« ジャド・アパトー製作、ポール・フェイグ監督『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(BRIDESMAIDS) | トップページ | ジェイソン・シーゲル&エイミー・アダムス&ウォルター&カーミット&ミス・ピギー&More…『ザ・マペッツ』(The Muppets) »

2012-05-03

アキ・カウリスマキ監督『ル・アーヴルの靴みがき』(Le Havre)

注・内容、台詞に触れています。
「ラヴィ・ド・ボエーム」から20年ぶりのフランス語作品、そして「街のあかり」以来5年ぶりとなるアキ・カウリスマキ監督の新作『ル・アーヴルの靴みがき
出演は(お馴染みの)アンドレ・ウィルムスカティ・オウティネンジャン=ピエール・ダルッサンブロンダン・ミゲルライカ、そして唯一の"悪いひと"密告者(通報者)として(あの「大人は判ってくれない)ジャン=ピエール・レオが!(←「ラヴィ・ド・ボエーム」にも出ていましたが)

物語・かつてパリでボヘミアン生活を送っていたマルセル・マックス。今はノルマンディーの港町ル・アーヴルで靴みがきを生業に、最愛の妻アルレッティと愛犬ライカと共に暮らしている。ある日、港に漂着したコンテナに乗ったアフリカからの不法移民たちが警察に検挙されるが、ただ1人逃げ出したコンゴの少年イドリッサと偶然出会ったマルセルは少年を匿う。が、同じ頃、アルレッティが病に倒れ病院へ。そして…(Skyblue部分、goo映画より抜粋)

Le_havre

Memo1
おなじみのカウリスマキ節に頬が緩む(前作から5年。カウリスマキ成分がかなり不足していた〜)。さらに今作はなんとも素晴しいエンディングまでもってきている超絶ストーリーと語り口+「社会問題」(監督メッセージが発表されていてパンフレットにも掲載)
目の前でテロリストと思しき人物に何かが起こっても「お代はいただいてる」と関せずだったマルセルが(ふと思ったことだと思うが)イドリッサを目的地のロンドンに送ってやれないものかと奔走する(リトル・ボブ復活コンサートまでも)、いつものカウリスマキ作品にはなかった展開。(前述「社会問題」含め)
(理由としては)ひとつはイドリッサの育ちの良さ、品性のよさ(お金を返しにきた、その話し方、お皿の洗い方、ソファのベッドメイクの仕方)もあるだろうし、堤防に座って海を見ている後ろ姿を見つめてる時だったのかもしれない。(途中、難民についてのニュース映像というカウリスマキ作品に無かったシーンも挿入されている)
2008年の個人的ベストワン「画家と庭師とカンパーニュ」で庭師を演じていたジャン=ピエール・ダルッサンが出てて、これがもうめちゃめちゃいいー!(ルネ警視・役)。(聞き込み中、八百屋で買った)パイナップルを持ってカフェに現れる姿にぷっと吹いてしまった(この姿で既にいいひと←その前のコンテナを開けるシーンでも態度に現れていました)

いろいろな台詞
医師とアルレッティの会話
(不治の病と告げられて)
「奇跡が起こるしかない」
「最近、近所では起こってないわ」

靴みがきという職業についてのマルセルのひと言。
「靴みがきと羊飼いは人々のものだ」

ラスト1
(ルネ警視の助けもあり)無事イドリッサ少年をロンドンへ向かう船に乗せて、マルセルとルネ警視の会話
「私はあなたを誤解していたようだ。お詫びのしるしに一杯」
「カルヴァドスなら」
ラスト2
病院へ黄色い花を持って向かうマルセル
だが病室にはアルレッティの姿はなく、包装された洋服の包がベッドの上にぽんと置かれていた。急いで医師のもとへ。
もったいぶった言い回しで、残念だと言ってるような口ぶり←見ているこちらも一瞬「エッ」と思った、が…
そこには頼まれて持っていった(リトル・ボブ復活コンサートでその日に行けないマルセルに代わってイドリッサ少年が届けた。アルレッティと初対面の少年。この時の台詞「子供みたいな人ですから早くよくなってあげてください」)黄色い(花の柄のついた)を着たアルレッティが立っていた。
「治ったの」「奇跡が起こったのよ」
「帰りましょう」

帰宅した"ふたり"を満開の桜の花が。

Memo2
パンフレットデザインは大島依提亜さん。イドリッサ少年の着ているセーターの柄が表紙(カワイイ)。1ページめくると現れるのは奇跡の象徴的黄色い花が目に飛び込んでくる。そしてセンター、パイナップルとリトル・ボブコンサート告知に挟まれて映画シーンが高精細印刷によるカラー16ページ。総ページ数表紙含め44ページ。映画と共に完結。オススメ!

Memo3 (賞、その他)
2011年カンヌ国際映画祭では国際批評家協会賞、エキュメニック賞スペシャル・メンション、2011年シカゴ国際映画祭グランプリ、2011年ルイ・デリック賞作品賞(そして→)+愛犬ライカの名演にパルム・ドッグ審査員特別賞(パルムドッグ賞は「アーティスト」のアギーに)
カウリスマキ監督が選んだクライテリオン・コレクションTop10
Aki Kaurismäki’s Top 10 - Explore - The Criterion Collection
http://www.criterion.com/explore/163-aki-kaurismaki-s-top-10
映画「小津と語る」(1993年公開)でカウリスマキ監督出演シーンで→「76年、兄に強引にロンドンで見せられたのが「東京物語」でした。その時から私は文学への憧れを捨てて"赤いヤカン"を探すことにしました。」「ル・アーヴルの靴みがき」の中にも幾つも赤い品々が出てました。

映画『ル・アーヴルの靴みがき』公式サイト
http://www.lehavre-film.com/

|

« ジャド・アパトー製作、ポール・フェイグ監督『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(BRIDESMAIDS) | トップページ | ジェイソン・シーゲル&エイミー・アダムス&ウォルター&カーミット&ミス・ピギー&More…『ザ・マペッツ』(The Muppets) »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アキ・カウリスマキ監督『ル・アーヴルの靴みがき』(Le Havre):

» ル・アーヴルの靴みがき [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評]
フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキの新作「ル・アーヴルの靴みがき」は心温まる現代のおとぎ話。移民問題を“善意”を主人公に描ききる名人芸に唸る。フランス北部の港町ル・ ... [続きを読む]

受信: 2012-05-04 08:10

» ル・アーヴルの靴みがき/Le Havre/庶民の優しさと強かさが小気味良い [LOVE Cinemas 調布]
フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ監督がフランスの移民問題をテーマに描くヒューマンドラマだ。ひょんなことから不法移民のアフリカ人少年を匿うことになった主人公は近所の人々と協力して彼をロンドンに送るべく奮闘するのだが…。主演はアンドレ・ウィルム、共演にカティ・オウティネンほか。... [続きを読む]

受信: 2012-05-05 00:01

» ル・アーヴルの靴みがき [風情♪の不安多事な冒険 Part.5]
 フィンランド&フランス&ドイツ  ドラマ&コメディ  監督:アキ・カウリスマキ  出演:アンドレ・ウィルム      カティ・オウティネン      ジャン=ピエール・ダ ... [続きを読む]

受信: 2012-05-07 14:11

» 『ル・アーヴルの靴みがき』・・・ ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2011年:フィンランド+フランス+ドイツ合作映画、アキ・カウリスマキ監督、アンドレ・ウィルム、カティ・オウティネン、ジャン=ピエール・ダルッサン、ブロンダン・ミゲル、ジャン=ピエール・レオ出演。... [続きを読む]

受信: 2012-05-08 06:50

» ル・アーヴルの靴みがき [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。フィンランド・フランス・ドイツ合作。原題:Le Havre。アキ・カウリスマキ監督、アンドレ・ウィルム、カティ・オウティネン、ジャン=ピエール・ダルッサン、ブロンダン ... [続きを読む]

受信: 2012-05-08 22:33

» 『ル・アーブルの靴みがき』 港町人情噺 [Days of Books, Films]
Le Havre(film review) 『ル・アーブルの靴みがき(原題:Le [続きを読む]

受信: 2012-05-10 18:01

» ル・アーヴルの靴みがき [to Heart]
誰かを助け、誰かに助けられて生きてゆく 原題 LE HAVRE 製作年度 2011年 製作国・地域 フィンランド/フランス/ドイツ 上映時間 93分 脚本: 監督 アキ・カウリスマキ 出演 アンドレ・ウィルムス/カティ・オウティネン/ジャン=ピエール・ダルッサン/ブロンダン・ミゲ...... [続きを読む]

受信: 2012-05-13 01:18

» ル・アーヴルの靴みがき [だらだら無気力ブログ!]
現代のお伽噺のような素敵な内容。 [続きを読む]

受信: 2012-05-15 00:27

» 映画:ル・アーヴルの靴みがき Le Havre 濃密な画面は相変わらず、だが世間の絶賛とは逆に違和感が... [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
「マッチ工場の少女」「浮き雲」「過去のない男」「街のあかり」で定評のあるアキ・カウリスマキ監督。 その彼が、フランスの港町 ル・アーヴル Le Havre に生きる庶民を描いた人情ドラマ。 いつも通り、登場人物、場面、などの密度が濃く、一つのシーンだけで取って...... [続きを読む]

受信: 2012-05-18 04:44

» 「ル・アーヴルの靴みがき」 [ヨーロッパ映画を観よう!]
「Le Havre」 2011フィンランド/フランス/ドイツ マルセル・マルクスに「仕立て屋の恋/1989」「Ricky リッキー/2009」のアンドレ・ウィレム。 アルレッティに「街のあかり」のカティ・オウティネン。 モネ警視に「ダニエラという女/2005」「サン・ジャックへの道/2005」「画家と庭師とカンパーニュ/2007」「バレッツ/2010」のジャン・ピエール・ダルッサン。 イドリッサにブロンダン・ミゲル。 監督、脚本は「過去のない男/2002」「街のあかり/2006」のアキ... [続きを読む]

受信: 2012-05-24 22:26

» ル・アーヴルの靴みがき [映画的・絵画的・音楽的]
 『ル・アーヴルの靴みがき』を渋谷のユーロスペースで見ました。 (1)本作は、フィンランドのカウリスマキ監督の作品で、前作『街のあかり』(2007年)をDVDで見て印象深かったので(注1)、この作品もと思いました。  物語は、コンテナに隠れて密入国しようとしたア...... [続きを読む]

受信: 2012-05-29 20:12

» 今年の暫定トップ ル・アーブルの靴みがき 初アキ・カウリスマキ監督の世界に酔う [もっきぃの映画館でみよう(もっきぃの映画館で見よう)]
もっきぃです。 映画の感想は3ヶ月ぶりでしょうか?早いものです。 今日は実家に帰って、今年88歳になる母と映画をみてきました。 数年前まではひとりで京都から東京に行っていた母も、今では映画館に ひとりでいくことは難しく、体調がよく、他の予定もない日は、 「も...... [続きを読む]

受信: 2012-05-30 00:37

» さりげない人情味がおこす奇跡 映画“ル・アーヴルの靴みがき” [映画とライトノベルな日常自販機]
★★★★★ “素朴だけど裏通りで幸せに暮らす人々のちょっとした好意のおすそわけが奇跡へとつながる人情味は見ていて気持ちがいいです”フランスの港町ル・アーヴルで靴磨きを生業とする初老の男マルセルは、不法難民の取締から逃亡したアフリカから来た少年イドリッサと出会います。同じ頃最愛の妻の不治の病が発覚し先は長くないと告げられます。マルセルはイドリッサが母親に会えるように奔走しますが、警察の手は徐々に彼らに迫ります。そんな中マルセルの周りの人々が何かの見返りを期待することもなくさり気なく力を貸し、そんなちょ... [続きを読む]

受信: 2012-07-29 08:20

» 映画『ル・アーヴルの靴みがき』を観て [kintyres Diary 新館]
12-40.ル・アーブルの靴みがき■原題:Le Harvre■製作年・国:2011年、フィンランド・フランス・ドイツ■上映時間:93分■字幕:寺尾次郎■観賞日:5月19日、新宿武蔵野館(新宿) □監督・脚本・製作:アナ・カウリスマキ◆アンドレ・ウィルム(マルセル・マルクス)...... [続きを読む]

受信: 2012-09-01 20:53

» ル・アーヴルの靴みがき [いやいやえん]
素朴で優しい港の人々が主人公。 基本的に悪い人はでてこない。パン屋のおばちゃんも八百屋のおやじさんもカフェのおばちゃんも靴磨きの仲間も、警視も、みんな良い人なのだ。そんなわけなかろうと思いきや、主人公老夫婦もとても良い人で、でもってそれが不思議としっくり来る作風なのだ。 社会問題となっている難民問題を扱ってはいるものの、目線がとても優しい。フランスの港町ル・アーヴルを舞台に、靴みがきで生計をたてている初老のマルセルと、アフリカから不法入国した少年イドリッサとのふれあいを描く。 概略にあ... [続きを読む]

受信: 2014-03-31 10:17

« ジャド・アパトー製作、ポール・フェイグ監督『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(BRIDESMAIDS) | トップページ | ジェイソン・シーゲル&エイミー・アダムス&ウォルター&カーミット&ミス・ピギー&More…『ザ・マペッツ』(The Muppets) »