお買い得だ」

ギルは雨のパリを気に入っているがイネズやその母の反応はいまひとつ。そのギルの台詞。
「雨に濡れたパリが美しい」
ラスト、パリに留まることにしたギルは(コール・ポーターのレコードがかかっていたアンティークショップで知り合った)ガブリエルと偶然出会う。
そこでも、同じ台詞。
そして、あの真夜中を告げる鐘の音が…。
(昔の方がよいと思っていたギル。実は1920年代での出来事が微妙に現在を書き換えている。それがこの出会いであったり…)
そのガブリエルを演じたレア・セドゥー(レア・セイドゥ) は2本の「MIP」に出演したことに→「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」と「ミッドナイト・イン・パリ」(髪の色が違うと別人のよう)
ギルの婚約者イネズを演じたレイチェル・マクアダムスはちょっと損な役回り。しかし、これ他の役者では引っ掛かりが多すぎて過去軸の物語がぼやけてしまうので実は重要なキャスティングだったと思います。
夜な夜な出かけるギルを怪しんだ義父が頼んだ探偵がタイムスリップのオチに(乗る車か馬車で行く時代が変わる?w)

Memo2
ウディ・アレン監督、見た目の印象からあまりインタビューなどを受けないと思われがちですが実はめちゃめちゃ多くのインタビューに答えていたりします。(DVDの映像特典にも、度々収録。その際に次回作などについて語っています)
特に面白かったのが「キネ旬・2012年6月上旬号」ウディ・アレン監督インタビュー(16P特集・表紙も!)
「タイムスリップできるとしたら、どの国のいつの時代」の問いに「〜(略)〜行きたいところはあるけど住みたいとは思わないんだ。だってエアコンがないところ、抗生物質がないところには住めない」(←らしい答え 笑)←しかも本編と関連ありw
ちなみに雑誌など過去ウディ・アレンの大特集が組まれたのは「マッチポイント」公開時のキネ旬2006年9月下旬号(36ページ)と月刊PLAYBOY2006年5月号「総力特集・ウディ・アレンはなぜ美女に愛されるのか」(オールカラー・37ページ)

Memo3
魅惑的なロケ地(いかにも観光地的な場所から1920年代と繋がるいわれの場所まで多数)→セーヌ河岸、オランジュリー美術館、ロダン美術館、ジヴェルニーのモネの庭園、ヴェルサイユ宮殿、マキシム・ド・パリ…
ロケ地ガイド(Film locations for Midnight In Paris)
http://www.movie-locations.com/movies/m/Midnight_In_Paris.html
ロケ地マップ(Midnight in Paris filming locations — Movie Maps)
http://moviemaps.org/movies/bw

Memo4
制作順だとひとつ前になる「恋のロンドン狂騒曲」が今年(2012年)の秋、次回作「To Rome With Love」が2013年に公開決定になっていて、一安心。既にUS版DVD(2枚組)が発売になっているドキュメンタリー映画「Woody Allen : A Documentary」も公開される模様。

※追記
「Woody Allen : A Documentary」は「映画と恋とウディ・アレン」(113分版)のタイトルで公開。

 

映画『ミッドナイト・イン・パリ』公式サイト
http://www.midnightinparis.jp/


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2012-05-23

アレクサンダー・ペイン監督『ファミリー・ツリー』(The Descendants)

注・内容、台詞、ラストに触れています。
「サイドウェイ」以来7年ぶりとなるアレクサンダー・ペイン監督作品『ファミリー・ツリー』主演は本作で第84回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジョージ・クルーニー。第84回アカデミー賞脚色賞、第69回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞および作品賞(共にドラマ部門)受賞。

物語・ハワイ・オアフ島で生まれ育った弁護士のマット(ジョージ・クルーニー)は、妻と2人の娘たちと何不自由なく暮らしていた。カメハメハ大王の血を引く彼は祖先から受け継いだ広大な原野を所有しており、それを売却し巨額の富を得るか自然を守るかの決断に迫られていた。そんな中、妻がボートの事故でこん睡状態に陥ってしまう。さらに妻には恋人がいて離婚を考えていた事が発覚する。そればかりか娘が妻の浮気を知っていたと告白、マットは動揺する…(TurquoiseBlue部分、goo映画より抜粋)

The_descendants

Memo
味わい深い傑作。アレクサンダー・ペイン監督にハズレなしとの世評通り端正な台詞とシーンの織り成すタペストリー。
原題はThe Descendants(子孫)。日本語題のファミリー・ツリーは家系図の意。かけ離れてはいないが、やはり原題のDescendantsが自分たちのルーツである祖先と土地、そして子供たち、そのまわりの家族という部分にもマッチする。
(これを見られただけでも価値アリ→)ジョージ・クルーニーのドタバタ走りとモナコGPのローズヘアピンの如きカーブをドテドテと今にも倒れそうに回りこむ姿や垣根越しにニュッとのぞく眉毛眉毛眉毛(鼻より上だけど、どうみても眉毛だけ)。でも、そういったあたふたした姿の中に良き父親になろうとするマットの姿が垣間見えてホロリとさせられる。

監督が過去作は全く見ずにオーディションのみで起用したという長女アレックスを演じたシャイリーン・ウッドリー。最初、仕事ばかりだった父親への嫌悪感いっぱいの顔から途中、浮気相手探しの中で徐々に理解していき、ついには義父の言動に対してかばう表情まで実に表現豊かで今後が楽しみ。
そのスコッティの男友達シド、ヘラヘラして何だコイツと思わせておいての実は父親を亡くしていて、あー、こいつもホントは大変なんだよねとマットにハッとさせるシーンが用意されていたりと見事な脚本(物語る妙)
こんな台詞(ボイスオーヴァーで)
(記憶で書いているので少し違うかもしれませんが)
「家族とは島のようなものだ。全体で一つを形づくりもするが、個々の島は独立している」
ラスト。
ボートの上から遺灰を海に撒く3人。流されたリース(花輪)が仲良く引っ付いたまま漂っていく。シーン変わって自宅でソファに座lり脚を前に投げ出し列んでテレビを見ているマットと次女スコッティ。次女の毛布を自分の足にもかけるマット。続いて長女もマットの隣に座ってテレビを見る。ふたりの毛布を横に広げて自分の足にもかける。仲良く並んだこのラストシーン。滲み込むように心に残る。

The_descendants_b

「ファミリー・ツリー」オフィシャルサイト
http://www.foxmovies.jp/familytree/trailer.html

「ファミリー・ツリー」公式ブログ
http://familytreejp.tumblr.com/

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2012-05-21

ジェイソン・シーゲル&エイミー・アダムス&ウォルター&カーミット&ミス・ピギー&More…『ザ・マペッツ』(The Muppets)

ジム・ヘンソンが生み出し「セサミストリート」「マペット放送局」「マペット・ショー」年代を超えて愛され続けているマペットたちの(ありえないのですが、ありえないこともないと思えてしまう)楽しい映画『ザ・マペッツ』主演は製作総指揮・脚本も兼ねたジェイソン・シーゲルエイミー・アダムス、そしてもちろんマペットたち。監督はジェームズ・ボビン。第84回アカデミー賞主題歌賞受賞作。

物語・マペットのウォルターと兄弟のゲイリー(ジェイソン・シーゲル)、そしてその恋人メアリー(エイミー・アダムス)らは3人でロサンゼルス旅行へ。ウォルターの目的は大好きなTV「マペットショー」のマペットスタジオを訪ねること。ところが、そのスタジオが買収の危機に。ウォルターはカーミットらマペットたちと買戻しに必要な費用のためにショーを行おうと計画する。そして…

Muppets

Memo1
エッ!ジェイソン・シーゲル、意外と若い…と、ビックリ。本作全体をいいトーンに包み込んだのは脚本にも関わった彼のおかげかも(あくまでも主役はマペットたちというスタンス)。そしてエイミー・アダムスとの組み合わせもいいなぁー。
(カメオ出演中のカメオ出演)ジャック・ブラックがジャック・ブラックで登場したとき「おぉぉ」と思ったと同時にマペット達が霞まないかと思ったら後半、ずっと椅子に縛られたままで笑った(と、いうか、この辺りにも製作陣のマペット愛を感じる)
あと、これだけでもお得なクリス・クーパーが子どもが泣き出さない程度の程よい悪役で登場w(しかも、唄う!→"Let's Talk About Me")
いやー、いっぱい出てるなー(カメオ出演にオドロキ)
ザック・ガリフィナーキスウィリー・ネルソンアランアーキン、そしてミッキールーニー
他にもTV局の重役を演じたラシダ・ジョーンズエミリー・ブラントジョン・クラシンスキーが(役は別々だが夫婦)仲良く出ていたり。(調べると)ビリー・クリスタルの(本人名)カメオシーンやダニートレホの囚人シーンがカットされていて残念。
そして楽曲
お馴染みの"Life's a Happy Song”が頭の中をループして巡る楽しさ!
本作のキーポイントと思う曲が"Man or Muppet" 鏡に写るゲイリー、ウォルターがそれぞれにマペットと人間として浮かび上がる中、歌われる楽曲。
そしてショーを行うため寂れてしまっていた劇場を掃除するシーンにはスターシップの「シスコはロック・シティ"We Built This City"」 や募金集めのマペットショーでニワトリたちの唄う"Forget You"と懐かしい曲も。

Memo2
Main & End TitlesはPIC AGENCY
ゲイリーとウォルターの成長を描くオープニングシークエンスが秀逸。(身長を記録する柱のしるし。伸びないウォルター。どんどん大人になっていくゲイリー。テレビで「マペッツショー」を発見して喜ぶウォルターなど)
http://www.picagency.com/
TOP→THE MUPPETS→PLAY MAIN TITLEで動画としてタイトルシークエンス全編見られます。
(鑑賞後のマペット愛増幅にどうぞ・QuickTimeによる再生)
テレ朝で放送された『マペット・ショー』でのカーミットの吹替が山田康雄さん。1981年の放送なので是非パッケージ化を希望( ´ ▽ ` )

映画「ザ・マペッツ」公式サイト
http://www.disney.co.jp/movies/muppets/

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2012-05-03

アキ・カウリスマキ監督『ル・アーヴルの靴みがき』(Le Havre)

注・内容、台詞に触れています。
「ラヴィ・ド・ボエーム」から20年ぶりのフランス語作品、そして「街のあかり」以来5年ぶりとなるアキ・カウリスマキ監督の新作『ル・アーヴルの靴みがき
出演は(お馴染みの)アンドレ・ウィルムスカティ・オウティネンジャン=ピエール・ダルッサンブロンダン・ミゲルライカ、そして唯一の"悪いひと"密告者(通報者)として(あの「大人は判ってくれない)ジャン=ピエール・レオが!(←「ラヴィ・ド・ボエーム」にも出ていましたが)

物語・かつてパリでボヘミアン生活を送っていたマルセル・マックス。今はノルマンディーの港町ル・アーヴルで靴みがきを生業に、最愛の妻アルレッティと愛犬ライカと共に暮らしている。ある日、港に漂着したコンテナに乗ったアフリカからの不法移民たちが警察に検挙されるが、ただ1人逃げ出したコンゴの少年イドリッサと偶然出会ったマルセルは少年を匿う。が、同じ頃、アルレッティが病に倒れ病院へ。そして…(Skyblue部分、goo映画より抜粋)

Le_havre

Memo1
おなじみのカウリスマキ節に頬が緩む(前作から5年。カウリスマキ成分がかなり不足していた〜)。さらに今作はなんとも素晴しいエンディングまでもってきている超絶ストーリーと語り口+「社会問題」(監督メッセージが発表されていてパンフレットにも掲載)
目の前でテロリストと思しき人物に何かが起こっても「お代はいただいてる」と関せずだったマルセルが(ふと思ったことだと思うが)イドリッサを目的地のロンドンに送ってやれないものかと奔走する(リトル・ボブ復活コンサートまでも)、いつものカウリスマキ作品にはなかった展開。(前述「社会問題」含め)
(理由としては)ひとつはイドリッサの育ちの良さ、品性のよさ(お金を返しにきた、その話し方、お皿の洗い方、ソファのベッドメイクの仕方)もあるだろうし、堤防に座って海を見ている後ろ姿を見つめてる時だったのかもしれない。(途中、難民についてのニュース映像というカウリスマキ作品に無かったシーンも挿入されている)
2008年の個人的ベストワン「画家と庭師とカンパーニュ」で庭師を演じていたジャン=ピエール・ダルッサンが出てて、これがもうめちゃめちゃいいー!(ルネ警視・役)。(聞き込み中、八百屋で買った)パイナップルを持ってカフェに現れる姿にぷっと吹いてしまった(この姿で既にいいひと←その前のコンテナを開けるシーンでも態度に現れていました)

いろいろな台詞
医師とアルレッティの会話
(不治の病と告げられて)
「奇跡が起こるしかない」
「最近、近所では起こってないわ」

靴みがきという職業についてのマルセルのひと言。
「靴みがきと羊飼いは人々のものだ」

ラスト1
(ルネ警視の助けもあり)無事イドリッサ少年をロンドンへ向かう船に乗せて、マルセルとルネ警視の会話
「私はあなたを誤解していたようだ。お詫びのしるしに一杯」
「カルヴァドスなら」
ラスト2
病院へ黄色い花を持って向かうマルセル
だが病室にはアルレッティの姿はなく、包装された洋服の包がベッドの上にぽんと置かれていた。急いで医師のもとへ。
もったいぶった言い回しで、残念だと言ってるような口ぶり←見ているこちらも一瞬「エッ」と思った、が…
そこには頼まれて持っていった(リトル・ボブ復活コンサートでその日に行けないマルセルに代わってイドリッサ少年が届けた。アルレッティと初対面の少年。この時の台詞「子供みたいな人ですから早くよくなってあげてください」)黄色い(花の柄のついた)を着たアルレッティが立っていた。
「治ったの」「奇跡が起こったのよ」
「帰りましょう」

帰宅した"ふたり"を満開の桜の花が。

Memo2
パンフレットデザインは大島依提亜さん。イドリッサ少年の着ているセーターの柄が表紙(カワイイ)。1ページめくると現れるのは奇跡の象徴的黄色い花が目に飛び込んでくる。そしてセンター、パイナップルとリトル・ボブコンサート告知に挟まれて映画シーンが高精細印刷によるカラー16ページ。総ページ数表紙含め44ページ。映画と共に完結。オススメ!

Memo3 (賞、その他)
2011年カンヌ国際映画祭では国際批評家協会賞、エキュメニック賞スペシャル・メンション、2011年シカゴ国際映画祭グランプリ、2011年ルイ・デリック賞作品賞(そして→)+愛犬ライカの名演にパルム・ドッグ審査員特別賞(パルムドッグ賞は「アーティスト」のアギーに)
カウリスマキ監督が選んだクライテリオン・コレクションTop10
Aki Kaurismäki’s Top 10 - Explore - The Criterion Collection
http://www.criterion.com/explore/163-aki-kaurismaki-s-top-10
映画「小津と語る」(1993年公開)でカウリスマキ監督出演シーンで→「76年、兄に強引にロンドンで見せられたのが「東京物語」でした。その時から私は文学への憧れを捨てて"赤いヤカン"を探すことにしました。」「ル・アーヴルの靴みがき」の中にも幾つも赤い品々が出てました。

映画『ル・アーヴルの靴みがき』公式サイト
http://www.lehavre-film.com/

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ジャド・アパトー製作、ポール・フェイグ監督『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(BRIDESMAIDS)

注・内容に触れています。
ジャド・アパトー製作『ブライズメイズ  史上最悪のウェディングプラン』主演・脚本(アカデミー賞脚本賞ノミネート)を務めたのは「サタデー・ナイト・ライブ」でブレイクしたコメディエンヌ、クリステン・ウィグ。監督はポール・フェイグ。出演はマヤ・ルドルフローズ・バーン エリー・ケンパーウェンディ・マクドレン=コーヴィメリッサ・マッカーシー(←アカデミー賞助演女優賞にノミネート、授賞式でも歓声が起きてた) 、クリス・オダウドマット・ルーカス(「アリス・イン・ワンダーランド」の双子)、ジル・クレイバーグジョン・ハム

物語・経営していたケーキ店は潰れ、男には弄ばれ、何もかも崖っぷちなアニー。そんな彼女の親友・リリアンが結婚することとなり、アニーはブライズメイドのまとめ役・メイド・オブ・オナーを任される。他の4人のブライズメイドは皆初対面だ。中でも新郎の上司の妻・ヘレンは美人でリッチ、何をやってもソツがない。ヘレンへのライバル心もあり、アニーは張り切るが失敗ばかり。リリアンとも大げんかし、まとめ役を降ろされてしまう…。(DarkPurple部分、goo映画より抜粋)

Brides_m1

Memo
ブライズメイズ >>> 結婚式での花嫁介添人のこと(全員が知り合いでない場合が多い)。式までの様々なパーティー(ブライダルシャワー、バチェラレット・パーティー)の企画や準備も任される。まとめ役であるメイド・オブ・オナーは名誉であると共に、責任も重大。ちなみに白以外のお揃いのドレスを着ることになっている→ドレスは新婦が用意してプレゼント→なので「あの"道路で◯◯◯しちゃった"事件」を起こす高級ブライダルショップでのドレス代は(ヘレンが払うような感じだが実は違うということ←ラストでリリアンの父親が「破産するかと思った」と言っている)は新婦持ち?
(日本ではあまり馴染みがないブライズメイド)ちょっと試しにgoogle画像検索で「BRIDESMAIDS」と入力。すると1億枚近い写真が!(約 97,700,000 件)…リアルブライズメイズ…(汗
それにしてもヘレンが企画した超派手な結婚式。花火、レーザー光線、水上ステージ、本物のウィルソン・フィリップスの出演…(これは、さぞ新婦両親困っただろうなぁ…と←前述台詞)

字幕監修が町山智浩さん。特に女性によるリアル下ネタが多い本作ですが、(さすが)どっかんどっかんとウケてました。※例えば「Oh, it’s happening...it happened.」→「私、道路で◯◯◯〜」に
それと→(昼間の回に女性客が多いアパトー作品はじめて見た)
アニーとヘレンのバトル(最初のブライズメイド顔合わせの時のマイクの奪い合いからリリアンの「きっと仲良くなると思う」と言われてのテニス、というかボールぶつけ合い合戦など)とアニーが知り合ったローズ巡査とのエピソードが大軸として構成されている。
この作品の素晴らしさは(見た人誰もが言ってるように)単なるギャグと下ネタのオンパレードではなくきっちりと女子の本音や友情、ヒール役で終わってしまいそうな役にも"しようがないなぁ"的着地点まで用意する脚本と演技陣の上手さにあると思います。(アカデミー賞脚本賞ノミネートも納得!)
先人ティナ・フェイに続くクリステン・ウィグ、マヤ・ルドルフ、メリッサ・マッカーシーら女性コメディアン達が素晴しい!
メリッサ・マッカーシーのテンション見たときに「オイオイオイ、ジョン・ベルーシかよ」と思わずツッコミをいれたくなった怪演(ブライダルショップ、飛行機の中、多数の犬を乗せて走り去るパーティー後の車、そしてエンドクレジットw)に拍手。で、実に本質的なことを言ってアニーを励ます"いい奴"
クリステン・ウィグが「ヒックとドラゴン」の声って、どの役?ということで調べてみたらタフとラフ兄妹のラフの声でした。
ジル・クレイバーグが母親役。(これは、この作品からの意図的キャスティング?)→「結婚しない女」!と、あの傑作「大陸横断超特急」に出演。これを書いていて知り驚きましたが2010年白血病で死去。本作が遺作となりました。

今年のMTVムービー・アワード2012に8部門でノミネート(発表は6月3日の予定)

秀逸なポスターとコピー

Brides_m2

映画「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」
オフィシャルサイト

http://bridesmaidsmovie.jp/


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